ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「想定された値を超えない保証が無い。設計条件が整っていない。そういうもので原発はできている」後藤氏

2015年04月07日 | 日本とわたし
『高浜発電所に関する原子力規制委員会の審査概要について』
このビデオはシェアできないように設定されているので、ここに直接載せることはできません。
何回も聴き直していますが、守田さんが内容の要点をまとめながら文字起こししてくださったので、それをここに連続して転載させていただきます。

福島原発の事故でもう嘘がつけなくなったのか、重大事故は発生するけど精一杯の対応は考えました、という路線に変更したようです。
福島原発事故の修復のうち、最も重要な汚染問題や核燃料の始末に対して何の解決もできないままの人たちが、
いったいどのツラ下げてこんないい加減なことを決め、そのいい加減さをサラリと棚に上げて、こんなビデオを流せるのか…。

もう二度と、原発の重大事故など、日本の領土内で起こしてはなりません。
重大事故を起こしうる自然現象の可能性があるのなら、なおさらのこと、原発は稼働させてはなりません。
原発を取り巻く人間環境はまだ、ほとんど改善されていません。
これまでの原発社会が、どれほどいい加減だったか、それほど嘘にまみれていたか、それを知った今では、到底認めるわけにはいきません。

後藤さんはこうおっしゃっています。

「実際にはもっと⚪︎⚪︎だったので、後になってそうなった理屈を作る。
そんなことが日常になっている人たちと組織、
そういうもので原発はできている

例として、立地場所の地殻についても、今は三次元構造を調べろとなっている。
しかし、信頼性は極めて低いと考えている。
いくらでも計算なんかできるし、計算は無限に作れる
しかし、地層を調べたからと言って、そんなに簡単に予測が当たるとは思わない
実際には相当なずれがある。
こういう不確かなものをもって、断層があるとかないとか、揺れの力がどうかと、こういうことを全体像で見たときに、
現在の設計基準地震動があてにならないことは、この議論だけでもそう思う

地震学者はもっといろいろなことを言っている。
そうすると、想定された値を越えないという保証はないし、設計をするための条件が整っていない


↓以下、転載はじめ

原発再稼働に向けた新規制基準は大事故を前提にしている!
2015年03月28日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3d3e4b0cb07ae7a68734a3b52c9c693f

守田です。

高浜原発再稼働に向けて、原子力規制庁は、新規制基準への合格内容を説明するために、3月3日から高浜町のケーブルテレビでビデオを流し出しました
以下から内容を見ることができます。
なお、原子力規制庁のHPにも、この動画がアップされています。

高浜発電所に関する原子力規制委員会の審査概要について
https://www.youtube.com/watch?v=azZk3mPHUrg

非常に重要な内容なので、文字起こししました。
長いので何回かに分けます。
今回は冒頭の、福島第一原発事故の教訓と、新しい規制基準のポイントを説明したところだけをご紹介しますが、重大な内容がさらりと語られています。
端的に、新しい規制基準では重大事故が防げないことを前提にしている、ということです。

すでに多くの方が、この点に対する批判を行っていますが、僕はもっとこの点をハイライトすべきだと思います。
福島第一原発の教訓を踏まえて、重大事故を絶対に起こさないようにする・・・とは言ってないのです。
起こさないように努力するが、それでも重大事故は発生しうる前提に転換したのです。
大事故がありうることを前提に再稼働を認めると言っているのです。

事実、規制委員会は繰り返し、「新規制基準に通ったからと言ってその原発が安全だとは言わない」と述べています
重大事故は起こり得るので対策した
安全ではないが、精一杯の対応は考えた、と言っているのです。
この点を、もっともっと多くの人々に伝えるべきです。

このビデオは、その点が短く説明されているので分かりやすいです。
ぜひこのビデオをご覧になり、原子力規制庁が新基準規制に通った原発でも、「重大事故は発生しうる」と述べていることをつかんでください。
これは事実上、重大事故の発生を完全に防ぐことはできないことを公言していることに他なりません。
そんなプラントの運転など、社会的に認めてよいわけがありません。

以下、ポイントを文字起こししました。ご覧下さい。

*****

高浜原発3号炉、4号炉設置変更に関する審査結果についての説明
原子力規制庁 山形浩史 原子力規制部安全規制管理官(PWR担当)

