圧巻だった。松坂屋美術館で開催されている吉村芳生展を観てきた。鉛筆画は精密に描くことができるが、この1枚を仕上げるのに何日かかるだろうと観ていて思ってしまう。11月20日(日)までの開催なので、ぜひ見に行って欲しい。
写実的に描くことは、ある程度訓練すれば出来るようになる。子どもの頃から使っている鉛筆は、濃淡が出しやすく精密画には適している。吉村氏は新聞紙に自画像を、鉛筆で毎日飽きずに描いている。ここが違う。何枚も描いていると、嫌になってくるのに、彼は飽きることが無い。
驚くのは、新聞紙に描くだけでなく、新聞をコピーして、文字も写真も広告も全て手描きで再現し、その上に自画像を描いている。なんという労力、なんという集中力、なんという根気か。作品は発想力だと痛感させられる。
吉村氏は山口県の出身で、よく知らない美術の学校を出ている。どんな田舎だろうと、どんな学歴だろうと、凄い作品を創り出す人はいるのだ。他人が思いつかない作品を創り出せなければ、芸術家として認められないが、奇抜であれば評価されるという訳でもない。
私が赴任した高校にも、リトグラフとエッチングの道具は揃っていたし、写真の暗室もあった。自由に、勝手に、これらを使わせていたのなら、新たな作品を創り出す子がいたかも知れなかったと悔やむ。カミさんが、「あなたがやりたかったんでしょう」と言う。
「孫たちの為に買ってある色鉛筆で、もう一度絵を描いたら」と、カミさんがニヤリと笑う。目が見えるうちに、手が動くうちに、色鉛筆で挑戦してみようか。そんな気持ちが湧いてきた。
展覧会のポスターより
気になるのは見てるのですが、コレは気になりましたね。
パンフレットを手にした時に「何コレ」状態。根気以前の問題だなって。
近藤君も言ってるように、是非描いて頂き、同級生タイムスにアップお願いします。
楽しみにしてます。
楽しみにしてますから。