先月末にテレビ朝日、今週末に、オン・エア予定のフジテレビと、二つのテレビ局で、アガサ・クリスティ原作のミステリーが、3本ドラマ化。
昨年のテレ朝は、『誰もいなくなった』で、探偵役の相国寺に、沢村一樹さんを、フジは、一昨年だったか?『オリエント急行殺人事件』で、探偵役のスグロに、野村萬斎さんを起用し、今春も、二人を続投。
更に、新しい顔として、天海祐希さんで、ドラマ化。
テレ朝で、先月末に、2日連続2時間ドラマの枠で、オン・エア分を録画していたので、視聴した。
去年だったか、ジョニー・デップ主演で、『オリエント急行殺人』が映画化されたし、アガサ・クリスティの人気は、衰えることを知らない。
数年から数十年のサイクルで、リメイクされているようで、物語によって、演じる俳優を変えてみたり、なかなかに、興味深い。
さて。今週末のフジテレビのスグロ編は、置いておいて(まだオン・エアされていないですしね)、今年、去年、一昨年・・・のアガサ・クリスティ作品は、舞台を日本に置き換えて・・・の所謂、換骨奪胎編。
フジテレビは、時代を、あまり極端に変えていなかったような?記憶があるけれど(違っていたらすみません)、テレ朝は、徹底的に、現代に変えようとしていて、なかなかに、無理があった。
・・・換骨奪胎が、上手くいってないのである。
前作の『そして誰もいなくなった』は、招待客の携帯端末を取り上げ、絶海の孤島に閉じ込めるという、無理のある設定だったし、今回の『パディントン発4時50分』、『大女優殺人事件』は、現代と・・・昭和が入り乱れて、そこへスマートフォン、パソコンなどの文明の利器が混在し、時代設定の矛盾のようなモノが、いちいちついて回る。
並走する寝台特急が並走する時間に、老婦人(草笛光子さん)が目撃する絞殺殺人シーンにも、矛盾がある。速度のある列車同士の並走が、あれほど長く続くのか、続いたとしても夜間で、視力が衰えているであろう老婦人に、あれほど鮮明に可視することができるのだろうか?
大女優を演じる黒木瞳さんの劇中劇は、『鹿鳴館』で、『神の館』の内装は、アール・ヌーボーで、ミシャの装飾までしてあるのに・・・なんだか、昭和の安っぽさが抜けていない。
パーティでの平岩紙さん演じる神ノ小路夫人の服装は・・・一体、いつの時代なんじゃ?
・・・とツッコミどころ満載だし?
探偵役の沢村一樹さんは、前作から引き続き、『相国寺』スタイルとでも言うような一種独特な雰囲気を作り出すのに成功したようだ。
カクカクとした機械的な動作、言葉遣いが、一種の魅力となった。
天海祐希さんは・・・この役は、特に天海さんでなくても・・・スーパー家政婦さん役のモトアイドルさんもなんか、ヘンテコだったな・・・モトアイドルじゃなくて、現役のアイドル?なのかな?
無理に現代に置き換えなくても、そのまま、昭和でやっちゃえばいいのに・・・とか思ったり。
野村萬斎さんのスグロ探偵は、前作の『オリエント急行殺人』では、後半しか出ていなかったし?
それにつけても・・・何故か春は、ミステリー?クリスティーまつり・・・。