高浜原発の審査内容の前に、福島第一原発事故の教訓と、新規制基準のポイントを説明したい。

【福島第一原発事故の教訓について】
福島第一原発事故では、地震と津波により発電所の全ての電源が奪われ、原子炉を冷却できなくなった。
地震、津波などによって、安全機能の複数、非常用発電機、蓄電池、電源盤などがダメになった。
このような複数の喪失を起こさないようにすることが、第一の教訓だ。

また、福島第一原発事故では、事故の進展を途中で止められなかった。
最終的に、建屋の水素爆発を起こした。
放射性物質を閉じ込める格納容疑が壊れ、放射性物質が、発電所の敷地外まで大量に放出された。
これに対して、当時の規制基準では、格燃料が溶けてしまったり、放射性物質が大量に外に漏れるような重大事故を発生させないことを重視し、
重大事故の起きた後の対応が、十分にできていなかった

このため重大事故が発生しうると考え、あらかじめ可能な限り対策をとっておくべきというのが、第二の教訓だ。


【規制基準の変更について】
① 旧規制基準のポイント
想定しなければならない自然現象の種類が限定的だった。
例えば、地震についてはさまざまな想定していたが、津波についての基準はほとんどなかった
規制の考え方として、そうした自然現象は想定の範囲を超えることはほとんどないという考え方に立っていた

安全確保のために設備を多重化すること、例えば、注水ポンプを2台にと求めていた。
ところが、2台が同時に壊れることは考えていなかった
基準を満たせば、核燃料が溶けたり、放射性物質が外部に大量に放出する可能性のあるような重大事故につながることがないよう、対策を問題なく行うことができると判断していた
つまり基準を満たせば大きな事故はおきない
しかも、対策の中身は設備面での対策を重視していた、ということになる。

② 新規制基準のポイント
平成25年7月に新しく作られた規制基準は、こうした反省、教訓をしっかりと踏まえ、考え方を大きく転換している。
一つ目の見直しは、自然現象など、重大事故の原因になりうる事象の想定を厳格にしたことだ。
例えば、施設の設計にあたって、想定する地震や津波を厳しくするとともに、竜巻などの自然現象への対策森林火災、内部溢水などの対策を新設したり強化した
発電所内の電源が使えなくなった時のために、発電所内の非常用電源を手厚くするなど、電源確保の要求も厳しくした

その上で、対策はしっかりしているから事故は起こらない、という従来の考え方を大きく転換。
それでもなお事故が発生しうるという発想にたち、万が一、重大事故が発生したときに備えた対策を、あらたに求めることにした。
原子炉を止めたり、冷やしたりすることがうまくいかなかった場合でも、原子炉が壊れないように、事故を食い止めるための設備や手順、体制の整備
さらに、原子炉が壊れないための対策も失敗し、原子炉が溶けて核燃料が溶けてしまっても、外側の格納容器が壊れないようにするための対策を新たに求めている



福島の教訓に基づく重大事故対策などまだできるわけがない!
2015年03月29日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/8718f402298f072498d32eb7f59478f8
全体で29分のビデオの8分55秒から17分10秒までの分です。
当該ビデオを掲載している原子力規制委員会のHPも紹介しておきます。

高浜発電所に関する原子力規制委員会の審査概要について
https://www.youtube.com/watch?v=azZk3mPHUrg

原子力規制委員会
http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/shinsa_setsumei.html

ここで原子力規制委は、関電の対策への審査ポイントを説明しています。
福島第一原発事故の教訓に基づき、前半で重大事故防止策について、後半で重大事故が防止できなかった場合の対策について、となっています。
前回も述べたように、重大事故を防止できなかった時の対策を云々する時点で、つまり重大事故発生が完全には防げないと認めている時点で、再稼働はまったく認められませんが、
今回は、重大事故対策そのものも信用性が低いことを指摘します。
一番のポイントは、元原子炉設計者の後藤政志さんなどが繰り返し指摘しているように、
規制委が「福島第一原発事故の教訓」などと言っても、そもそも事故そのものがまだ解明されていないことです。
放射線値が高すぎて、全く内部が見られないからです。

それどころか、事故は継続中です。
汚染水の発生から明らかなように、格納容器のどこかが壊れているのは確実ですが、肝心のどこかが分かっていない
事故がどのように進展してどこが壊れたのかも分からないのです。
それでなぜ対策ができるのでしょうか

