わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土について

2009-09-26 14:17:44 | 作品の装飾と陶磁器の絵付け
化粧土は、作品の本体(素地)に、使う事は出来ませんが、作品の装飾には、欠かせない材料です。

素地の上に、薄い皮膜を作り、鉄化合物の多い素地(赤土など)では、素地の色を隠したり、

素地表面の、小さな穴(ピンホールなど)や、粒々による凸凹を、平滑にする為に、使います。

 又、各種装飾にも、使います。

 化粧土は、英語で「エンゴーベ」或いは、「スリップ」と言います。

 白化粧土が基本ですが、顔料を混入して、各種の色化粧土を、作る事も出来ます。

 (自分で調合しなくても、色々な化粧土が、市販されています。)

基本的な顔料を、記します。

 ① 青色: 酸化コバルト、明るい色2%、暗色10%

 ② 緑色: 酸化クロム、 明るい色5%、暗色20%

 ③ 灰色: 酸化ニッケル、明るい色2%、暗色10%
 
 ④ 褐色: 酸化マンガン、明るい色5%、暗色20%

 ⑤ 黄色、琥珀色: 酸化ウラン、明るい色5%、暗色10%

 ⑥ 黒色: 酸化鉄に、Co 20%、MnO2 20%、Cr2O3 10%の混合物を仮焼し、加える。

 ⑦ 赤、ピンク: 酸化鉄、明るい色5%、暗色15

   但し、酸化クロム、石灰石、少量の酸化錫の混合物を、仮焼した顔料の方が、断然良い色が出ます。

白絵土

 白化粧土として、市販されていて、このまま使用可能ですが、より白く焼き上げた場合には、

 白絵土:ローセキ(滑石):蛙目粘土 = 1:1:1 の様に調合します。

 又、素焼後に、化粧掛けする事を、南蛮掛けといいますが、その調合例は、以下の様に成ります。

 白絵土:ローセキ:蛙目粘土 = 3:1:1 とします。

 但し、一般的に、南蛮掛けは、安全に白化粧を、掛ける事が出来ますが、生掛けより、接着力が弱く、

 問題も多く、綺麗ではありません。

化粧土を使った装飾には、以下の技法が有ります。

 )イッチン(スポイト掛け)、 )刷毛目、 )搔き落とし、 )泥打ち、 

 Ⅴ)鉄絵(白化粧後、絵を描く)、 Ⅵ)象嵌、 Ⅶ)墨流し、 )粉引き(こひき)が有ります。

  (以前に、説明しましたので、ここでは詳細は、省きます。)

 粉引き以外の方法は、「刷毛塗り」や、作品の一部に、「流し掛け」等の方法で、化粧土を塗り

 ますので、さほど問題は起こりませんが、

 粉引きは、作品全体を、「浸し掛け=ずぶ掛け」や「流し掛け」で、化粧土を掛ける為、作品が溶けて

 壊れる恐れが大きいです。それ故、その対策をする必要があります。


 化粧掛けには、色々な問題が発生し易いです。その解決方法を、次回に記したいと思います。


   化粧土
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