前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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新幹線敦賀開業3年前倒し、福井駅先行開業・・・・自民党や経済界、マスコミの怒涛のような流れだが

2015年01月10日 | Weblog

 新幹線3年前倒しと、稲田政調会長が主張する福井駅先行開業論がマスコミでもおおきく報道されています。県内経済界もここぞ、とばかりです。
 交通問題で発言されている専門家からも「敦賀開業と福井駅先行開業に時間差がさほどないのに費用対効果はどうなのか」との指摘もだされています。
 昨日の街頭宣伝では、この新幹線問題と財政問題などを訴えました。

 怒涛のような報道のなかで、福井新聞の論説の中でつぎのような指摘がされたことは、わたしたちの運動の反映でしょう。
市民団体のJR利用者を中心としたアンケートでも7割が新幹線をのぞんでいない・・・・この福井県民の声を無視した政治でいいのか。が問われます。


「敦賀3年前倒しは、JR西日本が導入予定のフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)が間に合わない可能性がある。新幹線利用だと、乗り換えが不便な敦賀駅の構造上の問題も出てくる。」


「県内隅々に波及効果が届く県民本位の緻密な戦略をスピード感をもって進めるべきだ。市民団体などが現行特急の存続を求めるなど、県民の足確保も重要課題。将来を展望しつつ、足元をしっかり見据えたい。」


■福井新聞・・・・ 新幹線県内開業前倒し ソフト充実含め課題多い

(2015年1月9日午前7時30分)


北陸新幹線の福井延伸、早期開業がより現実的になってきた。政府・与党ワーキンググループ(WG)が金沢-敦賀の3年前倒しを最終決定した。14日の政府予算案閣議決定で正式に決まるが、さらに福井間を2年程度前倒しし、先行開業させることを今後の検討課題とすることも確認した。

 早期開業は、本県が強く要望してきたように、政府も経済効果が大きいと判断したからだ。3月14日には金沢までが開業。本県は後れを取っている。北陸地域での都市間格差が一層懸念される中での朗報である。しかし、福井先行開業のハードルは高く、財政面や技術面での問題も多い。県都の再開発や沿線地域の再整備についても課題があり、ハード以上にソフト戦略の構築を急ぐ必要がある。

 整備計画決定から40年超の歳月が流れた。列島に広がる新幹線網をみても、福井が「空白域」なのは国土の均衡ある発展の観点からもおかしい。政治力を最大限に発揮し、県内政財界、地域、県民一丸となって取り組むべき最重要課題だ。

 当初の計画では敦賀開業が2025年度(26年春ごろ)であり、3年前倒しなら22年度。さらに福井までを2年早めれば東京五輪・パラリンピック開催の20年度に間に合う計算。政府の成長戦略と「地方創生」に乗り、五輪効果を取り込む好機となるのは確かだ。

 だが前倒しには難問がある。敦賀3年前倒しは、JR西日本が導入予定のフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)が間に合わない可能性がある。新幹線利用だと、乗り換えが不便な敦賀駅の構造上の問題も出てくる。現駅併設の福井駅なら支障はない。

 福井先行開業はこうした事情もあるが、新たな財源探しに加え、早期完成を迫られる「新九頭竜橋」は難工事。折り返しに必要な駅周辺の車両基地が必要かどうか、敦賀以西ルートも現実的な議論が求められる。

 政府・与党は14日にまとめる合意文書の中に福井先行開業の検討を盛り込む予定だ。今夏までに結論を得る構えだが、暫定的な手法で運行させる「先行活用」という考え方もある。

 新幹線は、人・モノ・カネ・情報、さらに「時間」や潜在的な資源を動かす原動力ともなる。観光面にとどまらず、あらゆる観点から相乗効果を高め、地域の活性化につなげていく必要があろう。待っていれば実現するものではない。よほどの覚悟と決断力、実行力が求められるのは当然だ。

 春開業に期待が膨らむ金沢は歴史文化と現代性を調和させた都市空間の創造が着々と進む。中核市の富山市は環境未来都市にも選定され、コンパクトシティーとして高質な都市整備を図っている。福井市はどうか。歴史と伝統ある財産を有しながら、まちづくりの方向性がぼやけ、奥行きと幅の広さに欠ける。県と市の連携もいま一つだ。

 新幹線は手段にすぎない。県都の顔づくりは無論、県内隅々に波及効果が届く県民本位の緻密な戦略をスピード感をもって進めるべきだ。市民団体などが現行特急の存続を求めるなど、県民の足確保も重要課題。将来を展望しつつ、足元をしっかり見据えたい。