原子力規制委員会が打ち出した新審査基準は、今、分かっている事象だけへの対策を考えることであり、事故の全体への対策になっていないのです。
後藤さんはこれを、「事故のつまみ食い」と指摘しています。
福島第一原発事故の教訓を踏まえるというのなら、当たり前のことですが、事故のすべてが分かってからでなくてはなりません。
それでなければ、対策をしたなどとはとても言えません。
何せ、対策を施すべき対象が分かっていないのだからです。

その上で、最も大きなポイントである、地震対策への批判も行っておきたいと思います。

ここで規制委は、断層について述べていますが、しかし最近、断層について分かってきた知見として、
地層は固いものの上に柔らかいものが乗って構成されているのだけれども、下層と上層が必ずしも同時に動いてはいないと言う事実があります。
重要なのは、上層の柔らかい層が動かなかった場合は、その下で起こっている地震の揺れを断層として把握できないことで、
実際には、7割ぐらいが、このような構造になっているということです。
要するに、現代科学はまだ、断層を完全に把握できていないのです。

同時に規制委は、高浜原発の設計基準地震動を、550ガルから700ガルに引き上げたと言っています。
しかし、そもそも地震の揺れの大きさは、このように簡単に解析できるのか。
この点で重要なのは、8年近く止まっている柏崎・刈羽原発を襲った2007年中越沖地震の地震動です。
この原発の設計基準地震動は、450ガルでした。
しかし、実際には、1699ガルの地震動がここを襲ったのでした。
4倍もの揺れでした。
その後、東電は、地層の解析を行って、なぜ予想の4倍になったのかを説明していますが、
実は、後になって、4倍になった理屈など幾らでも作ることはできます

重要なのは、450ガルと解析したものが1699ガルと、4倍もずれていたということで、
むしろそこでは、現代科学ではまだ、地震動の揺れを正確に捉えることができないことの方が、クローズアップされたのでした。
にもかかわらず、この重大問題に目を伏せたまま、規制委は、今回も、550ガルから700ガルに上げたから重大事故対策になっていると語っています
しかし、実際に起こりうる地震が700ガル以内であるという科学的保証などないのです。
ここから明らかなことは、断層の把握の面から言っても、地震動の把握の面から言っても、原発を設計するだけの条件が整っていないことです。
したがって、今回の対策が、重大事故を引き起こしうる地震への備えになっているとはとても言えません

なお、今回の地震対策に関する検討は、後藤政志さんの以下の講演に学んで作成しました。
ぜひこちらもご覧下さい。

後藤政志(工学博士)川内原発が溶け落ちるとき-元・原子炉格納容器設計者が問う原発再稼働
2015年1月31日 薩摩川内市まごころ文学館にて講演 該当内容は27分30秒から36分23秒まで
https://www.youtube.com/watch?v=4QEwDJhrwFE&feature=youtu.be

以下、原子力規制委の説明部分の文字起こしを掲載します。

*****

新基準規制にのっとって関電がこうじるとした、重大事故を防止する対策に対し、原子力規制委の審査のポイントを説明する。

【地震への対策について】
地震への対策において重要なのは、想定する最大の揺れを評価すること。
その上で、発電所の重要な施設は、その揺れに耐えなければならない。
発電所を設計するために設定する地震の揺れの大きさを、基準地震動という。
この設定が適切に行われたかどうか審査した。
例えば、地震を起こす可能性のある敷地周辺の断層の評価で、関電は当初、若狭湾にあるFO-A断層とFO-B断層が連動して活動すると評価していた。
しかし、審査の結果、内陸側にある隈川断層の連動も考慮する必要がある、という結論に達し、3つの断層が連動して活動するものと評価することにになった。
その他、地震動の大きさを決める上で重要な、地震発生層の範囲などについても見直しが行われた。
その結果、基準地震動は、申請当初の最大加速度550ガルから、700ガルに引き上げられた。

【津波への対策について】
原子力発電所の津波対策は、福島第一原発事故の大きな教訓だ。
地震対策と同様に、想定する最大の津波である「基準津波」を設定した上で、津波が到来しても、原子炉の冷却機能など重要な機能を損なわないように防護する必要がある。
基準津波の審査では、海底の断層で発生する津波の想定を見直し、地すべりとの組み合わせを考量することを求めた
その結果、津波の高さが放水路の奥で最高6.7メートルとなり、対策を講じなければ、原子炉建屋など重要な施設のある3.5メートルの敷地に、津波が到達する可能性のあることがわかった。
そのため、放水口側に、高さ8メートルの防潮堤、水路の途中に、高さ8.5メートルのゲートを設定するなど、津波侵入を防ぐ対策を講じることになった。
審査では、ゲートの閉め方を多重化し、津波が到来した時に確実に閉められるようにする方針についても確認を行った。

