(この旅は2015年5月連休の宮崎/鹿児島県の霧島周辺の旅の記録です)
亀の湯から20~30メートル上流で道路の反対側に鹿の湯があります。
鹿の湯は独立した湯小屋で、隣の湯治場「鹿の湯」のご主人が管理しています。
鹿の湯には湯治場と共同浴場の間に駐車場もあります。
建物はかなり年季が入っていますが、しかし湯小屋らしく天井に湯気抜きがあります。
(鹿の湯)
入ると、「入浴代入れ」と書かれたボックスが置かれ、入浴客は自分で入浴料を入れる仕組みです(これは駄菓子入れの転用でしょうか?)。亀の湯は空き缶でした。
(料金入れ)
脱衣場は思ったより広く、施設は壁際の棚と木製のベンチだけでとても簡素です。
(脱衣場)
浴室は階段を7段ほど下りた半地下の場所にあります。
昔はお湯の湧出する場所に浴場を造ったのですから、この湯小屋は昔のままと想像されます。
(浴室への階段)
浴室の壁は一部タイル張りで、上部は壁用の石膏板です。また、床と浴槽はコンクリートで、浴槽は二槽に仕切られていました。
(浴槽)
お湯は、手前の浴槽はぬるめの適温で、先の窓側の浴槽はかなりぬるめでした。
しっとりとした、無色透明の良いお湯です。肌がすべすべになります。
奥の浴槽に湯口からの源泉を送るのに竹の樋を使えるように、湯口に樋が置かれていました。
(給湯用の樋)
この樋を湯口につなぐと、先の浴槽にもお湯が供給されます。
おもしろいので、つないだり外したりして遊んでいました。
玄関の温泉成分分析表と効能書きは昭和36年と書かれています。
たぶん、共同浴場も栄えた時代だったのでしょう。
(温泉成分分析表と効能書き)
外に出ると、湯治場鹿の湯のご主人と、連休中に仲間と湯治に来る予定の山梨県から来たバイクライダーの二人が居て、朝からこの湯小屋を掃除したとのことでした。また、ご主人はお湯を昇温するためのおがくずや木っ端を燃やす釜のテストをしていました。湯温が低いので、昇温したお湯を湯口に供給していたのでした。
(薪のボイラー)
亀の湯ともども、とても良い共同浴場でした。
こんなに良い共同浴場が昔のまま残されているのは奇跡に近い現象です。長く生き残ってください。
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