宵のうちから雨。
関東も梅雨入りでしょうかね?
夕刻より、隣々市のシネマコンプレックスへ『花戦さ』を鑑賞に。
戦国の世に、花僧と呼ばれ、花を活ける人達がいました・・・。
池坊と呼ばれ、現在では、生け花界を席捲する流派のようです。
私は、イケバナ・・・というものは、なんだか、装飾的に不自然に捻じ曲げたりするのが、好きではなく、姉が、一応、師匠の看板を貰っているので(池坊さんではありませんが・・・)、生け方なんかは、ほんの少しだけ、見たことがある・・・くらいです。
もともと・・・私は、やはり野に置けレンゲソウ・・・なので・・・。
(人工的な華美な装飾は、好みではないのかも・・・しれません)
・・・それなので、イケバナには、全く興味を持てずにいました。
・・・只、その歴史を鑑みれば、なかなかに興味深くもあります。
映画は、その入り口でもあるのかもしれません。
立花とか、生花は、武士の嗜み。
茶の湯と生花は、戦国時代・・・あたり?からなのでしょうかね???
それともお公家さんの専売特許だったものが、武士やみやこの人びとに広まっていったものなのか・・・。
・・・物語は、戦乱づつく、戦国の世。
河原には、無数のご遺体が、野ざらしになっています。
そのひとつ、ひとつに、花を手向け、経を唱えるひとりの花僧・専好(野村萬斎さん)がおりました。
その河原で、死にかけた天才絵師の娘・蓮(森川葵さん)を助けることになります。
織田信長(中井貴一さん)に召され、岐阜で、得意の松を題材に、花を活けることになりました。
そこには、千利休(佐藤浩一さん)との運命的な出会いがありました。
その席には、後に、花を持って戦うことになる後の豊臣秀吉(市川猿之助さん)の姿もありました。
花は、ひとに、生きるチカラを与えてくれる・・・。
美しい花々とその造形美。
しかし、もともとは、仏の供養のため、仏前に供えられるたもの・・・。
専好は、全ての花の中に、仏性を見出して行きますが・・・やがて、天下の覇者となった秀吉に、大切な友の命を奪われ、花の中の仏性を見失います。
けれど、花と生き、花を活け、花と共に在るのが、専好のさだめなのでしょう。
美しき花も、可憐な花も、野に在る花も・・・毒持つ花さえも・・・。
或いは、毒持つ花にも・・・それは、ヒトにとっての毒であり、花には、なんの咎もない。
むしろ、薬に変わることさえありましょう。
池坊の華麗な生花の世界を堪能できる作品に仕上がったようです。