新基準では、地震、津波以外にも、さまざまな自然現象や人為事象を想定するとともに、これらの組み合わせを想定することも求めている。

【新たに追加された竜巻への対策について】
審査では、秒速100メートルの竜巻に対して車両が飛ばされないようにする対策や、竜巻によって飛んでくるものから守るための対策を確認した。
海水ポンプ室を竜巻によって飛んでくるものから守るための設備を設置。
設備面の対応だけでなく、竜巻対策のための設備の操作手順、教育・訓練の定期的な実施、運用面の対応方針についても確認した。

【あらたに追加された森林火災対策について】
審査では、施設外の火災の熱による壁や天井の表面温度を押さえることや、有毒ガスが運転員の作業空間へ影響を及ぼさないようになっていることを確認した。
森林火災対策として、森林伐採により18メートル以上の防火帯を設定し、施設を森林火災から守るようにしている。
防火帯の維持、管理、初期消火活動のための手順、教育・訓練の定期的な実施。
このような運用の方針についても確認した。

【新たに追加された内部溢水対策について】
施設の内部には原子炉や、設備を冷やすための多くの水がタンクや配管にある。
これらの水が、例えば地震の影響によってあふれ出し、設備が浸かったり故障することが考えられる。
審査では、まず水に浸からないようにする。また、水に浸かったとしても故障しないことを確認した。
水や蒸気がかからないようにする。水や蒸気がかかっても故障しないことを確認した。
水に浸からないようにする堰や、水がかからないようにする保護カバーなどを設置した。
設備面の対応だけでなく、保護カバーの保守管理、水密ドアを閉じる手順、教育・訓練の定期的な実施など、運用面の方針についても確認した。

【電源の確保について】
福島第一原発事故の大きな原因は、地震と津波により電源のすべてを失ったことにあった。
このため、新規制基準では、電源設備について厳しい要求を課している。
常設の非常用電源を含めたすべての電源が喪失した場合、つまり、全交流電源喪失の場合の対策として、
すべての電源を喪失しても、原子炉の冷却に必要な電源を確保することを求めている
審査では、その対策として、例えば空冷式非常用発電装置や電源車を設置し、原子炉にタンクから水を注水するためのポンプの電源も確保するものとなっていることを確認した。
外部からの支援を受けられないときに備えて、発電所内に7日分の電源用燃料を確保することを確認した。



原子力規制庁・新規制基準の断層と地震動想定のあやまり(後藤政志さん談)
2015年03月30日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/a3f0e8c33a857d8a36a56280845eedc1
今回はその際に参考にした元格納容器設計者の後藤政志さんの講演内容の文字起こしを掲載することにしました。
内容的に重複しますが、重要な点なので、何度も押さえていただきたいと思うのです。

以下、文字起こしをお読み下さい。
いつものように、「守田がこう聴き取った」という内容であることにお踏まえください。

*****

後藤政志(工学博士)川内原発が溶け落ちるとき~元・原子炉格納容器設計者が問う原発再稼働~
2015年1月31日 薩摩川内市まごころ文学館にて講演 27分30秒から36分23秒まで
https://www.youtube.com/watch?v=4QEwDJhrwFE&feature=youtu.be


地震について、1月半ばのNHKの番組で、興味ある内容が出された。
地震には、海洋の中でプレートが大きく動いて起こる地震と、プレート内部に断層ができてそこで起こる地震とがある。
固い断層の上に柔らかい断層が乗っていて、固い地層が動くと上の柔らかい地層動いて、地表に断層が見えるようになる。
これで長さなどを測定して、計算して、活断層に対する予測を立てている。

ところが今回、テレビでやっていたのは、固い地層は動くが上の柔らかい地層は動かず、地表に断層が見えない場合だった。
こうしたことがあることは、前から知っていた。
私が驚愕したのは、最近の例を見ると、半分以上が見えない側だと言われていることだ。
分かっているのは、見える側だけで3割くらい
一生懸命に活断層かどうかと話をしているが、そもそも活断層は本当に把握できるのか
そう思ってやることは非常に危ない。

