ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ありふれたささやかな一瞬

2008年12月02日 | ひとりごと
以前にも一度紹介した、大平さんのエッセイからの抜粋です。

『子どもは大人より、過ぎ去った過去や、これからくるすぐ近くの未来に強く一喜一憂するような気がする。

ところが逆に大人になると、あるいは誰かと夫婦や家族という単位を築くようになると、今、このありふれたささやかな一瞬に感謝することが多くなる。

晴れて洗濯物が乾いてありがたい。みそ汁がおいしくできてありがたい。家族で食卓を囲めてありがたい。
今日も無事に一日終えることができてありがたい。

それは、ふわっと口の中でとけてなくなるラムネ菓子みたいに、ほんの一瞬の幸福なのだけれど、やがて私たちは気づく。
そういう一瞬一瞬の営みの中に宿る幸福こそ、本物のそれではないだろうかと。
モノやカネでは得られない充実感がそこにはたしかにあると覚えるからだ。

日曜の夕方に寂寥感に包まれるのは子どもで、小さな幸福を感じるのは大人。だとすれば、年をとるのも悪くないものだ』


昨日の夕方、真っ暗な空に浮かんだ三日月と星ふたつ。
見上げながらしみじみと、この時間にたまたま外を歩いている自分の幸運に感謝しました。
こんなふうに、素直に、小さなことに感謝することもできるのに、
どうしてわたしは、同じく小さなことに不平不満を持ったりするんでしょ。

できたら(なんて大体に考えるから叶わないのだろうけれど)、不平不満よりも感謝、仏頂面よりも笑顔の多いひとになりたいものです。

あの夜空の笑顔みたいに。
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