岸田首相の言う「賃上げ」とは、ご自分の給与のことだったのか。今朝の新聞に、給与アップ法案が審議入りしたとあった。首相の月給を6千円引き上げ、月給は201万円6千円とするもので、ボーナスを含めると46万円増となる。閣僚は4千円アップし、月給147万円にする。
まず、自らの「賃上げ」を示し、波及させるいうことかも知れないが、為政者というのは本当に勝手だと思う。私の住む近隣の市でも、市長や議員の給与アップの法案が提出されていた。働く人々は雇用主に、お願いしなければ給料は上がらない。なのに、自分たちはサッサと法案を作って賃上げしていく。
その金額も庶民感覚とは程遠い。そもそも、給与は生活するためのものだから、2千万円とか3千万円も必要ないだろう。そんな高額を受け取る人がいるのに、年収200万円しかない人もいる。収入の多い人の分を減らし、少ない人に回せばもっとみんなが豊かな暮らしが出来るはずなのに、どうしてそれが出来ないのだろう。
学校で、保育園で、介護施設で、あるいは病院で、虐待だとか接し方が悪いとか問題になっている。私は人手が足らないために、発生している現象だと思っている。「子どもや利用者、患者と、ゆったり向き合う時間が確保できていない」と、言う先生や保育士、介護士、看護師の声を、もっと真剣に聞いて欲しいと思う。
先生や保育士、介護士、看護師は、長時間労働が当たり前になっている。仕事の内容が人とのかかわりだから神経を使う。なのに給料は上がらない。働く人がやって来ない。「働き方改革」も大事だが、その前に大幅な給与アップが必要だ。そこそこの給与をもらっている人は後回しでもいいのではないか。