逆だ。
見えない場合はどうなるのかということを、中に組み込まなくてはいけない
今の原子力規制の問題点は、ここに活断層があると判断する。
二本離れたところにあったら、別々の活断層だと判断している。
今はそんなことは言いきれない。
繋げて考えなさいと変わった。
そもそも、活断層が見えないときにどうするかという問題がある

原子力の方では、こういう活断層をもとに評価すると同時に、震源がどこか分からないこともあるので、一応、活断層のないところも検討すると言っている。
ただし、その地震の大きさがマグニチュード6.5とか、小さなものを想定している
もっと大きなものを想定していない。
石橋克彦さんが主張していることだが、これでは評価が甘い
7.2とか7.3レベルをあらかじめ考えておくべきだ。
それ以外に方法がない。

2007年の中越沖地震による柏崎刈羽原発の揺れを参考にしたい。
この原発の設計基準地震動は、450ガルだった。
980ガルが1G、重力加速度だ。
450ガルは、自分の体重の半分の力で横に揺らされる。
60キロの体重の人なら、30キロの力で揺すられる。
これで原発を設計しています、ということだ。
ところが、実際にあったのは1699ガル、約4倍だった。
設計する側から言えば、壊れて当たり前だ。
壊れなかったらまあ運のいいことという値で、柏崎では軒並み壊れた。

ただし、原子炉や大きな配管などの、メインの部分は壊れなかった
それで東電は、地震に対して丈夫だとうそぶいた
とんでもない
地震は値だけでなく、揺れに違いがある。
大きく揺れる場合も小刻みに揺れる場合もある。
揺れの周波数が同じものは、共振して揺れが大きくなるので、一回の地震で大丈夫だなどというのは、まったく非科学的だ。

同時に問題なのは、なんで4倍も揺れたのかだ。
地震発生源から地表に来るまでに、減衰して450ガルになると考えて設計していた。
ところが4倍になった。
なぜかと東電が調べたら、まず地層のところで、揺れは1.5倍に評価すべきだったことが分かった。
同時にいろいろな層を伝わっていくときに倍化されていって、地上では4倍になったと言う。
あとだしじゃんけんもいいところだ。
最初は450ガルといって作った。
実際にはもっと揺れたので、後になって4倍にもなった理屈を作っただけだ。
そういうもので原発はできている

今は一応、地殻の三次元構造を調べろとなっている。
しかし、信頼性は極めて低いと考えている。
いくらでも計算なんかできる
4倍になる計算は無限に作れる
しかし、地層を調べたからと言って、そんなに簡単に予測が当たるとは思わない
実際には相当なずれがある。
こういう不確かなものをもって、断層があるとかないとか、揺れの力がどうかと、こういうことを全体像で見たときに、
現在の設計基準地震動があてにならないことは、この議論だけでもそう思う

地震学者はもっといろいろなことを言っている。
そうすると、そもそも、設計をするための条件が整っていない
想定された値を越えないという保証はない
津波も同じだ。



新規制基準の重大事故対策はあまりに非現実的でむしろ危険だ!
2015年04月06日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/d4c8272d4c01e698efd2e68600b4b4af

「重大事故最終回をお届けします。全体で29分のビデオの17分10秒から24分40秒までの分です。

高浜発電所に関する原子力規制委員会の審査概要について
https://www.youtube.com/watch?v=azZk3mPHUrg

ここでは、重大事故が起こった時の対応について書かれています。
再三再四、指摘したように、このように重大事故が起こった時を想定しているだけで、私たちは原発の再稼働を認めることはできません。
少なくとも、新規制基準が、政府が言っているような「安全」を宣言したものではなく、
設計段階での安全対策がすべて突破された、という意味での重大事故が起こりうることを想定したものであることを、もっとはっきりと内外に示すべきです。
そして、この国に住まう人々に、そんな危険までおかして、足りないわけでもない電気を作る必要があるのかどうかを問い
その上で合意ができたというのであれば、重大事故を想定した避難計画を、しっかりと作るべきなのです。

