ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「その時、『テレビ』は逃げた」そして今も『テレビ』は逃げ続けている。いつまで逃げているつもりですか?

2016年03月08日 | 日本とわたし
3.11を忘れない。
その時、『テレビ』は逃げた ~黙殺されたSOS~

というドキュメンタリーを観ました。
いつもこの時期になると、こういうまとめ、みたいなものが放送されるようですが、
観終わってすぐに、わたしは「あれ?」と思ったのです。
え?こういう終わり方なのかと。
5年も経ったというのに、まだこんなことを言っているのかと。
『テレビ』だけでなく『新聞』も、あの日からずっと、逃げっ放しではないかと。
今も、SOSを黙殺しているではないかと。

今回の失敗を生かし、装備を大幅に増やし、放射線量が高い場所でも一時的に取材できるようにした。という場面があります。
事故が起こった直後などは、もちろんそのことも大事なことです。
そしてこの特集は、事故直後の取材不備のことに焦点を当てていることも承知しています。
でも、一時的に取材することよりも、随時、原発事故が起こったらどういう事態になるか、ということを、あらゆる面から、視点から、伝え続けていくことこそが、報道者としての使命ではないでしょうか。

どうしてここまで、電力のためではない恐ろしい核施設が、海岸沿いに増え続けてきたのか。
どうしてこんな、地震や津波が起こり得るところに、放射能汚染を撒き散らすものがあるのか。
どうしてこんな、市民の税金と命を踏み台にしなければ営業できないようなものを、50以上も建てられているのか。
どうしてこれほどまでにひどい、とてつもない被害を生み出したものを、自然条件も科学も何も変わらないまま、また使い出そうとしているのか。
どうしてあんなに、いろんな科学者や議員が、事故が起こる可能性を警告し続けてきたのに、それには全く耳を貸さず、検証しようともせず、
安全だー安全だーとオウムのように繰り返した総理大臣をはじめとする原発関係者が、全く罪に問われることも、責任を取ることもなく、
今だにのうのうと、堂々と、事故など無かったかのような顔をして、原発をまた動かせるのか。
どうしてここまでひどい結果になってしまったというのに、原発所在地の市民の中には、原発再稼働を待ち望んでいる人がいるのか。
そして何よりも、『原発の安全神話』を社会に浸透させた張本人としての、反省と検証はできたのか。

テレビは、どの局も、1日にひとつは、事故後の今を伝えるべきでした。いや、伝えるべきです。
また、原発事故に伴う放射能汚染と被ばくの現実を、できるだけ正確に伝えるために、普段からしっかりと検証や取材をしておくべきでした。
そして、原発というものが存在する愚かしさ恐ろしさを、事故が起こったらとにかく逃げなければならない、という事実から、しっかり伝えるべきでした。

それをまるで命日か記念日のように、毎年3月11日や12日だけの特集を組んで放送するなんて、まるでよその国に起こったことのような扱いで済まそうとしている。
5年も経った今も。

テレビはいつまで逃げているんですか?
新聞はいつまで黙っているんですか?

いいかげんに声を出したらどうですか?


↓以下、文字起こししました。



画像と音声はこちら↓の方がきれいです。
その時、『テレビ』は逃げた~黙殺されたSOS~

ガソリンもなく逃げられません。
助けてください。食料もなくなります。


5年前、テレビ朝日に届いた、大量のメールです。


多くの人が取り残された町。
命をつなぐためのSOSでした。



メール送信者:
マスコミから見放されたてゆうか…。


想像を遥かに超えた原発事故。


私たちはパニックに陥りました。


当時決めたひとつのルール。
『指示があるまで取材は行わない』



テレビ朝日報道局幹部:
あれだけ多くのSOSというか、メールがたくさん届いていたにもかかわらず、私たちはあの時逃げてしまったんですよね。


5年前、私たちは、この道の先に入りませんでした。


その時、(テレビ)は逃げた逃げた黙殺されたSOS

ナレーター中里雅子

福島第一原発の、今にも崩れ落ちそうな姿に、不安が広がっていた事故直後。


さらなる混乱が始まりました。

事故原発から、半径20から30キロメートルの範囲の皆さんには、外出をしないで、自宅や事務所等、屋内に待機するようにしていただきたい。



政府が突如打ち出した、屋内退避。
すでに避難エリアが出ていた外側、原発の半径20キロから30キロの範囲の住民に対して、屋内にとどまるよう指示をしたのです。



南相馬市原町地区。


街の中心部に津波の被害はありませんでしたが、大半が屋内退避になりました。


町で唯一スーパーの営業を続けた、石沢一ニさん(56)。
その時、予想もしないことが起こったと言います。

石沢さん:
この棚に、今これだけ並んでいる品物が、全くもほとんどゼロの状況に、ええ、すっからかんの状態になってしまいました。

自分としても、今度は自分が食べる物をどうしようかという、避難しなくちゃやはりいけないんじゃないか、という状況まで追い込まれたことがありました。


放射能への恐れから、物資を運ぶドライバーたちが街に入ることを拒み、物流がストップ。
ガソリンさえも極端に不足しました。

屋内退避エリアに残った南相馬市民:
自衛隊の人が、完全装備で訪ねてきて、すぐに出られるようにしておいてくださいと言われた。
で、はいと返事したのですけど、ガソリンがありませんでした。


南相馬に取り残された住民が1万人以上。


窮地に陥っていました。

石沢さんの店に、東京から食料が届いたのは、屋内退避になって5日後でした。

ディレクター:
市役所に写真があったんですよ。




石沢さん:
あー懐かしいですね。
3月の20日ですから、実際のところは、皆さんがマスクをしているのはですね、寒いからじゃないんですよ。
実際にもう、原発が爆発したという放射能の怖さで…。
(当時のことを思い出し涙がこみ上げる石沢さん)
必死でした。本当に。生きなくちゃいけないという。



3月12日(震災翌日)

震災翌日、まだ南相馬にいた私たち。
沿岸部の被害は甚大でした。


記者:
多くの住宅が並んでいたこちらの地域も、ご覧の通り何もありません。


このリポートの15分後、原発メルトダウンの一報。


南相馬での最後の取材になりました。



取材の全体指揮をとっていた宮川です。


宮川晶・テレビ朝日編集長(当時)

ついに起きちゃったのかって言う…ああ起きた、ほんとに起きちゃったっていう感じですよね。


これはもう、スタッフの安全確保をするためには、とにかく逃げる離れる、それしかないだろう。


当時、すべての取材クルーに送られたメール。
浜通りより中、海岸よりには入らないでください。危険です!


沿岸部からの全面撤退を、指示する内容でした。


その後、取材禁止エリアはさらに拡大。
政府が屋内退避などを指示していたのは、半径30キロまででしたが、私たちは、わずかでも30キロにかかる自治体全域の取材を禁止に。
国よりも広い範囲に、制限をかけたのです。



原発取材の安全の管理をしていた関川は、取材制限の理由をこう語ります。
関川修一・テレビ朝日原子力災害資材本部(当時)



30キロ圏に入ったか入んないのかっていうのは、線を引いてあるわけじゃないので、地面に同心円が書いてあるわけではないので、
その市町村に入ったとして、じゃあどこまで行ったら30キロ圏、で、どっから外がっていうのがわからないと。


最終的には、福島県内のみならず、宮城から茨城の一部にまで及ぶ、広大な取材禁止エリアが生まれたのです。



千野壮太郎・テレビ朝日社会部
(車内からの取材)福島の第一原発の3号機で爆発が起きたと言うことで…、


当時、千野は福島にいました。

千野:

実際に避難された方が、「どうして福島の事が報道されないんだ?」って言う、
原発が爆発したことばかりで、「そこの中にいる人の想いみたいなものが伝わらないじゃないかって言われると、
やっぱりもう、言う言葉がないというか…。


さらに不安をかき立てられる事態が。

オバマ大統領:
福島第一原発から半径約80キロメートル圏内の、アメリカ国民に避難を呼びかけた。



原発事故を受け、私たちが決めた方針です。
指示があるまで取材は行わない。
どこが安全でどこが危険なのか、それすらもわからない中、私たちは取材することを諦めたのです。

そもそも原発事故を想定した装備は、あまりに脆弱でした。



関川:
福島放送には、空間線量を測るサーベイメーターと言う機械は、装備されてませんでしたし、
個人個人の被曝線量を測るポケット線量計と言うのがあるんですけれども、これが電池切れの状態で使えなかったと。





宮川:
まず、安全が確保できるかどうかわからないって言う状況であれば、まず一旦引くと言うのは、やむを得なかったと思う。


知識も経験も装備も情報も、なんにもない中で、広いエリアに入るなと。
事実上、もうここで取材するなみたいなことに、エリアを広げちゃったんですよね。



これは、東日本大震災から1ヵ月の間にテレビ朝日に届いた、視聴者からのメール1万3,000通の、ごく1部です。


南相馬など、屋内待機エリアからは、SOSが送られていました。

後は餓死するだけですか?報道陣は逃げているのか!


お腹には赤ちゃんがいるのに、食べ物がありません。


どうか私たちを見捨てないでください。


テレビの力で、もっと屋内待機区域への物資の輸送を、促すような報道をお願いします。
子供もまだ7ヶ月です。もっと生かしてやりたいです。


このメールを送った但野光一さん(45)です。
当時生まれたばかりだった息子への放射能の影響を恐れ、震災の2ヶ月後、南相馬から群馬県に避難しました。


但野さん:
そうですね、住めば都、みたいなところがやっぱりあると思うんで。
なくなったわけじゃないですからね、向こうも。
だからまぁ、帰りたい時は帰省で帰ればいいし。


暮らす場所も仕事も変わった但野さん。
私たちにメールを送ったときの気持ちを聞きました。

但野さん:
外に出れないし、家の中にいてといったら、じゃあ何をするかというと、テレビを見るぐらいしかないじゃないですか。
それでテレビを見ると、計画停電とかありましたね。


こっちは、計画停電もクソもへったくれもないですよね、自分たちは。
あの時って、テレビ局とかは入れないっていうことがあったと思うんですよ。
でも、別にわれわれは、普通にそこで生活するしかなかったっていうこともあるし。



屋内退避エリアからのSOSに、テレビ朝日系列の福島放送は…、

記者(電話取材):
皆さん今じゃあ6人で、自宅で待機されているんですか?

市民:
孫とお嫁さんは、結局実家の方に自主避難をしています。


こうした電話取材や、もともとあったお天気カメラを使った撮影など、屋内からの取材にとどまることも。
アナウンサーの笠置のブログには、屋内退避エリアから、直接SOSが。

笠置アナウンサー;
お母さんたちはもう、放射線に関する不安と悩みで、もう限界まで来ていますと。
早く来てください。なんでこないんですか?

