鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

映画:イングリシュ・ペイシェント

2022-03-18 21:18:36 | 演劇・映画

最高気温5度。真冬に逆戻り。

夕刻より本降りの冷たい雨・・・。

去年の今日は、拙居住地にて、観測史上一番早い桜の開花を記録した年だったのですが・・・。

 

深夜の地震から、一夜明けて・・・。

寝不足のひとも多かったんじゃないかな・・・なんて思いながら、殆ど、眠れていなくて。

昨日(17日)は、ひとりで、映画を観ようと決めていたのでした。

でも、かなり大きな地震だったし、居住県の最大深度は、5弱だったんで、県央は、どうかな?と思って、映画館のサイトをみると通常営業のようでした。

折角、早く起きた(・・・というより眠れていない?)ので、決めたとおり、映画に行こう・・・。

・・・ってことで、午前十時の映画祭(過去の名作を割引価格で見ることができる・・・ちょっと昔の名画座風のプログラム)。

昨日が、上映最終日の『イングリシュ・ペイシェント』を鑑賞。

アカデミー賞受賞作品・・・で、このワン・カットだけみて、私は大に勘違いしていたことを知りました。

心温まらない不倫映画だったのでした。

そして、最大のカン違いは、『イングリシュ』と冠しているものの、アメリカ映画だし、スリランカ生まれのカナダ人作家の原作小説の映画化でした。

結局のところ、3時間近く・・・ああ、見なくてもよい映画だった・・・と思いました。

 

教訓的なことを言えば、自ら欲望に走ると周囲を不幸にする・・・?ということでしょうか。

周囲というのは、自分自身の周辺に限らず、見ず知らずのひとにも影響を与えかねない(この映画の場合は、カラヴァッジオでしょうかね?彼は、アルマンシー伯爵には、面識もないけれど、伯爵の行った行為で、酷い影響を受け、そして復讐することで、生きながらえていたようですから)ってことでしょうか。そして、この戦況で、周囲の人々をことごとく失っていく看護師・ハナも、影響を受けたひとりでしょう。

出会わなければ、関わった全ての人達が、迷惑をこうむることもなかったし(でも、そうしなければ、物語にはならないけど・・・???)

元凶を作ったアルマシー伯爵は、なんで、生きながらえているんだろう・・・不倫相手のカトリーヌは、夫と無理心中させられ(夫は、何も悪いことをしていない、ただカトリーヌを愛していただけで、フツーなのに)、瀕死のカトリーヌを助けるために、国家機密である北アフリカの砂漠の地図を、ドイツに売り渡したけれど、瀕死のカトリーヌは、砂漠の洞窟で、息絶える。カトリーヌは、コレで自業自得だろうし。彼女も節度を逸して、自分の欲望のみに走った・・・というか。その結果だから。

 

アルマシー伯爵は、カトリーヌの亡骸と自害を試みたようだけれど?結局のところ、死にきれず、動くこともままならず、魂の救済すらないのに・・・とか・・・たぶん、こういう文芸?作品の奥深さを、モラルとか、常識でしか判断できない私には、無縁の作品だった。

レビューで、こんな恋愛がしてみたい!みたいなものがあったけれど、私は、ごめん被りたい。

相思相愛の果てが、無理心中とか、墜落事故だとか・・・もし、自分の欲望に不忠実だったら、もっとマシな結末だったかもしれない。

 

私の最大の勘違い・・・私の期待する映画って、欧州(或いは英国)の戦時中とか、それ以前の映画で、風景が美しくて、俳優が洗練されていて、戦時中(或いは、ソレ以前の)とか、いろいろと条件があるんだけれど、この『イングリッシュ・ペイシェント』は、まず、タイトルで、騙され、映画のワン・カットの看護師のハナの画像だけみて、(私の常識的)清らかな?映画だと思い込んで、地震の翌日、映画を見に、わざわざ1時間もかけて、県央へ向かったけれど。

 

過去に、演劇鑑賞など趣味にしていたころ、座席料金1万数千円、食事代、交通費・・・とてつもない浪費だったような気がします。

一番の浪費は、その作品のために、週末の一日(殆どは土曜日)をそれに費やさなければならないこと・・・でした。

座席料金に見合った満足度のある作品って、10作品中、せいぜい1作品か2作品で、他は、駄作と思えたりもしていました。

高額なお金の対価に見合わない時間と労力・・・。

そんなことでも、あの無意味な労働から逃れる手段のひとつだったのではないか・・・。

 

今回の映画で、唯一、私の救済だったのは、看護師のハナとインド人士官のキップの教会での壁画鑑賞のシーンと、イタリアの古びた修道院の背景、そして、北アフリカの異国的な雰囲気の映像は、美しかったです。

 

アカデミー賞も、政治とか経済とか、そういうものに左右され、或る意味、大衆洗脳の道具だから、前評判とか、レビューを信じてはいけない。もちろん、この拙なブログな拙な映画評?も。結局のところ、私は何もわかっていないってことは、私自身が一番よくわかっているんで。

 

この映画のスクリーン室の観客は、やはり、年齢層が高かったです。

平日の午前中の上映にしては、観客が居たのが不思議でしたが、50歳代、60歳代くらいなんじゃないでしょうかね?

若かりし頃、見た映画をもう一度・・・ですかね。

 

この映画に、感動された方ごめんなさい。