2) 金属の種類は多いが、焼き物に関係する物質は有る程度限定されます。
地球上で安定して存在する元素は、原子番号1番の水素(H)から92番のウラン(U)まで
ですが、43番のテクネチウム(Tc)は半減期が短い為、地球上から既に蒸発し存在
しませんので、元素は91種類に成ります。尚、93番以降の元素は、原子炉の中で
人工的に作られた元素で、超ウラン元素と言います。
この中で金属元素は、70種類程度です。
① 地球上の金属は酸化物が多いです。
地球上では空気中の酸素と結合し、酸化物として産出されます。それ故元素のまま
産出される事は稀です。
ⅰ) 同じ元素と結合する物質は色々あります。
例えば単に酸素(O2)のみに結合する物質や、水酸化物(OH)や炭酸化物(CO3)
硫化物(SO4)、塩化物(Cl2)等と結合したりし、その結合物によって化学的に異なる
反応(作用)が起こります。大きく変わる物も有ればほとんど同じ効果の物もあります。
後者であれば代用が利き、手に入り易く単価の安い方の物質を使うと経済的です。
ⅱ)粘土中に入っている金属類とは。
a) 一番多い物質は酸化鉄です。主に赤土として産出されます。
鉄分の含有量によって黄色から薄茶、茶色、濃茶色、黒色を呈します。
市販されている赤土も産地によって特徴があり、焼き上がりの発色も異なります。
b) 一般に赤土は焼成温度を下げます。
即ち耐火度が弱く成ります。但し、収縮率を上げますので、焼き締り易く成ります。
c) 関東地方に白い土が少ない理由。
使用する粘土には、各々好みの物が存在するか、好みに合わない土も他の土と
混合させて好みの土を作る事が可能に成った現在、又は他所から産出する土を容易に
入手可能な現代では、当地で産出する土を使用する必要は有りませんが、
出来れば当地から産出する土を何等かの方法で利用するのも、宜しいと思われます。
関東ローム層は主に富士山や箱根山、浅間山、赤城山、妙義山、男体山等の噴火で
一万年~数十万年前の間に降り積もった火山灰が風化し、粘土化した物と言われて
います。火山灰には粘土質の成分が多く含まれています。
即ちシリカ(SiO2)やアルミナ(AI2O3)成分で、その他に鉄分(FeO2)やMnO、MgO、
K2O等の鉱物が細かなガラス質成分と共に存在します。
その為、多くは赤褐色した鉄分を多く含む土です。各火山の違いにより、又は
年代により、噴出物の性質に違いがあり、風化の仕方にも違いが出て、同じ関東地方
でも産地によって土の色の濃さや、肌ざわり等に違いがあります。
それ故、関東地方には白い土は少ないです。
尚、関東地方の著名な窯場は、益子焼き(栃木県)、笠間焼(茨木県)です。
以下次回に続きます。
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