陶芸材料店やメーカーのカタログ類から、粘土類を選択する際、産地に拘る(こだわる)場合もあり
ますが、肌理の細かさ荒さで選ぶ場合もあります。その他、素地の焼き上がりの色で選ぶ場合もあり
ます。色の中でも白色の粘土は人気のある粘土です。白色は、下絵を付ける際や、釉掛けの際に
色も鮮やかになり、明るい作品に仕上げる事が出来ます。更に顔料を加え好みの色土を作る際や、
化粧土を作る際にも、無くては成らない土となっています。
但し、我が国では鉄分を含む赤土など色の付いた土は比較的多く産出しますが、白い色の土はある
特定な場所で産出するのがほとんどです。その為、白化粧の技法で表面だけでも白く見せる様な方法
が、取り入れられる様になります。尚、当然ですが、色の付いた土を好んで使う方もいます。
1) 白い素地の代表的な物は磁土です。
白色の元は「カオリン」と言われています。「カオリナイト」と呼ばれる物質が主成分です。
「カオリン」中国揚子江沿岸に産出する白色粘土で中国陶磁器の代表的な原料です。現在では世界
各地で産出される白色粘土を「カオリン」と呼んでいます。
「カオリン」は加熱と共に、「メタカオリン」、「ムライト」と言う成分結晶構造に変化します。
純粋な「カオリン」は1785℃で熔けますが、不純物を含む場合が多い為融点はかなり低くなります。
① 「カオリン」を含む粘土類。
ⅰ) 木節粘土: 微細な「カオリン」鉱物が主成分です。
漂積粘土の為、有機物や腐食物を含み、白色ではなく黒褐色又は灰色をしています。
一見木の節の様に見える為、この名前があります。但し焼成すれば白色になります。
耐火度合が高く、可塑性も大きく、他の粘土と混ぜ合わせると、成形し易い粘土になります。
ⅱ) 蛙目粘土: 粗粒の石英を含む「カオリン」質の粘土です。
石英が蛙の目玉に光って見える事からこの名前が付いた様です。焼き上がりは白色で木節粘土
同様に可塑性があり、焼き物に適した土です。
② 陶石: 白色の陶石は有田焼きなどの、我が国の磁器(磁土)の主な主原料です。
泉山陶石、天草陶石などが代表的な物です。
「セリサイト」30:「珪石」70位の割合で混ざり合っています。可塑性は「セリサイト」の含有
量に影響され、割合が大きい程可塑性が増します。
注: 「セリサイト」(絹雲母)は岩石の分解途中の物で、十分粘土化していない、微細な
白色物質を含んでいす。
③ 磁器土(特上、上): 磁器用の土で陶石などを粉砕して、粘土状にした物です。
ⅰ) 磁器土はカオリン、珪石、長石を混ぜ合わせ磁土です。
ⅱ) 特上磁器土: 天草陶石を「スタンパー」で粉砕した純白の磁土です。
ⅲ) 上磁器土: 天草陶石を「トロンミル」で仕上げた磁土です。
ⅳ) その他の磁土: 天草白磁器土、青白磁土、手捻り白磁器土(一般に、磁器土は手捻りで
作る事は困難です。手捻り用に開発された土です。)
ⅴ) 磁土で作り1300℃近くで焼成した磁器は、「石物」と呼ばれ、粘土類で作った焼き物は
「土物」と呼ぶ場合があります。
ⅵ) 磁土は扱い難い土です。勿論轆轤挽きも可能ですが、粘土類に比べ粘りに乏しく轆轤挽き
には、熟練を要します。多くの場合、鋳込みの技法を取る事が多いです。
更に焼締まり温度も高く、白磁では表面の汚れを嫌いますので、作陶環境にも注意が必要に
なります。その為、磁土を取り扱う人は、比較的少ない様です。
④ 半磁器土(上、並): 陶器質に焼き上がる粘土です。磁土と他の白色粘土を混ぜ合わせ、
作り易く、焼成温度も下げる事が出来る粘土です。酸化焼成でも白く焼き上がる土です。
2) 白い粘土類。
白色と表示されている粘土は、多く存在しますが、多くの場合磁土や半磁土よりも、白さで劣り
ます。青味や赤味、黄味、グレー掛かった白色の土が多いです。
以下次回に続きます。
