爽やかな休日シーズンの幕開け。
去年の暮あたりから、先月(3月)のお彼岸の頃迄、毎朝8時15分からテレビ東京で、オン・エアしていた韓国時代ドラマ『六龍が飛ぶ』全65話の視聴を終えました。
腐敗しきった半島の小国・高麗の官僚制度に苦しめられる人民。
高麗の再建を諦め、新たな国を建国しようとする儒者のチョン・ドジョン。
彼に共感する5人とその政敵。建国を阻む政敵を、次々と倒しながら、建国、国の運営の理念は、同じなのに、分裂し、争うことになる6人。
朝鮮建国者イ・ソンゲとその参謀チョン・ドジョン。イ・ソンゲの五男で、チョン・ドジョンを師と慕い、思想を同じくするもやがて、離れて自分の王国を作り上げようとするイ・バンウォン。
建国の影に、それぞれに付き従い、反発し、暗躍する影の組織。
建国の物語ですが、人を使う支配者、それに従う従者の物語でもあるようです。
バンウォンの護衛剣士のムヒョル、ドジョンの護衛で、高麗一の剣士となったイ・バンジ。
この二人の護衛剣士の友情も、支配者の対立によって、彼らもまた、戦うことになります。
バンウォンとドジョンの二人に仕え、諜報係として活躍するのは、市井の少女・プニ。
プニは、剣士イ・バンジの実妹であり、このバンジとプニの兄妹の物語もこの物語の支柱の一つとなっています。
イ・ソンゲ、チョン・ドジョン、イ・バンウォン、イ・バンジ/プニ兄妹、ムヒョルの6人が、龍に例えられているようです。
剣士・ムヒョルの師であるホン師範は、高麗朝で、政権を握るキル・テミという剣豪とその双子の兄キル・ソンミを育てますが、剣の腕は、からっきしダメという変わり種。そのかわり、一度見た剣法は、記憶され、体系化されて、ムヒョルに受け継がれます。
そして、キル・ソンミが、チャン・サムボンに、子供時代のイ・バンジに、彼が、剣で己の身を守れるようにと託したことから、キル兄弟も運命の歯車のひとつとなりました。
表の龍が、実在のイ・ソンゲ、チョン・ドジョン、イ・バンウォンであるなら、裏の龍が、架空の人物(であるらしい?)イ・バンジ/プニ兄妹、ムヒョルの3人であるようです。
バンジの師匠のチャン・サンボンが、殺された自分の弟子の相手を側索中に、キル・ソンミからバンジを託されますが、その弟子を殺した相手が、谷山剣法を伝承者チョク・サグァンという女剣士であり、イ・バンジとムヒョルと戦うことになります(この設定だと、チョク・サグァンも、結構イイ歳になっているハズですが、若い女性として描かれているのは???ですかね?ココもツッコミどころです)。
登場人物の些細な出来事で、国家が大きく揺れ動いてゆき、運命の歯車が回り始める緻密なプロットが、面白さの鍵なのでしょう。
政権抗争と剣士達のドラマの2本立てを一緒に見られるあたり、物語が複雑な絡まりをみせ、ハイ・スピードでの展開に、あっという間に65話視聴してしまいました。
相変らず、敵に、間者に、諜報活動が盛んで、ウヨウヨしている中で、密談しても、情報が筒抜け・・・というのは、韓国ドラマの毎回のツッコミどころでしょうか?
それにつけても・・・かの半島では、王様さえ、いつも何かに脅かされている・・・一番、エライのは、誰なんでしょうか?
南北統一?っぽいニュースも入ってきましたが、ドラマですら、裏切り、寝返りの掌返しが、平然と行われる国家ですから、何とも言いようがありません。