大阪に行ったのは初めてでは無かったのに、まるで名古屋とは違っていた。人の数が多いし、外国人と思われる人も多い。そして若い人たちが圧倒的に多かった。阪神が優勝すると飛び込む道頓堀の戎橋(?)へ行ってみた(写真その1)。
派手なコスプレ衣装の若者たちがいる。撮影会なのかと見ていると、女の子ばかりか男の子もいる(写真その2)。恥ずかしいというよりも、得意気な様子で闊歩している。次の日本を、いや世界を支えて行く世代に、不安と羨ましさを感じた。
大阪に来たのは、松竹座で行われた『OSK日本歌劇団OG公演』を観るためだ。長女の小学校からの友だちが出演しているので、家族で応援しようという長女の提案だ。客席は関係者が多いから、年齢層は高く、熱く舞台を見つめている。
出演者は男役と女役の違いはあるが、歌も化粧も踊りも似ている。私はしばらくして眠ってしまい、長女の友だちの出番近くになってカミさんに起こされた。長女の友だちは我が家にも遊びに来ていたから覚えている。
なのに、一生懸命で踊っているし、泣けるような演出でもないのに、観ていたら涙腺から涙が溢れてきた。余りにも瘦せ衰えていて、舞台が好きでみんなと盛り上げたい気持ちが分かっていても、なぜか可愛そうになってしまった。
子どもの頃から歌って踊ることが好きで、学校の成績はトップを維持しながら、「お互いに好きな道で頑張ろう」と約束し、憧れの松竹歌劇団に進んで行った。でも、舞台を見ると、身体は限界に近いと思う。
松竹歌劇は宝塚歌劇と人気を分けていたことは、NHKテレビの朝ドラ『ブギブギ』で知った。松竹歌劇からは淡路恵子や草笛光子、倍賞千恵子や美津子姉妹が誕生している。1990年代はミュージカル路線に切り替えたが、人気を回復することが出来ず解散した。
長い間ご苦労様でした。でも、好きなだけでは長く続けることは出来ない。表現する行為は時代に大きく影響される。大阪の活気は刺激的だが、それを吸収しエネルギーに変えて行くのは、やはり次の世代だろう。
その1
その2