11月22日のブログで、「新金本位制」への移行の可能性について書きました。
これは、これまで海外から米ドル証券が海外から買われていたのは、1990年代からの株価高騰、2000年代の住宅価格高騰があったためですが、この2つの米証券買いを海外に促すドライバーが壊れた現在、1兆ドルとも2兆ドルとも言われているこれからのアメリカの財政支出を支えることが、今の世界経済ではできない、そのための解決策の1つでした。
その他に、これまでに議論されていることは、以下の2つがあります。
1.通貨バスケット方式
各国通貨とCRB指数などを加重平均してバスケットにする方式です。ロシアやサウジアラビアの主張。この変形版として、アメリカ、カナダ、メキシコを統合した新通貨圏を作る案も出ているようです。しかし、こちらはちょっと奇想天外過ぎますね。
2.ドル建て以外の国債の発行
例えば日本に対しては円建て国債、欧州に対してはユーロ建て国債をアメリカ政府が発行することで、特に金利が低い日本では日本の長期国債(現在10年物でたった1.3%程度)より高い金利をつければ、為替リスクなしですので金融機関が買ってくれます。
但し、これらはアメリカの基軸通貨国としての面子にかかわることです。
そこで、第3の方策としての、「新金本位制」への移行の可能性が、新ドル発行(新円、新ユーロ、新元など他通貨も巻き込み)での借金棒引きとセットで出てきている訳ですね。
更に補足すると、金には、通貨性のゴールドと商品としてのゴールド(金貨など)の2面性があります。中央銀行が金準備高として保有しているのは、ゴールドバーと呼ばれる通貨性のゴールドです。1999年段階で各国の中央政府が保有しているゴールドバーは3.35万トン程度と言われております。
(注:有史以来の金産出総量の約2割程度しかありません。なお、新規のゴールド産出量は年間2500トンであり、1オンス350ドル程度が産出コストです。)
しかし、この3.35万トンが本当に各国の中央銀行にあるのかどうかは誰も分かりませんが、1つ言えるのは、1999年9月のいわゆるワシントン合意で、金の金融機関へのリースを制限していることです。(このリース制度を利用して、金融機関は1-2%のリース料を払う代わりに、金鉱山へ3-4%の利ザヤを乗せて売ります。金鉱山は産出量を超えた需要に対して、このリースされた金を売り、後で金を生産して返します。)
リースをするに足るゴールドの保有量が、実際にはかなり減ってきているのではないかと推測します。
理論上は、各国政府・中銀が保有している金と、今後大幅に発行される貨幣量とのバランスがとれる値で、新金本位制下での金価格が決まる筈ですが、先日のブログのリンク先で書かれている、負債の10%の貨幣化で1オンス5300ドル、等の試算については、現段階では何ら裏付けが取れている訳ではありません。
いずれにしても、新金本位制、通貨バスケット制、ドル建て以外での国債発行、の3つぐらいしか、アメリカの今後の巨額のファイナンスを支える原資は出てこないものと思われます。
政策金利をゼロ金利に近づけながら、海外に新規米国債を1兆ドルも2兆ドルも買ってもらうことは、長期金利の急激な上昇を招き(これは日本にも波及)、それこそ各国政府財政の破綻を招くためできないと、筆者は思っております。
これは、これまで海外から米ドル証券が海外から買われていたのは、1990年代からの株価高騰、2000年代の住宅価格高騰があったためですが、この2つの米証券買いを海外に促すドライバーが壊れた現在、1兆ドルとも2兆ドルとも言われているこれからのアメリカの財政支出を支えることが、今の世界経済ではできない、そのための解決策の1つでした。
その他に、これまでに議論されていることは、以下の2つがあります。
1.通貨バスケット方式
各国通貨とCRB指数などを加重平均してバスケットにする方式です。ロシアやサウジアラビアの主張。この変形版として、アメリカ、カナダ、メキシコを統合した新通貨圏を作る案も出ているようです。しかし、こちらはちょっと奇想天外過ぎますね。
2.ドル建て以外の国債の発行
例えば日本に対しては円建て国債、欧州に対してはユーロ建て国債をアメリカ政府が発行することで、特に金利が低い日本では日本の長期国債(現在10年物でたった1.3%程度)より高い金利をつければ、為替リスクなしですので金融機関が買ってくれます。
但し、これらはアメリカの基軸通貨国としての面子にかかわることです。
そこで、第3の方策としての、「新金本位制」への移行の可能性が、新ドル発行(新円、新ユーロ、新元など他通貨も巻き込み)での借金棒引きとセットで出てきている訳ですね。
更に補足すると、金には、通貨性のゴールドと商品としてのゴールド(金貨など)の2面性があります。中央銀行が金準備高として保有しているのは、ゴールドバーと呼ばれる通貨性のゴールドです。1999年段階で各国の中央政府が保有しているゴールドバーは3.35万トン程度と言われております。
(注:有史以来の金産出総量の約2割程度しかありません。なお、新規のゴールド産出量は年間2500トンであり、1オンス350ドル程度が産出コストです。)
しかし、この3.35万トンが本当に各国の中央銀行にあるのかどうかは誰も分かりませんが、1つ言えるのは、1999年9月のいわゆるワシントン合意で、金の金融機関へのリースを制限していることです。(このリース制度を利用して、金融機関は1-2%のリース料を払う代わりに、金鉱山へ3-4%の利ザヤを乗せて売ります。金鉱山は産出量を超えた需要に対して、このリースされた金を売り、後で金を生産して返します。)
リースをするに足るゴールドの保有量が、実際にはかなり減ってきているのではないかと推測します。
理論上は、各国政府・中銀が保有している金と、今後大幅に発行される貨幣量とのバランスがとれる値で、新金本位制下での金価格が決まる筈ですが、先日のブログのリンク先で書かれている、負債の10%の貨幣化で1オンス5300ドル、等の試算については、現段階では何ら裏付けが取れている訳ではありません。
いずれにしても、新金本位制、通貨バスケット制、ドル建て以外での国債発行、の3つぐらいしか、アメリカの今後の巨額のファイナンスを支える原資は出てこないものと思われます。
政策金利をゼロ金利に近づけながら、海外に新規米国債を1兆ドルも2兆ドルも買ってもらうことは、長期金利の急激な上昇を招き(これは日本にも波及)、それこそ各国政府財政の破綻を招くためできないと、筆者は思っております。
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