わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

割れ(ひび)の原因と対策(その2)

2008-04-08 17:43:23 | 陶芸技法 焼物の技法

2) 素焼き前の乾燥時に割れ(ひび)が起こる。

  イ)原因: 作品を急に乾燥させると、部分的(作品の内と外側、上と下部)
       
        に乾燥が進み、割れや「ひび」がはいる。

    対策: 作品はゆっくり乾燥させる事。

       乾燥が速いときは、霧吹き等で霧を吹きかけたり、濡れた布を被せ       
       
       たり、ビニール等で包むと良い。

  ロ)原因: 作品は薄い所から、乾燥しますから一部分のみ肉を薄くしない

        事。

    対策: どうしても薄くしたい場合には、薄い部分の乾燥を遅くする。

      :「ろくろ」上で作品を糸で切り離す際、最下部の円周部分の角の

       肉厚が薄くなり、乾燥時に放射状に割れ「ひび」が入るので、竹べ

       ら等で45度位の角度で切り取る。

  ハ)原因: 肉の厚い所は、乾燥が遅いので、周囲の粘土が早く乾燥し厚い部

       分を引っ張り、「ひび」が入る。

    対策: 底を削る際(高台を作る等)、高台内、高台脇等に厚みに差が出

        来ないように削る。

  ニ)原因: 底割れ (底の中央部が、Y状、I状に「ひび」が入る)は

       部分的に粘土の密度が違い、密度の薄い(締めが弱い)所が割れ

       「ひび」が入る。

    対策: 大皿等底の広い作品は、拳で粘土の中央を叩き締める。

      :手ひねりで、壷などの背の高い作品を作る場合、叩き板を使って胴

       部分を締める。
  
      :「タタラ」を作る際も、叩き板やローラーで粘土を締める。

      :電動ろくろで作品を作る際、口縁部を皮で締める。
  
       また作品の底の内側に溜まった水は、必ずスポンジ等で吸い取り残

       さない事。

  ホ)原因: 乾燥具合の違った部品を取り付けると、その接合部分に割れ「ひ

       び」が入る。 (コーヒーカップの、取っての取り付け部分等) 

    対策: 乾燥具合を合わせる。

      :取り付け部品をドライヤー等で、乾燥させてから付ける。

      :本体側の取り付け部分を、水等で濡らして乾燥具合を合わせる。


尚 「ひび」が出来てしまった場合、粘土が柔らかい時は、指(竹へら)等で

  なぜて「ひび」を消し、粘土が乾燥している間合いには、「かんな」等で削り

  取ります。
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