善人閑居

鎌倉の風物詩と全国の温泉の旅を写真で報告します。

京町温泉の旅・華の湯

2016年02月25日 | 温泉

(この旅は2015年5月連休の宮崎/鹿児島県の霧島周辺の旅の記録です)

タクシーで渡った踏切を、徒歩で、市街地に向けて渡りました。歩いていると、「華の湯」の看板がありました。
今回の旅で予定していた共同浴場です。角を折れてると直ぐに華の湯が見つかりました。
バス停のような温泉の看板が設置されています。

(華の湯)

華の湯も素泊まりではあるものの旅館兼業のようです。

玄関を入ると、受付がありました。入浴料金を支払って浴場ののれんをくぐる。

脱衣場は明るく広さも十分です。
コインの戻るコインロッカーがあり、その横には脱衣用の木製の棚がずらりと並んでいます。

(脱衣場)

浴室はタイル張りで、広い窓が浴場内を明るくしています。。
メインの浴槽はL字型で、浴室の中央には円形の泡風呂があります。

(メインの浴槽)

メインの浴槽の内容ですが、手前側には電気湯と寝湯が並んでおり、奥は普通の浴槽で、透明なお湯があふれています。

浴室内の中央にあるジャグジー風呂は、二人で入るにはやや手狭と思われますが、一人で入ると身体が浮き気味になって面白い浴槽です。

(ジャグジー槽)

お湯は肌がぬるぬるするような、ややぬる目のお湯で、アルカリ性単純温泉(ナトリウム-炭酸水素塩泉)です。これは、京町温泉全体に共通する泉質です。

露天風呂は石造りです。ややぬる目です。

(露天風呂)

華の湯は浴槽の種類が多く、一つ一つを試すと結構時間が掛かります。

老人が一人出てきて、脱衣場にいる野を見つけて話しかけてきました。世間話をしていたところ、他の老人も話に加わって来て、最初に話しかけてきた老人をさして「この人は99歳だが、自分で運転して毎日華の湯の通ってきている」と年齢にしては元気だと褒めあげました。
その99歳の老人はは、自分より3歳上の先輩が華の湯の隣に住んでい里のだが、その百歳を越えた老人は、家業の牛乳の配達を毎日車でしているとさらに高齢の人を褒めあげました。

帰宅後華の湯の地図をネットで調べると、確かに華の湯の近くに牛乳屋があったので、話の信憑性が強くなりました。
本当に102歳の老人が配達担当かどうかは確かめていませんが、毎日良いお湯に入るのは健康の秘訣のようです。

ひろさんの旅枕へリンク
Top→全国秘湯巡り→京町温泉と安楽温泉


京町温泉の旅・山麓温泉

2016年02月20日 | 温泉

(この旅は2015年5月連休の宮崎/鹿児島県の霧島周辺の旅の記録です)

タクシーを呼んでもらい、京町温泉に戻りました。
京町観光ホテルを横に見て山麓温泉に向かいました。国道を横断しJR吉人線の踏切を越えたところに山麓温泉がありました。

(山麓温泉)

山麓温泉の駐車場は広く、母屋と湯小屋は別になっています。湯小屋というか独立した温泉棟というか大きさはほどほどの大きさです。
入浴料金は母屋で支払います。おかみさんらしい人がどこから来たか尋ねました。

中に入ると、番台の痕跡がありますが、今は板で閉じられています。

(脱衣場)

脱衣場としては極めてシンプルな形式で、ベンチと脱衣用籠があるだけです。他には何もありません。

(番台の跡)

浴室もシンプルです。床と浴槽はともにタイル張りです。浴槽は女湯との仕切りに沿って浴室内の左側にあります。

(浴槽)

浴槽の手前に小さめの源泉槽があって、メインの浴槽にお湯が注いでおり、一方奥からもパイプからお湯が注がれています。また浴槽にはライオンを模した湯口がありますがお湯はここからは入ってきていません。

山麓温泉のお湯は典型的な京町温泉のお湯で、単純アルカリ温泉です。
ややヌルヌル感がある良いお湯です。

(上がり湯と水道水の樋)

さて、浴槽にたまったお湯が熱すぎた場合、水道の蛇口は上がり湯槽の外側にあるので、浴槽に届く長さの竹の樋が用意されています。
水道水を出して竹の樋をあてがうと見事に水道水が浴槽に入って湯温を下げるのに役立ちます。

