茶道には、お道具拝見と言う、行為(慣わし)が有ります。
茶碗は元より、掛物(軸と言う)や、釜、炭、花入れ、花、茶入れ、水指、茶杓、蓋置、茶壷、
菓子、菓子器、そして香合など、あらゆる茶道具について、拝見が行われます。
・ 拝見は、客(主客、正客)の申し出(所望)によって、執り行われるものです。
・ 拝見とは、単に見るだけでなく、亭主と客との、その物についての、会話(問答)を行います。
・ それ故、客も、拝見のタイミングや、ある程度の作法や、茶道具の知識がないと、
会話が成立しませんし、亭主も答えられる程の、知識が必要に成ります。
・ お道具を拝見する事により、亭主の心使い(思い)や、好み、感性、心意気などを、感じ取る様に
します。ここでは、香合の拝見を取上げます。
1) 香を焚く
湯を沸かす為に、炭に火を熾(おこ)す、炭手前(すみてまえ)と言う、作法の終了後、
炉又は風路内の脇に、香合より取り出した、香を置き、火を付けて、香を焚きます。
・ 香合には、必ず3個(香木なら3枚)の香が入っていて、2個を、炭の近くに置き、薫じさせます。
1個は、香合内に残し、拝見の際に見せます。
・ 風炉と炉では、用いる香が違う為、異なる香合を用います。
2) 拝見を所望する
亭主が、お香を焚き終え、香合の蓋を閉めると、正客は、香合拝見の所望をします。
3) 香合拝見
亭主が炭斗(すみとり、炭を入れる、竹籠)を、持って下がると、正客は、香合の拝見を始めます。
香合を、次客との間に置き、次礼をしてから、 香合を膝前に置き、両手をついて、全体を拝見し、
次に蓋を取り、蓋裏の花押(印、銘)などを、拝見して右横に置き、本体も手に取り拝見して、
蓋を閉めて、最後にもう一度、全体を拝見して、香合を次客に送ります。
末客が拝見し終れば、正客の前へ持参し、正客へ向けて置きます。正客は、もう一度拝見して
主人へ向け、初め出された場所へ、返します。
・ 見る所は、第一に、全体の形です。季節的な物や、御目出度い物、人物、動物や、鳥など
一目見れば、解かります。例えば、
初夏なら桃、夏なら扇面、秋なら菊、冬なら鴨、みかん、正月なら七福神、茄(なす)などです。
・ 次に、印や銘を見て、何処の産地の窯かを、判断します。
解からない場合や、読めない場合には、亭主との会話で、尋ねる事も出来ます。
・ 色使いなども、しっかり見ます。お香の種類も、判断します。
(但し、香木の種類を、亭主に尋ね無いのが、決まりだそうです。)
4) 亭主との会話(問答)
正客は、香合を引きに出た、亭主にお礼を述べ、香合の形や、作者や銘、色使いなどを中心に、
会話をします。
香合は、炭手前の時に、 炭斗に入れて、席に持ち出しますが、炭手前がない場合は、床の間に
花入と共に 飾ります。
終わりに、茶の湯では、色々な道具の拝見があり、その作法も決まりが、有る様です。
特に正客は、亭主と会話をする、慣わしですので、茶の湯の事以外に、色々な知識や、見識、教養が
必要に成ります。
勿論、正客は、長年茶の湯に、親しんで来た人達ですが、茶道具の見所を、心得る必要があり、
作品を作る方も、それに負けない程度(又は、それ以上)の、勉強が必要に成ります。
次回は、「香合を作る」の話をします。
茶の湯 お道具拝見
茶碗は元より、掛物(軸と言う)や、釜、炭、花入れ、花、茶入れ、水指、茶杓、蓋置、茶壷、
菓子、菓子器、そして香合など、あらゆる茶道具について、拝見が行われます。
・ 拝見は、客(主客、正客)の申し出(所望)によって、執り行われるものです。
・ 拝見とは、単に見るだけでなく、亭主と客との、その物についての、会話(問答)を行います。
・ それ故、客も、拝見のタイミングや、ある程度の作法や、茶道具の知識がないと、
会話が成立しませんし、亭主も答えられる程の、知識が必要に成ります。
・ お道具を拝見する事により、亭主の心使い(思い)や、好み、感性、心意気などを、感じ取る様に
します。ここでは、香合の拝見を取上げます。
1) 香を焚く
湯を沸かす為に、炭に火を熾(おこ)す、炭手前(すみてまえ)と言う、作法の終了後、
炉又は風路内の脇に、香合より取り出した、香を置き、火を付けて、香を焚きます。
・ 香合には、必ず3個(香木なら3枚)の香が入っていて、2個を、炭の近くに置き、薫じさせます。
1個は、香合内に残し、拝見の際に見せます。
・ 風炉と炉では、用いる香が違う為、異なる香合を用います。
2) 拝見を所望する
亭主が、お香を焚き終え、香合の蓋を閉めると、正客は、香合拝見の所望をします。
3) 香合拝見
亭主が炭斗(すみとり、炭を入れる、竹籠)を、持って下がると、正客は、香合の拝見を始めます。
香合を、次客との間に置き、次礼をしてから、 香合を膝前に置き、両手をついて、全体を拝見し、
次に蓋を取り、蓋裏の花押(印、銘)などを、拝見して右横に置き、本体も手に取り拝見して、
蓋を閉めて、最後にもう一度、全体を拝見して、香合を次客に送ります。
末客が拝見し終れば、正客の前へ持参し、正客へ向けて置きます。正客は、もう一度拝見して
主人へ向け、初め出された場所へ、返します。
・ 見る所は、第一に、全体の形です。季節的な物や、御目出度い物、人物、動物や、鳥など
一目見れば、解かります。例えば、
初夏なら桃、夏なら扇面、秋なら菊、冬なら鴨、みかん、正月なら七福神、茄(なす)などです。
・ 次に、印や銘を見て、何処の産地の窯かを、判断します。
解からない場合や、読めない場合には、亭主との会話で、尋ねる事も出来ます。
・ 色使いなども、しっかり見ます。お香の種類も、判断します。
(但し、香木の種類を、亭主に尋ね無いのが、決まりだそうです。)
4) 亭主との会話(問答)
正客は、香合を引きに出た、亭主にお礼を述べ、香合の形や、作者や銘、色使いなどを中心に、
会話をします。
香合は、炭手前の時に、 炭斗に入れて、席に持ち出しますが、炭手前がない場合は、床の間に
花入と共に 飾ります。
終わりに、茶の湯では、色々な道具の拝見があり、その作法も決まりが、有る様です。
特に正客は、亭主と会話をする、慣わしですので、茶の湯の事以外に、色々な知識や、見識、教養が
必要に成ります。
勿論、正客は、長年茶の湯に、親しんで来た人達ですが、茶道具の見所を、心得る必要があり、
作品を作る方も、それに負けない程度(又は、それ以上)の、勉強が必要に成ります。
次回は、「香合を作る」の話をします。
茶の湯 お道具拝見
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます