ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「2022 Fall Piano Recital」 無事終了

2022年11月07日 | 日本とわたし
コロナ禍に突入してから以降、ずっとできなかったピアノの発表会を、やっと無事に終えることができた。
この3年近くの間に、すっかりメンバーが入れ替わっていたことを痛感させられたプログラム作りだった。
どうしてここまで激しく入れ替わったのか、なんだかキツネかタヌキに騙されたみたいな感じだ。
そういや高校卒業を迎えていた子、高校に入って突然忙しさが倍増した子、遠くへ引っ越した子、コロナ禍で家計が大変になりピアノどころでは無くなった子、ヴァーチャルレッスンに嫌気が差した子が、ポツポツといなくなっていったな。
でも、その子たちを上回る数の子どもや大人が、ピアノを習いに来始めたというのが、どうにも覚えが無い。
特にとても小さな子どもと大人が増えた。

とにかくプログラムがなかなか組めなくて、出来上がったのは前日の夜。
印刷をしつつ、トロフィーの梱包を解いて刻まれている名前を確認し、一人ずつ渡せるように紙袋に入れていく。


その晩は落ち着かなくてなかなか眠れなかった。
夫がつい最近、ユダヤ教のお寺を襲うという脅迫があり、FBIがその犯人を追っているが、まだ捕まっていないから、自分たちも気をつけた方がいい」と言い出したもんだから、変に気が立って仕方がなかった。
でも、今回借りる会場のお寺は、トランプ政権後に警備員を増やし、いざという時のために備えていると言っていたので、そういう心配はしないでおくことにした。

発表会当日の昨日はまるで夏に戻ったような日で、1時から2時半までの間は自由にピアノを試し弾きしていいよと言ってしまってたもんだから、いきなりほとんどの人が会場に集まってきた。
え?もっとバラバラに、適当に来るんじゃなかったの?
予想が甘かった…。
しかもそのほとんどの人たち(演奏者はもちろん家族や知人や友だちまで)は、結局1時からそのまま5時までの4時間もの間、なぜか会場内に居座り続けた。
本番は3時からですから、まだまだ時間がありますから、と何度説明しても「いや、ここでいいです」と言う。
そんな中、我々はピアノの位置を決めたり椅子を並べたり、休憩時の軽食や飲み物を並べたりするわけだから、手伝ってくれる親御さんも少なくなかった。

本番が始まり、紙に書いた挨拶文を読んでいると、最前列に並んだ子たちがやけにはしゃいでいる。
どうもそれぞれに学校や塾やスポーツクラブの練習などで知り合った友だちであることが、発表会で顔を合わせたことで初めて分かったらしい。
もちろん全員今回が初めての舞台。
よく見ると、その子たちだけでなく、親御さんたちと一緒に座っている子たちも、それぞれに励まし合っている。
なんかいい感じだなあ。
でっかい家族になったような気がした。

初めての発表会、初めての舞台、そんな子どもや大人が多かったので、どうなることやらと気を揉んだが、そんな心配は無用だった。
みんな精一杯よく弾いた。
懐が深い、幅が広い、多様さが半端じゃ無いなどと、恐れ多いお褒めの言葉をいただいたが、それもこれもみんなのおかげだ。
本当にありがとう!
これからもよろしく!

嬉しい手紙が郵便受けに入っていた。


教師冥利に尽きるというのはこういう時を言うのだろうと思う。
コメント
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