ますが、肌理の細かさ荒さで選ぶ場合もあります。その他、素地の焼き上がりの色で選ぶ場合もあり
ます。色の中でも白色の粘土は人気のある粘土です。白色は、下絵を付ける際や、釉掛けの際に
色も鮮やかになり、明るい作品に仕上げる事が出来ます。更に顔料を加え好みの色土を作る際や、
化粧土を作る際にも、無くては成らない土となっています。
但し、我が国では鉄分を含む赤土など色の付いた土は比較的多く産出しますが、白い色の土はある
特定な場所で産出するのがほとんどです。その為、白化粧の技法で表面だけでも白く見せる様な方法
が、取り入れられる様になります。尚、当然ですが、色の付いた土を好んで使う方もいます。
1) 白い素地の代表的な物は磁土です。
白色の元は「カオリン」と言われています。「カオリナイト」と呼ばれる物質が主成分です。
「カオリン」中国揚子江沿岸に産出する白色粘土で中国陶磁器の代表的な原料です。現在では世界
各地で産出される白色粘土を「カオリン」と呼んでいます。
「カオリン」は加熱と共に、「メタカオリン」、「ムライト」と言う成分結晶構造に変化します。
純粋な「カオリン」は1785℃で熔けますが、不純物を含む場合が多い為融点はかなり低くなります。
① 「カオリン」を含む粘土類。
ⅰ) 木節粘土: 微細な「カオリン」鉱物が主成分です。
漂積粘土の為、有機物や腐食物を含み、白色ではなく黒褐色又は灰色をしています。
一見木の節の様に見える為、この名前があります。但し焼成すれば白色になります。
耐火度合が高く、可塑性も大きく、他の粘土と混ぜ合わせると、成形し易い粘土になります。
ⅱ) 蛙目粘土: 粗粒の石英を含む「カオリン」質の粘土です。
石英が蛙の目玉に光って見える事からこの名前が付いた様です。焼き上がりは白色で木節粘土
同様に可塑性があり、焼き物に適した土です。
② 陶石: 白色の陶石は有田焼きなどの、我が国の磁器(磁土)の主な主原料です。
泉山陶石、天草陶石などが代表的な物です。
「セリサイト」30:「珪石」70位の割合で混ざり合っています。可塑性は「セリサイト」の含有
量に影響され、割合が大きい程可塑性が増します。
注: 「セリサイト」(絹雲母)は岩石の分解途中の物で、十分粘土化していない、微細な
白色物質を含んでいす。
③ 磁器土(特上、上): 磁器用の土で陶石などを粉砕して、粘土状にした物です。
ⅰ) 磁器土はカオリン、珪石、長石を混ぜ合わせ磁土です。
ⅱ) 特上磁器土: 天草陶石を「スタンパー」で粉砕した純白の磁土です。
ⅲ) 上磁器土: 天草陶石を「トロンミル」で仕上げた磁土です。
ⅳ) その他の磁土: 天草白磁器土、青白磁土、手捻り白磁器土(一般に、磁器土は手捻りで
作る事は困難です。手捻り用に開発された土です。)
ⅴ) 磁土で作り1300℃近くで焼成した磁器は、「石物」と呼ばれ、粘土類で作った焼き物は
「土物」と呼ぶ場合があります。
ⅵ) 磁土は扱い難い土です。勿論轆轤挽きも可能ですが、粘土類に比べ粘りに乏しく轆轤挽き
には、熟練を要します。多くの場合、鋳込みの技法を取る事が多いです。
更に焼締まり温度も高く、白磁では表面の汚れを嫌いますので、作陶環境にも注意が必要に
なります。その為、磁土を取り扱う人は、比較的少ない様です。
④ 半磁器土(上、並): 陶器質に焼き上がる粘土です。磁土と他の白色粘土を混ぜ合わせ、
作り易く、焼成温度も下げる事が出来る粘土です。酸化焼成でも白く焼き上がる土です。
2) 白い粘土類。
白色と表示されている粘土は、多く存在しますが、多くの場合磁土や半磁土よりも、白さで劣り
ます。青味や赤味、黄味、グレー掛かった白色の土が多いです。
以下次回に続きます。
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