実際には、現時点でも再稼働反対の方が多数派なのですから、そこまで事実を明らかにすれば、それだけで再稼働への道は完全に閉ざされるに違いありません。
ぜひ多くのマスコミの方に、この点をクローズアップした報道をもっとして欲しいと思います。
新規制基準は、安全どころか重大事故の発生を認めるものである、という点をです。
その点を踏まえた上で、ではその重大事故対策はどうなのかと検討してみると、それ自身もかなり非現実的なものでしかないこと、
そればかりか、むしろ大きな危険性をはらむものである点を、今回は明らかにしたいと思います。

ここで書かれているのは、重大事故が発生し、従来の原子炉を「止める」、核燃料を「冷やす」、放射能を「閉じ込める」機能が壊れてしまったときの対策です。
まず、「止める」対策では、制御棒=原発のブレーキが入らない時を想定しています。
その時に、水の温度を強制的にあげて出力を下げることと、ホウ酸水を投入することが言われています。
しかし、そもそももともとのブレーキ装置である制御棒が入らない、何らかのトラブルが発生しているのです。
それでどうして、これら二つの対策がうまくいくと考えられるのでしょうか
これはもう希望的観測でしかありません

「冷やす」対策でも、海水ポンプが壊れたら、移動式の大容量ポンプで対応すると言っています。
しかし福島では、これはまったくうまく行かなかったのです。
いろいろな要因がありますが、実際の配管があまりに複雑になっており、しかも事故時で、どこのバルブが正常でどこが壊れているかも分からない状態だったから、
実は、水は原子炉に向かわずに、ほとんど違うところに行っていたのでした。
しかも、ほんの少しだけ注水されたために、かえって炉内に大量に水蒸気を発生させました
それが核燃料を被覆しているジルコニウムと化学反応を起こさせて、激しく熱を出させました。
結局、それが被覆に亀裂を生じさせて、冷却するどころか、かえって放射性物質の漏れ出しを促進してしまったのですが、その事実自身がなかなかわからなかった。
水がほとんど入ってないことも、数年経ってからやっと解析されたのでした。

さらに、閉じ込める対策で極めて特徴的なのは、
「たとえば急激に原子炉の水が喪失し、水の補給が間に合わない場合、原子炉内の燃料が溶け」と、メルトダウンそのものはもう起きても仕方がないという言い方になっています。
その上で、格納容器内に水をスプレーすることで、下部に水を溜め、圧力容器を突き破って落ちてくる核燃料を水で受け止めるとしています。
これは、おなじ加圧水型原発である川内原発でもとられている対策です。

しかし、本当に水が溜まるのか。
というのは、もともと水を溜めるように設計したわけではないので、こういう「思いつき」には信頼性などないのです。
水が溜まらなければ、核燃料がコアコンクリート反応を起こし、激しく水蒸気を出しながらさらに潜ってしまう
一方で水が溜まっているのなら、反対に、かえって水と核燃料の接触で水蒸気爆発を起こす可能性ができてしまう
水をスプレーすることで危険性を増やしてしまうのです。
そうならないというのは、希望的観測でしかありません

また、水素対策も問題があります。
沸騰水型とは違って、加圧水型は、内部に窒素が充填してないので、水素濃度が高まると水素爆発を起こす可能性が沸騰水型よりもはるかに高いのですが、
そのための、水素を水に還元する装置を付けると言っています。
しかしこの装置は、川内原発の場合だと、1時間に処理できる水素量は1.2㎏に過ぎません
これに対して過酷事故では、500キロから900キロもの水素が出てくる
このため、こんな装置をつけても焼け石に水にしかならない。
そのためもう一つ、イグナイタという水素燃焼装置がつけられています。
水素濃度が上がる前に燃やしてしまおうと言うのです。

しかし、他の装置が次々と壊れる過酷な状態にあるわけですから、この装置が正常作動しない場合も十分あり得る
水素が出始めたので作動しようとしたら動かない。
必死になって何度か作動を試みてやっと動くようになったときは、水素が危険濃度を越えていて、作動したとたんに水蒸気爆発そのものが起こってしまう。
そうなったら、この装置は自爆装置になってしまいます
この場合、格納容器が内側から爆発を起こすのですから、考えられる最悪の被害が発生してしまいます
炉内の放射能のすべてが飛散してしまいかねないからです。
閉じ込めるどころか、内側から爆破で飛び散らせかねないのです。

