わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

現代の陶芸257(まとめ2)

2012-12-26 16:18:42 | 現代陶芸と工芸家達

4) 経歴について

  当ブログで、現代の陶芸に付いて取り上げた作家さん達には、色々な方がいます。

  その経歴も「まちまち」です。

 ① 昔ですと「一子相伝」と言い、窯元の家に生まれた者(主に男子)が家業を引き継ぎ、親と同じ

    様な作品を作り続けていました。 名門の窯元の何代目と成れば、その人独自の作風を確立し

    後世に名を残す必要も有りましが、一般的な窯元では、ある程度時流に乗った作品造りを

    すれば、何とか生計維持が可能でした。

 ② 上記の頃は、同業者の数の増減も少なかったと思われます。

   現代では、陶芸を志し、陶芸で生計を立てたいと思う人が激増しています。

   しかし、現実には作った作品を販売して生計を立てる事は、はなはだ厳しい時勢と成っています

   先ずその人の存在を知って貰う必要があり、次にその人の作品を知って貰い、更にその人が、

   どの様な活動をしてきているかなど、知って貰う必要がるからです。それには長い年月が必要に

   なる場合が多いです。

  ・ 誰でも応募できる公募展などに出品し、入選や賞を受賞するのも、名前を知らしめる方法の一つ

    です。公募展には、著名な団体が定期的に開催する本格的な展示会や、地方の窯場の団体が

    開催する公募展があり、技術レベルや出品作品も多種多様です。

  ・ 個展を開くのも一つの方法ですが、場所の問題や費用の割れには作品の販売や、知名度を

    上げる事が難しいです。個展はある程度知名度が上がってから行っても遅くはありません。

  ・ むしろ数人でグループ展を行う方が、お互いの相乗効果もあり、より有効的です。

    但し、必ずしも陶芸の仲間である必要は無く、違う業種(但し余りかけ離れた業種でない事)

    であっても問題ありません。

 ③ 経歴に拘らない陶芸家も多く存在します。

    陶芸家は、作品で勝負するのであって、経歴などは問題外との立場です。

    それはそれで十分納得できます。但し、同じ様な作品であっても、価格(売値)が驚くほど、

    差があるのも陶芸の世界です。当然経歴のしっかりした人の方が、高値が付きます。

 ④ どの世界も同じですが、作るよりも販売する方が数倍難しいです。

    特に、陶芸家などの職人(技術者)はこの方面は、苦手の人が多いです。

5) 陶芸を始める切っ掛け。

    陶芸を始める切っ掛けは、その人の陶芸に大きな影響を与えます。ある意味で、その人の陶芸

   生活を方向付ける事も稀ではありません。

  ① 生まれた家(生家)が陶磁器に関係していれば、自然とその道に進む事も多いです。

  ② 生家や親戚に陶磁器とはなんら関係しない人でも、陶芸家や陶芸を楽しんでいる人も多く、

     現代の多くの作家の人は、この分類に入ると思われます。

     これらの人は、何処かで陶芸と出会っているはずです。

   ) 美術展や公募展、デパート等で有名作家の展示会(個展)などの、陶芸関係の展示会は

      一年中何処かで行われています。それらの作品を見て感動を覚え、自ら作りたくなった方も

      多くいます。

   ) 友人、知人の作った作品を見て自分でも作りたくなった。

      知り合いなどに、陶芸家や陶芸を楽しんでいる人がいれば、その影響でこの道に入る

      方もいます。

   ) 偶然の出会いによる場合。

      書店や図書館などで偶然見た美術誌などの写真を見たり、デパートなどの陶芸展の

      広告、又は、街で見掛けた看板や募集広告などで、興味を覚えてこの道に入った方達

      です。(蛇足ですが、小生も偶然の出会いから、40年の付き合いに成っています。)

以下次回に続きます。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 現代の陶芸256(まとめ1) | トップ | 現代の陶芸258(まとめ3) »

コメントを投稿

現代陶芸と工芸家達」カテゴリの最新記事