[辺野古から 博治さんへ]「沖縄は絶対諦めない」
【沖縄タイムス】2017年2月7日
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/83073
山城博治さん、あなたが、辺野古・高江の反対運動に絡む三つの罪で、逮捕・起訴され、名護署の留置場や那覇拘置所に、長期勾留されてから、6日で113日が経ちました。
病を抱える身でありながら、弁護士以外、家族さえ接見できないという、あまりにも異常な状態が続いてます。
私たちは、あなたから、直接話を聞くことができず、あなたは身柄を拘束され、辺野古に行くことができません。
ならば、と、こういう手紙形式の社説を思いつきました。
博治さん。
政府は6日朝、名護市辺野古の新基地建設に向け、海上での工事に着手しました。
最大で、約14トンもある大型コンクリート製ブロックを、クレーンで、台船から作業船に積み替える作業です。
翁長雄志知事や稲嶺進名護市長らが、建設計画の撤回を求めて訪米した直後に、県と協議もせずに、一方的に作業に踏み切ったのです。
自民党の二階俊博幹事長でさえ、「沖縄の理解を十分に得られていない状況」だということを、認めざるを得ませんでした。
ブロックは、汚濁防止膜が強風などで流されないように固定するためのもので、7日以降、228個のブロックが、海底に投下されることになっています。
想像するだけで、胸がえぐられる思いがします。
沖縄の切実な声よりも、米軍の都合と軍事上の要求が優先され、辺野古への「高機能基地」の建設が、目的化してしまっているのです。
あの美しい海は、埋め立てれば、もう元に戻りません。
■ ■
新基地建設に反対する市民らは、工事車両が基地に入るのを阻止しようと、キャンプ・シュワブのゲート前に座り込み、精一杯の抵抗を試みました。
博治さんの不在の穴を、みんなで埋め合わせているような、決意と危機感の入り交じった空気、と言えばいいのでしょうか。
反対側の歩道で、折りたたみ式の簡易イスに座って、様子を見守っていたのは島袋文子さん(87)でした。
「動悸がしてドクターストップがかかっている」というのに、居ても立ってもいられず、現場に駆け付けたのだそうです。
機動隊員が、一人一人を、3、4人がかりでごぼう抜きし始めたため、現場は悲鳴と怒号が飛び交い、騒然とした雰囲気になりました。
「暴力はやめろ」
「海を壊すな」
「沖縄は絶対諦めない」
驚いたのは、文子さんの行動でした。
イスから立ち上がって道を渡り、付き添いの女性に両脇を抱えられながら、ひるむことなく機動隊の前に進み出て、抗議の声を上げたのです。
「戦争の中から逃げるのは、こんなもんじゃないよ」と文子さんは言います。
沖縄の、戦中・戦後の歴史体験に触れることなしに、新基地建設反対運動を深く理解することはできない。
翁長知事が、政府との協議の中で、何度も強調してきたことですが、正面から受け止めることがありません。
作家の中野重治は、日中戦争前の1928年に発表された、「春さきの風」という小説の最後で、こんな言葉を書き付けています。
「わたしらは侮辱のなかに生きています」
この言葉は、今の沖縄にこそ、あてはまると言うべきでしょう。
■ ■
問題は、強権的な基地建設だけではありません。
国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、博治さんの釈放を求める緊急行動を始めました。
国連の「被拘禁者人権原則」は、「家族や弁護士との間のコミュニケーションは、数日間以上拒否されてはならない」とうたっています。
かつて、悪性リンパ腫の治療を受け、今も体調が万全でないにもかかわらず、3カ月余も勾留が続き、家族も接見できない状態になっているのです。
政治的意図に基づく長期勾留であるのは明らかであり、人権侵害の疑いさえある、と言わなければなりません。
博治さん。
拘置所の狭い空間の中では一人ですが、外の世界では、決して一人ではありません。
県内や国内だけでなく、海外からも、多くの励ましの声が届いていることを、お伝えしたいと思います。
******* ******* ******* *******
〔辺野古移設〕
沖縄の美しい海、また埋め立てられていく
【毎日新聞】2017年2月6日
