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友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

高齢者と生活保護

2012年10月08日 20時23分46秒 | Weblog

 以前、手押しポンプを据付けたところが2箇所とも、台座の木材が腐食してきたので取り替える工事を行なった。工事の方法や扱う部品ひとつについて、仲間にはそれぞれの思いがあってスムーズに進まない。設計をした人は自分の設計に間違いないと言い、部品を作った人は部品に誤りはないと言い、いざ現場で作業にかかると両方共に問題があるのか、組み立てが出来ない。それで、どう進めるかを巡って熱心な議論となる。

 会社ではなくて、同好の士が集まっているから、誰がエライというわけではなく、誰が命令を下すというわけでもない。喧々諤々やりながら、どこかで折れてどこかで納得していくより他にない。いつものことなので、私はどちらにも加担せずにしばらく見守ることを常としている。そのうちにやはり最も常識的なところに落ち着くからだ。私たちは営利を目的としていないボランティアに近い団体であるが、だからいい加減な仕事でよいと思う人はいない。むしろ、依頼主に喜んでもらえる出来上がりにこだわっている。

 私たちの井戸掘り仲間は、平均年齢が70歳を越えているので、本当にいつまで出来るか不安だが、身体が動くうちは頑張ろうというのが暗黙の約束である。高齢者世帯は1986年には2,362千所帯であったが、20年後の2006年は8,418千所帯に急増している。ある人が言うには、「高齢者の20%が要介護を受けている」のだそうだ。さらに、「高齢者の男の健康寿命は73歳なのに平均寿命は79歳だから、6年間は不健康で生きているというか生かされている。医者の儲けのために生かされているのは我慢ならん」と憤る。

 だから「身体を動かして働き、健康維持に努め、あっさりとこの世におさらばしよう」と言うのである。しかも今、生活保護を受ける人が増えているそうだ。私たちより年上の人たちは、生活保護を受けることを恥と思う風潮がある。私の姉は83歳だけれど、ひとり暮らしを続けている。「他の人の世話にならないようにしなくては」と言うのが口癖だ。おそらく姉のような生活を送っている高齢者はまだまだいるだろう。

 ところが若い人で、働く場がなく、資産も貯金もなく生活に困窮している人は意外にあっさりと生活保護を申請するらしい。標準3人家族の場合、最低生活費の241,970円(横浜市)が保障されるので、それまでの給料よりも多い額を受け取るという矛盾も生まれる。医療費なども免除されるから、生活保護を受けた方が暮らしやすくなり、再び働く意欲を無くしてしまうと聞いた。そればかりか、65歳以上の人は労働することを求められないので、高齢者の生活保護はもっと増え続けるだろうと言う。

 ただ、存在しているだけでは生きている意味がないように感じるのは、まだ本当に辛い思いを味わったことがないからなのだろうか。それにしても、高齢者には生きにくい時代がもう目の前に来ている。何か、世の中のお役に立つことはないのだろうか。そういう名誉を与えられて、潔い最期を迎えられたらと思う。

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