って言う口調が、どんどんどんどん強くなって、なんでこないんですか?
でも、答えられなかった。
本当にお伝えしなければいけないことが、本当にたくさんあったはずなのに、その映像が入ってこない。
1番悩んでいる人たち、1番苦しんでいる人たちの情報を届けられないっていうのは、
どうしたら1番いいんだろうっていう形を、いつも探りながら伝えている、というような状況だったと思います。


助けを求める声が届いていたのに、スタッフの安全確保を理由に、取材のやめた私たち。
その背景には、17年前の、苦い経験がありました。

1999年、JCO東海村臨界事故。


放射線を浴びた作業員が死亡する、原子力施設の重大事故でした。



後藤信広記者:
こちらは、放射能漏れを起こしたウラン加工工場から、4キロほど離れた住宅街です。
事故現場から2キロ近くまで近づいた時は、こちらの針が左側に振り切れてしまうこともありました。



私たちは、この時、見えない放射線に近づきすぎたのです。


宮川:
放射線がそのまま出てくるっていう、それによる被害が起きるっていう事は、あまり想像も想定もできてなくて、
だから、あの施設にかなり近いところで取材したり、女性スタッフも行ったり、あるいはヘリコプターで上からかなり近づいて空撮してたりとか、
で、そういうことがあって、これはだめだろうと。



この時の反省から作られた、テレビ朝日の原子力災害取材マニュアル。


取材ができる空間線量を、毎時10マイクロシーベルトに定め、不用意に近づかないようにしました。


しかし、5年前の原発事故では、50キロ以上離れた郡山の福島放送でも、これを超えてしまったのです。



椎野修次・福島放送報道政策局長(当時):
毎時10マイクロシーベルトを超えた時点で、これは、経営管理の、最終的に話し合って決めたことであるんですけれども、
とりあえず屋内、社内からの電話取材にとどめようということで、
取材、報道機関としてどうなんだ?と言われれば、十分な情報の提供、その他含めてできなかったと言わざるを得ないと思います。





関川:
あの時のルールで取材するのは、非常に難しいですね。
10マイクロシーベルトを超えるところの取材が必要になるとか、そういったところが多分、あのマニュアルには予見してなかったんだろうと思います。



過去の経験が重しとなり、SOSに答えなかった私たち。


宮川:
全然取材にも来ないですけれども、大変なことになっています。助けて下さい。みたいなメールが来ているのはわかっていて、結局無視してしまったわけで、
それはなんていうんだろう、本当に普通の人たちが取り残されている、そこからSOSが来ているにもかかわらず、我々がそれを無視したら、
じゃあ誰がそこに気づいて、その実情を伝えるんだ、俺たちが1番やらなくちゃいけない仕事なのに、そこが。


今も南相馬に住む廣瀬生人さん(67)。
テレビに失望し、苛立ち、私たちにメールを送りました。


南相馬市民は怒っています。
テレビ局が、南相馬市での取材をしてないようです。
キャスター、カメラマンも、来たくないのですか?



廣瀬さん:
やっぱりテレビを見てて、あるいはそういう、テレビ局や新聞社からね、カメラ屋録音機を貸すから取材してくれって頼まれたっていうニュースを聞いたり何かして、
何言ってんの?って思っちゃうよね、自分で来いと。
いや、普通だったら行くんじゃないの?
あの、ベトナム従軍記者じゃないけど…。
やっぱり、放送局とか、そういうとこがおっかなくなって来なかったのかね?
あるいはその上司の人が行けとは言えなかったのか。



私たちの取材制限は、3月末も継続。
南相馬など、屋内退避エリアも取材できないままでした。
記者たちは葛藤していました。

テレビ朝日の水谷は、南相馬の取材を、上司に直訴しました。



水谷寿彦・テレビ朝日社会部:
これは、当時私が書いたものなんですけれども、どういった形であれば取材できるのか、自分なりに考えまして。


放射線量が、私たちの上限よりも低いことを根拠にしましたが、認められませんでした。

水谷:
なぜこれだけ線量が低くて、そこに、実際に、日本では信じ難いような状況がそこにあるであろうと。
これを伝えなくて何を伝えるのかっていうのは、正直思いましたので、どうしても入りたいと思いましたけれども、
それについての返事は、納得がいかない部分がありました。


無断で取材禁止エリアに入った記者。
原発作業員の家族を取材しました。

田村氏に避難していた、原発作業員の兄がいる女性:
3月16日が最後で、後は全然連絡が来てないです。
声を聞きたいし、やっぱり顔も見れたら、うん、会いたいです。


彼女が避難していたのは、取材禁止エリアの中。
そこでの撮影は認められていなかったため、わざわざ別の場所に連れ出してから、このインタビューを取りました

河本健太・テレビ朝日社会部(当時):


被災者の方が避難してる場所っていうのは、安全だから避難してるわけじゃないですか。
そこで取材できない、ってどうなの?って自分たちも思うし、この方も思ってたと思うんですね。
要するに、あなた達(テレビ局)がだめな場所に、私たちをそのまま、また戻しに行くのか?この取材が終わったら。


宮川:
やっぱり、何か起きているときに現場を見たい、きちんと見てきたいっていう思いは非常によくわかるし、
そういう気持ちが無くなったら、我々はおしまいと思うんだけれども、
よく分かるけれども、でもやっぱり自分の立場としては、取材スタッフの安全を確保しなくちゃいけないっていう、
まあそこは非常に悩んで、今もあまり、答はなかなか難しいですけど。


屋内退避指示から3週間が経った4月。
2011年4月7日みなみそうま取材再開時

ちょうどこの辺が、福島第一原発からおよそ30キロ離れた地点になります。
ここから先は、屋内退避の指示が出ている地域です。

私たちは、ようやく南相馬の取材を再開。
物資が入らない危機的な状況を乗り越え、町では少しずつ復興が始まっていました。


一方沿岸部は、ほとんど手付かずの状態。
記者の目に飛び込んできたのは、私たちが目を逸していた現実でした。



捜索する地元住民:
全部いなくなった家族もいるんで、その方々っていうのは身元判明もできなければ捜索にも来れないんで、
そういう人たちにも代わって、みんなで、全力でやってあげたいなと思っています。





取材した福島放送高橋良明:
一日で、こんなに多くの悲しみだったり、涙だったり、切なさだったり、やるせなさだったりっていう、
そんな一日回して、こんな瞬間が訪れるなんて思っていなかったので。
もっとしんどかった時はあったはずだし、この日は警察も入っていたけれども、その前はほんとに警察も入ってない中でやっているわけだから、
これが被災地なんだなっていうことを実感しましたね。



愛媛県伊方原発

そして今、一旦止まった原発が再び動き出す中、政府は愛媛県伊方原発で防災訓練を実施。




安倍総理
5市2町の住民におかれては、屋内退避を行ってください。



かつて深刻な状況を経験しながら、国が再び想定する屋内退避。
船で逃げるしかない住民もいます。

伊方町明
ほんと、私ら取り残されたら、死ぬいうことと一緒やからね。



私たちも、事故に備えて、訓練を始めました。
想定外は言い訳になりません。
原子力災害の取材マニュアルも改定。
装備も大幅に増やし、放射線量が高い場所でも、一時的に取材できるようにしました。





取材記者;
えー、この辺の線量は、200マイクロシーベルトを行ったり来たりで、建屋の近くはまだまだ線量が高い、ということが言えます。



宮川:
危険な取材をするとかね、いう意味ではなくて、安全を確保する手段を一生懸命探しつつ、頑張って取材していく。
それを講じていくということを、やっぱり忘れていけないという事ですね。



私たちは、前に進むことができたのでしょうか?
あの時、私たちが黙殺した、多くのSOS。


但野さん:
今になれば、(メールを)送っておいてよかったって、やっぱり思うんですよ。
別に今だって、こういうことがあったんだよっていうのが、少しでもみんなが分かれば、
じゃあ次、絶対次じゃないですか、どう考えても、あの時の事には戻れないし。
コメント (9)
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文字起こし『福島原発事故 海外メディアが見た5年間』

2016年03月07日 | 日本とわたし
例によって例のごとく、ここに動画を貼り付けることができないので、文字起こししました。
海外の記者たちの視点からの、さまざまな意見を、スクリーンショットで撮った写真とともに、ここに掲載させていただきます。
今回の文字起こしは、少し端折った部分もあります。ご了承ください。

福島原発事故 海外メディアが見た5年間
http://www.dailymotion.com/video/x3vf6gn



街の声とインターネット投票を、TBSラジオ荒川強啓デイキャッチが集計した、ニュースランキングの週間トップ3を選出。



西村・プペ・カリン(フランス)/ AFP通信記者:
鴻海のシャープ買収交渉は、せざるを得なかった。
シャープは、液晶技術においては世界最高であるが、営業面では足りないところがある。

ジェイムズ・シムズ(アメリカ)/ フォーブス記者:
トランプ氏の危険性について。
彼を支持する人がここまで増えているのは、国民の、既存の政党とか将来に対する不安の証。
彼は、そういう人の不安のツボを抑えるのが、非常に上手。




▪️福島原発事故 海外メディアが見た5年間



海外メディアもトップで報じた福島県発事故。
メルトダウン、水素爆発を、日本の危機と報道した。
しかし、事故から3日後、政府は、格納容器の健全性は維持されているものと思われると、安全性を強調し、メルトダウンを否定



しかし、(5年後の)先週の報道で、改めて事故当時の社内マニュアルを確認したところ、
「炉心溶融(メルトダウン)について、炉心損傷割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定する、と明記されていた」と公表。
今更になって、震災から3日後には、メルトダウンの判断が可能だったと発表した東京電力。




日本のメディアへの信頼も揺らぐ中、外国人記者たちは、この5年間をどう伝えてきたのか。
当時、各国が、避難や帰国を促す中、外国人記者の皆さんは、取材を続けていた。



ユン・ヒイル(韓国)ー(震災翌日に福島入り被災者の取材を続ける):



カリン記者ー(安倍首相の原発訪問に同行。各地の汚染状況を取材):
ジャーナリストにとって1番大切な事は、取材し情報を得て、それを確認してから発信すること。
その時(事故発生当時)には、そこまでできなかった。
原発事故の事で、自分の目で見て確認できたことは無かった。



シムズ記者ー(全国の原発を取材。電力会社の体質を追求)



ミゲル・クインタナ記者(スイス)ー(飯舘村を定期的に取材。取材の傍らボランティアも)
メルトダウンの基準が実はありましたと、5年経ってから報道されている。
当時は、原発事故のワーストケースシナリオの場合はどうしますか?と言う質問に、答えてもらえなかった。


東京も避難させる可能性があった。
震災があったのは仕方がない。これは自然災害。
その後の人間の組織の対応はどうなのか?
海外メディアが伝えた震災福島の今。
福島原発で取材を続ける記者がいる。




ジェイムズ・シムズ記者:
記者線量はどれくらいですか?

東電担当者:
毎時80マイクロシーベルトぐらい。(2014年の取材)


シムズ記者が注目するのは、汚染水問題だ。



シムズ記者:
貯蔵エリアの1つにやってきました。
汚染水は、処理後ここに貯蔵されます。


相次ぐ汚染水の漏洩。
東京電力は、水漏れを防ぐため、タンクの周囲に囲いを設置していたが、高さが足りず、何度も溢れ出ていた。





シムズ記者:
未然に防ぐために、なぜいろいろな(囲いを高くする)対策が、最初から行われなかったのか?

東電担当者:
今まで火事場の対策をしていた、と言うのは否めないと思っています。
反省しなければいけないところだ、と思っています。


シムズ記者:
やはり、なぜこういう事故が起こったのか、実際の政治、行政、産業の構造が、なぜこういう問題を生んだのか。
これは、日本の縮図ではないかと思っている


未だ不透明な、原発内部の実態。
シムズ記者は、こうした取材を繰り返し、世界に配信している。
ユン・ヒイル記者は、震災の一報を韓国で聞いた。



ユン記者:
直後に本社で映像を見て、すごい状況だったので、現場のルポを書くことが私の使命だった。


世界に衝撃を与えた大災害。
ユン記者は、翌日、福島への最終便に乗り込んだ。



ユン記者:
怖くなかったんですよ、本当に。日本を信じてた。


日本の原発だから、安全大国だから、爆発するとは思ってなかったので、不安はそんなになかった。


多くの被災者と同じように、このときはまだ深刻に捉えていなかったユン記者。
福島県内の避難所へ向かった。



ユン記者:

(被災者たちの)冷静な対応が、1番印象的だった。
ほんとに静かに、順序よく待っている。


他の人に全然迷惑をかけないようにしたり、(私が)インターネットを貸してもらいたい時も、本当に親切に貸してくれる人もいて、温かさを感じた。

被災者とともに避難所で一夜を明かし、書き上げた記事がこちら。



安全だと思っていた、被曝なんて考えたこともなかった、と語る、被災者の声を伝えている。
刻一刻と悪化する、福島第一原発の状況。
事態を重く見た各国政府は、自国民に対し、避難指示を出し始める。



ユン記者:
携帯に、韓国からメールが来た。
「早く福島を出なさい」との命令がきた。
それで、仙台までタクシーに乗った。
仙台市内の避難所では、あるおばあさんに出会った。

