乾燥については、以前(2009年、4月)に、カテゴリー「素焼の話」の中で、お話しましたが、
別の角度から、再度、お話したいと思います。
陶芸で、一番問題に成るのは、「色の良し悪し」よりも、作品が製作途中(完成前)で、壊れや、割れが
出来る事です。
陶芸をある程度、やられた方なら、完成までに、壊れる危険性は、認識しているはずです。
どんな対策をしても、壊れ(割れ)る時は、壊れてしまいます。
前置きが、長くなりましたが、本題に入ります。
乾燥は、製作終了直後から、始まります。更に、素焼中でも、土は乾燥し、性質も変わります。
最後に、本焼きで、土が焼き締り、完全に水が抜け、使用に耐える、強度に成ります。
「割れ、ヒビ」の最大の原因は、土(素地)の乾燥による、収縮に有ります。
(尚、釉の収縮は、貫入の有無に、関係します。)
1) 素地(粘土)の水分は、製作時に必要な物で、それ以外は、不必要な物です。
乾式加圧成形で作る、タイルなどを除けば、ほとんどの場合、素地に水を加え、練り土や、
「泥しょう」にして、使用します。これは、あくまで、成形し易くする為の、作業であり、終われば、
邪魔になる物と、言えます。それ故、水分を除去する必要が有ります。
この水分を、取り除く時の方法や、速さなどで、素地が縮み、問題が発生し易いです。
2) 素地の性質による。
① 素地の可塑性(かそせい)の大きい程、縮み率は大きいです。
② 長石や珪石などや、砂、シャモット等の、非可塑性の原料が、多く入ている程、乾燥収縮が、
少なく成り、乾燥も速く成ります。
特にシャモットは、生素地との相性が良く、素地に良くなじみます。
3) 作品の形状による。
① 作品の、表面積が、容積に比べて、大きい程、乾燥は速く成ります。
これは、空気との、接する面積が、大きい程、乾き易い事を示します。
② 同じ重さの素地を使っても、形によって、乾燥の速さは、変わります。
) 肉厚の薄い物は、早く乾燥し、肉が厚い物は、乾燥が遅いです。
) 球形の物や、口径の狭い作品は、内部(内側)の乾きが、遅いです。
4) 周囲の空気の温度による。
① 作品周囲の温度が、高い程、乾燥は速まります。空気の温度によって、空気に含まれる、
水の飽和量は決まります。
以下の数値は、絶対量(飽和水蒸気量=空気1立法メートル当りの、空気に溶け込む水分量)を
表し、天気予報で使う、湿度何%は、相対量を表しますので、(絶対量に対する割合)、
冬場で乾燥しているからと言って、絶対量が多い訳では、ありません。
むしろ、冬場は、気温が低いので、湿度が低い(乾燥している)場合でも、絶対量は、
20℃に比べて、格段に低く成ります(乾き難い)。
) 5℃の空気中では: 水 6.8gが、飽和量です。
) 10℃ : 9.4g
) 15℃ : 12.8g
) 20℃ : 17.2g
) 30℃ : 30.4g
) 40℃ : 51.2g
) 60℃ : 130.g
即ち、40℃では、20℃の約3倍の速さで乾き、 60℃では、約8倍近い早さと成ります。
それ故、夏場と冬場では、乾燥速度が違います。
以下次回に続きます。
別の角度から、再度、お話したいと思います。
陶芸で、一番問題に成るのは、「色の良し悪し」よりも、作品が製作途中(完成前)で、壊れや、割れが
出来る事です。
陶芸をある程度、やられた方なら、完成までに、壊れる危険性は、認識しているはずです。
どんな対策をしても、壊れ(割れ)る時は、壊れてしまいます。
前置きが、長くなりましたが、本題に入ります。
乾燥は、製作終了直後から、始まります。更に、素焼中でも、土は乾燥し、性質も変わります。
最後に、本焼きで、土が焼き締り、完全に水が抜け、使用に耐える、強度に成ります。
「割れ、ヒビ」の最大の原因は、土(素地)の乾燥による、収縮に有ります。
(尚、釉の収縮は、貫入の有無に、関係します。)
1) 素地(粘土)の水分は、製作時に必要な物で、それ以外は、不必要な物です。
乾式加圧成形で作る、タイルなどを除けば、ほとんどの場合、素地に水を加え、練り土や、
「泥しょう」にして、使用します。これは、あくまで、成形し易くする為の、作業であり、終われば、
邪魔になる物と、言えます。それ故、水分を除去する必要が有ります。
この水分を、取り除く時の方法や、速さなどで、素地が縮み、問題が発生し易いです。
2) 素地の性質による。
① 素地の可塑性(かそせい)の大きい程、縮み率は大きいです。
② 長石や珪石などや、砂、シャモット等の、非可塑性の原料が、多く入ている程、乾燥収縮が、
少なく成り、乾燥も速く成ります。
特にシャモットは、生素地との相性が良く、素地に良くなじみます。
3) 作品の形状による。
① 作品の、表面積が、容積に比べて、大きい程、乾燥は速く成ります。
これは、空気との、接する面積が、大きい程、乾き易い事を示します。
② 同じ重さの素地を使っても、形によって、乾燥の速さは、変わります。
) 肉厚の薄い物は、早く乾燥し、肉が厚い物は、乾燥が遅いです。
) 球形の物や、口径の狭い作品は、内部(内側)の乾きが、遅いです。
4) 周囲の空気の温度による。
① 作品周囲の温度が、高い程、乾燥は速まります。空気の温度によって、空気に含まれる、
水の飽和量は決まります。
以下の数値は、絶対量(飽和水蒸気量=空気1立法メートル当りの、空気に溶け込む水分量)を
表し、天気予報で使う、湿度何%は、相対量を表しますので、(絶対量に対する割合)、
冬場で乾燥しているからと言って、絶対量が多い訳では、ありません。
むしろ、冬場は、気温が低いので、湿度が低い(乾燥している)場合でも、絶対量は、
20℃に比べて、格段に低く成ります(乾き難い)。
) 5℃の空気中では: 水 6.8gが、飽和量です。
) 10℃ : 9.4g
) 15℃ : 12.8g
) 20℃ : 17.2g
) 30℃ : 30.4g
) 40℃ : 51.2g
) 60℃ : 130.g
即ち、40℃では、20℃の約3倍の速さで乾き、 60℃では、約8倍近い早さと成ります。
それ故、夏場と冬場では、乾燥速度が違います。
以下次回に続きます。
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