ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国『クタクタな心と体に追い打ちをかける電車』事情

2022年11月08日 | 日本とわたし
発表会が終わった土曜日の夜に、クタクタの脳みそを叱咤激励しながら、翌日の日曜日の朝の選曲ミーティングに備えて、小サイズの、しかもうちのオケメンバーの条件(例えば木管楽器は充実してるけど金管楽器が手薄だとか、そういう細かい部分)に合いそうな曲を必死になって探した。
瞼は重く、耳は遠く、意識がほぼどこか別の所に行っちゃってるような中、とりあえず8曲見つけ出して寝た。
翌朝は予想以上にどんよりと重いままの頭に鞭打って、ズームミーティングに参加。
わたしが選んだ曲について細かい部分を聞かれても、正直言って内容が頭に入っていないので、えーっと…などと口ごもりながら誤魔化していると、パソコンで共有しているスプレッドシートにどんどんと書き込みが入っていく。
書き込んでいるのはもちろんわたしではない。
いやあ世の中進化したもんだわと、とうの昔から見慣れていることにさえ感心してしまうボケようだ。
結局最終的な結論には全く到達せず、昼からのリハーサル後にまた再度話し合うことになった。

マンハッタンへ車で行こうか電車で行こうか、はたまたバスで行こうか。
これがいつも悩ましい。
一番簡単で便利なのは車だけど、最寄りの駐車場で一番安い所を選んでも25ドルはかかる。
そこにニュージャージーとマンハッタン島を結ぶトンネル料金が年々上がり、今では割引でも12ドル50セントも取られる。
しかも割り引かれる時間帯が決まっていて一日中ではない。
その点電車が一番安くて(しかもわたしはシニア料金なので半額の3ドル!)渋滞も無いのだけど、平日でも1時間に1本しかない電車が週末はなんと2時間に1本になってしまうもんだから不便極まりない。
バスはその間をとって片道7ドルで、週末でも1時間に1本走るのだけど、そもそも運行時間がルーズな上に渋滞が重なったりしたら、約束の時間に遅れる可能性が高い。
特にこの日曜日はマラソン大会が行われたので、多分電車が一番無難だろうという結論に達した。

マラソン大会の余波なのか、人が異様に多い。
このお兄さん(もうおじさんと言った方がいいのか?)に久しぶりに会った。

タイムズスクエアから日本企業のコマーシャルがすっかり消えてからもう何年経っただろう。

黒人のお兄さんたちによるドタバタアクロバットショーが復活していた。

何やらブラジルの人たちが抗議集会をしていた。


10月30日に行われたブラジル大統領選の結果に抗議するデモのようだ。
集まったのは多分、僅差で敗れた現職のボルソナロ大統領の支持者なんだろう。
当のボルソナロ大統領は、11月2日時点では選挙の敗北宣言をしていない。
今回の選挙で採用された電子投票システムに疑念を示していて、自分の支持者にデモを後押しするような発言をした。
まるでブラジル版トランプだ。

オケのリハーサルが終わり、選曲ミーティングも終わり、ペンシルバニア駅に戻る途中、人混みがさらに増していてびっくり。
いよいよ全身クタクタで、もうほんとは歩きたくもないので、あちこちで立ち止まっては写真を撮った。

タイムズスクエア

スクエアから少し離れた道路脇でも大勢の人、人、人。

あ、タダで写真を撮っちゃダメ!と、スパイダーウーマンが止めに来た。

今日のランナーさんたち。

馬さんも忙しかっただろうに…お疲れさん!

と、疲れてはいたが、ここまでは良かったのだ。後にして思えば。

ペンシルバニア駅の構内に入った途端、そこにいる人たちの頭の上で、イライラくんが盛大にダンスしてるのが目に入ってきた。
これはまずい。

みんなが見上げているのはこれ。電車がどのトラックから発車するかを知らせる電光掲示板なのだけど、もう20年以上も経ってるのに、いまだにコレには馴染めない。
なにしろ、発車5分前にならないとトラック番号が掲示されない。


この日は6時11分の電車に乗って帰るつもりだったのだけど、8分になっても番号が提示されないのでおかしいなと思っていたら、発車時間が過ぎてから「今日は遅れます」というアナウンスが流れた。
いやあ、こんな人混みの中でずっと居たくないんだよなあ。
もちろんわたしはマスクをつけていたけど、それでもゴホゴホ咳き込んでいる人が何人かいたので、少しでも密度が低いところを求めて転々とした。

今日はそもそも人が多い日で、週末で、夕飯前でペコペコで、だから普通よりイライラしてる。
なのに電車が遅れた。
みんなもううんざりしているから、番号が分かった時のことを想像するとちょっと恐ろしい。
みんなが目指す入り口は、普通の家のドアに毛が生えたぐらい(ドアに本当に毛が生えたらどんなだろう、と一瞬妄想してしまった)しかない狭さなので、今日はもう嫌な予感しかない。

わかりますか?ずっと奥、左側にある10という数字が記されたドアが。


四方八方から集まってくるから当然こうなる。

結局電車は満員で、しかも週末は直行ではなくて途中下車して電車を乗り換えないといけなくて、案の定乗り換え電車はいつものようにすぐに来なくて、結局30分で帰れるところを2時間半もかかってしまった。

日本当たり前のように電車に乗っていらっしゃるそこのあなた。
日本の電車がどれだけ優秀で便利でありがたいか、そのことを痛感したくなったらアメリカにいらしてください。
泣けますよ、マジで。
コメント
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