最近、嬉しいことが二つあった。
一つは、お姑さんの意識の状態が良くなってきて口から食事をしてくれるようになったこと。
食べ物を口にするようになってから、すこし元気になってきたように見える。
食事を摂らないと、このままどんどん弱って行く一方だったので、食べてくれて本当にうれしかった。
お姑さんについては、また別の機会に書こうと思うが、今日はもうひとつの嬉しかったことについて。
それは長女の就職が決まったこと。
いつか長女にぴったりの企業へ就職してくれるといいな~という希望はずっと持っていたが、7年間お世話になっている就労移行支援事業所の職員さんから一般就労へのオーケーがなかなか出なかった。
それは長女の力では、まだ一般企業への就職は無理だということで、信頼を寄せていた職員さんがそう思うのならそうなのだろうと思っていた。
ところが、今年の春の面談で職員さんから「再来年までに就職しましょう」という提案を頂いた。
再来年ならまだ先と思っていたのだが、今年の秋に面接の予行練習ということで初めて受けに行ったある企業から「実習に来ませんか?」という思いがけないお誘いがきた。
事業所の職員さんから「これはチャンスです」と言われ、長女も実習する気満々でさっそく一週間の予定で実習に行かせて頂いたのだが、初日に同行した職員さんから、実習あとに暗い声で連絡がきた。
「実は、娘さんが企業側の担当者から仕事の説明を受けたあと、やれそうですか?と聞かれて泣いてしまったんです。そして、本人から無理ですという言葉がありました」とのことだった。
が~ん、初日に泣いて無理ですなんてこと言うなんて、もうここは無理かもしれない。
せっかく事業所の職員さんから、そこは娘さんに合うと思います、お母さんチャンスですよと言われていたのに・・・まぁダメなら縁が無かったということで仕方がないかぁ。
職員さんによると、大勢の人がすごい速さで仕事をしているのを見て圧倒されたのではないでしょうかとのことだったが、娘に聞いてみたら実際は違った。
「説明してくれたおじさん(社員の方)の顔が怖かったから」だった。
娘は、あのおじさん(社員さん)に怒られたらきっと怖いだろうなぁと先読みしてしまい、説明されているだけなのに怒っているような気がして泣いてしまったらしい。(これが彼女の障害なのだが)
その後、娘と話をして仕事をやってみたいという意欲が強かった為、採用されるか否かは別にして実習だけでもやらせて頂けないかと再度お願いすると快く引き受けて頂けた。
それから一週間の実習の間、泣いたのは初日だけで日を追うごとに生き生きと嬉しそうに通勤するようになった娘を見て、事業所の職員さんがおっしゃったように娘に合う仕事なのだろうなという気がしていた。
そして、私も娘が嬉しそうに通う職場がどんな所なのか見たくなった。
週の途中で娘の様子を見に行くという職員さんに同行させてもらえないかお願いすると、職員さんからすぐにオーケーが出た。そして、企業側にも私が見学したいことをお伝えしたら大丈夫でしたとのお返事を頂いた。
私としては邪魔にならないよう影からこっそり見て帰るつもりだったが、企業の方がわざわざ時間を取って説明までしてくださった。
丁寧で誠意のある対応に感激しつつ「こんな会社で娘が働けたらいいな」と思って帰ってきたのだったが、まさか合格できるとは信じられない。
「あのおじさん、○○さんっていうんだけどね、全然怖くないし優しいよ」と途中からわかった娘が言っていた。
というわけで、合格の知らせを受けて喜んでいる娘は、もうすぐ働き始める。
新しい環境に、そして社会に初めて出る娘のことは、今はもう心配はしていない。以前の私なら、ずっと心配が続いていたものだったが。
きっと大丈夫、そんな気がしている。