そのおばあさんは、家もなくなり、周りの家族もなくなったのに、私の前では悲しさを飲み込む。


その方から、日本人が、災害に対して立ち向かう態度が分かり、他人への配慮もわかった。

笑顔の裏にある被災者の思い、過酷な運命に立ち向かう姿を、書き続けました。



ミゲル・クインタナ(スイス)記者:
飯舘村は、原発事故当時、避難区域外なので安心してください、と言う指示のもとに、1か月の間留まってしまい、被爆してしまった。
国への不信感から、国が設置した測定器の数値を、信用することができない。


シムズ記者:
責任の曖昧さ、或いは責任を問わない問題がある。
きちんと検証してこなかった。
幾つかの事故調では検証されているが、もっと内部の中に潜り込んで調べるべきことがたくさんある。
内部情報はまだ公開されていない。
映像とかEメールのやりとりとか資料とか、今回の裁判で、情報が出てくることが期待されている。



神保哲夫 / ジャーナリスト・ビデオニュースドットコム代表・元AP通信記者:
海外の専門家たちの間では、メルトダウンをしている事は間違いないと。
なので、メルトダウンをしているかしていないのかではなくて、いつそれを認めるか認めないかの問題だった。
政府が、出すべき情報を出すべき時に出せない。
この問題がすべてにつながっている。


サンドラ・へフェリン(ドイツ)記者ー(原発全廃を決めたドイツを見習うべきと主張):
これは去年の記事。例外的に日本寄りになっている。


ドイツでは、健康被害が、福島原発事故によってあるのではないかと言われていたが、
昨年、国連からの報告書では、原発事故による健康被害やガンの危険性は無いとあった。
そういうことから、ドイツ人は騒ぎすぎではないのか?という内容の記事。
これはあくまでも例外で、全体的な傾向としては、
ドイツでは、原発事故の後は、地震や津波の事はあまり報道せず、放射能のことをメインにメルトダウンの事とか、食べ物は大丈夫なのかとか、
どれだけ汚染されるのかという、シビアな報道してきたので、日本の被災者の人にスポットを当てる報道とはだいぶ違いがあった。



がんばっている被災者の方々を応援する気持ちと、震災ではなく人災を起こしてしまった組織に対する感情が複雑すぎて、行動が混乱しているのは事実かもしれない。


▪️除染はムダ!


ユン記者:
先月、飯舘村というところに取材をしに行った。
そこで出会った色々な方の話によると、福島の山は、髪をバリカンで首の周りだけ刈っているような状態で、
山のほうは全然除染していないし、そんなところに人が戻ってきて住めると、政府は言っている。
その事について、ものすごく反発を感じている。
現地の人が信頼できないような除染をして、除染が終わったと言う事は、無駄だと表現しても良いと思う。


除染は無駄、というような強い意見はなかなか出ない。
やはり、帰宅困難のみなさんに気持ちが寄せられると、帰れないと言うのはなかなかこちらからは言えない。



神保記者:
安全神話を前提に、原発は運営されていた。
事故前は、そうした情報(原発の危険性などを始めとする負の情報)を出すのはままならない、やってはいけないことになっていた。
それを反省しなければいけない。
もちろん、個別に隠したことなどは、追求しなくてはいけない。
しかし、もっと大きな問題であるような気がする。


シムズ記者:
伝えるべき情報が、的確に伝えられるべき時に流されていたとしても、政府や東電の対応には、あまり変化がなかったかもしれない。
でも、一般住民の避難計画や行動範囲が、変わったのではないか。
そういう意見が地元から出ている。


パニックを起こしたくないから、メルトダウンと言う単語を使わなかった。


シムズ記者:
それは誤解である。
防災や危機管理の専門家は、パニックは起こらないと言う。
パニックが起こるということは、これは映画で出てくるものだけで、防災対策の担当者がきちんと防災学を勉強していないと言う証である。
私も、最初はパニックが起こるから、政府は控えめで情報を公開しないと思っていた。
だけど、実際に勉強してみると、パニックはそのほとんどが映画だけの問題、ということがわかった。


自分の命に関わる問題は、相手に判断してもらいたくない。
あの時パニックに陥ったのは、市民ではなく政府だった。
パニックを起こしたくないではなくて、批判されたくないという保身が根底にあった。



▪️風評被害ってナニ?

サンドラ記者:
日本のテレビではよく、この『風評被害』という言葉が出てくる。
野菜を育てている農家の方が、『風評被害』によって苦しい思いをされているということに、スポットが当てられているのだが、
欧米、特にドイツ人にとっては、『風評被害』というのは非常に不思議な言葉で、
と言うのは、やはり放射能というのが絡んできた時に、人の気持ちに寄り添うというよりは、事が放射能なので、
ドイツの場合は、昔のチェルノブイリの記憶を持っている人がすごく多いので、

チェルノブイリは凄く離れたところであるが、南ドイツとオーストリアには所々ホットスポットがあって、そのせいで今でも猪が食べられないと言うようなことがあるので、
放射能が絡んでくると、起こりうる危険を考えるのが、消費者としての優先事項なので、消費者として自由に判断したいと言うことが先にある。

被害を被っている人たちに寄り添うと言うのは、非常に日本的な考え方で、ヨーロッパだと、あくまでも消費者の自由であると言うスタンスがすごくある。
また、『食べて応援』と言うキャッチフレーズがある。
電車の中などで、よくその広告を見るのだが、ヨーロッパの人からするとこれも、
気持ちには寄り添っているが、自由に判断できないという、同調圧力的なものを感じる、と言う人が多い。



少なくとも、『風評被害』という言葉は、英語には非常に訳しづらい。
日本独特の文化でもあるんではないか。



神保記者:
風評被害と言うのは、根も葉もない情報を根拠にして、何か被害を受けること。
福島の場合は、根にも葉にもある程度放射能はあるわけだから、本来の『風評被害』の定義にははまらない。
だが同時に、日本の場合は、安心と安全というものが同列に語られる傾向がある。
安全というのは、科学的に数値で見て大丈夫かどうか。
安心と言うのは、情緒的なものや心情的なもので、いくら安全だと言うふうに数字が出ても、ちょっとまだ不安があるということがあり得る。
日本の場合、安心と言うものに対する期待度が非常に高い。


▪️福島の混乱 責任はメディアにも!?
震災報道日本のメディアはゆるい?


地震発生直後から、パニックを起こさぬよう呼びかけた政府。


東京電力や安全保安委員もまた、安全性を強調。




テレビや新聞を見ても、安全を強調する人々の言葉ばかり。


国民の疑念は静かに深まっていった。
そして、震災の年を境に、メディアへの信頼はじわじわと下がっている。


一方、海外メディアは、早くから、福島の報道に関する矛盾を指摘。







神保記者:
震災後、日本のメディアは、自由に政府と違うことを報道できないのではないか、と言う印象を持たれた。
政府自身がパニックに陥っている状態で出される情報を、そのまま報じることしかできなかった。
それは、東電に対しても同じ。
どういう矛盾があるのかとか、こういう違いがあるんじゃないかということを、特に直後は言うことができなかった。
そもそも、安全神話というもの自体が、もともとメディアによって拡大生産されてきた。
やはりメディアは、平時にやるべきことをやってこなかった。
突然有事になったからといって、手のひらを返したように、実は原発のこういうところが危ないんだ、ああいうところが危ないんだという事は、直後はとてもではないが言えることではなかった。
やはり、平時にやるべきことをやっておくという事の重要さが、すごく認識されたことだと思う。


カリン記者:
私には、怒りに近い不満があった。
毎日、東電の記者会見の時に、分厚い資料もらって、でもそれは自分で分析することができなかった情報なので、どう報道すればいいかずっと考えていた。
自分の仕事に対しても、不満があった。


ミゲル記者:
当時、特に印象に残っているのは、日本のメディアは安全デマだと。
そして海外メディアは無責任だと。
確かに、海外メディアの中には、無責任な情報を、無責任にドラマチックに伝えていたところもあった。
が、責任を持って頑張っていた記者たちもいたので、そういうふうに分けるのがわかりやすいだろうけれど、かなり複雑だったということが言える。


アメリカの同時多発テロが起こった際にも、同じような現象が起こった。
国家規模の緊急事態になって、メディアが政府を庇おうとするとか、政府の批判を控えようとする風になって、
メディアが本来持っている責任を、その時は果たさなかった。



▪️原発再稼働 世界はどう見る!?

3年前、世界に向け、大見得を切った安倍総理。


福島第一原発事故の収束が未だ見えぬ中、電力の安定供給を訴え、原発再稼働を推し進めている。
先週には、川内原発に続き、高浜原発4号機が再稼働。



しかし、それも、わずか3日で緊急停止。


結局、何も変わっていないように見えるこんな状況で、原発再稼働を進めるべきなのだろうか。
福島の事故では、まだ誰も責任を取っていない曖昧な状況の中、原発の再稼働各地で進めようとしている。
これは、海外からどう見られているのか。



シムズ記者:
あえて言うと、私は、原発に賛成でも反対でもない。
現時点で、日本は、原発を運営する資格はないと思う。
今の世論調査を見ると、過半数が反対でもあるし、高浜町の去年の世論調査では、半分以上の人が、避難計画は役に立たないという意見を持っている。
実際に私も、去年高浜に行ったのだが、避難通路や避難道路を見ると、
場所によっては、津波が来た場合、避難道路が冠水するということがあるし、高速道路も大きい地震があれば閉鎖すると言う事だから、
避難計画は、絵に描いた餅のような感じ
である。
高浜の4号機の問題は、変圧器の問題なのだが、それだけを見ると、それほど大きな問題では無い。
でも、これだけ注目されている中でそういう問題が起こるのは、何かが欠けているのではないかという印象を受ける。


サンドラ記者:
ドイツは、福島県発事故の後、原発の全廃を決めた。
ドイツ人として最も不思議なのは、日本はいまだに他の国、トルコなどに、原発を輸出している。
3.11の後でさえも。


ユン記者:
日本の技術力、物造りの力を活かし、原発を捨てて、再生エネルギーの技術を作り、それで世界をリードできると思う。
発想転換しなければいけないと思う。
先月、飯舘村の取材をした時、自分たちのお金で再生エネルギーの会社を作ってやっているのを見て、すごく感銘を受けた。


シムズ記者:
日本はきちんと議論をしていない。
なし崩し的に再稼働へとすすんでいる。


ミゲル記者:
5年前のことを振り返って考えると、安全だったものが爆発してこんな状況になった。
今も、災害が起こる国である。
安全基準を定めても、リスクがある。
リスクが無いと誰も言えない。
万が一、再びこんなことが起きても大丈夫?いいですね?いいですね?じゃぁ再稼働しましょう。
そういう風に考えるべきではないか、と私は思う。


国民を説得してから、ということだが、フランスは原発依存度が世界一の国。
だが?



カリン記者:
政策が変わった。
反対派が増えたので、原子力最大手の会社アレバの業績が悪化した理由は、福島の原発事故であるのは間違いない。


神保記者:
このような議論が、日本のメディアでも普通にできていれば、このような状況にはなっていない。
5年目を迎えるにあたって、本当に事故の反省は生きているのかどうか、改めて、この5年目に、再確認を必要があると思う。


↑以上、文字起こしおわり
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ああ大失敗!

2016年03月06日 | ひとりごと
部屋の中から見ていると、なんとなく春めいてきたように見える窓の向こう。
どれどれ、ちょっくら覗きに行ってみっかと、カメラ片手に外に出た。
さ、さぶっ!
今日までが寒くて、明日からどんどん気温が上がるという予報を、律儀に守っている。

でもでも、地面の近くではやっぱり、春の芽生えが始まっていた。
散歩がてら、ご近所のちび春を撮りにゴー!
