このように結局、つけ刃的な重大事故=過酷事故対策は、まったく現実性がなく
むしろ、水蒸気爆発や水素爆発の起爆装置になりかねないような、新たな破局的危機を抱え込んだもの
でしかありません。
ブレーキが効かないときの応急対策といいつつ、むしろ絶望にむかってアクセルを強めかねないものでしかないのです。
繰り返し主張してきたように、過酷事故対策そのものが認められませんが、その中身を見ると、
重大事故時に、より破局を呼び寄せる可能性のあるものでしかなく、とうてい認められるものなどではないことをおさえておきたいと思います。

なお今回も、ポイントとなる視点は、後藤政志さんより学びました。
詳しくは以下をご覧下さい。

後藤政志(工学博士)川内原発が溶け落ちるとき~元・原子炉格納容器設計者が問う原発再稼働~
2015年1月31日 薩摩川内市まごころ文学館にて講演 1時間5分45秒から1時間23分40秒
https://www.youtube.com/watch?v=4QEwDJhrwFE&feature=youtu.be

これらを踏まえて、以下、関電の説明の文字起こしをお読み下さい。

*****

これまでは主に、重大事故の発生を防ぐ審査について説明してきた。
続いて、重大事故の発生に備えた審査について発表する。

重大事故の発生防止を講じたとしても、それでもなお重大事故は発生しうると考え、あらかじめ可能な限り対策をとり、
万一発生した場合には、事故の進展を食い止めるようにできるようにすることが大切だ。
その対策としては、
重大事故が発生してしまうような状態においても、原子炉を確実に「止める」対策、
核燃料が溶けることを防ぐために「冷やす」対策、
または、溶けた後においても「冷やす」対策。
放射性物質を格納容器内に「閉じ込める」対策、というステップで考えていくことができる。

この「止める」「冷やす」「閉じ込める」というキーワードに基づいて説明したい。

「止める」対策について
原子炉に異常が起きたときには、制御棒を入れて原子炉を止める必要がある。
しかし制御棒が入らない場合は、原子炉の出力を下げられず大きな事故につながる恐れがある。
これまでも、制御棒の挿入については厳しく審査してきた。
それでもなお、新規制基準では、制御棒が入らない、入れられない場合も想定して、原子炉を止める対策を求めている。
例えば、原子炉の水の温度を強制的にあげて出力をさげるという原子炉の性質を利用した対策や、原子炉出力を下げる効果のあるホウ酸水を入れる対策を確認した。

「冷やす」対策について
新規制基準では、既存の対策が機能しない場合でも、炉心への注水と減圧を行うとともに、原子炉の熱の逃がし場を確保することにより、原子炉内を冷やし、炉心を損傷させないことを求めている。
高浜発電所3号炉、4号炉では、例えば余熱除去ポンプが壊れた場合に、現場でも操作可能な弁をあけるとともに、追加した注水ポンプを活用して、炉心への注水を行うことになっている。
海水ポンプが壊れた場合に、移動式の大容量ポンプを用いて、海水を冷却器に送り込み、最終的に炉内の熱を海に逃がす手段を確保している。
原子力規制委員会の審査では、このように既存の対策が機能しなくても、原子炉を冷やすことができるかどうかについて審査した。

「閉じ込める」対策について
こうした「止める」「冷やす」ための対策を講じていても、さらに燃料の損傷に至るような事態が避けられない場合を想定し、放射性物質を閉じ込める対策を求めている。
たとえば、急激に原子炉の水が喪失し、水の補給が間に合わない場合、原子炉内の燃料が溶け、原子炉容器の外に溶け落ちて、格納容器内の圧力と温度が上昇する。
また溶け落ちた燃料がコンクリートを損傷し、格納容器の閉じ込め機能が失われる可能性がある。

高浜発電所3号炉4号炉では、格納容器の上部から水を噴射したり、格納容器内を自然対流により、冷却するための装置に海水を供給し、格納容器内の圧力と温度を下げることにしている。
格納容器のスプレーによる水は、格納容器の下に溜まり、溶融した燃料を受け止め冷やすことで、コンクリートの浸食を抑える効果もあるとしている。
さらに、核燃料が溶けると水が反応して水素が発生する。
一定の濃度を越えると、格納容器内の酸素と反応して、激しい水素爆発を起こす可能性がある。
高浜発電所3号炉4号炉では、水素爆発を防ぐ対策として、水素を強制的に燃焼させて減らす装置、電源がなくても水素と酸素を反応させて水に変える装置を設置している。
審査では、このように格納容器の破損原因となる圧力と温度の上昇、コンクリートの浸食、さらには激しい水素爆発を防ぐ対策が講じられていることを確認してきた。

