友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

写真

2012年10月14日 18時03分29秒 | Weblog

 アメリカ映画を見ていると、部屋の壁にいっぱい写真が飾ってある。アメリカに住む友人の家にもいろんな写真が飾ってあった。そのほとんどは家族の写真で、子どもたちの子どもの頃とか亡くなった祖父母とか、何かの記念写真というものである。日本の家は壁に釘が打てないせいか、そうした風習がないからか、仏間に家代々の写真が掲げてある家は多いのに、アメリカのように家族の写真が飾ってあるのは見たことがなかった。

 知り合いの家に上がった時、飾り棚の上にいろんな家族の写真が並べてあった。七五三の写真や成人式の写真、飼っていた犬の写真などがあった。中でもひときわ目を引いたのは、若い女性が小さな女の子を抱いている写真だった。エキゾチックな顔立ちで、瞳の美しい女性だった。女の子はちょっとはにかんでいたが、その女性と同じように大きな目をしていた。七五三の宮参りの帰りなのだろう。

 「お嬢さんとお孫さんですか」とたずねると、「カミさんと娘ですよ」と言う。そういえばカミさんに似ていると思った。40年ほど前の写真だろうけれど、若い時のカミさんの写真を飾っているのは、よほど気に入っているのだろう。家族の月日の流れが見て取れる。一昨日、姪っ子に会ったら、「お兄ちゃん、随分老けたね」と言う。そういう姪っ子だって54歳になる。赤ちゃんの時から見ているから、それにお互いに歳を取るので、年齢を気にしなかったけれど、こうして外で見ると、ああやっぱり歳を取ってきたと思う。

 私にはふたりの娘がいるけれど、誕生から高校卒業までのアルバムを、ふたりとも我が家に置いたままでいる。転勤が多いとか家が狭いとか、彼女たちなりの理由はあるのだろうが、ダンナたちには自分のアルバムを見せたのだろうかと思ってたずねると、「可愛いかったから、当然見せたわよ」とすまして言う。4歳違いの姉妹だけれど、同じデザインの洋服を着せて、いろんなところへ連れて行った。その度に写真を撮ったから、アルバムはそれぞれ10冊以上あるだろう。

 子どもの頃の写真を見るとどんな風に成長してきたのかよく分かる。「私が好きなのか今のあなただから、子どもの頃など知らなくてもいい」と言う男もいるかも知れないが、好きになったからこそ、幼い日々も知りたいと思うものではないだろうか。写真を見ることで、もっと相手のことがよく分かるということはあると思う。自伝に写真がなければ、興味は半減してしまうだろう。

 しかし、今はどこへ行っても記念写真くらいしか撮らない。写真を見ると、ますます老けていくのが分かるから撮らないでと言われてしまう。確かに老いてゆく自分を確認するのはいやなものだ。だんだん個人写真はなくなり、大勢での記念写真ばかりになった。明日から3日間、83歳の姉を連れて、愛媛県西条市のだんじり祭りを見に行く。やはり記念写真だけになるだろう。そんなわけで、17日までブログを休みます。

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