ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

手前味噌と停電と

2016年07月14日 | ひとりごと
子どもの頃からすっかり大人になるまで、蓄膿症だと言われてきました。
日本に居る頃は、鼻水が流れ出てくるか、どこかで詰まっているか、そのどちらかで、アレルギーの季節などは、ティッシュを小さく固めたのを、両方の鼻の穴に詰め込んでいないと、うつむくこともできないほどでした。
だから、トイレ掃除はもちろん、他人の吐瀉物の掃除も、臭いをあまり感じることができないので、よく引き受けていました。

同じく鼻づまり歴が長い夫が、こちらに引っ越してからしばらくして急に、
「どうもボクは、醤油とか味噌とかが体に合わないみたいだから、できるだけ食べないようにする」と言い出して、
えぇ〜!!そんなぁ〜!!料理するときめっちゃ困るやん!!と、最初はパニックになったのですが、
ある時ハッと気づいたのでした。
わたしももしかしたら、お味噌や醤油にアレルギーがあるかも…。
たま〜にお味噌汁などを作って飲んだ後、必ず鼻の奥が熱くなり、詰まってしまうのです。

わたしもか…。

かなり落ち込みました。
だって、お醤油とお味噌は、料理に欠かせないものだったからです。
それからは、とりあえず、煮物はひとつまみのお塩だけ、お味噌汁は二月に一度ぐらいに減らしていました。
ところが、3年前の春に、お味噌作りをしている友人からもらった手作り味噌を使って作ったお味噌汁は、飲んでも全く何も変化無し。
え?なんで?オーガニックの大豆だったから?

実は、原因は、大豆ではなく、小麦だったようです。
夫の母が、そして次に夫が始めた小麦断ち。
それを横目に見ながら、悪いけど、小麦断ちだけはわたしにはできない!と、心の中で断言していました。
パンもパスタもうどんもラーメンも、それからお好み焼きもたこ焼きもパンケーキもクレープも餃子も天ぷらも、わたしの大大大好物なのだから。
と、始める気なんて毛頭無かったのですが…。
指のへバーデン症を治すために、カフェイン抜き、アルコール抜き、甘いもん抜きを命じられてしまい、かなりやけくそになっていた時に、友人のあさちゃんから小麦(グルテン)フリーを勧められ、
もうこの際ついでだ!と、思い切って小麦断ちも始めたら、出てくる出てくる、隠れグルテンの食品の数々?!
お味噌はもちろん、醤油も、小麦が加えられていないものを見つけるのが、どれほど難しいことか。

えぇ〜!?そうだったのか…もしかしたらこの、小麦が悪さをしてたのかもしれない…。
添加されているだけだから、その小麦の出処も質もよくわからないわけだし。

ということで、お醤油ひとつ買うにも大わらわ。
結局、小麦が混ぜられていないのは、たまり醤油だけだということが分かり、そこにもってきてオーガニックなのをとなると、値段がとても高くなり、
だから料理に使うにも、本当に少しずつ、香り付け程度にするようになりました。
おまけでいうと、蕎麦もとっても難しい。
十割蕎麦を見つけるのが、こんなに大変だとは、グルテン断ちをするまで気づきませんでした。

ということは、わたしたちの体には、質の良し悪しはともかく、小麦(&とうもろこし)が、無意識のうちに入れられてしまっているのですね。
世界の小麦輸出シェアの、現在の首位はロシア。
前年度の首位はカナダで、アメリカが2位でした。
この順位の変化は、生産量が原因ではなく、ドル高を受けて割高になったからだそうです。
そしてとうもろこし。
とうもろこしの世界最大の生産国はアメリカで、世界最大の輸入国は日本です。
そして日本は、その輸入の90%を、アメリカに依存しています。
この場合のとうもろこしは、スウィートコーンと呼ばれる、わたしたちが食卓で食べる種類のものではなく、家畜の飼料や甘味料として使われるものです。
だから、質に問題があるといわれています。

子育てをしている時に、もっともっと食品にこだわりを持ち、注意して調理をするべきだったと、今もとても後悔しています。
でも、今からでも遅くはありません。
良いことを始めるのに、遅すぎるということはありません。

ということで、すっかり手作りお味噌に惚れ込んでしまい、今度は自分で作ってみようとトライしたのが、
一昨年の11月、友人わかちゃんのお宅での、手作り味噌大会だったのでした。

つい先日までずっと、うちの地下室の棚に保管しておいたそのお味噌を、先月から使い始めました。
それまで使っていたお味噌は、塩の分量に間違いがあったのかとても塩辛く、お味噌汁の具を甘味のあるものにしないと飲み辛いほどだったのですが、

今回のこのお味噌、手前が申すのもなんですが、めちゃウマです!





地下室にずっと置いたまま、カビの有無を確かめもしなかった(どんだけ無精なのだ!)1年と8ヶ月。
お味噌さんは、コツコツと、発酵をし続けてくれていました。
ありがたいったらありません。
心配していたカビもほとんど無く、ホッと一安心。


重しとお味噌の間に詰め込んだお塩も、良い感じです。


さっそく、菜園の小松菜を採ってきて、お味噌汁を作りました。
もともと出汁は使わなくなっていましたが、このお味噌には全く必要が無いようです。
旨味が半端ではありません。
さて、これを使い切ってしまう前に、次のお味噌を仕込まねば。


おまけ
さて、こちら、前庭の『なんちゃって菜園』の収穫です。
ピーマン1個とシシトウ1個…へへへ。


大根がどんどんおっきくなってきたと思ったら、葉っぱをシカさんに思いっきり食べられてしまってたので、慌ててセクシー網(歩美ちゃん命名)をかけ、


すぐお隣の、これまた鳥に突かれ始めてたブラックベリーにも、セクシー網を被せたのでした。


この直後に、唐突に雷嵐がやってきて、慌てて退散!



と、ここまで書いてさあ投稿!という時に、いきなりブンッという音がして、真っ暗になってしまいました。
昨日の夜は熱帯夜、そして今日はさらに気温が上がるという予報が出ていたので、朝までにはなんとか復旧していますようにと祈りつつ、
ろうそくの火を灯してシャワーに入り、シーツの下に冷え冷えシートを敷いて、うちわで風を送りつつ眠りにつきました。
朝起きて、台所に入っても、物音一つ聞こえません。
あっちゃ〜…。
朝からレッスンをする予定になっていた大人の生徒さんに電話して、停電だけどどうする?と聞くと、
とりあえず行ってみるという返事だったので、携帯用のちっちゃなライトをピアノの譜面台に付け、彼女の到着を待ちました。
わたしのうちわサービスと、彼女が持参してきたちっちゃな扇風機とで涼を取り、なんとかレッスンは無事終了。
でも、冷蔵庫と冷凍庫の中に入っている食料のことを考えると…。
と、暗〜〜くなっていたら、戻ってきました!電気!
冷蔵庫も冷凍庫も、12時間をよく耐え、冷やし続けてくれたようです。
ありがたやありがたや。
暑い中、復旧に汗を流してくださった作業員のみなさん、本当にありがとうございました!

あの角っこは、昨夜、何度もパトカーがやって来ては、何やら道路の上をライトで照らして調べていた場所です。



郊外の古い町の街路樹は、ここは神社の境内かっ!とツッコミたくなるような大木が、ぞろぞろと立っています。
なので、嵐やハリケーンが来ると、必ずといっていいほど、どこかで停電が起こります。
範囲の大きさによっては、復旧に3日から1週間かかる時があります。
だから、2時間そこそこで電気が戻ってきてくれた時などは、わっ早っ!とびっくりします。
仮に、運悪く、家が長くかかる地域に入っていたら、皆それぞれに対策を考え、それぞれに合った行動をし始めます。
いつまでかかってるんだ!などと、電話をかけて文句を言う人は、あまりいません。
仕方がない。あの人たちだって必死で頑張ってくれてるし、物事には順番があるのだから。
というふうに考えるのが当たり前なのだと、日本のテキパキとしたサービスに甘やかされていたのでずいぶん時間がかかりましたが、思えるようになりました。
まあ、一番の理由は夫かもしれません。
例えばレストランや、スーパーのレジや、それから今回のようなパワーラインの復旧などで、わたしが「遅いなあ」と文句を言うと必ず、
「こんなに混んでるんだから」とか、「彼女は多分、まだ新しい人で慣れていないようだから」とか、「他にもっと大変で困っている人がいるから」と言って、
働いている人もわたしたちと同じ人間で、どのように働くかを決める権利があって、疲れたり気分が悪い時はそれを表現しても良いのだと、
事あるごとに、客だから、利用者だからと、横柄な態度をとったり、言葉を放ったりしないよう気をつけるよう教えてくれたからです。
ここにも(個)人の尊厳が生きているのだなと、現行憲法を学び中のわたしは思うのです。

おまけが長くなってしまいました。
そろそろ終わりにします。
コメント
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