前回に続き、青磁釉について述べます。
紫口鉄足(青磁の上物は、こう呼ばれ、珍重されています。)
青磁釉の魅力は、釉が厚く掛かる為に、深みのある色が出る事と、厚く掛ける事により、上部の縁の
部分が、熔け流れ落ち、釉が薄くなり、場合に拠っては、素地が透けて見えるます。
又、高台部分は、釉が掛からず、褐色の状態です。これを、紫口鉄足と呼んでいます。
青磁釉は、本焼き終了後、空気によって、釉表面がわずかに酸化され、より深みが増すとも
言われています。
更に土物(陶器)に、青磁釉を掛けると、貫入(ひび)が入り易いです。
・ 灰立ての調合(灰釉の青磁について)
調合例
① 長石:60、 いす灰:20、 土灰:10、 籾殻灰:10、 弁柄:2
② 長石:40、 いす灰:30、 籾殻灰:15、 石灰石:5 カオリン:10 弁柄:2
③ 長石:60、 いす灰:20、 土灰10、 籾殻灰:10、 炭酸バリウム:2 弁柄:2
④ 長石:40、 いす灰:30、 籾殻灰: 15、 石灰石:5、 カオリン:10、炭酸バリウム:2、弁柄:2
・ 青磁顔料について
顔料を作り、基礎釉に添加して、青磁釉を作る方法です。
) 顔料の調合例
酸化クロム:21、 酸化コバルト:10、 亜鉛華:27、 珪石:42
これを湿式で、混合粉砕し、乾燥後、3~3.5%程度、基礎釉に添加します。
) 青磁用基礎釉の調合例
砧青磁の場合
① 長石:64.5、 珪石:27.7、 石灰石:7.8
② 長石:48.2、 珪石:22.9、 珪酸バリウム:28.9
天竜寺青磁の場合
③ 長石:15.6、 石灰石:22.4、 天草石:62.4
④ 長石:14.6、 珪石:6.4、 石灰石:21.0、 天草石:58.0
) 氷裂文(ひょうれつもん)の青磁について
氷の表面の、割れ目のような、大きな貫入(ひび)の入った状態の物です。
・ 貫入は、素地と釉との収縮率の差によって、発生します。即ち釉の方が、大きく縮む程、貫入は
大きく成ります。一般には、貫入は、出さない様にしますが、氷裂文は、わざと貫入を大きく
して、その割れ目に、墨、弁柄等を刷り込み、模様とした物です。
・ 素地を調整する方法と、釉を調整する方法が、有りますが、ここでは、後者の場合を、
考えます。
① 釉の中の、珪砂又は、カオリンを少なくする。(片方又は、両方)
② ソーダ(NaO)の量を増やす、又はカリ(K2O)を、ソーダで置き換える。
③ 硼酸の替りに、珪酸を用いる。
その他、釉の原料を、より細かく粉砕する。釉を厚く掛ける。冷却速度を、速めるなどの
方法があります。
・ 釉の組成と、色との関係
アルカリ成分(Na2O、K2Oなど)が多く、石灰成分(CaO)が少ないと、青味を帯びた緑色に成ります。
石灰成分が多く、アルカリ成分が少ないと、深みのある緑色に成ります。
7) 青白釉(薄青磁釉)
青磁より薄い青(緑)を発色する釉に、青白釉が有ります。
調合例 ① 基礎釉:100、 珪酸鉄:3、 バリウム:7 (外割り)
② 基礎釉:100、 珪酸鉄:3
青磁釉の様に、厚くは塗りません。
尚、青磁釉は、鉄で色を出すのが、基本ですが、酸化銅を添加した、銅青磁も有ります。
銅を使った銅釉については、後日説明いたします。
次回は、他の鉄釉について述べます。
紫口鉄足(青磁の上物は、こう呼ばれ、珍重されています。)
青磁釉の魅力は、釉が厚く掛かる為に、深みのある色が出る事と、厚く掛ける事により、上部の縁の
部分が、熔け流れ落ち、釉が薄くなり、場合に拠っては、素地が透けて見えるます。
又、高台部分は、釉が掛からず、褐色の状態です。これを、紫口鉄足と呼んでいます。
青磁釉は、本焼き終了後、空気によって、釉表面がわずかに酸化され、より深みが増すとも
言われています。
更に土物(陶器)に、青磁釉を掛けると、貫入(ひび)が入り易いです。
・ 灰立ての調合(灰釉の青磁について)
調合例
① 長石:60、 いす灰:20、 土灰:10、 籾殻灰:10、 弁柄:2
② 長石:40、 いす灰:30、 籾殻灰:15、 石灰石:5 カオリン:10 弁柄:2
③ 長石:60、 いす灰:20、 土灰10、 籾殻灰:10、 炭酸バリウム:2 弁柄:2
④ 長石:40、 いす灰:30、 籾殻灰: 15、 石灰石:5、 カオリン:10、炭酸バリウム:2、弁柄:2
・ 青磁顔料について
顔料を作り、基礎釉に添加して、青磁釉を作る方法です。
) 顔料の調合例
酸化クロム:21、 酸化コバルト:10、 亜鉛華:27、 珪石:42
これを湿式で、混合粉砕し、乾燥後、3~3.5%程度、基礎釉に添加します。
) 青磁用基礎釉の調合例
砧青磁の場合
① 長石:64.5、 珪石:27.7、 石灰石:7.8
② 長石:48.2、 珪石:22.9、 珪酸バリウム:28.9
天竜寺青磁の場合
③ 長石:15.6、 石灰石:22.4、 天草石:62.4
④ 長石:14.6、 珪石:6.4、 石灰石:21.0、 天草石:58.0
) 氷裂文(ひょうれつもん)の青磁について
氷の表面の、割れ目のような、大きな貫入(ひび)の入った状態の物です。
・ 貫入は、素地と釉との収縮率の差によって、発生します。即ち釉の方が、大きく縮む程、貫入は
大きく成ります。一般には、貫入は、出さない様にしますが、氷裂文は、わざと貫入を大きく
して、その割れ目に、墨、弁柄等を刷り込み、模様とした物です。
・ 素地を調整する方法と、釉を調整する方法が、有りますが、ここでは、後者の場合を、
考えます。
① 釉の中の、珪砂又は、カオリンを少なくする。(片方又は、両方)
② ソーダ(NaO)の量を増やす、又はカリ(K2O)を、ソーダで置き換える。
③ 硼酸の替りに、珪酸を用いる。
その他、釉の原料を、より細かく粉砕する。釉を厚く掛ける。冷却速度を、速めるなどの
方法があります。
・ 釉の組成と、色との関係
アルカリ成分(Na2O、K2Oなど)が多く、石灰成分(CaO)が少ないと、青味を帯びた緑色に成ります。
石灰成分が多く、アルカリ成分が少ないと、深みのある緑色に成ります。
7) 青白釉(薄青磁釉)
青磁より薄い青(緑)を発色する釉に、青白釉が有ります。
調合例 ① 基礎釉:100、 珪酸鉄:3、 バリウム:7 (外割り)
② 基礎釉:100、 珪酸鉄:3
青磁釉の様に、厚くは塗りません。
尚、青磁釉は、鉄で色を出すのが、基本ですが、酸化銅を添加した、銅青磁も有ります。
銅を使った銅釉については、後日説明いたします。
次回は、他の鉄釉について述べます。
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