http://mainichi.jp/articles/20170206/k00/00e/040/212000c#csidxe4db69c46cf658890242ab12b08f980
海上工事に政府が着手 移設反対派に、怒りと焦燥感が交錯
沖縄の美しい海を埋め立てて、巨大な米軍基地を造るための工事が、また一歩、前へと進んだ。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の、名護市辺野古への県内移設に向け、政府が6日、初めて海上工事に着手。
辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、移設反対派が、作業に向かう車両を阻止し、排除する機動隊と衝突した。
埋め立てへのカウントダウンが始まり、反対派には、怒りと焦燥感が交錯した。【浅野翔太郎】
まだ真っ暗な午前6時前、前夜の雨もあり、肌寒いキャンプ・シュワブゲート前に、続々と移設反対派が集結。
「これ以上工事を進めないためには、作業員を中に入れないという抵抗をせざるを得ない」。
約150人が、「辺野古新基地NO」「辺野古埋立阻止」などと書かれたプラカードを掲げるなどして、抗議の声をあげた。
同県南風原町の稲福次義さん(63)は、
「市民の意思をきょう示さなければ、政府の意向を沖縄が黙認したことになる。民意を無視しようとも、県民の意思は揺るがない」と、語気を強めた。
午前8時15分、作業員が乗った乗用車が到着。
作業現場に向かうため、キャンプ内へ進入しようとしたが、反対派は入り口前に座り込んだ。
すると、沖縄県警の機動隊が、隊列を組んで阻みながら、隣接する出口の方から工事車両を通した。
反対派からは、「きちんと手順を踏め」と、怒号が飛んだ。
その後も、続々と、大型トラックやクレーン付き車両などが到着。
「帰れ、帰れ」。
反対派は、ゲート前で、腕を組んで壁を作り、声を張り上げた。
一進一退のせめぎ合いの末、午前10時半ごろ、足止めとなっていた車両が、キャンプの方へ。
機動隊は、約80人を次々に排除。
腕をつかまれた高齢の男性は、「県警は県民とアメリカとどっちが大事なんだ」と叫んだ。
ゲート前には、辺野古への移設阻止を訴えるため、翁長雄志(おなが・たけし)知事と訪米し、帰国したばかりの稲嶺進・名護市長も駆けつけた。
「アメリカでも、沖縄の置かれている状況は、よく聞いてもらえたと思っている。
全く無視し続けるのは日本政府だ。
訪米中に、防衛大臣が、『辺野古が唯一の解決策』との見解を示すなど、恥も外聞もない」と、怒りをあらわにしていた。
******* ******* ******* *******
ここからは、先日の2日に、沖縄新基地建設に反対し、基地撤去とヒロジさんの釈放を求めるプロテストをしに、ワシントンD.C.に出かけてったのんちゃん、志津子さん、あっこちゃんのことを書いてくださった、Hidekoさんの記事を紹介させていただきます。
「ホワイトハウス前 沖縄新基地建設に反対し、基地撤去とヒロジさんの釈放を求めるプロテスト」
【アクティブNY by Hideko Otake】2017年2月6日
http://activeny.blogspot.com/2017/02/blog-post_6.html
2017年2月2日、ホワイトハウス前。
沖縄新基地建設に反対し、基地撤去とヒロジさんの釈放を求めるプロテストの現場で、大山紀子さん(フェースブックのOkinawa Peace Appeal in Washington DCで大活躍)に聞きました。
この日のプロテストには、廃物利用もここまで(帽子かけ?)という巨大巻物風バナーを作り、ニューヨークから仲間を拾いながら、遠路はるばる車を運転してきたしずこさんや、
ジョージワシントン大学での翁長知事の講演で、「承認撤回をしないのはなぜか」という、大勢の人たちがいま知事に一番問いたい直球の質問を、単刀直入に投げかけたあきこさんなど、強力パワーが参加しました。
プロテストは、翌3日にも行われ、平和を求めるベトナム退役軍人の会(VFP)はじめ、数々の平和運動で活躍するアン・ライトさんも参加、
さらに、ノース・ダコタ・アクセス・パイプライン建設に反対するプロテストととも、期せずしてつながるなど、すてきな場が生まれました。(文責:大竹秀子)
――ワシントンでプロテストするのは、今回で何度目?
