鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『ベイビーさんあるいは、笑う曲馬団』

2015-11-15 22:54:52 | 演劇・映画

昨日(14日)は、冷たい初冬の雨が降る中、相方と都内・六本木にあるZepp ブルーシアター六本木に、故・中島らも氏による戯曲・ベイビーさんあるいは、笑う曲馬団を、観劇に。

それにつけても・・・。
雨・・・ですなぁ・・・しかも、このZeppブルーシアター六本木という劇場は、駅から結構、歩くのでありました・・・。

この戯曲の作者・中島らも氏は、2004年に亡くなられていて・・・ああ・・・あの奇才が、亡くなって、11年経ってしまったの
か・・・と思います。

生存中には、殺笑軍団リリパット・アーミーの主宰で、エッセイスト、小説家としても著名であったし、ロックバンドも結成されておりました。

重度?の躁鬱病でも知られていたし、麻薬関係で、服役していたこともある・・・し、そいういった、社会的に立場が不利になるような事象に関わっていながらも、その著書には、なんだか、人間の本質というか・・・もっと・・・もっと・・・深いところで、(言い表すことができないのですが、しいていうなら)魂というか・・・そんなものに、何故か不思議に、共鳴するところあるような・・・気がします。

実際に、普通の生活レベルで、らもさんに関わったら・・・たぶん、物凄く、大変な影響を受けるのではないか・・・良くも悪くも・・・でも、当の本人・らもさんは、そんなフツーの常識的な人間には、たぶん、全く・・・興味がないかもしれませんし、その普通さを愛していたのかもしれません。

大抵、普通で、真面目で、社会的規範に従う人間は、立派です。
きちんと働いて、法を遵守して、納税して、家族を大切にして、養い育て、財を残し・・・

らもさんも、猛烈に働き、法律は少し違反しましたかね?家族も大切にしたでしょうけれど、家族他に恋人もいた・・・し、物凄い躁と、自殺間際まで、追い詰められる鬱の狭間で、もがき、苦しんだひとでもありました。

自分自身を、生きることに、真面目だったのかもしれません。

・・・だから、この戯曲『ベイビーさんあるいは、笑う曲馬団』は、軍人対サーカス団員、そして、みるひとによって様々なカタチに見えるベイビーさんと呼ばれる不可思議な生物を通して、観客は、笑い、哀しみ、そして・・・なんだかわからないけれど、胸にジーン・・・とくるものがあるのかもしれません。

視点によって、様々な形に変化するベイビーさんは、社会であったり、個人であったり、善であり、悪であり、平和であり、戦争であり、職業であり・・・ただ、その本質は、何処にも属することのない・・・やはり、俗な言い方しかできないのですが、宇宙の本質?(宇宙そのもの)或いは、そのカオスなのかもしれません。