わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸家を目指す 12 (クレーム)

2010-11-27 21:34:45 | 陶芸家を目指す
作品を、販売した後、「クレーム」や「トラブル」が、発生する場合が、有ります。

  1) 作品その物についての、「クレーム」

  2) 契約上の「トラブル」の、二つの事が、考えられます。

 1) 作品の「クレーム」例として

  ① 作品に「ひび」が入っていた。

    作品を家に、持ち帰ったら、作品に「ひび」が入っていたとの、「クレーム」です。

    販売時には、無傷であった作品が、包装紙を解くと、「ひび」が入っていたので、交換又は、

    代金を返して欲しいとの事です。 多分、持ち帰りの途中で、傷が出来た物と、思われます。

    お客としては、少々乱暴に、扱ったかもしれないが、そもそも梱包が悪い為に、傷が出来たのだと

    「クレーム」を付ける事に、なった次第です。対応としては、

    ) 同じ作品があれば、交換します。

    ) 同じ作品が無ければ、同程度の値段の、別の作品と交換します。

    ) どうしても、前の作品と同じ物が、欲しいと要望された場合には、新たに作ります。

    ) 最悪の場合には、代金を返済する場合も、あります。

   基本的には、売主側が、損害をこうむる事に成ります。

   但し、以上の処理は、その客に対して、1回のみとします。

 ② 花瓶から、水漏れするとの「クレーム」

   花瓶に花を生けて、置いておくと、置いた床の底の部分が、濡れているとの事です。

   作品が、良く焼き締まっていない場合や、釉に貫入っている為、及び、「ベタ底」で釉が内側

   のみにしか、施釉していない為に、起こった事です。

   一般に、常に水が入った器には、水漏れ防止剤を使います。その作業を、忘れた結果か、作業が

   不十分だったのかも、知れません。

   ・ 対策として、水漏れ防止剤を、器の中に、流し込み、2~3分置いた後、防止剤を、基の容器に

     戻します。一日乾燥して貰えれば、水漏れは、止まります。

   但し、防止剤には、食器用と、それ以外の物が有りますので、使い分けます。

 ③ 梅干を入れた容器の、表面に塩が、噴出した

   上記②と同じ現象です。即ち、塩分を含んだ水分が、徐々に器の側面から、染み出た物ですが、

   水分は蒸発して、塩分だけが、表面に残り、塩が噴出した様に、見える訳です。

   ・ 対策としては、器の内側に、食器用の、水漏れ防止剤を、入れて乾燥させる事です。

 ④ 作品(食器など)がテーブルを傷つけた

   窯出し後の作品は、必ず高台(畳み付き)を、砥石(といし)で削り、「ばり」を取ります。

   焼成では、棚板に塗ってある、「アルミナコーッチング」が、底に付く事が有ります。

   又、肌理の粗い土を使うと、焼成で、底が「ざらつき」ます。その為、全ての作品の底には、必ず、

   砥石を掛けて、滑らかにする、必要が有ります。この作業を忘れると「クレーム」が来ます。

 ⑤ 作品の高台内に、「かび」が発生した

   本来、陶器は磁器に比べて、吸水性が有りますので、十分乾燥後、収納する必要が有る物です。

   この事を、理解していない方もいるようで、「クレ-ム」と成る事も有ります。

   これも ③で述べた、防水剤を、底や高台内に筆などで、塗る事によって、予防できます。

 ⑥ 「クレーム」ではありませんが、使っている内に、表面の色が、変化した、と言う物もあります。

   それには、二つの原因が有ります。

   ) 釉の表面に薄く掛かっていた、金属膜などが、使用や洗う事により、次第に剥れてきた。

     その結果、表面の色が、明るく、鮮やかに成ります。

   ) 長く使用していて表面に、汚れが付き、貫入等に浸み込み、釉の色が暗くなる、場合です。

     これを、汚いと見るか、使い込んで、渋くなって良くなったと、見るかによって、評価が、

     分れます。 汚れが気になる場合には、もう一度素焼をすれば、新品同様に、綺麗になります。

     それ故、お買い上げの顧客に対して、無料で、素焼をして上げれば、喜ばれます。

 「クレーム」が有った場合、当方に責任が無くても、十分説明をして、納得してもらいます。

 「クレーム」は、大事な情報源となり、又、顧客との関係を強くする事も、多々ありますので、

 積極的に、取り組む事が、後々大事に成ります。

以下次回に続きます。

クレームについて
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