これまで主に、ハード面の対策を中心に説明してきた。
そうした対策を有効に機能するためには、それらを使うための人がいるか、体制ができているか、手順は整備されているか、実際に使うための訓練がされているか、いわゆるソフト面の対策が重要だ。
審査では、重大事故の発生を想定した緊急時の体制や訓練として、注水活動、緊急時対策所での指示、情報把握の活動を確認していること。
人員の招集や機材の運搬に必要な、アクセルルートを確保することを確認している。
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2015年04月07日 | ひとりごと
「今度の土曜日、庭で机を作ってもいいですか?」

まなっちゃんがおずおずと聞くので、そんなことにおずおずしないでいいんだよ、という気持ちをいっぱい込めて、

「机でもなんでも作りたいもんを作りんしゃい!」と答えた。

雨が降ると予報が出ていたのに、なかなかの上天気。
ただ、冷たい風がビュウビュウ吹き荒れている。
そんな中、ふたりは近所のホーム・デュポに出かけて行った。


希望の寸法に切り分けてもらい、さっそく作業開始!


と、ほんの数分経ったところで問題発生。
お気に入りの、IKEAで買った9ドルの電動ドリルが、全く役に立たない。
う~ん…。
かといって、手力でしようものなら、どうしようもなく時間がかかる。
ちょうど、うちにもちゃんとした電動ドリルが必要だと思っていたので我々が買って、ふたりに使わせてあげようということになった。

ドリルが手に入ったので、再び作業開始。


みるみるうちに出来上がり、まなっちゃんのお店『FLOWER FOR EVERYTHING』のウェブサイトのための写真撮影のために飾りつける。






彼女の夢は花。
彼女の花はどれも優しくて温かくて、見ているだけでほっこりする。
今はうちの3階でコツコツやっているだけだけど、いつの日か大きく窓が開き、そこから彼女の夢の花びらが、風に乗っていろんなところに運ばれていくのだろう。


さて、こちらは花より団子。うっとり…、


そして彼らは、毎年厳しい冬を越えて、まず最初に姿を見せてくれる花さんたち。








カエデの爺さんにも春が来た。


まん丸のお月さまが出た次の日、




裏庭に突如現れた若者たち。


ドアをバーンと開けてわたしが外に出ても、別にな~んにも気にならない様子。
そればかりか、網が外れているところから、堂々と畑の中に…。


ちょ、ちょっと、そこのあんた、とばかりに駆け寄っていくと、なんとも優雅なジャンプで外に出た鹿さん。
すごいなあ~と単純に感心しているわたしの横で、「もしかしてジャンプしたら畑に入れるって覚えたかも…」とボソッと言う夫。
そんな不吉なことを言わないでほしいもんだ。





よくよく見ると(こんなに近づいてもええんかいな…とこっちがビビるぐらいに近づいている)、まつ毛が長くて可愛らしい。




そして最後に、このおばちゃんは、今年の年末に開かれるカーネギーの、600席の中ホール(ザンケルホール)でのコンサートのためのオーディションを、ソプラノのポーレットと一緒に受けることにした。
曲は3曲。
プッチーニの『LA RONDINE』とプーランクの『LES CHEMINS DE L'AMOUR』とブラウンの『LOVE IS WHERE YOU FIND IT』。
彼女とは前に、隔月のコンサートで一度、一緒に演奏したことがある。
今度はあの舞台かぁ~…などと、演奏している自分たちを想像すると、もう今からワクワクどきどき♪
これぐらいの厚かましい夢を持つことが、オーディションへのエネルギーになる…かな?

今年から始めた新しい指慣らし。
スケールを全調、そしてバッハのインヴェンションを全曲、少し抑え気味の音で弾く。
わたしの師匠のそのまた師匠はなんと、指慣らしにショパンエチュードを全曲パラパラパラ~っと弾いておられた。
わたしには多分、一生かかっても無理だろうと、聞きながら思ったものだ。
まあ、人それぞれの能力に合ったことをすれば良い。
無茶は続かないのだから。
そして、続かないところに夢はやってこない。

さてと、やっとこさ確定申告の超~めんどっちい書類作成も終わったことだし、また練習に精出すか。
コメント (2)
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