陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない
結果を招く事は多いです。
5) 窯の温度を上げる。
電気窯の場合には、電力(電流量)をあげるに従い、温度は上昇しますが、ガスや灯油の場合には
一概に燃料を増量すれば、温度が上がる訳ではありません。空気量との関係で、むしろ温度が
低下する事も稀では有りません。
① 窯焚きでの一番の失敗は、所定温度まで上がらない事です。
作品の良し悪しは、焼きによって決るとも言われています。但し、これは所定(目的)の温度まで
温度が上昇し、施釉の場合には釉が熔けた状態であり、無釉の場合には土が焼き締り被った灰等
が必要程度熔けている事が前提になります。釉も熔けず焼き締りも不十分の場合には、窯焚きは
失敗と見なされます。現在では所定の温度まで上昇しない事は、少なく成ってきましたが、稀に
発生します。特に1200℃以上に成ると、最後の20~50℃が中々温度上昇が鈍くなり、時間が掛
ます。最悪温度が停滞し、それ以上温度が上がらなくなる事も起こります。この場合には、
一度火を止めて原因を究明し、再度最初から窯を焚き直す事すら起こりえます。
② 窯焚きに掛かる時間は、窯の容量及び窯の壁の厚み、作品の量(窯詰量)と種類(大きさ)、
釉の種類に左右されます。それ故、最低何時間掛ければ良いかは、個々の窯によって異なります。
容量の小さな電気窯等では、5時間程度で済む場合もありますが、大きめの窯では15~20時間も
掛ける事があります。一般には一時間100℃の温度上昇とし、1250℃では、12時間半となります
これは、ジェーゲルコーン(SK-8)が倒れるまでの時間に成っています。
大きな窯の場合、窯を暖めるだけでも大きな熱エネルギーが必要に成りますので、小型な窯より
温度上昇も緩やかになり、焼成時間も長くなります。
又、窯の壁の厚みも重要です。薄い壁の場合壁を通して熱が外に漏れ、窯の表面が熱くなります。
即ち、熱効率が悪くなります。
窯の容量に対し、作品の量が少な過ぎる場合や多過ぎる場合にも、温度上昇が鈍く成ったり、
停止します。少な過ぎる場合には、熱が作品の隙間や天井部分を素通りし、煙突から逃げてしま
います。即ち、熱を蓄積できない状態です。この場合には焼き直しの作品や、棚板の支柱などを
立て、蓄熱材を増やします。多過ぎる場合には、温度上昇は緩やかですが、蓄熱材が多量な為、
少しづつ温度上昇が見られます。
③ 素焼きと本焼きでは、温度上昇スピードが異なります。
本焼きでは素焼きより速いスピードで温度を上昇させる事ができます。素焼きの場合土に水分が
含まれる為、早く温度を上げると水蒸気爆発を起こします。一方、素焼き後の本焼きでは施釉
による水分が含まれていても、水分が蒸気と成って、素地の間を抜けていきますので、爆発の
危険は有りません。勿論蒸気抜きの為、窯の扉を若干開いて置く必要があります。扉を閉じた
状態で窯焚きを続けると、次々と発生した蒸気が窯の天井で結露となり、作品の上に落ち釉に
染みを作ります。 色見穴も開けて蒸気抜きとして利用します。
④ 点火直後は窯も冷えていますので、温度は急上昇します。(本焼きの場合です。)
窯の容積(大きさ)にもよりますが、個人で使う窯程度では、最初の1時間で250~300℃程度
まで上昇する事は稀ではありません。急上昇させてもさほど問題になる事はありません。
ⅰ) 200℃を超える当たりから水蒸気が発生します。
施釉した直後の作品から多く水蒸気がでますが、400~500℃程度で水蒸気の発生はなくなります
一般には400℃を超える当たりで蒸気の発生は少なくなりますが、大きな窯では、上下の温度
差が大きい為、温度計で500℃と表示しても、下部では400℃以下と言う事になり、長い時間
水蒸気が発生し続けます。
ⅱ) 蒸気の発生が無くなったら扉を閉じる。
以下次回に続きます。
結果を招く事は多いです。
5) 窯の温度を上げる。
電気窯の場合には、電力(電流量)をあげるに従い、温度は上昇しますが、ガスや灯油の場合には
一概に燃料を増量すれば、温度が上がる訳ではありません。空気量との関係で、むしろ温度が
低下する事も稀では有りません。
① 窯焚きでの一番の失敗は、所定温度まで上がらない事です。
作品の良し悪しは、焼きによって決るとも言われています。但し、これは所定(目的)の温度まで
温度が上昇し、施釉の場合には釉が熔けた状態であり、無釉の場合には土が焼き締り被った灰等
が必要程度熔けている事が前提になります。釉も熔けず焼き締りも不十分の場合には、窯焚きは
失敗と見なされます。現在では所定の温度まで上昇しない事は、少なく成ってきましたが、稀に
発生します。特に1200℃以上に成ると、最後の20~50℃が中々温度上昇が鈍くなり、時間が掛
ます。最悪温度が停滞し、それ以上温度が上がらなくなる事も起こります。この場合には、
一度火を止めて原因を究明し、再度最初から窯を焚き直す事すら起こりえます。
② 窯焚きに掛かる時間は、窯の容量及び窯の壁の厚み、作品の量(窯詰量)と種類(大きさ)、
釉の種類に左右されます。それ故、最低何時間掛ければ良いかは、個々の窯によって異なります。
容量の小さな電気窯等では、5時間程度で済む場合もありますが、大きめの窯では15~20時間も
掛ける事があります。一般には一時間100℃の温度上昇とし、1250℃では、12時間半となります
これは、ジェーゲルコーン(SK-8)が倒れるまでの時間に成っています。
大きな窯の場合、窯を暖めるだけでも大きな熱エネルギーが必要に成りますので、小型な窯より
温度上昇も緩やかになり、焼成時間も長くなります。
又、窯の壁の厚みも重要です。薄い壁の場合壁を通して熱が外に漏れ、窯の表面が熱くなります。
即ち、熱効率が悪くなります。
窯の容量に対し、作品の量が少な過ぎる場合や多過ぎる場合にも、温度上昇が鈍く成ったり、
停止します。少な過ぎる場合には、熱が作品の隙間や天井部分を素通りし、煙突から逃げてしま
います。即ち、熱を蓄積できない状態です。この場合には焼き直しの作品や、棚板の支柱などを
立て、蓄熱材を増やします。多過ぎる場合には、温度上昇は緩やかですが、蓄熱材が多量な為、
少しづつ温度上昇が見られます。
③ 素焼きと本焼きでは、温度上昇スピードが異なります。
本焼きでは素焼きより速いスピードで温度を上昇させる事ができます。素焼きの場合土に水分が
含まれる為、早く温度を上げると水蒸気爆発を起こします。一方、素焼き後の本焼きでは施釉
による水分が含まれていても、水分が蒸気と成って、素地の間を抜けていきますので、爆発の
危険は有りません。勿論蒸気抜きの為、窯の扉を若干開いて置く必要があります。扉を閉じた
状態で窯焚きを続けると、次々と発生した蒸気が窯の天井で結露となり、作品の上に落ち釉に
染みを作ります。 色見穴も開けて蒸気抜きとして利用します。
④ 点火直後は窯も冷えていますので、温度は急上昇します。(本焼きの場合です。)
窯の容積(大きさ)にもよりますが、個人で使う窯程度では、最初の1時間で250~300℃程度
まで上昇する事は稀ではありません。急上昇させてもさほど問題になる事はありません。
ⅰ) 200℃を超える当たりから水蒸気が発生します。
施釉した直後の作品から多く水蒸気がでますが、400~500℃程度で水蒸気の発生はなくなります
一般には400℃を超える当たりで蒸気の発生は少なくなりますが、大きな窯では、上下の温度
差が大きい為、温度計で500℃と表示しても、下部では400℃以下と言う事になり、長い時間
水蒸気が発生し続けます。
ⅱ) 蒸気の発生が無くなったら扉を閉じる。
以下次回に続きます。
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