暦通りに「雨水」となった。雨が降る度に暖かさが増すと言われているが、まだまだ寒さは厳しい。北京五輪も明日は閉会式を迎える。外交ボイコットとか、ドーピング問題とか、いろいろあった大会だったが、日本選手の活躍も目覚ましかった。
私はテレビにかじりついて見てはいなかったが、時々見ては涙を流してしまった。白熱した試合には勝者にも敗者にも、それぞれに物語があり、見る者を感動の渦に引き込んでしまう。それがスポーツの力なのかも知れない。
オリンピックは形を変える時期に来ている。主催者のオリンピック委員会は解体し、国別対抗を止め、選手は個人で参加する、純粋にアスリートファーストの試合にすべきだ。国別対抗戦だから、メダルが何個取れたとか、相手のチームを陥れるような卑怯なことまでしてしまう。
ロシアのワリエワ選手のドーピング違反は、何が真実かは分からないが、15歳の少女が受け止めるには余りにも大きな悲劇だった。心が折れてしまったワリエワ選手が泣いて引き返した時、たくさんの優秀な選手を育てたコーチとは思えない叱責の声に驚いた。
勝つことだけが目的になるのはスポーツの常かも知れないが、見ている側はたとえ失敗があっても素晴らしい努力に、惜しみない拍手を送るし、一緒に涙も流す。スポーツを見て、心が浄化されるのはそういう真剣さで、勝敗は二の次だと思う。
残る最後の試合、勝っても負けてもみんなが応援し続けるから、全力で競技に集中して欲しい。そして選手やコーチや大会運営者から、オリンピックの形を変えようと声を上げて欲しい。