わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉の話 25 (銅釉2辰砂釉2、海鼠釉)

2010-03-29 22:09:25 | 釉薬の調合と釉を掛ける
辰砂釉の話を続けます。

辰砂釉の調合例

  ) 長石:73、  珪石:8、 石灰石:12、 亜鉛華:4、  酸化銅:2~3

  ) 基礎釉:84、 珪石:2、 酸化錫:2、  亜鉛華:10、 酸化銅:2

  ) 長石:47、  珪石:7、 石灰石:16、  硼砂:21、  酸化銅:9

     )に、基礎釉を、20~30%加えます。

灰を用いた調合例

  ) 長石:80、 いす灰:20、 酸化錫:2、 酸化銅:3
  
  ) 長石:70、  藁灰:30、 酸化錫:2、 酸化銅:3

  ) 長石:60、 いす灰:10、 藁灰:30、 酸化錫:2、酸化銅:3

宇野仁松(1864~1937)の牛血紅釉の調合

  ) 天草石:13.0、珪石:11.0、 福島長石:58.5、 石灰石:14.5、窓ガラス:16.0

     滑石:2.0、炭酸バリウム:1.0、酸化錫:4.0、酸化銅:0.8

着色剤を作る

   酸化銅;50%、 酸化錫:30%、弗化バリウム:20の混合物を、1200℃~1300℃で

   焼成後、微粉砕する。この着色剤を、基礎釉に、1~3%程度添加する。

2) 海鼠(なまこ)釉

   流動性のある釉で、以前に信楽焼きの、火鉢に多く使われていた、釉です。

   灰釉に少量の銅、コバルト、マンガン、酸化鉄を添加した物で、青、黒青、乳白などが、表れます。

   調合例
     
    ① 長石:55、 土灰:35、 藁灰:10、 炭酸銅:1.5、 酸化銅:0.2

    ② 長石:55、 土灰:34、 藁灰:10、 炭酸銅:1.0、 酸化銅:0.1

    ③ 長石:65、 土灰:30、 藁灰:5、 炭酸銅:1.2、 酸化銅:0.2、 弁柄:1.5、

      酸化マンガン:2.0

  着色剤を添加する方法

      弁柄:40、 二酸化マンガン:40、 酸化銅:16、 酸化コバルト:4

    以上を調合し、基礎釉に5%程度、添加します。

  ・ 昔の海鼠釉は、卯の斑釉に、少量の弁柄や、黄土の様な、酸化鉄を含む、粘土を加え、還元で

    焼成した様です。

  ・ 二度掛けの方法も有ります。下釉に土灰、藁灰、石粉に、少量の酸化銅、酸化コバルト、

    酸化マンガンを加え、上釉に土灰、石粉、酸化銅、酸化コバルトを、加えた釉を掛けました。

  ・ 現在の陶芸作家の釉に、透明灰釉に、3%程度の弁柄や、酸化銅を加えた、下釉と、

    土灰、石粉、藁灰の乳濁釉を、上釉に掛ける方法を、取る方もいます。

  ・ 土灰は、化学成分が一定しませんので、釉も一定しません。それを嫌う方は、合成土灰を、

    使う事に成ります。

3) 青織部

  次回に続きます。

  海鼠釉

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