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50年後の人口推計

2012年02月01日 19時46分54秒 | Weblog

 厚生労働省から新しい人口推計が公表され、テレビや新聞で取り上げられている。50年後(正確には48年後)の2060年の日本の人口は8千7百万人と見込まれている。現在は1億3千万人ほどだから、約3分の2に減少することになる。この数値は昭和20年代後半の人口と同じだそうだ。新聞やテレビが注目するのは「少子高齢化」である。現在の労働人口(15から64歳)が全人口に占める割合は64%だが、50年後には51%に下がる。これに対して、65歳以上の人の割合は現在は23%だが、50年後は40%になる。高齢者1人を1960年では11.2人の現役世代が支えていたが、2010年は2.8人となり、50年後には1.3人となる。1人で働いて1人の老人を世話する勘定だが、この人は子どもや地域や国家も支えている。

 

 テレビや新聞は「少子高齢化」を問題にするが、その論調は多くなった高齢者を少ない若者で支えられるのかということにある。そして結論は、今のうちに労働人口を増やしておかないとあなたたちを支える人たちが困ることになるというものだ。子どもを産むか産まないかは個人の意思で、他人がとやかく言うことではない。それでは少子高齢化の歯止めにはならないと言うが、歯止めにならなくてもいいと私は思っている。

 

 50年後には私の上の孫娘は年金生活に入る年齢であり、下の孫娘はちょうど50歳である。今、生涯結婚しない人の割合は10人に1人だそうだが、50年後は5人に1人になるという。上の孫娘は「私は結婚しない」と言っているがさらにこうした風潮は強くなるという予想だ。そうなると、上の孫娘などは「結婚しない者は責任感が無い」と非難されることになる。私は「結婚はしなくてもいいけれど、男と暮らしてみてもいいよ。暮らすのは嫌ならセックスくらいはした方がいい」と孫娘が20歳になったら話そうとは思う。

 

 私たちの両親の時代は女性が働く場所が無かったので、生きていくためには離婚できなかった。50年後の社会がどのようになっているのか分からないけれど、たとえば現在の家庭は存在しなくて、共同生活のようなものになっているかも知れない。そうなれば結婚もしたがって離婚もない社会となるだろう。子どもは個人のものではなく社会が育てることになる。人口が減少し消費が減れば、生産のあり方も変わる。どんな社会になっていくにしても、それは社会を構成する人々の意思が、好き嫌いに関係なく反映されたものだ。

 

 人口推計は現在の数値を基準にしているから、本当にそうなるとは限らない。50年後といえば今の30代が80代になるわけだが、人口添加物を食べてきた世代だから今のように長生きするとは限らない。医療だって、延命治療路線から外れるかも知れない。戦前戦後の食料の乏しい時代を生きてきた私たちより上の人たちは粗食ゆえに長生きをしている。しかし私たちやその下の世代は今ほど長生きしないかも知れないし、私たちの子ども世代はもっと短命かも知れない。それに、生き方や価値観が変わっていけば人口推計も変わってしまうだろう。

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