今思い出してもゾッとする、とても怖いことがあった。
『福島原発事故・海外メディアが見た5年間』というビデオを観ようと思い、あるサイトをクリックした途端、画面上にアラートが現れて、
「今すぐに対処しないと、あなたのコンピューターが破壊されます。即刻下記の番号に電話をしてください」
という内容のアナウンスが、けたたましい警告音と共に何度も繰り返される。
家にはわたし一人だったので、誰に相談することもできず、強制終了しようとしてもマウスも全く機能しない。
仕方が無いので、電話をかけた。
インド訛りのきつい男性が出た。
ああ、どうしよう、わたしはこの人の英語が聞き取れない。
とりあえず、自分がどこにかけているのかを確認すると、マッキントッシュだと言う。
マッキントッシュの何だと問うと、問題を解決する部門だと言う。
それなら、毎年支払っている会費で賄えるのだなと思い、彼の指示に従ってわたしのコンピューターを彼が見られるようにした。
その時点で、わたしの名前、電話番号、そしてEメールアドレスを彼に伝えなければならなかった。
何回も、彼の指示の通りに、コンピューターを強制終了したり再起動させたりした後、たくさんの警告やエラーを見つけたと彼が言い、
これらを今すべてきれいにするから、そのための費用請求をしたいので、住所を教えて欲しいと言われた。
そこで初めて、これはアップルと全く関係の無いところなのだと気がついて、請求額を尋ねると、199ドルだと言う。
わたしは慌てて彼にこう言った。
「てっきりアップルのサービスの一環かと思い込んでいました。
少し前に一度、iPadに問題が生じた際に、解決するのを手伝ってくれたアップルのスタッフの人が使っていたサイトとそっくりのものだったので、勘違いしたのです。
今までのわたしのために取ってもらった時間をお返しすることはできないのは申し訳無いのですが、この件は無かったことにしてください。
わたしのコンピューターにたくさんの問題があることが分かりましたので、早急にアップルストアに持ち込んで、ジーニアスカウンターのスタッフの方に相談します。
そのために年会費を払っているのですから」

と、ここからがとんでもない展開となってしまった。
相手が頑として引き下がらないのだ。
食らいついたら最後、こちらが根を上げるまでとでもいうように、どうしても電話はおろか、わたしのコンピューターから出て行ってくれない。
自分のうっかりが招いた事だと、落ち込む気持ちを引っ張り上げながら、相手が諦めるまでわたしも粘りに粘った。

やっと電話が切れて、コンピューターも一応いつもの様子を取り戻したけれど、なんだかやっぱり気味が悪い。
ああ大失敗…。


気分直しに、再び春(めちゃくちゃ寒いのだけども)。


耳というより心の奥にふわりと届く、それはそれは優しい音のウィンドベル。


何の種かな。




木の根っこが歩道にでこぼこを作ることがとても多い。


これはなんでしょか?


コケも元気が出てきた。


地面ばっかり撮ってたら、頭の上の方が賑やかなので見上げると、この辺ではとても珍しいカラスさんが。


こんな方も。


雪がまだあちこちに残っています。



暗くて見えにくいけど、仰向け寝の海。


さらに暗いと見えにくいけど、物思いに耽る空。


箱という箱に入りたい海。なので、荷物運び用にどこかからもらってきた箱でさえ、どこかに仕舞うことができない。


箱には一切興味が無い空。下顎を下ろす四角口を披露中。


この後、ひっくり返って落ちた。
コメント (4)
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篠山市に続こう!ヨウ素剤の事前配布を町や市に要求しよう!そして原発の危険性を周知していこう!

2016年03月05日 | 日本とわたし
前回の記事の続きです。
今回は、兵庫県篠山市が、30km圏外の自治体が安定ヨウ素剤を市民に事前配布したという、全国初のケースになったことについて、詳しくお伝えしたいと思います。

原発は、一基残らず、即刻運転を停止し、廃炉を実現させよという声を高めていかなければなりません。
しかも、今、政府が国民の声を無視し、暴力的に再稼働を推し進めている原発は、4年以上という長い時間止まっていたものです。
そのような長い期間運転されていなかった原発を再び稼働させることが、いかに危険なことか。
新しい原発を稼働させることとは、全く意味が違います。

だから、現実を見れば、また起こるかもしれない原発の過酷事故に備え、いざという時のための行動をしっかりと決めておかなければなりません。
この篠山市の試みが、全国にわーっと広がっていくことを願い、守田さんの記事をここで紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ

原発再稼働をみすえヨウ素剤配布など民衆の側からの災害対策を進めよう!
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0b36f4389ea5fc160d7d87b29dbdf2fe

このところ、高浜原発再稼働問題の記事を連投しています。
とくに4号機の問題にフォーカスしていますが、前々回の記事に書いたように、 今、目前で起こっているトラブルの連続は、本質的には、
4年以上も停まっていた原発が必然的に起こしている不具合の連続でもあります。
この点を考えるならば、稼働中の川内1号機、2号機、高浜3号機も、大変危険であることが分かります。
即刻運転を停止せよと言う声を、高めていきましょう
同時に、非常に大きな危険性の前に私たちが立っている以上、いざという時の大事故の発生への備えを逞しくしていく必要性があります
その前に原発を停止させたいのはやまやまですが、しかしたった今も稼働しているのですから、明日に、いや数時間後に、大事故が発生するかもしれません。
私たちは、このリアリティを立ち切る必要性があります。
「危険だ!危険だ!」と言いつつも、事故への遭遇を心の底から避けたいと思っている私たちには、 「そうは言っても明日は大丈夫だろう」という気持ちが忍び込んでもくるからです。
確かに、明日は大丈夫な可能性が高いかもしれません。
昨日も一昨日も大丈夫だったからです。
しかし、そんな気持ちの積み重ねの上に、私たちは福島原発事故を迎えてしまった
のではなかったでしょうか。
だからこそ、危険性を危険性として正しく認識するためにも、私たちには、事故が起こった時を想定し、対策を練っておくことが必要なのです。

では、原発事故対策の核心は何かと言うと、重大事故がおこったら「とっとと逃げだす」ことです。
同時に、いかに逃げるのかを普段からできるだけリアルに考えた、「シミュレーションを持っておく」ことです。
2014年5月に、福井地裁樋口裁判長が、大飯原発運転差し止めを命じた画期的な判決を出してくださいましたが、 その主文で言われたことは、
「関西電力は、原発から半径250キロ以内に居住する原告166人との関係で、原発を動かしてはならない」というものでした。
原発事故が、半径250キロに被害を及ぼし得ると断定したわけですが、
根拠は、2011年3月25日に、内閣府原子力安全委員会の近藤委員長が首相に提出した、最悪時を想定した通称「近藤シナリオ」でした。
4号機の燃料プールの放射能がすべて出てしまったら、半径170キロは強制移住、東京を含む半径250キロが希望者を含む避難ゾーンになるというもので、
当時、政府は、このシナリオに基づいて動いていました。

しかし、僕の計算では、これでもまだ最悪の場合とは言えません。
あのとき福島第一原発には、燃料棒の数にして、4号機のプールの6倍もの放射性物質がありました
しかも、近隣の第二原発にも、これに匹敵するほどの核燃料がありました
近藤シナリオは、この中の、4号機のプールの核燃料の放射能漏れを想定したものに過ぎないのです。
これに対し、福島第一原発の故吉田所長は、
「チェルノブイリ級はなくてチャイナシンドローム」
「われわれのイメージでは、東日本壊滅ですよ」
と語っています。

いや、チェルノブイリ原発事故でも、例えば1000キロ離れたトルコの黒海沿岸部でも、大変な量の被曝が起こっています
放射能は、1000キロを越えて、甚大な被曝を引き起こし得るのです。
実際の事故では、最悪のケースから、もっとも被害の少ないケースまで、どこで収まるか分かりません
だからこそ、事故時の心得は、放射能被曝を少しでも減らすべく、最大限の努力をすることです。
可能性にかけて、懸命に逃げることです。
そしてその際に、安定ヨウ素剤を飲んで逃げることが大事なのです。
原子炉から飛散する放射能の中でも、大量に生成され、かつ原子炉から出てきやすいものが、放射性ヨウ素だからです。
同時に、この放射能は、薬で被害を軽減できるほぼ唯一の放射能です。
もちろん、放射性ヨウ素が飛んでくる時は、他の放射能も飛んできます
だから、ヨウ素剤を飲めば大丈夫なのではありません
あくまでも、これを飲んで「とっとと逃げる」ことが大事なのです。

以上の点に基づき、僕が原子力災害対策検討委員会の委員を務めている兵庫県篠山市は、この1月31日から、市民への安定ヨウ素剤の事前配布を開始しました。
事前配布は、 いざ重大事故が発生し、混乱も予測されるときに、安定ヨウ素剤を配ることを想定するのは難しいこと、
また放射能降る中、ヨウ素剤を取りに行ったり、配ったりするのは不合理であり、その時間にとっとと逃げて欲しいと思うからです。
同時に、極めて重要な点は、人はいきなり薬を渡されても、その効能や副作用などについて飲み込めないと、俄かに服用することが難しいからでもあります。
その点でも、薬は事前に配布しておくことが望ましいのです。

もう一つ大事なことがあります。
この薬を手にし、説明を受けると、原発事故に対するリアリティを感じることになることです。
その点で、安定ヨウ素剤配布は、大きな意識啓発になります
実は、政府がこれまで、安定ヨウ素剤の配布を行ってこなかったこと
また、福島原発事故後でも5キロ圏内にとどめている最大の理由が、ここにあります。

安定ヨウ素剤を手にすることは、原発の危険性を知ることなので、配りたくない
のです。
その姿勢こそが、福島県でも大量の備蓄がなされていたのに、ほとんど配られなかった結果を生みました
その意味で、安定ヨウ素剤を持つことこそ、原発の危険性を周知していくことなのだ、ということを知って下さい。
これらの点から、篠山市では、何段階にわたる事前学習会を重ねて、ようやく事前配布まで漕ぎ着きました
それまで2年近くをかけて、各レベルでの学習の積み上げをしてきています。
ぜひこれにならって、各地で、安定ヨウ素剤の配布に向けた努力を重ねて下さい
それと学習を重ね合わせ、安定ヨウ素剤が万能薬ではないこと、これを飲んで「とっとと逃げる」ことこそが重要であることを、周知徹底してください。

参考資料として、毎日放送が編集して下さった当日のニュースの動画(1分)と、ちちんぷいぷいという特集番組の動画(16分)のアドレスを示しておきます。
良くできているので、ぜひご覧下さい。 (まうみ注・↓以下、文字起こししました)

安定ヨウ素剤事前配布 https://www.facebook.com/toshiya.morita.90/videos/10206896106819511/?pnref=story

↓以下、文字起こしはじめ

原発事故が起きた際に、甲状腺癌などを防ぐため、兵庫県篠山市は、安定ヨウ素剤の事前配布を始めました



安定ヨウ素剤は、服用すると、甲状腺の内部被ばくを抑える効果があるとされ、 国は、原発から30km県内の自治体に対し、備蓄を求めています



最も近い福井県の高浜原発から、およそ50km離れている篠山市は、5万人分の安定ヨウ素剤を備蓄していますが、
実際に事故が起きれば、混乱で市民に行き届かなくなる恐れもあるとして、事前配布を始めました






市民:
子どもたちに何かないようにするっていう事前配布っていうのは、まあ心強いかなあというのは思います。  


(高浜原発が)再稼働したことに対する不安な気持ちはあります。 こういうのが必要な時がきたら怖いなあとか。


30km圏外の自治体が配布するのは、全国で初めてだということです。





原発事故から子どもたちをどう守る?篠山市がヨウ素剤を事前配布 http://www.dailymotion.com/video/x3smqqd

↓以下、文字起こしはじめ

原発事故から子どもたちをどう守る?
~兵庫県篠山市がヨウ素剤を事前配布~


安倍政権になって、原発事故の話、あまりテーマとして上がってこない。原発そのものも…。
まあ再稼働はね、ニュースで時々出てきますが、内閣としてはもう、それは電力会社と裁判の問題やからという感じですか。

むしろ安倍さんの目立つのは、原発輸出の方にすごく力を入れてるっていうのが見えますね。

今日は、その原発事故から子どもを守るために、兵庫県篠山市が、ヨウ素剤を家に配った、という話なんです。
福井県の高浜(原発)3号機が再稼働しました。
4号機も、今現在、核燃料の搬入作業が完了しまして、これはまあ、再稼働してもゆっくり出力を上げていって、いわゆる営業運転になるのには少し時間がかかります。
今月下旬にも、営業運転になる見通しなんですが、そんな中、



