鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

幕前

2013-05-06 00:10:36 | Weblog
この数年、『演劇』を見に行く・・・ということから、足が遠のきつつあって、理由の一つは、地元から都内へ、月に1回前後の通院があったので、演劇にまで、体力が回らなかったこともあったし、
もう一つは、身体的に外出が難しい状態が、長期に渡って続いた・・・ということもある。
風邪が長引き、腰痛を、発症する・・・など。
観劇を予定した日の天候が大荒れで、鉄道路線の乱れなどの懸念もあって、足止めを喰らった状態も何度かあった。
2011年3月の震災以来、都内へ出向くのが、怖かったりした日も続いて、通院だけで、疲労困憊してしまったという事情もあった。

・・・しかし、それより、何より、絶対に観たい!という作品が少なくて、絶対観たいと思ったのに、観たら、ガッカリ・・・だった・・・ということも・・・。

身体的・精神的に、どん底だったから、作り手が、傑作を作っても、受け手である『私』が、それを受容できない状態だったのかもしれない。

・・・まあ、そんなこんなで、現在に至っているけれど、作品の良し悪しは、別にして、劇場に行く・・・という行為自体、好きな事なのかもしれない。

私は、開演の30分前には、劇場入りして、開演時間を待つのが好きである。
前回のように、開演予定時間を5分も過ぎての劇場入り・・・というのは、過去に2回あったかどうか・・・。
だから、何等かの事情で、遅れて、劇場入りするお客さんの心理が、わからなかった。
プロローグを飛ばしてみて、何が面白いのだろう・・・と常々思っている次第。

・・・それだけ、時間に制約のある中・・・、やはり、私は、劇場での、所謂『幕前』の時間が好きである。

・・・但し・・・。
『幕前』の待ち時間は、好きだけれど、隣席から聞こえてくる会話が、嫌いなので、MP3を聴きながら、待つことをしている。
MP3が、なかった時代には、割と、その『幕前』に些細なストレスを感じていたこともあった。
隣席の会話に惑わされず、好きな音楽を聴きながら、数十分後に、演じられる舞台に思いを馳せながら、劇場のライトに照らされて、私の指で、光輝く、極小のダイヤモンドリングの輝きにうっとりしている。
客席のライトも劇場のライトは、特別なんじゃないか・・・って、思う位、私の指に輝くダイヤモンドを照らしている・・・。

そんな、他の人には、どうでもいいような数十分を、私は、劇場の『幕前』で、感じている。