プロテストは3度目、ホワイトハウス前は、2015年が最初かな。
もういてもたってもいられないから、はじめたんですけど。
(いまのいまは)もう希望が見いだせない感じよ、ほんとに、いまの状況みてたら。
高江作られちゃったし、先島もう全部、自衛隊でしょ、それで辺野古埋められてしまったら、伊江島、それから辺野古、高江、北部全体がそういう風になってるし、それに嘉手納でしょ、普天間でしょ。
普天間なんか、戻すつもりないんじゃないかと思ってる、実際、そんな感じがする。
沖縄全体を、どんどんどんどん基地化して、基地の島にしちゃってる。
恐ろしい。
いくら沖縄の人たちが、「だめだ、だめだ」と言ったって、全然、聞く耳持たないでしょ、日本政府は。
で、日本の人たち、やまとの人たちには、要するに他人事。
沖縄の基地問題ではない、日本の基地問題であるにも関わらず、沖縄に押しつけて、そのまんま。
自分たちは痛くないから。
私ね、沖縄の嘉手納も普天間もそうだけど、あの爆音、あれもう、[沖縄に]帰るたびに心臓がドキドキする。
B52が、ベトナム戦争の頃に飛来してたでしょ。
一度、運転してて、いまの国道58号線を走って、嘉手納のところでB52が飛来してきたの。
死ぬかと思った。
心臓がとまるような音。
あれはもうトラウマ。
ああいう中で、嘉手納の人たちは、ずっと生活を強いられている。
赤ちゃんが難聴で生まれてくるって…信じられます?!
耐えられない。
やまと 日本政府が、沖縄に強いてる現状っていうのは、生活してみないとわからないと思う。
沖縄って、どこへ行くにも、フェンスのまわりを通らないといけないでしょ。
帰るたびに、最初はすごく腹がたっていたけど、もう悲しいよね。
伊江島にも、帰るたびに行くんですけど、あんなちっちゃな島に、あれだけの基地があるでしょ?
――アメリカの人たちに、そのことをどうやって訴えていけると思います?アメリカに守られてるじゃないかという風に思ってる。
まあ、何も考えてない人が一番多いと思うけれど。
ほとんどそうだよね。
ひとが死んでるわけじゃないじゃない。
もちろん、レイプとか、そういうのはあるけれども、たとえば、爆撃されてどうのこうのということではないじゃないですか。
だから全然、関心を持たれない。
オスプレイが落ちて、あれだけの事故があっても、ほとんど無関心でしょ。
知らないじゃないですか。
――機会があるごとに声をあげていく?その積み重ね?
そうですね。
私、ほんとに思うんですけれども、日本全体の動きにならないとね。
基地はもう、ほんとに作られてしまうと思う。
――いま、翁長さんに一番いいたいことは?
すぐ撤回してください。
それしかないと思う。
もう時間伸ばし、引き延ばしはやめてください。
彼はね、やっぱり政治家だから、こういった運動とかに全然関わりたくないし…。
――[ジョージワシントン大学での質疑応答でも]露骨にそうでしたね、[「撤回しかないのではないか」という質問への答え方]
見てても、「お、市民をばかにしたな、こいつ」っていう対応でしたよね。
おいおい、せめて少しは演技しろ、みたいな。
そうそう、まさにそうでしたよね。
関わりたくない。
だから、オール沖縄が彼を支える意味がよくわからない。
なぜかって言ったら、彼は、沖縄の県民の民意をくみとって、ああいう地位にいるわけだから、彼が支えるべきでしょ、県民を。
全然、おかしいと思う。
笑っちゃうよね、あれ、ほんとに。
――民意圧力をもっともっとかけなくちゃ、ですね。
******* ******* ******* *******
そして最後に、Sarasa Aiharaさんが伝えてくださった、今の沖縄の現実を。
2月6日、早朝5時半から、海上作業員を止める為に、辺野古ゲート前に集まった。
6th Feb. From 5:30 a.m. people came at Henoko camp Schwab to stop construction workers for New U.S. Military Base.