山広さんもよくおっしゃいます、この原発の30kmの壁ですよ。
ここの若狭湾の所というのは、日本の43ある原発のうち、15基が集中していますから、原発銀座と呼ばれてるんですが、
さあこの、原発から30kmのところに線を引いて、この中の自治体は、万一の時は事故対応のために、避難計画とかを作ってくださいとなってますね。
ところが、30kmからちょっと出たとこは、まあ言うたら、(そういうことを)しろとは言われてないわけですよ。
国としての財政的な後ろ盾も、だから無いわけですよね。
そのへんで、30kmからちょっと外の自治体は、不安がってるわけですよねこれ。

そうですね。
でも、その30km圏内も、避難計画作ったわけですけど、どれぐらい、じゃあ本当に、実効性があるのかということも含めて…。

一番困るのは、向こうから、放射能を浴びて汚染された人が来た時に、ちょっと待ってと。
どうスクリーニングするのもこれ、難しいことですもんね。
まあこの30kmラインというのもまだまだ問題があるんですが、
若い世代の被ばくによる、甲状腺がんの発症を減らすために、30km圏内の自治体は、常に安定ヨウ素剤を役所内に持っといてくださいねとなってるわけです。

ちょっと今から医学の話をします。



甲状腺というのは、ちょうど喉仏のところ辺りにある、ホルモンを作るとこやと思ってください。
甲状腺ホルモンというのは、人間の成長に非常に必要なものなんです。
特にだから、子どもにとっては大事



で、甲状腺は、ホルモンを作る時に、ヨウ素を原料にします
ヨウ素というのは、昆布わかめとかによう(たくさん)入ってますね。
だから、昆布やわかめを食べて、そこに入っているヨウ素で、甲状腺は甲状腺ホルモンを作るんですが、
原発事故なんかで漏れてくる、放射性ヨウ素が入ってきた時に、甲状腺は、あ、オレの好きなヨウ素が入ってきたっていうて取り入れていくわけです。
そうすると、がんを発症する恐れがあるので、原発事故が起こったと思ったら、放射性ヨウ素が入る前にヨウ素を飲んで、ここ(甲状腺)をいっぱいにしちゃうんです。
そうしたら、放射性ヨウ素が来ても、もう満員やから入りません、となるわけです。
普通のヨウ素で満たしちゃうわけですよ。
極端な話、パクパクパクパクッて昆布を食えばいいんですけど、そんな大量をいっときに昆布食べられないから、こういうヨウ素剤ってのがあるわけですね。
これ、後でお見せしますけど、ちょうど仁丹ぐらいの大きさ
で、効果が24時間
ですから、24時間のうちに、放射性ヨウ素の無いところへ逃げてください、ということなんです。

救急用のということですね。

そうなんです。

で、福島の原発事故の時、実は原発近くの自治体は(ヨウ素剤を)持ってたんですが、わーってなった時に、はい、並んでよ、配りますってことにならんかった
わーっとなって終わってしまった
で、ごく少数しか配布できなかった



そして政府は、事故との因果関係を否定していますが、この福島の原発周辺で、100人を超える甲状腺がんが確認されています。疑いも含めて
めちゃくちゃ多い数ですこれ。
普通はね、これぐらいの人口やったら4,5人のところなんです。

現在、5km圏内では、だからもういざとなったらできないのだから、もう配っときましょうよとなってるんですけどね。

チェルノブイリでは、被ばくした子どもたちに、甲状腺がんが発症しました
なので、ひとつ、50ミリシーベルトという基準を作って、それを超えそうな場合は飲ませてください。
で、そんな中、けっこうショッキングなデータが出てきた。



これは、兵庫県が作成した、大飯原発とか高浜原発が、もし万が一事故を起こした時に、放射性物質がどれぐらい飛散して、1歳の子が7日間でどれぐらい被ばくするかというシミュレーションなんです。



実はこれは、いろんなパターンで作ってます。
これは、篠山市が、この辺りが、最悪のパターンになるケースとして作ったものです。
となると、なんと、ここ(大飯原発)で事故が起こってるのに、もう下は姫路までが、ヨウ素を飲まなくてはいけない基準の3倍以上の放射性ヨウ素(が来ている)
これ最悪のパターンですよ。
これ北風やから冬場ですわ、1月ぐらいです。

丸の、正円の30km圏内っていうこの目安自体がなんか、あんまり意味が無い

で、篠山市がね、おいおいと。
これ、30kmどころやない、うちが入っとるで、しかも一番濃いぞとなって、
でも、ここ(正円30㎞圏内)以外のとこは勝手にせいの話になってますから、わかったと。
ということで、こういうのを配ることになった。



これ、ヨウ素が入ってるんです。
ちっこいもんです、ヨウ素自体は。
二粒入ってます。仁丹ぐらいの大きさです。
中学生が二つ、小学生やったら一つです。



一回分ですか。

一回分です。
で、これ飲んで、24時間以内に避難してくれ、ということなんですわ。

これを日本で初めて、30km圏外でのヨウ素剤の事前配布をした篠山市を、取材しました。




ナレーション:
兵庫県篠山市、人口およそ4万3000人。



城下町情緒あふれる、観光と農業の町です。



再稼働した高浜原発からは、50km近く離れています。

先月篠山市は、3歳以上の市民に向け、安定ヨウ素剤の事前配布を始めました



原発から30km圏外では、初めてです。




篠山市民:
いいことやと思うんですけど、できたらお薬使わんと済んだらうれしいと思うんですけどね。
(原発から)離れてても、風向きによって放射性物質が飛んでくるっていうふうに聞いたんで、不安がね…。

篠山市民:
再稼働したことに対する不安な気持ちがあります。
やっぱりこういうの(ヨウ素剤)が必要なときがきたら怖いなーとか。


ナレーション:
少子化が進んでいますが、会場に入りきれないほどの親子連れが集まりました



最初に、アレルギー反応の有無など、健康状態の確認などが行われました。

篠山市長が取材に応じました。



酒井隆明篠山市長:
服用すればね、すべてが安全だということではありません。
まあしかし、自治体にとりましては、できることということになりましたら、こういうことしかありませんし。


ナレーション:
医師による説明会も、何度も行われています。



兵庫医科大学の医師:
甲状腺ホルモンは、体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。
甲状腺に放射性ヨウ素を取り込むと、将来、甲状腺がんなどを発症する恐れがあります。
特に、成長期にある子どもなど、若年層に影響があります。


ナレーション:
事故から24時間以内に服用すると、甲状腺がんの発症を減らすことができます
吐き気などの副作用や、服用の仕方についての説明も、繰り返し行われました。



兵庫医科大学の医師:
妊娠されてる方が、この安定ヨウ素剤を飲んだときに、胎児、お腹の中の子どもに影響を及ぼす可能性がある、といわれています。




ナレーション:
大半の市民は、事前配布を評価していましたが、事故を身近に感じると、不安を口にする母親も少なくありません

母親:
万一のこと(原発事故)があることもあるんだなと、すごく切実に感じました
このヨウ素剤を配ってもらうことはどういうことかっていうことを、(我が子に)少し説明したんですけど、
「私は病気になったり死んだりするんかな」と言って泣いてたんです。
それがすごい、子どもをこんなに不安にさせることなんやなって思いました


ナレーション:
事前配布ですが、政府は5km圏内、避難計画作成も30km圏内以外は必要ない、としています。




酒井隆明篠山市長:
(原発から)30kmを超えるとじゃあ絶対安心かというようなことは、実際50kmでもそういうもの(放射性物質)は飛散しますから、
やはり50kmの自治体にとりましても、できることはきちんとやるべき責任がある
んじゃないかと。


ナレーション:
篠山市に衝撃を与えたのは、兵庫県による(原発)事故時の放射性物質の拡散予測でした。



一歳児の被ばく線量が、ヨウ素剤服用基準を、大幅に超えていたのです。




酒井隆明篠山市長:
篠山にも、安定ヨウ素剤服用の基準の3倍を超えるような、放射性物質が飛散してくる可能性がある


ナレーション:
服用基準は、チェルノブイリ原発事故(1986年ウクライナ)による、甲状腺がん調査から作られました。
篠山市の大半の地域が、基準の2倍以上で、危機感を募らせたのです。


酒井隆明篠山市長:
市民とか専門家を入れて、検討会を設けて検討しましたけれども、やはりこの避難とともに、安定ヨウ素剤の事前配布、服用が必要だというような結論になりました


ナレーション:
篠山市は、事前配布を実現するため、3年あまり、市民を交えた議論を重ねてきました



薬物配布に際し、医師の説明を必要とする法律との兼ね合いなど、課題は山積みでした。
予算の確保も問題でした。


酒井隆明篠山市長:
(安定ヨウ素剤)一丸が6円という、非常に安価なものですから、そのもののお金はそれほどかからないんですけれども、
やはり安全に配布する、安全に管理をしてもらわなければいけませんので、こういった説明会、お医者さんや薬剤師さんの協力も必要ですし、
多くの職員も、こういった配布の手続きに加わる必要がありますので、それの負担がやはり大きいと思います



ナレーション:
ヨウ素剤は2万個用意しました。
費用は12万円と、大きな額ではありませんが、説明会開催費や医師への支払いなどで、合計592万円かかりました。



篠山市は、政府に支援を要請しましたが、受けられず、独自負担しました。




市民:
(原発事故が)起こってからもらいに行くような感じだと、落ち着いて話聞けないと思うんですけど、
こうやって前もってもらっといたら、冷静に話を聞けた


ナレーション:
福島の原発事故では、ヨウ素剤の配布は徹底されず、不必要な被ばくに至りました



事故後の検査でも、100人を超える甲状腺がんが確認されています
政府の事故への備えは、十分と言えるのでしょうか?


酒井隆明篠山市長:
他(の自治体)に先駆けての取り組みとなりますけれども、こういったことが良い例として広がればと思っておりますけども、
篠山市は篠山市として、できるだけのことをやる、そういうことです。


スタジオ:
さっきの地図をもう一度出してください。
これは、こっちから強い風が(東北から西南に)吹いていると想定してますね。



そうすると、篠山どころか姫路ですら、飲まなあかん量の倍はいくんですわ、被ばく量が。
兵庫県が作ったからこうですけど、風向きがこうなったら(南下する)、大阪だってそら、可能性無きにしもあらずですわな。
で、篠山市はおっしゃってます。
何よりも大事なのは避難です。



国は、事故対策を30km圏内にしていますが、圏外でも危険は否定できません
ヨウ素剤は万能ではありませんが、できる限りの備えをする責任があります

これ、劇薬なんですよね。
だから、お医者さんがちゃんと説明してくださいとなってるんです。
で、そんないちいちね、そんなうわーっとなってる時にね、皆さん説明しますねーって…無理やと思うから、事前に説明会を開きましたと。
で、説明会、ぎょうさん来てはりましたよね。
関心高いですね、やっぱり。
もうぎっしりだったんですって。
篠山市では、2月は毎週末に、事前配布と説明会を実施していますが、他の自治体からも見学に来てるそうです。
どんなふうにやってんのかな、ということですね。



で、篠山の場合は、人口が4万3000人なのでなんとかなるんですが、大都市になった場合、それだけの人間に説明会を開けるのか、という問題もある。
例えばね、大阪都構想の時、できるだけ説明会開きましたやん。
やれんことはないと思いますけど、じゃあお金はどうするの、とかね、問題が出てきます。

あと、副作用がございます。
だからお医者さんがちゃんと説明せなあかん、ということなんですね。
あと、妊婦さんは飲んじゃだめ。
一歳未満の子も飲ましちゃだめ。
一歳未満の子はね、それやったら昆布飴擦りつぶして飲ませる、でいいんですって。
*まうみ注:
この副作用のところで、守田さんからの大切な訂正があります。
ここには少々誤りがあります
最後の方で、「妊婦と1歳未満の子は飲んではいけない」と語っているところです。
この点は、篠山市の側の説明も不明確な点があったので、毎日放送の責任とは言えないのですが。
飲んではいけないということではありません。
確かに、胎児に対する非常に小さなリスクはありますが、それよりも、母体と胎児を守るメリットの方が断然高いので飲むべきだ、というのが私たち検討委員会の結論です。
---------------------------------------------------------------------------------

↓文字おこし続き

自治体としてやれることを精一杯おやりになっているんだと思いますけど、
国策で高浜を再稼働するって言ってんだから、国が面倒見るべきなんですよ、こういったこともね。

まあ、予算がけっこう大変だとおっしゃってました。
やっぱりお医者さんに必ず来てもらわなければいけませんし、こういう入れ物だってこれぐらいにしておかないと、これだけ渡したら絶対に間違って飲んじゃう。
どこか行っちゃうとかね。

実際、こういう時のメディアだから、こういうのをやってもらったらありがたいし、ちょいちょいやってもらいたいですね、忘れんうちにね。

ヨウ素自体は1個6円と安いので、別にそんな、べらぼうにお金がかかる事業でも無いと思うんでね。
事前配布というのは、篠山のケースから学ぶべきかなと思うんです。

今日は、ヨウ素剤を事前配布しました、兵庫県の篠山市のケースについてお伝えいたしました。

↑以上、文字起こしおわり

******* ******* ******* ******* *******

特に、ちちんぷいぷいの動画は、非常によくまとめられています。
僕が語って欲しいと思う内容が、極めて的確に語られています。
一番重要なのは避難であることも語られています。
酒井隆明市長もコメントしていますが、一番良いところがピックアップされています。

しかし、少々誤りがあります
最後の方で、「妊婦と1歳未満の子は飲んではいけない」と語っているところです。
この点は、篠山市の側の説明も不明確な点があったので、毎日放送の責任とは言えないのですが、そんなことはありません。

確かに、胎児に対する非常に小さなリスクはありますが、それよりも、母体と胎児を守るメリットの方が断然高いので飲むべきだ、というのが私たち検討委員会の結論です。
この点を頭に入れて、ご覧下さい。
さらにより詳しいことを知るために、私たちの委員会が篠山市長と市民に提出した、「原子力災害対策計画に向けての提言」をご紹介しておきます。
とくに「第4章 被曝防護の安定ヨウ素剤の服用」は、これまで日本で出されているどの文献よりも、この問題を深く掘り下げて書いてあると自負しています。
ぜひご一読ください。
以下にアドレスを示しておきます。

原子力災害対策計画に向けての提言 http://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/group/bousai/assets/2015/06/teigensyo.pdf

より進んで原発事故対策を学びたい方に、昨秋に緊急出版した僕の著書を、強くお勧めしておきます。
以下の注文書を、書店にお持ちください。

『原発からの命の守り方』 http://greens.gr.jp/uploads/2015/08/morita_kinkan_tirasi.pdf

本書は、日本図書館協会選定図書にも選ばれています。
そのことを含む出版元の海象社さんのページも、ご紹介しておきます。
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo59.html

なお、安定ヨウ素剤について、そうはいってもなかなか行政が動いてくれないので、すぐに欲しいと言う方のために、僕が前から購入先としているところをお教えしておきます。
シンガポールからの並行輸入になります。
ただし、国内で買えば100丸600円の薬が、3830円(送料込み)で売られています。
ぼったくりなのでご紹介することをはばかる気持ちもあるのですが、今はやむを得ないと考えて、お知らせしておきます。

ファミリー薬局シンガポール ヨウ化カリウム丸50mg「日医工」:100丸入3830円
http://sg.mimaki-family.com/products/31887/

以上、危険な原発を止めよという声を高めながら、同時にその危険性ときちんと向かい合い続けるためにも、原発災害対策を進めましょう!
それがまた、私たちが核の脅威から解放される日を、近づけることにつながるのです!
-------------------------
守田敏也 
MORITA Toshiya [blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
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再稼働最優先の関電と規制委員会の姿勢が引き起こした原子炉停止事故。締切8日の抗議署名お願いします!

2016年03月03日 | 日本とわたし
篠山市原子力災害対策検討委員会委員であり、フリージャーナリストでもある守田敏也さんのブログ『明日に向けて』より、複数の記事をまとめて紹介させていただきます。

兵庫県篠山市は、安定ヨウ素剤の事前配布を始めました。
この配布の実現のため、守田さんは奔走しておられたのですが、その件についての詳しいお話は、つづきの記事で文字起こしとともに紹介させていただきます。

安定ヨウ素剤は、服用すると、甲状腺の内部被ばくを抑える効果があるとされています。
国は、原発から30km県内の自治体に対し、備蓄を求めています。
けれども、福島第一原発事故が証明したように、放射能被ばくの被害は、地図の上にコンパスで丸を描いた範囲に収まるというものではありません。
最も近い福井県の高浜原発からおよそ50km離れている篠山市。
備蓄している5万人分の安定ヨウ素剤を、 実際に事故が起きれば、混乱で市民に行き届かなくなる恐れもあるとして、事前配布を始めました。
このような事前配布がなぜ、福島原発事故の直後から、全国一斉に始まらなかったのでしょうか?
原発にぐるりと囲まれてしまった日本の国土は、規模の大きい地震に襲われる可能性が他の国々よりも大きいのです。
そのことを十分に承知しながら、ここまで多くの原発を海岸沿いに建て続けてきた自民党に、呵責の念も反省の心も無く、だから態度や方針を改めようともしません。
ならば、原発事故から子どもを守るために、大人のわたしたちが何をしなければならないのか。
その一つの好例が、篠山市の事前配布だと思います。
実際にヨウ素剤を手にして、飲み方などを習えば、いざという時に役立つだけではなく、意識もうんと変わってきます。
日本が抱えてしまった、抱え込まされてしまった恐ろしい核物質の存在を、しっかりと知ること、身構えること。
次から次へと、再稼働が強行されている現実を認め、粘り強く廃炉を要求していくことはもちろんですが、
それと同時に、このような危険極まりない物から身を守るための準備を、きちんとしておくことが大事だと、守田さんから教えていただきました。


↓以下、転載はじめ(まうみ注・文字の強調はわたしの一存で行いました)

再稼働の高浜原発4号機 警報出て原子炉自動停止
【NHKNEWSweb】2016年2月29日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160229/k10010425761000.html

今月(2月29日現在)26日に再稼働した、福井県の高浜原子力発電所4号機は、
29日午後2時すぎ、発電機の故障を示す警報が出たため、タービンが自動停止し、原子炉も自動停止したということです。
関西電力によりますと、このトラブルによる環境への影響はない、ということです。
原子力規制庁によりますと、29日に予定されていた、発電と送電を開始する操作をしていたところ、トラブルが起きたということです。


高浜4号機、原子炉緊急停止=発電機トラブルで―関電
【時事通信】2016年2月29日 2月29日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160229-00000069-jij-soci

29日午後2時ごろ、関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)で、
発電と送電の作業中に発電機が止まるトラブルがあり、原子炉が緊急停止した
関電によると、これまでのところ外部への影響はない。
関電が原因を調べている。
4号機は26日に再稼働し、29日から発送電を開始する予定だった
関電などによると、午後2時ごろに内部故障の警報が鳴り、発電機が自動停止。
さらに、タービン、原子炉も自動停止した
という。

******* ******* ******* ******* ******* 

速報です。
高浜原発4号機の原子炉が、本日(29日)午後2時1分に、緊急停止しました。
発電機の故障を示す警報が出たため、とされています。
発電機が自動停止し、続いて原子炉も自動停止したようです。
関電は、「このトラブルによる環境への影響はない」と報告していますが、詳細は不明です。

そもそも、長きにわたって止まっていた原子炉の再起動は、それだけで危険性があります
高浜4号機の場合、21日に起動試験を行い、26日に再稼働を行うスケジュールでしたが、
20日午後3時42分ごろに、設備の一部に水を通したところ、警報が鳴ったため調べてみたら、一次冷却水が約34リットル漏れていることが明らかになりました。
このため関電は、21日の起動試験を延期し、原因調査を開始しましたが、21日には原因を特定できませんでした

22日になって、1次冷却水から「不純物」を取り除く設備に取りつけられた、弁のボルトが緩んでいたことが原因、と発表しました。
関電は、問題のボルトの加締めを行い、3号機と4号機の同様のボルトについても、点検を行ったむね発表しましたが、
ここまでで行程が2日ほどずれていたにも関わらず、26日の再稼働強行を表明
事実上、起動試験から再稼働までの期間を、当の予定より早めて再稼働を強行してしまいました。

ボルトの緩みについても、加締めを忘れたのか、自然に緩んだのかなどが判明しておらず、まだまだ解明すべきことがある中での再稼働強行でしたが、
今日になってさらに、原子炉の緊急停止という、重大事態が発生しました。
まだ事態の詳細が明らかになっていませんが、事前の冷却水漏れの発生をも鑑みて、ただちに4号機の稼働をやめるべきです。

そもそも昨年、日本中の多くの原発内の電気ケーブルにおいて、防火対策上、非常系とそうでないものを分けて配線すべきなのに、適切な処置がなされていないことが発覚しました。
しかも、これは1975年に決められた基準への違反であり、新規制基準どころか、旧規制基準をも通らない不正でした。
なんと、40年間まかり通っていた不正でした。
このため原子力規制庁は、日本中の全原発の再点検を電力会社に要望しましたが、
なんと、新規制基準に合格した川内原発と高浜原発だけは、この点検から除外し、そのまま再稼働を強行させてしまったため、
この点も重大な懸念事項となっています。

さらに、24日には東京電力が、福島原発事故の3日後の14日には、メルトダウンを把握していながら公表しなかった、という大犯罪も明らかになりました。
これは、社内マニュアルに書かれていた「5%損傷で燃料溶融(=メルトダウン)とみなす」という記述を、全社員がその後5年間にわたって忘れていた事態として、東電は釈明会見を行いましたが、とんでもない大嘘です。
当時1号機の核燃料の55%が損傷し、2号機で30~35%が損傷していることを、東電は把握していたのです。
社内マニュアルに、5%損傷でメルトダウンとみなすとなっていたものが55%も損傷していて、燃料溶融が分からなかったはずがない

いや、仮に本当に分からなかったのだとしたら、抜本的に東電の運転資格が問われます
いや、東電だけでなく、いざという時にまともな判断を行えない東電に、運転を任せてきた国の責任問題も重大であり、
当然にも、現在の再稼働の許認可資格も問われます
再稼働に向けてトラブルが重なっている上に、この重大犯罪の発覚も合わせて考えるならば、
4号機の運転はこのままやめるべきであり、さらに現在稼働中の川内原発1号機、2号機、高浜原発3号機も、即時運転を停止すべきです。
危険な全原発の稼働即時停止を訴えていきましょう

******* ******* ******* ******* *******

すでにお知らせしたように、昨日29日午後2時1分に、高浜原発4号機が緊急停止しました。
その後の報道によると、発電機と送電線をつないで送電を開始する操作を始めたところ、アラームが鳴って発電機がストップ、原子炉も緊急停止したようです。
関西電力は今のところ、発電した電気の電圧をあげる「主変圧器」を保護する検出器が、異常な電流を検知したためと発表しています。

以下の福井新聞の配信には、関電提供の現場の動画が示されています。
これを見ると、送電を開始するスイッチを入れた途端に、アラームが鳴りだしたことが分かります。
現場の騒然とした様子が分かりますのでご覧下さい。

高浜原発4号機の原子炉自動停止 変圧器と発電機の故障示す警報 
【福井新聞】2016年2月29日 href="http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/movieheadline/90432.html"target="_blank">http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/movieheadline/90432.html

今宵はぎりぎりまで粘りましたが、これ以上の情報を得ることができませんでした。
この事故に関する関電からのプレスリリース内容を貼り付けておきます。

高浜発電所4号機の原子炉自動停止について
【関西電力株式会社】2016年2月29日
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/0229_1j.html

高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉:定格出力87.0万kW)は、本日14時01分、並列操作を実施したところ、発電機がトリップし、「主変発電機内部故障」および「PT※故障」の警報が発信し、タービンおよび原子炉が自動停止しました。
現在、原因については、調査中です。
なお、環境への放射能の影響はありません。
また、高浜4号機のタービン、発電機、原子炉の自動停止状態は良好です。
※PT:計器用変圧器

