前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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街頭宣伝。自民党会派分裂。広域原子力防災訓練、マスコミも厳しい指摘。

2016年08月30日 | 福井県政
 昨日は、金元書記長、渡辺常任との街頭宣伝。私は27,28におこなわれた原子力防災訓練の課題や問題点について訴えました。
朝から県議会ではマスコミ記者がいて、「自民党が分裂するとの情報」とのこと。
 午後に議会事務局からFAXが入り、自民党県政会26人から20人が抜けて、県会自民党が結成された、と。
 参院選が終わり、9月議会目前にしての自民党分裂・・・・意味するところはこれから明らかになるのでしょうね。





 はじめての広域原子力防災訓練がやられた意義は大きいと思いますが、マスコミ各紙でもその内容についての実効性には批判がだされています。

■福井新聞・・・・ 原子力広域防災訓練 住民目線で実効性高めよ

(2016年8月28日午前7時05分)


【論説】原子力防災訓練は再稼働の前提条件ではない。だが、事故制圧訓練や住民避難訓練の熟度を高めずして稼働することは安全性確保の観点からも論外だ。

 県は関西電力高浜原発の30キロ圏に入る福井、京都、滋賀3府県と関西広域連合、国合同で広域防災訓練を実施した。過酷事故を想定、県外避難の実効性を初検証したが、3、4号機は既に一度再稼働し手順からすれば問題がある。広域避難には難題が多く、住民の視点に立った訓練の積み重ねが必要だ。

 ■福島の過酷な実態■

 国の原子力災害対策指針では5~30キロ圏内を緊急防護措置区域(UPZ)に定めた。東京電力福島第1原発事故では30キロ圏をはるかに超え深刻な影響を及ぼしている。広域避難計画の早期策定が求められたのは当然だが、原子力防災会議で計画が了承されたのは昨年12月だ。再稼働スケジュールに比べ、取り組みが遅かったのではないか。

 福島は、放射性物質が想定外の範囲で拡散、どこが安全か分からない状況で避難を強いられた。そこに未曽有の大渋滞。国会事故調報告書によると、20キロ圏内の7病院から850人の入院患者が避難、1カ月以内に60人が死亡した。各施設からの遠方避難で命を落とした高齢者はその4倍以上との報告もある―これが過酷な実態である。

 国の事故対策では、まず5キロ圏(予防防護措置区域・PAZ)の住民が放射性物質の放出前に避難、5~30キロ圏は屋内退避も含め放射能の実測に基づいて避難する。2段階避難でスムーズに安全を確保するためだ。であるなら、国主導で緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を活用すべきではないのか。

 ■全住民参加が必要■

 訓練には150機関から約2千人が参加。住民は屋内退避を含め7千人を超す国内最大規模の避難訓練となり、京都府民は約410人が参加した。

 ただ、高浜原発の30キロ圏には高浜、おおい、若狭3町と小浜市に約5万4千人が居住。隣接の京都府には約12万5千人が住む。長期避難にどう対応するのか。訓練を繰り返す中で「全住民参加」を実現させるべきだ。

 訓練では舞鶴若狭自動車道を使用した避難や乗用車からバスへの乗り換え、安定ヨウ素剤配布、スクリーニング、除染などを実施。熊本地震の教訓を踏まえ、家屋倒壊や道路沿いの崖崩れなど複合災害も想定した。

 県の計画では県外避難の受け入れ先を奈良、兵庫、石川3県に設定した。訓練でも100キロ以上離れた兵庫県の宝塚、三田2市に移動した。28日は大飯原発を対象に嶺北への避難訓練を初めて実施する。

 ■想定外塗りつぶせ■

 福島事故では国が放射性物質の拡散方向を把握、指示できず流れた方向に避難する住民が相次いだ。本県の場合、北西の強風が吹く冬場なら関西方面への避難は困難だ。もし海水浴客で混雑する真夏ならどうか。県の推計では30キロ圏からの圏外避難に最長、敦賀原発で15時間50分、高浜は11時間10分を要する。

 訓練では、強風で空海避難を大幅縮小したり、事故を懸念してマイカーは不使用。また小浜市が国指針にない「避難準備指示」を市民に出す不備や避難受け入れ先との連携不足など、問題点も多く見つかった。

 福島の教訓では万一の際、区域ごとの住民避難は「机上の空論」になりかねず、ヨウ素剤配布も計画通りいかないだろう。避難困難な災害弱者を抱え、屋内退避を余儀なくされる施設職員の被ばくリスクに誰が責任を持つかも深刻な課題だ。

 甘い想定やリスク回避の訓練では意味がない。もっと負荷を掛け実効性を高めるべきだ。住民意識調査も行い勇気を持って最悪の場合に対処したい。訓練は「想定外」を克服する第一歩にすぎないのだ。