これは吉田温泉の鹿の湯と同じ発想でした。

静かで良い温泉でしたが、山麓温泉から京町温泉駅方面には踏切が無いので、タクシーで渡った踏切に戻る以外に京町温泉の中心街に行く道はなさそうです。

ひろさんの旅枕へリンク
Top→全国秘湯巡り→京町温泉と安楽温泉


京町温泉の旅・吉田温泉 鹿の湯

2016年02月10日 | 温泉

(この旅は2015年5月連休の宮崎/鹿児島県の霧島周辺の旅の記録です)
亀の湯から20~30メートル上流で道路の反対側に鹿の湯があります。

鹿の湯は独立した湯小屋で、隣の湯治場「鹿の湯」のご主人が管理しています。
鹿の湯には湯治場と共同浴場の間に駐車場もあります。

建物はかなり年季が入っていますが、しかし湯小屋らしく天井に湯気抜きがあります。

(鹿の湯)

入ると、「入浴代入れ」と書かれたボックスが置かれ、入浴客は自分で入浴料を入れる仕組みです(これは駄菓子入れの転用でしょうか?)。亀の湯は空き缶でした。

(料金入れ)

脱衣場は思ったより広く、施設は壁際の棚と木製のベンチだけでとても簡素です。

(脱衣場)

浴室は階段を7段ほど下りた半地下の場所にあります。

昔はお湯の湧出する場所に浴場を造ったのですから、この湯小屋は昔のままと想像されます。

(浴室への階段)

浴室の壁は一部タイル張りで、上部は壁用の石膏板です。また、床と浴槽はコンクリートで、浴槽は二槽に仕切られていました。

(浴槽)

お湯は、手前の浴槽はぬるめの適温で、先の窓側の浴槽はかなりぬるめでした。

しっとりとした、無色透明の良いお湯です。肌がすべすべになります。

奥の浴槽に湯口からの源泉を送るのに竹の樋を使えるように、湯口に樋が置かれていました。

(給湯用の樋)

この樋を湯口につなぐと、先の浴槽にもお湯が供給されます。
おもしろいので、つないだり外したりして遊んでいました。

玄関の温泉成分分析表と効能書きは昭和36年と書かれています。
たぶん、共同浴場も栄えた時代だったのでしょう。

(温泉成分分析表と効能書き)

外に出ると、湯治場鹿の湯のご主人と、連休中に仲間と湯治に来る予定の山梨県から来たバイクライダーの二人が居て、朝からこの湯小屋を掃除したとのことでした。また、ご主人はお湯を昇温するためのおがくずや木っ端を燃やす釜のテストをしていました。湯温が低いので、昇温したお湯を湯口に供給していたのでした。

(薪のボイラー)

亀の湯ともども、とても良い共同浴場でした。
こんなに良い共同浴場が昔のまま残されているのは奇跡に近い現象です。長く生き残ってください。

ひろさんの旅枕へリンク
Top→全国秘湯巡り→京町温泉と安楽温泉


京町温泉の旅・吉田温泉 亀の湯

2016年02月04日 | 温泉

(この旅は2015年5月連休の宮崎/鹿児島県の霧島周辺の旅の記録です)

十兵衛の湯の受付のおじさんにお願いしてタクシーを呼んでもらいました。
吉田温泉に向かうためです。
吉田温泉は京町温泉から山側に向かって数キロの場所にあります。古い湯治場です。開湯は室町時代と云われていますが、温泉場として栄えたのは大正時代と昭和中期あたりまでで、その後、湯脈が細ったらしく、現在は旅館一軒と共同浴場二軒が営業しています。

(亀の湯)

一番手前の亀の湯まで5分ほどでした。

ガラス戸を開けて入ると誰も居ません。

番台に料金入れの空き缶がありました。

(料金入れ)


脱衣場は簡素なものでした。
(脱衣場)

浴室は、床と壁が石張りで、浴槽はタイル張りだです。が、浴槽のタイルはお湯に含まれた鉄分の影響で赤レンガのように見えました。

女湯との間の壁に沿って細長い浴槽があり、間に間仕切りがしてあります。

(メインの浴槽)

入るとぬるめのお湯があふれました。
このお湯が、何と泡が身体に付く炭酸泉らしく、あわあわと柔らかいお湯でした。

(源泉飲めます)

飲泉可の張り紙がユーモラスです。浴槽内は「歯磨き禁止、洗髪禁止、タオルを浴槽に浸けないという」という張り紙はもっとゆーもらすです。

(洗い場とカラン)

脱衣場には温泉分析書が掲示されており、泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(低張性 中性 高温泉)で、源泉温度は39.0度とありました。
湯温が低いので、湯口のあたりのぬくもりが良い気持ちです。

亀の湯は素朴な共同浴場という昭和の良さを色濃く残した名湯でした。久しぶりに良いお風呂に恵まれて、はるばる訪ねてきて良かったと思いました。


京町温泉も吉田温泉も共同浴場や旅館の前にはバス停マークの丸い標識があります。
温泉に入れますという印です。バス停ではありません。

(バス停ではありません)




ひろさんの旅枕へリンク
Top→全国秘湯巡り→京町温泉と安楽温泉