晴れているが、風が強く吹いている。カミさんは友だちとランチ、私はNHKテレビ『のど自慢』を観ながらの食事。司会者の一言や出演者の言葉にウルっときて、ティッシュペーパーで涙を拭きとりながら。
ひとりだからゆっくりと本が読める。昨日から、町田そのこさんの『星を掬う』を読んでいるが、327ページのうちの171ページまで読めた。若い人の文章は難しい漢字がないし、古めかしい表現もないのでスラスラ読める。
新聞の紹介で見ていたもので、書店に並んでいたので買ってしまった。母と娘の凄まじい物語で、胸が詰まるのに先が知りたくて読み進んでしまう。人は愛を求めているのに、愛することは苦手というか下手なようだ。
私もまた、求めるばかりでいるから、そのうちしっぺ返しを受けるだろう。この世界は欲しがる人ばかりで、哀れみも慈しみも先延ばしのようだ。ロシアがウクライナに侵攻してもう半年になるが、停戦の動きは全く見られない。
専門家?が「ロシア国内の動きがポイント」と言っていた。けれど、ロシアの若者たちに今のところ反戦の動きは無い」と言う。日本の若者も政権支持の傾向が強い。安部前首相の国葬反対する人の割合も高齢者ほど高く、若者は国葬に賛成している。
若者たちが世界の動きや政治に関心を持たなくなったのはどうしてだろう。70年代の学生運動がセクトの対立を生み、殺し合いにまでなったことから、反政府運動に対する失望が無関心を生み出したのだろうか。
『星を掬う』は母親に捨てられたことが不幸の源と思い込み、生きる希望も持たなくなった娘の、吐き気がするような残虐な葛藤が描かれている。母親の思いはこの先の展開なのだろうが、人の気持ちのズレにゾッとする。
今年の上半期の芥川賞と直木賞は、ともに女性作家だった。最近は若い女性作家の方が筆力があるように思う。人の心に潜む何かに大胆に迫るものがある。早く読み終えたら、次はリシアン・ベルリンの『すべての月、すべての年』を読もうと思っている。
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