愛知の史跡めぐり

愛知県の史跡を巡り、その記録を掲載します。

重原城(城めぐり秘話) 知立市

2020年02月06日 08時56分41秒 | 知立市
三河国二葉松
「三河国二葉松」という古文書があります。江戸時代に三河について書かれた地誌です。

三河国二葉松

三州古城記
この文書の下巻に「三州古城記」という項目があり、それこそ三河のお城がいっぱい記載されています。内容は主に築城者や城主についてです。例えばタイトルの重原城だと「重原村古城 山岡傳五郎或河内守 天文二十三年正月今川勢攻落」とのコメントがあります。山岡傳五郎は築城者か城主だったと思われます。しかし、天文23年(1554)正月に今川氏によって攻め落とされたことが分かります。「三河国二葉松は」は、ネットで閲覧することができます。いろいろと写しなどがネットで公開されています。私は、「愛知県図書館、貴重和本デジタルライブラリー」の本を参考にしています。

三河国二葉松 三州古城記

愛知県中世城館跡調査報告
しかし、これだけではどこにあるのか、どんな城なのか、今も残っているのかなどが分かりません。そこで、次に「愛知県中世城館跡調査報告」という本を調べます。


中世城館跡調査報告(西三河) ネットより

購入して手元に置いておきたいのですが、高いのです。4つに分かれていて、「尾張」「西三河」「東三河」「知多」とありますが、値段が高くそれぞれ1万円近くします。そこで、図書館に行くことにします。どこの図書館にあるわけでもなく、ない図書館もあります。私は名古屋市の鶴舞図書館に行きます。名古屋市は鶴舞図書館にしかないようです。

愛知県(尾張、三河)の旧郡
重原城は「三河国二葉松」で「碧海郡」に分類されています。なので、西三河を調べます。三河を西と東で郡を覚えておくと便利です。西三河(碧海郡、幡豆郡、加茂郡、額田郡)、東三河(宝飯郡、設楽郡、八名郡、渥美郡)「信長公記」で尾張の上四郡(丹羽郡、葉栗郡、中島郡、春日井郡)と下四郡(海東郡、海西郡、愛智郡、智多郡)とありますが、三河は西四郡と東四郡です。

重原荘
さて、「愛知県中世城館跡調査報告」(西三河)では、「三河国二葉松」に掲載されているお城がこの本のどのページに記載されているかわかるようになっています。重原城を見ると、所在地(知立市上重原町本郷)、現状(山林、畑地、宅地)、遺構(掘、土塁)とあり、だいたいのイメージが分かります。そしてなんといっても嬉しいのが「縄張り図」です。この図を見ながら実際の遺構を散策することになります。重原城については、重原荘という荘園が中世をとおして存在し、その規模も現在の知立市、刈谷市のほぼ全域、豊田市の一部を含む広大な荘園であったこと、そしてこの重原城の場所がその中心(荘司或いは地頭の館があったところ)と考えられること等が書いてありました。行く気をそそられます。

ということで重原城に行きました。