約120人の"海の守りびと達"が、ゲート前に座り込んだ。
Around 120 Sea Protectors blocked the gate.
約6時間!!正午まで、全ての工事車列を止めた!!
Six hours!! Protectors Stopped until noon time!!
120人でこれだけ止められた。
あと50名居たら…止められたかもしれない。
集まれ、海の守りびと達よ!!
If we had 50 more Protectors, we would stop completely. Gather!! Sea Protectors!!
ついに政府は、コンクリートブロックを、母なる海に落とした…。
Finally, the Authority dropped a few concrete blocks into the Mother Sea...
今朝も、6時前の真っ暗なうちから、"海の守りびと達"は集まった。
Before 6 a.m. Protectors started to gather at the gate of Camp Schwab.
今日は、圧倒的に、警察の数が多かった。座り込みの人数は、100人に足らない。
Today, Protectors were less than 100 hundred, Removed by police immediately.
人々の献身と祈りが、聖なるものを守る。
Dedication & Prayer protect the Sacred.
******* ******* ******* *******
沖縄の自然破壊と基地の押し付けは、他人事ではありません。
スタンディングロックの水を守ろうとするネィティブアメリカンの住民の人たちにつながっていく、愚かな大統領令によって理不尽な扱いを受けている国々の人たちにつながっていく。
今アメリカでは、これまで行動してこなかった市民が大勢立ち上がり、議員や議会にどんどん圧力をかけています。
この民主主義の力、市民が張る根の早さに、そしてそれを丁寧に報道するメディアの姿勢に、圧倒される毎日です。
どうか、他人の痛みや苦しみを、自分の事として捉えられる勇気と度量を持ってください!
【沖縄タイムス】2017年2月7日
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/83073
山城博治さん、あなたが、辺野古・高江の反対運動に絡む三つの罪で、逮捕・起訴され、名護署の留置場や那覇拘置所に、長期勾留されてから、6日で113日が経ちました。
病を抱える身でありながら、弁護士以外、家族さえ接見できないという、あまりにも異常な状態が続いてます。
私たちは、あなたから、直接話を聞くことができず、あなたは身柄を拘束され、辺野古に行くことができません。
ならば、と、こういう手紙形式の社説を思いつきました。
博治さん。
政府は6日朝、名護市辺野古の新基地建設に向け、海上での工事に着手しました。
最大で、約14トンもある大型コンクリート製ブロックを、クレーンで、台船から作業船に積み替える作業です。
翁長雄志知事や稲嶺進名護市長らが、建設計画の撤回を求めて訪米した直後に、県と協議もせずに、一方的に作業に踏み切ったのです。
自民党の二階俊博幹事長でさえ、「沖縄の理解を十分に得られていない状況」だということを、認めざるを得ませんでした。
ブロックは、汚濁防止膜が強風などで流されないように固定するためのもので、7日以降、228個のブロックが、海底に投下されることになっています。
想像するだけで、胸がえぐられる思いがします。
沖縄の切実な声よりも、米軍の都合と軍事上の要求が優先され、辺野古への「高機能基地」の建設が、目的化してしまっているのです。
あの美しい海は、埋め立てれば、もう元に戻りません。
■ ■
新基地建設に反対する市民らは、工事車両が基地に入るのを阻止しようと、キャンプ・シュワブのゲート前に座り込み、精一杯の抵抗を試みました。
博治さんの不在の穴を、みんなで埋め合わせているような、決意と危機感の入り交じった空気、と言えばいいのでしょうか。
反対側の歩道で、折りたたみ式の簡易イスに座って、様子を見守っていたのは島袋文子さん(87)でした。
「動悸がしてドクターストップがかかっている」というのに、居ても立ってもいられず、現場に駆け付けたのだそうです。
機動隊員が、一人一人を、3、4人がかりでごぼう抜きし始めたため、現場は悲鳴と怒号が飛び交い、騒然とした雰囲気になりました。
「暴力はやめろ」
「海を壊すな」
「沖縄は絶対諦めない」
驚いたのは、文子さんの行動でした。
イスから立ち上がって道を渡り、付き添いの女性に両脇を抱えられながら、ひるむことなく機動隊の前に進み出て、抗議の声を上げたのです。
「戦争の中から逃げるのは、こんなもんじゃないよ」と文子さんは言います。
沖縄の、戦中・戦後の歴史体験に触れることなしに、新基地建設反対運動を深く理解することはできない。
翁長知事が、政府との協議の中で、何度も強調してきたことですが、正面から受け止めることがありません。
作家の中野重治は、日中戦争前の1928年に発表された、「春さきの風」という小説の最後で、こんな言葉を書き付けています。
「わたしらは侮辱のなかに生きています」
この言葉は、今の沖縄にこそ、あてはまると言うべきでしょう。
■ ■
問題は、強権的な基地建設だけではありません。
国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、博治さんの釈放を求める緊急行動を始めました。
国連の「被拘禁者人権原則」は、「家族や弁護士との間のコミュニケーションは、数日間以上拒否されてはならない」とうたっています。
かつて、悪性リンパ腫の治療を受け、今も体調が万全でないにもかかわらず、3カ月余も勾留が続き、家族も接見できない状態になっているのです。
政治的意図に基づく長期勾留であるのは明らかであり、人権侵害の疑いさえある、と言わなければなりません。
博治さん。
拘置所の狭い空間の中では一人ですが、外の世界では、決して一人ではありません。
県内や国内だけでなく、海外からも、多くの励ましの声が届いていることを、お伝えしたいと思います。
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〔辺野古移設〕
沖縄の美しい海、また埋め立てられていく
【毎日新聞】2017年2月6日
http://mainichi.jp/articles/20170206/k00/00e/040/212000c#csidxe4db69c46cf658890242ab12b08f980
海上工事に政府が着手 移設反対派に、怒りと焦燥感が交錯
沖縄の美しい海を埋め立てて、巨大な米軍基地を造るための工事が、また一歩、前へと進んだ。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の、名護市辺野古への県内移設に向け、政府が6日、初めて海上工事に着手。
辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、移設反対派が、作業に向かう車両を阻止し、排除する機動隊と衝突した。
埋め立てへのカウントダウンが始まり、反対派には、怒りと焦燥感が交錯した。【浅野翔太郎】
まだ真っ暗な午前6時前、前夜の雨もあり、肌寒いキャンプ・シュワブゲート前に、続々と移設反対派が集結。
「これ以上工事を進めないためには、作業員を中に入れないという抵抗をせざるを得ない」。
約150人が、「辺野古新基地NO」「辺野古埋立阻止」などと書かれたプラカードを掲げるなどして、抗議の声をあげた。
同県南風原町の稲福次義さん(63)は、
「市民の意思をきょう示さなければ、政府の意向を沖縄が黙認したことになる。民意を無視しようとも、県民の意思は揺るがない」と、語気を強めた。
午前8時15分、作業員が乗った乗用車が到着。
作業現場に向かうため、キャンプ内へ進入しようとしたが、反対派は入り口前に座り込んだ。
すると、沖縄県警の機動隊が、隊列を組んで阻みながら、隣接する出口の方から工事車両を通した。
