真夏日の秋分。
未だ、蝉の声。
母の初彼岸。
・・・なれど、都内の親戚は、この流行病で、お墓参りもままならず。
そして県内も、緊急事態解除には至らず、母の生まれた家のあった県北の親戚も。
静かな初彼岸となった。
初彼岸なれど、心は、ザワザワして、母の亡くなったときのことを思い出す。
そうなると、ここ半年間の記憶が蘇り、動悸がしてくる。
もう、母は居らぬのに。
そんな初彼岸。
昼と夜が同じ長さで、これから、すこしづつ夜が長くなって、やがて冬に向かう。
母が居なくなって、初めての秋。
そして、母がいなくなって、初めて迎える寒い冬。
季節は、巡り、母が居なくなって、1年目の春が来る迄、私は、母の居ない季節を、これからずっとひとりで過ごす・・・。