4) 二重掛けの方法と、タイミングに付いて。
三重、四重と釉を重ね塗りする方法もありますが、基本的には二重掛け程度で抑えておくのが
安全と思われます。勿論、一つの作品に3~6色程度の釉を使う事があります。その場合でも、
釉の重なる部分は出来るだけ二重程度ですせたいです。多重に重ねると釉剥げ等の弊害が増大
するからです。
① 二重掛けの方法。
一般の施釉方法と同じと考えて下さい。即ち、漬け掛け、流し掛け、イッチン(スポイト掛け)
スプレー掛け、筆(刷毛)塗りなどの方法です。これらの利点と欠点などに付いても述べます。
ⅰ) 二重掛けする範囲。
器全体に二重掛けを施す場合と、一部のみに施す方法があります。後者の場合には、掛け分け
(片身分)と二重掛けに分かれます。
a) 器全体に二重掛けを施す場合には、一方の釉を器全体に掛け、その後別の釉を全体に掛け
る事になります。この方法ですと、下(先)に掛けた釉を完全に覆う事になりますので、
下の釉自体の発色が望めなくなる可能性もあります。この方法は余り一般的ではありません
本来持っているその釉の特徴を、否定する恐れが大きい為です。
どちらの釉を先(下)に掛けるかによって、全く別の色に成る事が多いです。それ故必ず
試し焼きしてから、本番になります。更に、発色にはお互いの釉の濃度も関係します。
b) 掛け分けの場合には、一部のみが二重掛けになり、大部分はその釉本来の色になります。
基本的には完全に分離したいのですが、境目が無釉であれば無難ですが、実際には僅かに
二重に掛かる部分が出てしまいます。境目がどの様に発色するかは、両方の釉の種類に
よって変化します。場合によっては、魅力的な色となる可能性があります。
尚、完全に分離し境目を無釉にする方法もあります。施釉又は無釉の境目を直線にするか、
曲線にするかによって、その部分が一つの模様と成る場合もありますので、一概に否定する
事はできません。
c) 一般的な二重掛けの方法は、一方の釉を全体に掛け、他の釉を部分的に掛ける方法です。
二重に掛ける方法によって、二重掛けの効果が変わります。
ⅱ) 二重掛けのやり方と効果の違い。
a) 漬け掛け(浸し掛け)。 釉の容器に作品を直接漬ける方法です。
・ 利点としては、良く掻き混ぜられた釉であれば、どの様な形の作品でも、短時間で均等の
厚みに施釉できる事です。
・ 欠点として、作品の大きさに合わせた容器が必要な事と、釉の量が「たっぷり」必要な
事です。直径の大きな皿などは、それに合わせた盥(たらい)が必要ですし、背の高い作品
には、深みのある筒状の容器が必要になります。更にこの方法では、釉と釉の境目が直線的
に成り易くなります。
b) 流し掛け(柄杓掛け)。 柄杓(ひしゃく)を用いて、器の内側や外側表面に施釉する
方法です。
・ 長所として、釉の量が少なくてすむ事です。又、筒状の内側に施釉する際にも、柄杓で
流し込む事が出来て便利です。又、施釉したい場所を選択的に選ぶ事ができます。
例えば、波を打たせる方法もあります。但し、釉は下方に流れ落ちますので、流れ易い釉で
は注意が必要です。又、柄杓の使い方で、施釉を曲線的に掛ける事も可能ですので、境目に
変化を付ける事が出来ます。
・ 欠点として、柄杓の使い方によって釉に濃淡が出易いです。但し、薄いと感じたら更に
釉を足して流して加える事ができます。当然ですが減らす(薄くする事)はできません。
c) スプレー掛け(吹き掛け)。 霧状の釉を吹き付けて施釉する方法です。
・ 長所として、すこぶる小回りの利く事です。又、釉の量が必要最小限で済む事も魅力です
更に、マスキングする事で任意の場所に好きな模様を施釉する事もできます。釉を数回に
分けて吹き掛ける事で、釉の濃淡を調整できます。
・ 欠点として、スプレー(霧吹き)が必要に成ります。大量に釉掛けする場合にはコンプレ
サーが必要になる事もあります。
d) イッチン(スポイト)掛け。尚、化粧土でもこの方法が使われます。
他の施釉の方法が面状に成るのに対し、細い線状になるのが特徴です。スポイトの先端部分
の径によって線の太さも変わります。勿論使い方によっては、面状に施釉する事も出来ます
細い線は自由に描く事が出来ますので、細かい作業も可能です。スポイトはケーキ作りの際
に使用する「絞り袋」を、利用する事も可能です。
e) 筆(刷毛)塗り。絵を描く様に施釉する事ができます。但し、施釉された上に重ね塗り
する事は、釉に水分を取られ筆が良く滑りませんので、下手をすると逆に釉を剥ぎ取って
しまいます。それ故余り強く筆えお押し付けない事です。更に筆塗りは釉の濃度が薄くなる
傾向になりますので、筆の運びは「ゆっくり」する事です。
② 二重掛けのタイミング。
以下次回に続きます。