反対派からは、「きちんと手順を踏め」と、怒号が飛んだ。
その後も、続々と、大型トラックやクレーン付き車両などが到着。
「帰れ、帰れ」。
反対派は、ゲート前で、腕を組んで壁を作り、声を張り上げた。
一進一退のせめぎ合いの末、午前10時半ごろ、足止めとなっていた車両が、キャンプの方へ。
機動隊は、約80人を次々に排除。
腕をつかまれた高齢の男性は、「県警は県民とアメリカとどっちが大事なんだ」と叫んだ。
ゲート前には、辺野古への移設阻止を訴えるため、翁長雄志(おなが・たけし)知事と訪米し、帰国したばかりの稲嶺進・名護市長も駆けつけた。
「アメリカでも、沖縄の置かれている状況は、よく聞いてもらえたと思っている。
全く無視し続けるのは日本政府だ。
訪米中に、防衛大臣が、『辺野古が唯一の解決策』との見解を示すなど、恥も外聞もない」と、怒りをあらわにしていた。
******* ******* ******* *******
ここからは、先日の2日に、沖縄新基地建設に反対し、基地撤去とヒロジさんの釈放を求めるプロテストをしに、ワシントンD.C.に出かけてったのんちゃん、志津子さん、あっこちゃんのことを書いてくださった、Hidekoさんの記事を紹介させていただきます。
「ホワイトハウス前 沖縄新基地建設に反対し、基地撤去とヒロジさんの釈放を求めるプロテスト」
【アクティブNY by Hideko Otake】2017年2月6日
http://activeny.blogspot.com/2017/02/blog-post_6.html
2017年2月2日、ホワイトハウス前。
沖縄新基地建設に反対し、基地撤去とヒロジさんの釈放を求めるプロテストの現場で、大山紀子さん(フェースブックのOkinawa Peace Appeal in Washington DCで大活躍)に聞きました。
この日のプロテストには、廃物利用もここまで(帽子かけ?)という巨大巻物風バナーを作り、ニューヨークから仲間を拾いながら、遠路はるばる車を運転してきたしずこさんや、
ジョージワシントン大学での翁長知事の講演で、「承認撤回をしないのはなぜか」という、大勢の人たちがいま知事に一番問いたい直球の質問を、単刀直入に投げかけたあきこさんなど、強力パワーが参加しました。
プロテストは、翌3日にも行われ、平和を求めるベトナム退役軍人の会(VFP)はじめ、数々の平和運動で活躍するアン・ライトさんも参加、
さらに、ノース・ダコタ・アクセス・パイプライン建設に反対するプロテストととも、期せずしてつながるなど、すてきな場が生まれました。(文責:大竹秀子)
――ワシントンでプロテストするのは、今回で何度目?
プロテストは3度目、ホワイトハウス前は、2015年が最初かな。
もういてもたってもいられないから、はじめたんですけど。
(いまのいまは)もう希望が見いだせない感じよ、ほんとに、いまの状況みてたら。
高江作られちゃったし、先島もう全部、自衛隊でしょ、それで辺野古埋められてしまったら、伊江島、それから辺野古、高江、北部全体がそういう風になってるし、それに嘉手納でしょ、普天間でしょ。
普天間なんか、戻すつもりないんじゃないかと思ってる、実際、そんな感じがする。
沖縄全体を、どんどんどんどん基地化して、基地の島にしちゃってる。
恐ろしい。
いくら沖縄の人たちが、「だめだ、だめだ」と言ったって、全然、聞く耳持たないでしょ、日本政府は。
で、日本の人たち、やまとの人たちには、要するに他人事。
沖縄の基地問題ではない、日本の基地問題であるにも関わらず、沖縄に押しつけて、そのまんま。
自分たちは痛くないから。
私ね、沖縄の嘉手納も普天間もそうだけど、あの爆音、あれもう、[沖縄に]帰るたびに心臓がドキドキする。
B52が、ベトナム戦争の頃に飛来してたでしょ。
一度、運転してて、いまの国道58号線を走って、嘉手納のところでB52が飛来してきたの。
死ぬかと思った。
心臓がとまるような音。
あれはもうトラウマ。
ああいう中で、嘉手納の人たちは、ずっと生活を強いられている。
赤ちゃんが難聴で生まれてくるって…信じられます?!
耐えられない。
やまと 日本政府が、沖縄に強いてる現状っていうのは、生活してみないとわからないと思う。
沖縄って、どこへ行くにも、フェンスのまわりを通らないといけないでしょ。
帰るたびに、最初はすごく腹がたっていたけど、もう悲しいよね。
伊江島にも、帰るたびに行くんですけど、あんなちっちゃな島に、あれだけの基地があるでしょ?
――アメリカの人たちに、そのことをどうやって訴えていけると思います?アメリカに守られてるじゃないかという風に思ってる。
まあ、何も考えてない人が一番多いと思うけれど。
ほとんどそうだよね。
ひとが死んでるわけじゃないじゃない。
もちろん、レイプとか、そういうのはあるけれども、たとえば、爆撃されてどうのこうのということではないじゃないですか。
だから全然、関心を持たれない。
オスプレイが落ちて、あれだけの事故があっても、ほとんど無関心でしょ。
知らないじゃないですか。
――機会があるごとに声をあげていく?その積み重ね?
そうですね。
私、ほんとに思うんですけれども、日本全体の動きにならないとね。
基地はもう、ほんとに作られてしまうと思う。
――いま、翁長さんに一番いいたいことは?
すぐ撤回してください。
それしかないと思う。
もう時間伸ばし、引き延ばしはやめてください。
彼はね、やっぱり政治家だから、こういった運動とかに全然関わりたくないし…。
――[ジョージワシントン大学での質疑応答でも]露骨にそうでしたね、[「撤回しかないのではないか」という質問への答え方]
見てても、「お、市民をばかにしたな、こいつ」っていう対応でしたよね。
おいおい、せめて少しは演技しろ、みたいな。
そうそう、まさにそうでしたよね。
関わりたくない。
だから、オール沖縄が彼を支える意味がよくわからない。
なぜかって言ったら、彼は、沖縄の県民の民意をくみとって、ああいう地位にいるわけだから、彼が支えるべきでしょ、県民を。
全然、おかしいと思う。
笑っちゃうよね、あれ、ほんとに。
――民意圧力をもっともっとかけなくちゃ、ですね。
******* ******* ******* *******
そして最後に、Sarasa Aiharaさんが伝えてくださった、今の沖縄の現実を。
2月6日、早朝5時半から、海上作業員を止める為に、辺野古ゲート前に集まった。
6th Feb. From 5:30 a.m. people came at Henoko camp Schwab to stop construction workers for New U.S. Military Base.
約120人の"海の守りびと達"が、ゲート前に座り込んだ。
Around 120 Sea Protectors blocked the gate.
約6時間!!正午まで、全ての工事車列を止めた!!
Six hours!! Protectors Stopped until noon time!!
120人でこれだけ止められた。
あと50名居たら…止められたかもしれない。
集まれ、海の守りびと達よ!!
If we had 50 more Protectors, we would stop completely. Gather!! Sea Protectors!!
ついに政府は、コンクリートブロックを、母なる海に落とした…。
Finally, the Authority dropped a few concrete blocks into the Mother Sea...
今朝も、6時前の真っ暗なうちから、"海の守りびと達"は集まった。
Before 6 a.m. Protectors started to gather at the gate of Camp Schwab.
今日は、圧倒的に、警察の数が多かった。座り込みの人数は、100人に足らない。
Today, Protectors were less than 100 hundred, Removed by police immediately.
人々の献身と祈りが、聖なるものを守る。
Dedication & Prayer protect the Sacred.
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沖縄の自然破壊と基地の押し付けは、他人事ではありません。
スタンディングロックの水を守ろうとするネィティブアメリカンの住民の人たちにつながっていく、愚かな大統領令によって理不尽な扱いを受けている国々の人たちにつながっていく。
今アメリカでは、これまで行動してこなかった市民が大勢立ち上がり、議員や議会にどんどん圧力をかけています。
この民主主義の力、市民が張る根の早さに、そしてそれを丁寧に報道するメディアの姿勢に、圧倒される毎日です。
どうか、他人の痛みや苦しみを、自分の事として捉えられる勇気と度量を持ってください!