ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

7月10日は『一票一揆』!現行憲法を自民党改憲草案から守るぞ!

2016年07月06日 | 日本とわたし


表示が早いので、キャプチャーで残します。
猫のGENちゃんは、現行憲法の説明に、KAIちゃんは、自民党改憲草案の説明に、それぞれ登場します。

























































































































いかがでしたか?
とてもさっくり、きっぱり、わかりやすく説明してくれたと思います。

そして以下は、友人の幸雄さんが教えてくれた、この自民党による『日本国憲法改正草案』と、現行憲法との対照表。
すっごく読みやすいです!
わたしはプリントアウトして、どこに行くにも持ち歩いて読んでいます。
忙しい毎日だとは思いますが、ぜひ時間を見つけて、一項でもいいので、見比べてみてください。
自民党改憲草案が、どれほど恐ろしいものであるか、これが通されてしまったら、どのような社会が出来上がるのか、
ぜひ、投票をされる前に、読んでいただきたいと思います。
幸雄さんの解説メールも、どうぞ参考になさってください。

そして、投票に行ってください。
どうか、棄権などしないでください。
何度もしつこく言ってごめんなさい。
でも、この選挙は、本当に大切なのです。
そのことをどうか、知ってください。




https://onedrive.live.com/?authkey=%21APTN%2DvtnSlVxt9w&cid=92853EF71EA62619&id=92853EF71EA62619%21589&parId=92853EF71EA62619%21588&o=OneUp


しっかり読み込んだ幸雄さんから、こんなメールが届きました。
ここに転載させていただきます。

まうみさん、

以下、「『前夜』梓澤和幸・岩上安身・澤藤統一郎」という対談本を基に、私が感じた事を書きました。
 
当たり前の事ですが、前文は、憲法の基本的な理念が書かれている、重要なものです。
現行法では、主に、国民主権という事と、平和主義に則った普遍的な原理が謳われていますが、
それが自民党草案では、書き直されています
条文のようには、単純に比較出来ないので、書き出してみました。

「日本国憲法 前文」

******************************
●現行法(前文)
日本国民は、正当に選挙された、国会における代表者を通じて行動し、
われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて、自由のもたらす恵沢を確保し、
政府の行為によつて、再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
ここに、主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
 
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、
その権力は、国民の代表者がこれを行使し、その福利は、国民がこれを享受する。
これは、人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。
われらは、これに反する一切の憲法、法令、及び詔勅を排除する。
 
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する、崇高な理想を深く自覚するのであつて、
平和を愛する諸国民の公正と、信義に信頼して、われらの安全と生存を、保持しようと決意した。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を、地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
われらは、全世界の国民が、ひとしく、恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を、有することを確認する。
 
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して、他国を無視してはならないのであつて、
政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする、各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげて、この崇高な理想と目的を、達成することを誓ふ。


******************************
■自民党改憲草案(前文)
日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、
国民主権の下、立法、行政、及び司法の、三権分立に基づいて統治される。
 
我が国は、先の大戦による荒廃や、幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や、国際社会において重要な地位を占めており、
平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
 
日本国民は、国と郷土を、誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、
和を尊び、家族や社会全体が、互いに助け合って、国家を形成する
 
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて、国を成長させる
 
日本国民は、良き伝統と我々の国家を、末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。

******************************


日本は敗戦後に、この憲法を以て、「普遍的な平和な世界に変えるのだ」という宣言をしたのですが、
自民党草案からは、そう言うものが抜け落ちています

そして、その前文の先頭には、
「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって」という、
嘗ての特殊な選民意識や、他を顧みない国体を想起させる文言があります
「天皇を戴く国家」の前に、「国民統合の象徴である」とありますが、寧ろ敗戦前の「統合された国民」を連想します
これに色濃く呼応しているのが、次の「第1章 天皇」です。
 

「第1章 天皇」

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●現行法
第1章 天皇
第一条
天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。


******************************
■自民党改憲草案
第1章 天皇
第一条
天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

******************************

 
明らかに、怪しいです。
「元首」とは、国の代表ですから、日本では内閣総理大臣です
民主国家において、「国民の総意に基づいて」とは、選挙を意味します
間接選挙という過程を経ていますが、元首は内閣総理大臣が最も相応しい。
嘗ては元首であり、国の全権を独裁する立場に居た天皇を、無害な形で残す過程において、何の権力も持たない存在として、「象徴」という言葉を使いました。
 
