わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

窯詰め(準備)

2009-06-08 23:30:24 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
作品に釉を掛け終わると、次の段階は「窯詰め」となります。

窯詰めは、本焼きを成功させる為に、大切な作業です。

窯詰めの仕方によって、作品の良し悪しが、決まると言っても、過言ではありません。

窯詰めは、時間を掛けて、試行錯誤を繰り返し、作品を並べる作業と成ります。

・ 窯詰めを、開始する段階で、窯詰めする量の、少なくとも7割程度の作品に、釉が、

  掛かっている事が、望ましいです。

窯詰めは、同じ釉の種類、同じ位の高さの作品が、ある程度集まってから、作業したい為です。

1) 同じ種類の釉とは、同じ様な条件で、焼成する必要が有る作品と言う事です。即ち

 ① 焼成が酸化か、還元か、どちらでも良いか。

   釉は、酸化、還元焼成で、作品の色は変化する物が、多いです。

   それ故、焼成方法を、予め決め手置く必要が有ります。

   釉がどちら向きなのか、グループ分けして置きます。

   燃料を使う窯では、還元が強く出やすい場所もあるはずです、その場所を上手に使います。

 ② 急冷が良いか、徐冷が良いのか。

   結晶釉などは、徐冷が良く、黒く仕上る釉(黒天目など)は、急冷が向いています。

   窯は、下部から冷めていきます。最上部は、一番遅く冷えます。それ故、多種類の釉を、

   使う場合、この事を、考慮します。

 ③ 作品の置く場所の範囲が、同じ様な所か。

   この釉は、この範囲の位置で、良い色に発色すると言う場所が、あるはずです。

   (窯には、窯ことに、その窯特有の性質が有ります。何度も焼成すると、窯の性格も解かります。)

2) 同じ高さの作品を揃える。

 ① 窯に詰める作品の量は、多すぎても、少なすぎても、温度上昇が、遅く成ります。

  又 皿などの様に高さが、低い作品が多いと、棚板の数も増え、温度上昇も、鈍く成ります。

 ② スペースの無駄を省く為、1枚の棚板に乗る量の作品は、同じ位の高さ寸法にします。

  但し、天井部が、アーチ状に成った窯は、このアーチに沿った様に、作品を並べます。

3) 棚板の掃除

 棚板は、表面をアルミナコーチングと言う、物質でコーティングされています。

 数度の本焼き後に、棚板全体を、このコーチングで、刷毛塗りします。

 (これは、棚板を、長持ちさせる為です。)

 一度本焼きをした棚板には、流れ落ちた釉が、「こびりつく」場合が多いです。

 この釉は、鏨(たがね)などを使い、アルミナコーチング部分より、取り除く必要が有ります。

 取り除いた部分には、水に溶いた、コーチングで、補修をします。

 尚、市販されている棚板は、片方に厚く、他方に薄く、コーチングが塗られています。

   厚く塗られた方が、上面(載せる側)ですが、補修を繰り返すと、表面が凸凹してきます。

   凸凹の面に作品を置くと、不安定に成ります。その際には、棚板をひっくり返して使用しても、

   問題有りません。

以下 次回に続きます。

 陶芸の窯詰め 

 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 施釉薬後の作業2(指跡、ア... | トップ | 窯詰め(棚板の組方1) »

コメントを投稿

窯詰め、素焼、本焼の話し」カテゴリの最新記事