二十四節季・白露。
昨日の天気予報では、朝から久々の晴れ・・・ということであったけれど、実際の日照時間4時間。
曇りがちで、風がなんとなく冷たい。秋の風。
母の月命日。
午前中、お寺の墓所へ。
帰りに道の駅へ。
栗を購入。母の好物だったので、栗ご飯にしよう。
一晩、浸水しないと皮剥きできないので、月命日の今日は、栗ご飯には、できなかったけれど。
明日、栗の皮を剥こうと思います。
午後から夕刻迄、読書。読書・・・なんか久しぶり。本を読む時間をかみしめる。
長谷川洋子・著『サザエさんの東京物語』
国民的漫画家であった故・長谷川町子の妹からみた姉の姿、そして、サザエさんと磯野家の母体となった長谷川家の物語。
母の部屋を片付けていたら、出てきた本で、所謂、母の遺品。
NHK朝の連続テレビ小説『マー姉ちゃん』の原作である『サザエさんうちあけ話』と重なる部分が多くて、暴君、ヒットラーと娘達に言われた母・貞子の孟母ぶり、戦前、戦後を通して、国民的女性漫画家となった長谷川町子、その漫画の出版する姉妹社を切り盛りする姉・まり子、そして、その確固たる信念をもつ家族の中で、居場所を探し続ける末っ子の洋子。
あるきっかけで、姉妹間にできた深い溝。
長谷川町子の『サザエさんうちあけ話』では、女系家族の団結、仲良し姉妹・・・というイメージが強いけれども、どんな家庭にも、何かしら瑕疵があるもので、美化された『サザエさん』からは、想像できないエピソードも。
10億円を超える母・貞子の遺産を放棄しても、洋子の欲しかったもの・・・。やりたかったこと・・・。
内気で、強い姉たちに圧倒されながら、そして、姉(町子)の死さえ、知らせてもらなかったというその姉妹の深い深い溝。
庶民派と言われた長谷川町子だけれど、現実は、やはり今でいう上級国民。
サザエさんという架空の庶民のイリュージョン。
読者に見せた幻。
そう・・・私たちは、庶民・・・でも、実体は・・・。
孟母・貞子の先見の明。
焼野原だった世田谷の土地を買いまくり、バブルで、土地成金。
それでも・・・。
己の信じる宗教や、寄付、他人救済に奔走した母・貞子。
オカネの亡者ではなかっただけ、安堵した。
サザエさんと長谷川町子ファンは、読まない方がいいかも・・・。