友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

ひとつの見方だけでは真実に辿り着けない

2022年02月21日 17時10分14秒 | Weblog

 北京五輪が終わり、テレビは何故か「蛻の殻」のようだった。そのテレビで、ワリエワ選手のコーチが話題になっていた。ワリエワ選手が失敗して泣きながら戻って来た時のコーチの言葉は、私もバッハ会長が言ったように、冷たい突き放した言葉だと思った。

 トゥトベリーコーチをよく知るフィギアの高橋成美さんは、「次につながる言葉に聞こえた」と言う。ワリエワ選手の才能を知るからこそ、叱責したと思うと。ロシアで練習に参加したことのある卓球の水谷準さんも、「ロシアのコーチはいつも厳しい。後で抱きしめて励ますことはあるかも知れないが」と言う。

 確かによく分かってもいないのに、私はコーチの叱責を非難してしまった。事実は1つだが、真実は1つでは無いのかも知れない。暇にまかせて、書店に並んでいた文庫本を、単行本と違って文庫本は安いというだけで、3冊も買って来たので少しずつ読んでいる。

 知っている作家は山田詠美さんだけで、『痴人の愛』に対抗したような『賢者の愛』と横文字のタイトルの単行本が2冊書棚に並んでいる。他の2冊も女性作家で、山田詠美さんよりもかなり若く、2人とも女性の生き方や男女の関係をドライに描いている。

 伊藤佐千夫の『野菊の墓』や武者小路実篤の『友情』を読んで、恋に焦がれていた私などは古びた人間のようだ。時代が変わっていくのに、乗り遅れていることに気が付きもしない。それなのに、叶いもしない「最後の恋」にまだ憧れている。ひとつの見方だけでは真実に辿り着けないのに。

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