古今東西、あらゆる美術品には偽者(贋作)が存在しています。
美術品と呼ぶ事さえ出来ない、日常的に使用される焼き物も、例外では有りません。
骨董類では、「本物3割、残り7割が偽物」とも言われている程の世界です。
その偽者も、多く存在する種類と、めったに見ない種類に分れます。
更に、我が国の物を我が国で作った贋作と、海外の物を海外で作られた贋作、更には、海外の物を
我が国で作った贋作など、多種多様です。これらに付いて順次お話します。
1) 我が国の贋作(偽者)事情。
我が国の磁器以外の「土物」と呼ばれる偽者の陶器(贋作)は、ほとんど我が国で作られます。
それは、素材となる粘土が、我が国と外国では差があり、例え海外で作られた焼き物があれば、
直ぐに「バレル」からです。但し、海外でも似た様な粘土が無い訳ではありません。
① 縄文、弥生式土器の贋作。
) この頃の贋作は比較的少ないです。但し、火炎土器などや埴輪、土偶の、レプリカ
(模倣、写し)は、多く存在しています。
) そもそも陶片が真作であっても、その出所が問題になります。
即ち、盗品か盗掘と言う事になります。どこかの考古学的な資料館などからの盗品や、
古代縄文などの遺跡の盗掘品とも考えられます。勿論、偶然露出した土器を見つける事も
否定できませんが、世に出せる程に整た作品はめったにありません。
) 壊れていない(即ち完品)埴輪や円筒形埴輪は、ほとんど存在しません。
土器類や、土偶にしても、状況は同じです。
それ故、例え真作や偽者で有ったとしても、補修(修理)が施されているはずです。
この修理痕を見れば、贋作かどうか判断可能との事です。
) これらの焼き物は、長い間土に埋もれていた物であり、焼き締りの「ゆるい焼き物」
ですので、土の粒子や汚れた水などが、吸い込まれて、土臭さが残ります。
これらは、水で洗っても簡単には取れません。新品に古色付けしても、特有の土臭さは無く
水で洗えば取れてしまうとの事です。
) その時代の要請により、作り出された本物には、力強さがると言われています。
現代人には、その作風を真似ても、時代の要請には答えられていないと言われています。
(但し、この意見は精神論で、説得力は無い様に思われます。)
) よく見掛ける贋作。
縄文土器の碗や水注(みずつぎ)など、小物が多いです。特に煤(すす)を塗って古色
付けた物も多いです。
② 土師器(はじき)、黒色土器、須恵器の贋作。
いずれも、弥生式土器の後に登場した、無釉の焼き物です。
無釉の焼き物には、贋作が少ないです。但し、須恵器の中には、自然釉(灰釉)が掛かった
物も有ります。贋作では灰を掛ける事で、人工的に自然釉らしさを付ける事もあります。
) 自然釉は経年変化で、「カセ」がでます。(勿論、保存状態によって左右されます。)
) 贋作はフッ化水素などの薬品処理で、人為的に「カセ(艶消し)」を作り出しています。
) 須恵器と誤認され易い焼き物。
朝鮮の新羅(しらぎ)土器は、見分けるのが困難との事です。その他に南蛮の焼き締め陶器
百済(くだら)土器、高麗時代の無釉の焼き締め陶器が、誤認され易いです。
) 本物の須恵器の量は、偽者より多く流通しています。須恵器の人気が少ない事も、
原因の一つです。
) よく見掛ける贋作には次の物があります。
猿投(さなげ)長頸瓶、薬壷などです。長頸の場合その根元に注目する事です。
別の物が接がれている可能性があるからです。
以下次回に続きます。
美術品と呼ぶ事さえ出来ない、日常的に使用される焼き物も、例外では有りません。
骨董類では、「本物3割、残り7割が偽物」とも言われている程の世界です。
その偽者も、多く存在する種類と、めったに見ない種類に分れます。
更に、我が国の物を我が国で作った贋作と、海外の物を海外で作られた贋作、更には、海外の物を
我が国で作った贋作など、多種多様です。これらに付いて順次お話します。
1) 我が国の贋作(偽者)事情。
我が国の磁器以外の「土物」と呼ばれる偽者の陶器(贋作)は、ほとんど我が国で作られます。
それは、素材となる粘土が、我が国と外国では差があり、例え海外で作られた焼き物があれば、
直ぐに「バレル」からです。但し、海外でも似た様な粘土が無い訳ではありません。
① 縄文、弥生式土器の贋作。
) この頃の贋作は比較的少ないです。但し、火炎土器などや埴輪、土偶の、レプリカ
(模倣、写し)は、多く存在しています。
) そもそも陶片が真作であっても、その出所が問題になります。
即ち、盗品か盗掘と言う事になります。どこかの考古学的な資料館などからの盗品や、
古代縄文などの遺跡の盗掘品とも考えられます。勿論、偶然露出した土器を見つける事も
否定できませんが、世に出せる程に整た作品はめったにありません。
) 壊れていない(即ち完品)埴輪や円筒形埴輪は、ほとんど存在しません。
土器類や、土偶にしても、状況は同じです。
それ故、例え真作や偽者で有ったとしても、補修(修理)が施されているはずです。
この修理痕を見れば、贋作かどうか判断可能との事です。
) これらの焼き物は、長い間土に埋もれていた物であり、焼き締りの「ゆるい焼き物」
ですので、土の粒子や汚れた水などが、吸い込まれて、土臭さが残ります。
これらは、水で洗っても簡単には取れません。新品に古色付けしても、特有の土臭さは無く
水で洗えば取れてしまうとの事です。
) その時代の要請により、作り出された本物には、力強さがると言われています。
現代人には、その作風を真似ても、時代の要請には答えられていないと言われています。
(但し、この意見は精神論で、説得力は無い様に思われます。)
) よく見掛ける贋作。
縄文土器の碗や水注(みずつぎ)など、小物が多いです。特に煤(すす)を塗って古色
付けた物も多いです。
② 土師器(はじき)、黒色土器、須恵器の贋作。
いずれも、弥生式土器の後に登場した、無釉の焼き物です。
無釉の焼き物には、贋作が少ないです。但し、須恵器の中には、自然釉(灰釉)が掛かった
物も有ります。贋作では灰を掛ける事で、人工的に自然釉らしさを付ける事もあります。
) 自然釉は経年変化で、「カセ」がでます。(勿論、保存状態によって左右されます。)
) 贋作はフッ化水素などの薬品処理で、人為的に「カセ(艶消し)」を作り出しています。
) 須恵器と誤認され易い焼き物。
朝鮮の新羅(しらぎ)土器は、見分けるのが困難との事です。その他に南蛮の焼き締め陶器
百済(くだら)土器、高麗時代の無釉の焼き締め陶器が、誤認され易いです。
) 本物の須恵器の量は、偽者より多く流通しています。須恵器の人気が少ない事も、
原因の一つです。
) よく見掛ける贋作には次の物があります。
猿投(さなげ)長頸瓶、薬壷などです。長頸の場合その根元に注目する事です。
別の物が接がれている可能性があるからです。
以下次回に続きます。