陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない
結果を招く事は多いです。
4) 本焼きの準備と手順
作品の窯詰めが無事完了したら、次は本焼きとなります。但し、直ぐに窯焚きに取り掛かる前に
行うべき確認事項があります。
① 設備の点検作業。 (以上が前回の話です。)
② 窯に点火(又はスイッチON)。
設備の点検が終われば、いよいよ窯焚きを始めます。窯焚き前には、窯の周囲の片付けや掃除は
済ましておきます。
ⅰ) 窯を焚く天候と時間。
a) 薪窯の場合を除き、現在では、窯焚きが天候に左右される事は少なくなりましたが、
火を使う窯の場合には、ある程度天候に留意する必要があります。特に台風等の様に大雨や
大風が予想される場合は、例え屋内の窯であっても、日延べを検討した方が良いと思われ
ます。展示会や出展などどうしても、日にちが限られている場合でも天候の様子を見てから
決行する事です。
b) 窯焚き(本焼き)に長い時間を要する場合、なるべく早朝から取り掛かり、日にちを跨
がずに当日中に終わる事を心掛ける事です。特に冬場は日中時間が短いですから、寒くても
早目早目の行動する方が無難です。尚、窯焚きに要する時間は、窯の容量や燃料の差と、
どの様な焼き方を考えているかによって千差万別です。小さな電気窯では5~6時間で済み
ますが、多くの場合8~16時間程度掛ます。
ⅱ) 電気窯の点火方法。
a) 電気窯の場合で、「マイコン焼成装置」がある時には、プログラム選定をします。
「マイコン焼成装置」には、メーカー設定の基本プログラムの他、自分好みのオリジナル
設定が可能です。ブレーカーをONにします。ブレーカーの無い機種ではコンセントに
差込ます。「スタートボタン」を押せば後は自動焼成になります。
但し、蒸気抜きの孔の閉鎖や、還元焼成の場合には、還元操作は自分で行う事になります。
尚、タイマー機能を利用して、還元入りの時間を設定する事も出来ます。
b) 「レバー式焼成装置」に付いて。
大きな電気窯では、弱から強へ運転を切り替えながら、温度を上げて行く方法があります。
多くは、三相交流を用いる事が多いです。強弱のみのタイプと、窯の上中下段を分けて手動
でコントロールする方法があります。三本のレバーの組み合わせで昇温します。
c) 「サイリスタ式焼成装置」に付いて。
「サイリスタ」と呼ばれる電子素子を使い、無段階で交流電力を制御する方法です。
窯中の温度を測定しながら、手動でボリューム(抵抗器)を回転させ、電力を調整します。
上中下段を個別に制御する窯もあります。
d) 「半自動焼成」とは。
多くのプロ作家が使用している方法です。「プログラム焼成」と「手動焼成」を組み合わせ
た方法で、一定時間温度を保持する「あぶり」や「ねらし」や、結晶釉の結晶化などの場合
に大変役に立ちます。保持時間を設定するタイマー装置があります。
e) 「スタートボタン」等の主電源をONにしても、通電できない場合(温度計が働かない)
は、何らかの故障です。電熱線の断線、ヒューズ切れ、熱電対の故障や配線の緩み等が考え
られますが、ブレーカーのON忘れの場合もあります。原因を見付けて対処する事です。
出来れば、窯焚き直前のトラブルを無くす為に、早めに確認して置く事が大切です。
ⅲ) ガス窯、灯油窯の点火方法。
以下次回に続きます。
参考文献:「陶芸窯焚きマスターブック」(株)誠文堂新光社:2016年発行
結果を招く事は多いです。
4) 本焼きの準備と手順
作品の窯詰めが無事完了したら、次は本焼きとなります。但し、直ぐに窯焚きに取り掛かる前に
行うべき確認事項があります。
① 設備の点検作業。 (以上が前回の話です。)
② 窯に点火(又はスイッチON)。
設備の点検が終われば、いよいよ窯焚きを始めます。窯焚き前には、窯の周囲の片付けや掃除は
済ましておきます。
ⅰ) 窯を焚く天候と時間。
a) 薪窯の場合を除き、現在では、窯焚きが天候に左右される事は少なくなりましたが、
火を使う窯の場合には、ある程度天候に留意する必要があります。特に台風等の様に大雨や
大風が予想される場合は、例え屋内の窯であっても、日延べを検討した方が良いと思われ
ます。展示会や出展などどうしても、日にちが限られている場合でも天候の様子を見てから
決行する事です。
b) 窯焚き(本焼き)に長い時間を要する場合、なるべく早朝から取り掛かり、日にちを跨
がずに当日中に終わる事を心掛ける事です。特に冬場は日中時間が短いですから、寒くても
早目早目の行動する方が無難です。尚、窯焚きに要する時間は、窯の容量や燃料の差と、
どの様な焼き方を考えているかによって千差万別です。小さな電気窯では5~6時間で済み
ますが、多くの場合8~16時間程度掛ます。
ⅱ) 電気窯の点火方法。
a) 電気窯の場合で、「マイコン焼成装置」がある時には、プログラム選定をします。
「マイコン焼成装置」には、メーカー設定の基本プログラムの他、自分好みのオリジナル
設定が可能です。ブレーカーをONにします。ブレーカーの無い機種ではコンセントに
差込ます。「スタートボタン」を押せば後は自動焼成になります。
但し、蒸気抜きの孔の閉鎖や、還元焼成の場合には、還元操作は自分で行う事になります。
尚、タイマー機能を利用して、還元入りの時間を設定する事も出来ます。
b) 「レバー式焼成装置」に付いて。
大きな電気窯では、弱から強へ運転を切り替えながら、温度を上げて行く方法があります。
多くは、三相交流を用いる事が多いです。強弱のみのタイプと、窯の上中下段を分けて手動
でコントロールする方法があります。三本のレバーの組み合わせで昇温します。
c) 「サイリスタ式焼成装置」に付いて。
「サイリスタ」と呼ばれる電子素子を使い、無段階で交流電力を制御する方法です。
窯中の温度を測定しながら、手動でボリューム(抵抗器)を回転させ、電力を調整します。
上中下段を個別に制御する窯もあります。
d) 「半自動焼成」とは。
多くのプロ作家が使用している方法です。「プログラム焼成」と「手動焼成」を組み合わせ
た方法で、一定時間温度を保持する「あぶり」や「ねらし」や、結晶釉の結晶化などの場合
に大変役に立ちます。保持時間を設定するタイマー装置があります。
e) 「スタートボタン」等の主電源をONにしても、通電できない場合(温度計が働かない)
は、何らかの故障です。電熱線の断線、ヒューズ切れ、熱電対の故障や配線の緩み等が考え
られますが、ブレーカーのON忘れの場合もあります。原因を見付けて対処する事です。
出来れば、窯焚き直前のトラブルを無くす為に、早めに確認して置く事が大切です。
ⅲ) ガス窯、灯油窯の点火方法。
以下次回に続きます。
参考文献:「陶芸窯焚きマスターブック」(株)誠文堂新光社:2016年発行
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