したがって、自民草案の、「主権の存する日本国民の総意に基づく」という部分は、
先頭にある「天皇は、日本国の元首であり」という文言によって、大きな矛盾を抱えています

 
対談の中でも、この部分が、「最初の一歩」になると語られています。


「第2章 戦争の放棄」

******************************
●現行法
第二章 戦争の放棄
第九条
① 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を、誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇、又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍、その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。


******************************
■自民党改憲草案
第二章 安全保障
(平和主義)
第九条
① 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を、誠実に希求し、
国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇、及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない
前項の規定は、自衛権の発動を、妨げるものではない

(国防軍)
第九条の二
① 我が国の平和と独立、並びに、国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする、国防軍を保持する
② 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認、その他の統制に服する。
③ 国防軍は、第一項に規定する任務を、遂行するための活動のほか、
法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために、国際的に協調して行われる活動、及び公の秩序を維持し、
又は、国民の生命、若しくは自由を守るための活動を、行うことができる。
④ 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制、及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
⑤ 国防軍に属する軍人、その他の公務員が、その職務の実施に伴う罪、
又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。
この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。

(領土等の保全等)
第九条の三
国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。
******************************

 
まず、自民党草案では、第2条の名称が「戦争の放棄」から「安全保障」へ、変わっています
 
そして現行法には、
「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」、とある部分が、
「国際紛争を解決する手段としては用いない」、に変わっています

 
また、自民草案に、「国権の発動としての戦争を放棄し」という部分が残っているにせよ、
去年の集団的自衛権が成立した現在では、
「② 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。」の1行で、骨抜きになります

 
その後に続く「国防軍」は、お笑い草です。
「我が国の平和と独立」を本気で目指すなら、まず米軍の撤退でしょう
敗戦時のまま基地に居座り、首都上空の制空権や、優位な地位を持ち、殆どの事は何処でも治外法権・・・こんな独立国家などあり得ません
(そしてもし、国防軍を持ったなら、その最高指揮官が内閣総理大臣だとありますが、これが米軍最高司令官なのは、この前FBに書いた通りです)。
 
また、②では、
「任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。」とありますが、
掟破りの強行採決を平気でするような内閣に、全権など任せられないのは、自明の理です
 
③には、
「国際社会の平和と安全を確保するために、国際的に協調して行われる活動、及び公の秩序を維持し、
又は、国民の生命、若しくは自由を守るための活動を、行うことができる」と、国連安保理に従属するような事を書いていますが、
国連安保理の決め事には、暫定的な抜け穴があります

「国連安保理が正常に機能するまでの間~」という但し書きで、加盟国が、集団的自衛権を行使できるのです。
つまり、常任理事国が賛同しなければ、「国連安保理が正常に機能する」事の無い状況が、作りだせるわけです。
この抜け穴は、国連が、創立直後の世界情勢を鑑みて作られたのですが、色々と都合が良いので、未だに残っているようです。
 
⑤には、軍事裁判所の存在が、書かれています。
 
第九条の三では、既に、「国と国民」どちらに主権が在るのか、あやふやな表現になっています。

なかなか解かりにくいですが、もう一つ大事なこと。


「第三章 国民の権利及び義務」

******************************
●現行法
第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。


******************************
■自民党改憲草案
(表現の自由)
第二十一条
① 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、
並びに、それを目的として結社をすることは、認められない

******************************

 
自民草案の第二十一条には、②の条文が加えられました。
これは、トンデモナイ人権侵害です。
以下に、梓澤氏の発言を引用します。


★以下引用開始
『特に大事なことは、ある時代における多数者というのは、そのときの政治権力を握っているわけですから、
こんなことをわざわざ言う必要はないのです。
では、これが誰のための人権かといえば、多数者が取っている権力に、モノ申す権利、人権なのです
 
自民党案は、「公益及び公の秩序を害することを目的とした」表現の自由は認められない、と言うのですけれども、
表現の自由とは、先ほど述べたように、多数者が取った権力を、批判する自由です。
これを、公の秩序に反するから認めない、と言ってしまうことは
此処の第①項では保証すると言いながら、その表現の自由を、第②項で根本から否定しているわけです。
これはひどい』
★以上引用終了

 
だいぶ、堅い内容になりました。
しかし、30枚に渡る自民党草案は、突っ込みどころ満載です。

最後にもうひとつ、決定的な〆を。


「第十章 最高法規」
******************************
●現行法
第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、
これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として、信託されたものである。

******************************
■自民党改憲草案
「削除」
******************************

幸雄
コメント
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