***

高浜発電所4号機の原子炉自動停止について(第2報)

高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉:定格出力87.0万kW)は、本日14時01分26秒、並列操作を実施したところ、14時01分26秒、発電機が自動停止し、「主変・発電機内部故障」および「PT※故障」の警報が発信し、14時01分27秒タービンお

よび原子炉が自動停止しました。
現在、原因については、調査中です。

また、高浜4号機のタービン、発電機、原子炉の自動停止状態は良好です。
※PT:計器用変圧器

その後、発電機が自動停止した際、「主変・発電機内部故障」の警報が発信していたため、現地のリレー盤にて、当該警報の発信要素の動作リレーを確認したところ、主変圧器の故障を示す検出回路が動作していることを確認しました。
その結果、発電機自動停止回路が作動したことから、発電機が自動停止に至ったと考えられます。
PT故障」発信の原因については、現在調査中ですが、「PT故障」の警報は発電機自動停止に伴い発信する警報でもあります。

また、高浜発電所4号機の排気筒モニタと高浜発電所の周辺モニタの指示値に有意な指示変動はなく、環境への放射能の影響はありません。
原子炉停止後の運転パラメータは安定しています。

******* ******* ******* ******* *******

関西電力は、3月2日午前、2月29日に原因不明のトラブルによって原子炉が緊急停止した高浜原発4号機を、冷温停止状態に移行させたことを発表しました。
トラブル続きのこの危険な原子炉の再稼働計画を、このまま捨て去り、稼働を止めるべきです。

この間の、高浜原発4号機の再稼働から緊急停止にいたる流れと問題点、新たに発覚した事項を、ここでまとめておきましょう。
2月26日に再稼働を目指していた高浜4号機は、2月20日、起動試験の前日に、原因不明の一次冷却水漏れを起こしました
場所は、一次冷却水をろ過して不純物を除く装置付近
量は34リットルでした。
その後の調査で、この装置に取り付けれた弁の取り付けねじが緩んでいたことが分かりました。

関電は、なぜねじが緩んだのかの調査を十分に行わないままに加締めを行い、3、4号機の同様の弁のねじを点検しただけで、再度、稼働に向かいました
ここまでで2日間が消費され、起動試験が遅れたにも関わらず、26日の着工をスケジュール通り強行することを表明
事実上、起動試験から再稼働までを短縮してしまいました。
そして、26日に原子炉を再稼働させ、3日後の29日に、出力10%の段階で発電機を送電線につなぐ操作をしたところ、
スイッチを入れたとたんに異常を告げる警報が鳴りだし、発電機と原子炉が緊急停止してしまいました。

関電は、タービン建屋の外にあり、発電した電気の電圧をあげて送電線に送る主変圧器付近でトラブル発生、と判断。
その後の調査で、変圧器から送電設備への異常な電流を検知する機器が作動していたことが判明したとして、引き続き、この機器を中心に、原因解明が行われています。
この機器は、ある値を超えた電流が流れた場合に作動するよう設定されており、異常な電流の発生の有無や、機器の設定などに問題がなかったかなどをさらに調べるとのことです。

しかし、いずれにせよ、調査結果を原子力規制庁に送り、その判断を仰がなければならないこともあって、
すぐに原子炉を再起動させることは無理だと判断し、2日午前中に、原子炉を一時、冷却水を100度以下に保つ冷温停止状態への移行措置がされました。
このため関電は、再稼働まで一定日数(具体的には不明)がかかると表明しています。

私たちがみておくべきなのは、高浜4号機は4年7カ月も停まっていたために、不具合が多くなっており
徹底した点検を行ったつもりでも、ボルトの緩みに顕著なように、さまざまな箇所の点検が抜けてしまっているということです。
そのために、トラブルの続発に見舞われているのです。
このため、今見つかっている不具合が直されたとしても、まだまだ次に何らかのトラブルが起こり、事故が発生する可能性があります
しかも、恐ろしいのは、出力が高まった事態でトラブルが発生し、重大事故に発展することです。
その場合、原子炉内の放射能量も格段に増えているので、その点でも危険性が大きくなります
今回は、そのかなり前の段階でのトラブルだったために、ある意味では救われているわけですから、
この段階で、長く停まっていた原発の再稼働の難しさを認識し、危険極まりない原発再稼働から撤退すべきです。

これは、すでに動いている川内原発1、2号機、高浜原発3号機についても言えることです。
それぞれ長く停まってからの再稼働であるため、今後、どのようなトラブルが発生するかも分かりません
ここで注目していただきたいのは、昨年8月に僕が書いた記事です。
川内原発1号機の再稼働がなされた直後に、蒸気化した二次冷却水を冷やして水に戻す「復水器」に、ピンホールなどが生じていて、海水が混入するトラブルが発生したことを受けたものです。
これまた配管の十分な点検がなされずに、起こったことでした。
といっても、そもそも、すべての配管を調べること自体が技術的に難しいのですが。
ともあれ、以下の記事をご覧下さい。


4年以上停めて再稼働したのは世界で14例。その全てで稼働後にトラブルが起こっている!
【明日に向けて(1128)】2015年8月23日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/474f1254a9054ea9bbfa3757feb15566

僕がここで取り上げたのは、ブルームバーグに掲載された、「長期停止原発が複数再稼働へ、世界的な未知圏-川内原発先陣」と題した記事です。
ここでは、長期にわたって停まっていた原発の再稼働の危険性が、次のように指摘されていました。
以下に、もっとも重要な点だけ引用しておきます。

・国際原子力機関や米国、カナダの規制当局のデータによると、最低でも4年間停止した原発の運転が再開されたケースは、世界で14基
そのすべてが、運転再開後にトラブルに見舞われている。」
・原子力技術コンサルティング会社、ラージ&アソシエイトのジョン・ラージ社長は、
日本は、「国中の原子炉がすべて4年間停止した状態」にあり、原子力規制委員会は想定外の事態に備えなければならない」と指摘。
 規制委がいま直面している状況は、
他のどの国にも存在しないまったく固有の事態」だと話した。

******* ******* ******* ******* *******

そうなのです。
日本の国内の原発は、そのほとんどが4年以上停まっており、原子力規制庁は、これまでどの国も遭遇しなかった、困難な課題の前に立っているのです。
そして早速、新規制基準を通った原発が、再稼働前にトラブルを起こし、さらに出力10%の段階でトラブルを重ねてしまったのですから、これは、規制庁の監督責任そのものが問われる事態なのです。
単なる原発の稼働ではなく、長く停めていることで危険性が増大している原発の再稼働を、規制庁が審査し、責任を負い、その上でトラブルの発生を見抜けなかったのだという点を、もっとクローズアップする必要があります。

もちろん、新品の原発とて大きな危険性があります。
だから僕は、どのような原発にも反対です。
また、これまで繰り返してきたように、規制庁の新規制基準は、重大事故を前提としたものであって、その点でもまったく認められません。
そのくせ、重大事故の発生の可能性を説きながら、周辺の避難計画もきちんと整備されておらず、その点からも認められるものではありません。
しかし、今回起こっている事態は、それらの危険性に上乗せする形で、4年以上も停まっていた原発、
今回で言えば、4年7カ月も停まっていた原発の危険性が、私たちに迫っているということなのです。

これは今後、再稼働が検討されているすべての原発について言えることです。
いや、時間が経てば経つだけ危険性が増すのですから、日々刻々と、日本中の原発が動かすべきではない度合い、危険性を強めていることを知らなくてはなりません
2度の連続トラブルの発生で、規制庁の新規制基準のもとでの審査に、大きな欠落があることがはっきりしたのですから、
ここで大事故に至る前に、すべての原発の稼働に、もう本当に終止符を打つべきなのです。
いや、それに加えて、東電のメルトダウン隠蔽という大犯罪までもが明らかになっているのですから、
もはやどのような観点からも、原子力行政は存続を許されてはならないのです。

高浜4号機にとどまらず、すべての原発を即時停止し、廃炉に向かうべきことを、さらに声を大きくして訴えていきましょう。


高浜原発4号機緊急停止事故・抗議署名がまわってきました。
ぜひご協力下さい。
僕がこの署名を読んで、「これはいい」と共感したのは、関電だけでなく、原子力規制委員会を抗議対象としていることです。
実に迅速、かつ的確で、とてもありがたい署名です。
まさにその通り。
これは、高浜原発の再稼働を認可した、規制委員会の責任問題でもあるのです。

ちなみに、関西電力は、4号機の再起動が、早くて今月中旬になるとしていますが、
原因究明も終わっていないのに、なぜ再起動の目途について語れるのでしょうか
こうした再稼働ありきの姿勢こそが、トラブルの要因の一つではないでしょうか。

また、規制委員会の田中俊一委員長は、2日の記者会見で、まるで他人ごとのようにこう述べています
電力会社には、トラブルのないように再稼働を進めることが、社会の信頼につながると言ってきたが、
信頼を裏切るようなことが起き、うまくいっていないことについて、極めて遺憾に思う。
詳しい中身が分からないので、今後報告を受けて、対応を判断したい


田中委員長はいつもそうですが、電力会社に上から目線で苦言を呈すだけで、自分たちを捉え返すことが全くない
しかし、社会に対する信頼を裏切ったのは、規制委員会でもあるのです。
なぜ一言、
「高浜原発4号機の審査が不十分で、トラブル発生を防げずに申し訳ない」と、謝ることをしないのでしょうか。
それでなんの「規制委員会」なのか。
規制に通ったものに責任を負うのが規制当局の当然の務めではないでしょうか。
(なお、これら発言などのニュースソースを、下記に示しておきます)

高浜原発4号機 再起動は早くて今月中旬に
【NHK】2016年3月2日 
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160302/k10010428891000.html

このような、あまりに無責任な方たちに、危険極まりない原発の運転権限や、稼働の許認可権を与えておくことは、到底できません。
私たちの抗議の意思を、たくさんの署名で示しましょう。
20日に起こった冷却水漏れの時にも、緊急での署名をお願いしましたが、今回もぜひお願いします。
なお、締め切りは、3月8日24時です。
まだ余裕があります。
拡散にもご協力下さい!

以下、署名の呼びかけを貼り付けます。

*****

みなさまへ<拡散希望>

■高浜原発4号機緊急停止事故・抗議署名のお願い
http://kiseikanshi.main.jp/2016/03/01/kinkyuteishi/

署名フォームは以下です!
https://fs224.formasp.jp/f389/form1/
締切は 3月8日(火)24時 です

高浜原発4号機が緊急停止しました。
4号機は20日にも、一次冷却水が漏えいする事故を起こしたばかりでした。
今回の事故は、この漏えいの原因究明も放棄し、再稼働を最優先して突き進む関電と、原子力規制委員会の姿勢によってもたらされました
次には、取り返しのつかない大事故の危険さえあります

冷却水漏れに際しては、56時間で、4400筆あまりの署名をいただきました。
今回の緊急停止を受けて、改めて高浜原発3・4号機の再稼働断念を迫る、抗議署名を行うこととしました。
前回ご署名いただいた方は、再度になりますがよろしくお願いいたします。
もちろん、今回はじめての方も歓迎です。
まわりへの拡散も、よろしくお願いいたします。

*******************************

[高浜原発4号機 原子炉緊急停止事故 抗議署名]

高浜原発4号機の原子炉自動停止事故に抗議する
再稼働最優先の関電と規制委員会の姿勢が引き起こした原子炉停止事故
再稼働最優先ではなく、事故原因を徹底究明し、住民に説明せよ!
高浜3号も運転を停止せよ!


原子力規制委員会委員長 田中俊一様
関西電力社長 八木 誠様
2016年3月1日

2月29日、高浜原発4号機が緊急自動停止した。発電と送電の操作を開始したとたんに警報がなり、発電機が自動停止した直後にタービンと原子炉も自動停止したと報道されている。
高浜4号機は、2月26日の原子炉起動直前の20日にも、一次冷却水が漏えいする事故を起こしたばかりだった。
この漏えいの原因究明も放棄し、再稼働を最優先して突き進む関電と原子力規制委員会の姿勢によって、今回の事故はもたらされた
私たちはこれに強く抗議する。

2月20日の一次冷却水漏えいについて、関電は、2008年からの「ボルトゆるみ」が原因だと発表した。
しかし、原子力規制庁は、ボルトは規定値で締められており、ゆるみはなかったと表明している(2月25日の私たち市民との交渉。その後26日の福島みずほ議員事務所への文書回答)。
両者の言い分は異なったままだ。
さらに、もう一つの漏えい原因である、圧力の一時的な上昇についてもなんら解明されていない

このような姿勢で再稼働を最優先させれば、次には取り返しのつかない大事故の危険さえある。
これ以上、若狭の住民、京都北部の住民、関西一円の住民の命をもてあそぶなど許されない。
高浜原発3号機も即刻運転を停止すべきだ。

要請事項
1.高浜原発4号機の原子炉緊急停止と一次冷却水漏えいの原因を徹底究明し、福井と関西の住民に説明すること。
2.高浜原発3号機も運転を即時に停止すること。
3.住民の安全を守るためには脱原発しかない。高浜3・4号の再稼働を断念すること。


締切り
2016年3月8日24時

呼びかけ
グリーン・アクション/原発なしで暮らしたい丹波の会/アジェンダ・プロジェクト/脱原発はりまアクション/避難計画を案ずる関西連絡会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/FoE Japan/グリーンピース・ジャパン/原子力規制を監視する市民の会

連絡先
グリーン・アクション
京都市左京区田中関田町22-75-103
TEL:075-701-7223 FAX:075-702-1952
原子力規制を監視する市民の会
東京都新宿区下宮比町3-12-302
TEL:03-5225-7213 FAX:03-5225-7214


******* ******* ******* ******* *******

次の記事に続きます。
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これほど不祥事が多発する政権がのうのうとしていられるのは、責任回避ばかりの大メディアの不作為のせい!

2016年03月03日 | 日本とわたし


諸悪の根源は死臭漂う大メディア

予算案無風衆院通過の衝撃

なぜ、甘利が喚問されないのか
なぜ、高市暴言で政権が吹っ飛ばないのか
なぜ、下着疑惑大臣がのうのうとしているのか
なぜ、無知無能のチンピラ大臣やゴロツキ議員が居座っているのか
なぜ、何の成果もなく、世論調査もボロクソの、アベノミクスの責任追及が行われないのか


2016年予算案が今日(1日)、衆院を通過。
憲法の衆院優先規定によって、年度内成立が確定的となった。

この通常国会では、閣僚や自民党議員の醜聞や失言が連発している。
それなのに、予算は無風通過、あっさり成立が確定だ。
そりゃないだろ、と言いたくなる。
安倍首相は週末の27日、のんきにゴルフを楽しむ余裕ぶりだった。

大新聞は衆院予算委について、「野党は攻めきれなかった」「追求が甘く決定打を欠いた」などと解説しているが、
「追求が甘いのはメディアの方ですよ」と、政治評論家の森田実氏がこう言う。
野党がふがいないのは確かです。
ただ、圧倒的に数が少ないというハンディがあり、できる事は限られている
たまに国会質疑で鋭く政権に迫っても、メディアは大きく扱わないからなおさらです。
例えば、甘利前大臣の疑惑なんて、言い逃れしようがない収賄あっせん利得で、政権を揺るがす大スキャンダルなのに、
すっかり報道は下火になってしまった。
なぜ大メディアは、証人喚問しろと騒がないのか
これだけ不祥事が多発しても、政権がのうのとしていられるのは、大メディアが与党の醜聞を徹底追求しないからなのです。
自分たちの不作為を野党のせいにして、責任回避するのは卑怯です」

新しいネタ、また次のネタと、スキャンダルを追っかけては消費していくだけの大メディアの報道姿勢は、政権の不祥事隠しに一役買っている

議員辞職した宮崎前議員のゲス不倫問題で、甘利前経産相の疑惑は脇に追いやられてしまった
野党は、本人や元秘書の証人喚問を求めているが、甘利は『睡眠障害』とやらで、国会にも出てこない
それを許しているのが大メディアだ。
高木復興相の香典配布問題や下着ドロ疑惑も、完全に消えてしまった


問題議員に関しては人材豊富

麻生財務相も、軽減税率の導入で、中小企業の廃業が「100や1,000とかいろいろ出てくる」と平然と言ってのけたり、
「農家は税金を一回も払ったことがない人もいる」と言い放ったり、相変わらず暴言を繰り返している。

メディアは、言い訳程度に批判するフリだけだから、チンピラ風情の大臣が、エラソーにふんぞり返っていられる
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春よ来い早く来い

2016年03月03日 | ひとりごと
空と海のヨガの時間。


真っ黒くろ助の空は、目を瞑っているとただの黒いカタマリと化します…。



まだまだ一桁の気温が続いていますが、それでも一頃のことを思えば随分ましになりました。

ということで、そろりそろりと前庭の掃除を開始です。


土中深く埋まっていたレンガの残り(我が家はレンガ造りなのです)を、せっせと掘り起こしては適当に並べた道に、ジェノバベリーがびっしり落ちていました。


今年は例年より多いよね。


真冬を温かく過ごしてもらおうと、ワラを巻きつけておいたのですが、大雪ですっぽり埋まっていた時に、一番手前の枝がポキリと折れてしまいました。
ワラを外して見てみると、半分弱の部分はまだ大丈夫そうなので、とりあえず紐でギュッと縛ってくっつけてみました。


雪が溶けるまでかなり時間がかかってしまったので、多分だめかもしれません。
ごめんね、イチジクさん。

さて、こちらは、知らぬ間におっきくなってくれていたサツマイモさん。
歩美ちゃんが収穫してくれた時は、小指ほどのチビちゃんばっかりだったのに、冷たい土の中で一冬過ごしたど根性イモさんです。


今日は雪の予報が出ていました。
今週末はずっと、夜になると零下になってしまうようです。
まだまだ遠い春ですが、おひな祭りのお祝いをまた、今年もひとりでこっそりやろうと思います。
コメント (2)
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メディアが伝えないのなら、『アベノミクスは失敗だ!デモ』やって、みんなに知らせよう!

2016年03月02日 | 日本とわたし








ついにギブアップ…黒田総裁がアベノミクスの失敗“認めた”
【日刊ゲンダイ】2016年2月24日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/175955

バズーカはやっぱり空砲だった――。
日銀の黒田東彦総裁が、ついに“ギブアップ宣言”だ。
23日の衆院財務金融委員会に出席した黒田総裁は、マネタリーベース(資金供給量)の増加と物価上昇率の相関関係についてあらためて問われた際、
マネタリーベースそのもので直ちに物価、あるいは予想物価上昇率が上がっていくということではない」と言い放ったのだ。

「(総裁に)就任して間もなく3年。そろそろ客観的な検証をした方がいい。
マネタリーベースを増やすと期待インフレ率が上がるというのが、異次元緩和の一つの大きな前提、根拠になる考え方だったと思うが、今もなおそう信じているのか」

仰天答弁が飛び出したのは、民主党の玉木雄一郎議員が、黒田総裁にこう問いただした時だ。

2013年4月から始まった「異次元金融緩和」(黒田バズーカ)は、マネタリーベースを2年間で倍増させ、前年比2%の物価上昇率を実現させる――というものだ。

黒田総裁は当時の会見で、マネタリーベースを倍増させる理由を問われると、
2年で2%の物価上昇目標を達成するのは容易ではない。
これまでのように、小出しにするやり方では達成できない。
ここまでやれば達成が可能になる、という額
〉と断言。

マネタリーベースは、端的にいうと日銀の通貨。最も分かりやすく適切だ〉と威張っていた。

同じ時期に都内で開いた講演会でも、2%の物価上昇目標に触れて、
この約束を裏打ちする手段として、量・質両面の金融緩和を行う。
具体的には、金融市場調節の操作目標を、『金利』からマネタリーベースという『量』に変更した
〉と強調していた。


▪️異次元緩和の理論の支柱が折れた

14年11月に、日銀が、資金供給量を、年間60兆~70兆円から約80兆円に増やす追加緩和を決めた際も、黒田総裁は、
2%の物価上昇目標の早期実現を確かなものにする〉と強弁。
それが一転して、
マネタリーベースと物価上昇に相関関係はない」と認めたのだから、のけ反ってしまう。

玉木議員が、あらためてこう言う。
「黒田総裁の発言には、本当に驚きました。
異次元緩和の理論の根幹、支柱がポキンと折れたのですから。
つまり、それだけ行き詰まっているという表れなのでしょう」

黒田総裁が白旗を揚げるのも当然だ。
マネタリーベースは、12年末の138兆円から昨年末は365兆円と、2.6倍に膨らんだものの、
15年平均の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、2%目標には程遠い、前年比0.5%増
誰が見ても、「黒田バズーカ」は失敗だ。
さすがに「相関関係がある」とは言えないだろうが、シレッと手のひら返しの発言が許されるのか。
「トリクルダウンは起きない」(竹中平蔵・慶大教授)と同様、アベノミクスの旗振り役は、“泥舟”からの逃げ足だけは速い


安倍政権「マイナス成長は暖冬のせい」の大ウソをデータで暴く=三橋貴明
【MONEY VOICE】2016年2月23日
http://www.mag2.com/p/money/7499

↓以下、部分引用はじめ

▪️自動車や家電などの消費減少は暖冬のせいではない

「今年の冬は暖かいから、自動車を買うのはやめよう」

などと思った国民は、一人もいないでしょう。


▪️本当の原因は、実質賃金の低下と日本国民の貧困化

日本国民が自動車を買わなくなったとしたら、それは単に実質賃金が下がり、貧困化しているためです。

貧困化しているが故に、消費を減らした
この単純な事実すら、安倍政権は認めることができないでいます。

ちなみに、実質賃金の下落には「消費税増税」が大きく影響しています。
消費税は賃金とは無関係に、強制的に物価を引き上げるイベントであるのに加え、
「実質的な需要(量)」を減らすことで、実質賃金引き上げを不可能にしてしまうのです。

この辺りの話は、月刊三橋や三橋経済塾、さらには著作で解説していくつもりです。
少し細かい話なのですが、落ち着いて聞けば「誰でもわかる」と思います。

それはともかく、実質賃金を三年連続で落ち込ませ消費の実質「量」ですら野田政権を下回らせる惨状に至ったにも関わらず、
未だに政府が「財政出動」「新たな補正予算」という議論を始めていないのは、まさに「異様」です。

無論、国会で通常予算を通さなければならないというのは分かりますが、3月に通常予算を通し、それから議論を始めたのでは「遅すぎ」です。


1月の実質消費支出、前年比3.1%減 市場予想は2.7%減 家計調査
【日本経済新聞】2016年3月1日
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL29HVC_Z20C16A2000000/

総務省が1日発表した1月の家計調査によると、
2人以上の世帯の消費支出は、1世帯当たり28万973円で、
物価変動の影響を除いた実質で、前年同月比3.1%減少した。
前年同月を下回るのは5カ月連続
QUICKが、発表前にまとめた市場予想の中央値は、2.7%減だった。
季節調整して前月と比べると、0.6%減少した。

勤労者(サラリーマン)世帯の1世帯当たり消費支出は、31万2331円で、
前年同月比2.6%減少した。
前年同月を下回るのは5カ月連続

↑以上、転載おわり


もう何年も前から言われている裸の王様アベノミクス。
その化けの皮がすでに剥がれているのに、いつまで見て見ぬふりをしているのですか。
年金返せデモはやらないのですか?
子どもの未来応援基金デモはやらないのですか?
最低賃金1500円デモはやらないのですか?
金持ちが得する軽減税率をやめろデモはやらないのですか?
政治と生活は深く強くつながっています。
統治者はだから、人間の心と智慧を持ち、国を支える国民ひとりひとりの暮らしをより良いものにするために、懸命に働く人でなければなりません。
世襲だらけの、日本会議だらけの国会なんぞ、きっぱりと一掃し、まともな政治が行われるよう、棄権せずに投票しましょう!







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