わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

施釉薬後の作業2(指跡、アルミナを塗る)

2009-06-06 21:33:31 | 釉薬の調合と釉を掛ける
前回の続を述べます。

3) 指跡の処置

   一般に、輪高台の場合、高台を持って、施釉する事が多いです。

   持った高台部分に、釉が掛からない、所謂指跡が、残ります。

   特に、「碁笥底高台」の場合、指跡が付き易いです。

   (釉を塗る際、工夫次第で、指跡を残さないで塗る方法も、出来ます。)

 ① 指跡をあえて残す場合

   抹茶茶碗などに多いのですが、あえて指跡を残し、景色として珍重する場合が有ります。

   (あえて残す場合には、高台ではなく、茶碗の腰を、3本の指で持つのが一般的です。)

   同様に、食器や、花瓶など、あえて指跡を残し、景色として用いても、問題有りません。

   (指跡が、3箇所で有る事は、景色的にも、バランスが取り易いです。)

 ② 指跡を消す

   一般には、指跡を消します。指跡は、指の周囲に、釉が厚く盛り上がります。

   そのまま、筆などで補修すると、その盛り上がった所が、目立ちます。

   それ故、この盛り上がりを、滑らかにしてから、補修します。

   尚 筆で補修する(塗る)と、釉が薄くなり勝ちです、濃い目の釉を使い、置いて行く様にます。

   又、指跡部分が、濡れている早い段階で、指に着けた釉で、補修すると、割合

   上手くいきます。

 ③ 指跡を残さない塗り方

  ) 霧吹きや、ガン吹きなどで、施釉すれば、作品を持つ事無く、指跡は付きません。

  ) 半分づつ施釉する。

    作品を持った指に、釉が掛からない様に、半分掛けた後、掛けた釉が乾いたら、

   その部分を持ち、残りの部分に、施釉します。

  ) 釉で濡らした手で、作品を持つ

    持つ手が、綺麗だと、その部分に、釉薬が載らず、指跡と成ります。

    予め、釉に指先を釉で濡らし、高台を持てば、手に付いた釉が、作品にしみ込みます。

    その結果、指跡が消えたり、薄く成たりします。

4) 作品に、アルミナを塗る

   作品と棚板が、接着しない様に、又 蓋物など、作品同士がくっつかない様に、アルミナを

   塗ります。

  ① 作品が、棚板に接する部分に、水に溶いたアルミナ(水酸化アルミナ、酸化アルミナ)を

   筆や、漬け(浸し)て塗ります。

  ② 蓋物(急須など)は、本体と一体にして、焼成するのが、基本です。

   別々に焼成した場合、一方が熱により、変形すると、蓋が合わなくなる危険性があるからです。

   一体で焼成すれば、たとえ器が変形しても、その合わせた位置では、必ず蓋が出来ます。

   但し、一体で焼成した場合、蓋と本体が接する部分(本体と蓋両方)には、釉が塗れません。

   この部分に、アルミナを塗る事を、忘れない様にします。

   忘れると、蓋が取れなくなってしまう事が、多いです。

 ・ 尚 本体の蓋受けに、釉を掛けたい時は、別焼きと成ります。耐火度の高い土を使うか、

    蓋受け周辺を、やや肉厚に作り、変形を起さない様にします、蓋受けに釉を掛ける場合

    釉の厚みで、蓋が出来なく成る事を防ぐために、若干蓋との隙間を多く取ります。


以上で、 釉掛けの項を、終わります。

次回から、窯詰めについて、お話したいと思います。

陶芸の釉薬の掛け方 

指跡 アルミナ
   

   
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