三重、四重と釉を重ね塗りする方法もありますが、基本的には二重掛け程度で抑えておくのが
安全と思われます。勿論、一つの作品に3~6色程度の釉を使う事があります。その場合でも、
釉の重なる部分は出来るだけ二重程度ですせたいです。多重に重ねると釉剥げ等の弊害が増大
するからです。
① 二重掛けの方法。
一般の施釉方法と同じと考えて下さい。即ち、漬け掛け、流し掛け、イッチン(スポイト掛け)
スプレー掛け、筆(刷毛)塗りなどの方法です。これらの利点と欠点などに付いても述べます。
ⅰ) 二重掛けする範囲。
器全体に二重掛けを施す場合と、一部のみに施す方法があります。後者の場合には、掛け分け
(片身分)と二重掛けに分かれます。
a) 器全体に二重掛けを施す場合には、一方の釉を器全体に掛け、その後別の釉を全体に掛け
る事になります。この方法ですと、下(先)に掛けた釉を完全に覆う事になりますので、
下の釉自体の発色が望めなくなる可能性もあります。この方法は余り一般的ではありません
本来持っているその釉の特徴を、否定する恐れが大きい為です。
どちらの釉を先(下)に掛けるかによって、全く別の色に成る事が多いです。それ故必ず
試し焼きしてから、本番になります。更に、発色にはお互いの釉の濃度も関係します。
b) 掛け分けの場合には、一部のみが二重掛けになり、大部分はその釉本来の色になります。
基本的には完全に分離したいのですが、境目が無釉であれば無難ですが、実際には僅かに
二重に掛かる部分が出てしまいます。境目がどの様に発色するかは、両方の釉の種類に
よって変化します。場合によっては、魅力的な色となる可能性があります。
尚、完全に分離し境目を無釉にする方法もあります。施釉又は無釉の境目を直線にするか、
曲線にするかによって、その部分が一つの模様と成る場合もありますので、一概に否定する
事はできません。
c) 一般的な二重掛けの方法は、一方の釉を全体に掛け、他の釉を部分的に掛ける方法です。
二重に掛ける方法によって、二重掛けの効果が変わります。
ⅱ) 二重掛けのやり方と効果の違い。
a) 漬け掛け(浸し掛け)。 釉の容器に作品を直接漬ける方法です。
・ 利点としては、良く掻き混ぜられた釉であれば、どの様な形の作品でも、短時間で均等の
厚みに施釉できる事です。
・ 欠点として、作品の大きさに合わせた容器が必要な事と、釉の量が「たっぷり」必要な
事です。直径の大きな皿などは、それに合わせた盥(たらい)が必要ですし、背の高い作品
には、深みのある筒状の容器が必要になります。更にこの方法では、釉と釉の境目が直線的
に成り易くなります。
b) 流し掛け(柄杓掛け)。 柄杓(ひしゃく)を用いて、器の内側や外側表面に施釉する
方法です。
・ 長所として、釉の量が少なくてすむ事です。又、筒状の内側に施釉する際にも、柄杓で
流し込む事が出来て便利です。又、施釉したい場所を選択的に選ぶ事ができます。
例えば、波を打たせる方法もあります。但し、釉は下方に流れ落ちますので、流れ易い釉で
は注意が必要です。又、柄杓の使い方で、施釉を曲線的に掛ける事も可能ですので、境目に
変化を付ける事が出来ます。
・ 欠点として、柄杓の使い方によって釉に濃淡が出易いです。但し、薄いと感じたら更に
釉を足して流して加える事ができます。当然ですが減らす(薄くする事)はできません。
c) スプレー掛け(吹き掛け)。 霧状の釉を吹き付けて施釉する方法です。
・ 長所として、すこぶる小回りの利く事です。又、釉の量が必要最小限で済む事も魅力です
更に、マスキングする事で任意の場所に好きな模様を施釉する事もできます。釉を数回に
分けて吹き掛ける事で、釉の濃淡を調整できます。
・ 欠点として、スプレー(霧吹き)が必要に成ります。大量に釉掛けする場合にはコンプレ
サーが必要になる事もあります。
d) イッチン(スポイト)掛け。尚、化粧土でもこの方法が使われます。
他の施釉の方法が面状に成るのに対し、細い線状になるのが特徴です。スポイトの先端部分
の径によって線の太さも変わります。勿論使い方によっては、面状に施釉する事も出来ます
細い線は自由に描く事が出来ますので、細かい作業も可能です。スポイトはケーキ作りの際
に使用する「絞り袋」を、利用する事も可能です。
e) 筆(刷毛)塗り。絵を描く様に施釉する事ができます。但し、施釉された上に重ね塗り
する事は、釉に水分を取られ筆が良く滑りませんので、下手をすると逆に釉を剥ぎ取って
しまいます。それ故余り強く筆えお押し付けない事です。更に筆塗りは釉の濃度が薄くなる
傾向になりますので、筆の運びは「ゆっくり」する事です。
② 二重掛けのタイミング。
以下次回に続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます