前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

戦争の時代を引き寄せる現代版治安維持法・共謀罪を許すな!

2017年02月02日 | Weblog
 自民党は共謀罪を強行する構えのようです。公明党も、中日、県民福井コラムに書かれたような役回りか。

 福井弁護士会は昨年11月に反対声明をだしています。

 国民を罪を犯す前から逮捕することができるようになれば、洋の東西を問わず、冤罪もふくめてでっち上げなど容易におこなわれる時代となりかねません。かつての日本でも国民を恐怖政治に陥れ、戦争遂行への役割をになった現代版治安維持法、と批判される理由です。

 福井県内の野党共闘会議でも、この問題での共同の取り組み強化を話し合いました。市民運動と連携して抗議の集会も計画します。

 また、国民救援会は2月25日午後2時から吉川弁護士を講師に共謀罪の危険性についての学習会を福井県教育センターで開催します。ご予定ください。
 

■赤旗

「共謀罪」法案
名前変え、対象絞っても憲法違反の大悪法     NHK日曜討論

 安倍内閣が国会提出をねらう「共謀罪」法案について、自民・茂木氏は「テロを防止するために国際組織犯罪防止条約に入る必要があるが、日本には国内担保法がないため条約を締結できない」と表明。「共謀罪といわれるものには懸念も強かったが、新しく『テロ等準備罪』をつくる」「犯罪件数も六百数十件から相当絞り込まれる」「(処罰対象となる)集団は、暴力団や麻薬密売、テロ組織に限定する」と述べました。

 民進・大串氏は、国際組織犯罪防止条約は国連がいうテロに関する条約に入っておらず、共謀罪をつくった国はたった2カ国だと指摘し、「国民に偽りの説明をして通そうとしている」と述べました。

 笠井氏は「テロ等準備罪というが、政府が恣意(しい)的に犯罪集団を認定する危険がある。準備行為とは何かも明確でない」と指摘しました。

 これまで676とされた対象犯罪を300程度に絞ることについても笠井氏は、テロに関するものは167で、それ以外も含めて「『テロ等』の名で結局、準備行為が罰せられることになる」と強調。「名前を変えても対象を絞っても、過去3回廃案になってきた共謀罪と変わりはない。実行行為のみを処罰する刑法の原則と思想信条の自由を保障した憲法に違反する大悪法だ」と批判しました。


■福井弁護士会 声明

いわゆる共謀罪新法案の国会提出に反対する会長声明―市民の自由が脅かされ,いつの間にか処罰されてしまう世の中にしないために

2003年(平成15年)から2009年(平成21年)にかけて3回にわたり国会に提出され,広範な市民の反対で廃案となった共謀罪創設規定を含む法案(以下,廃案となった法案を「旧法案」という)について,今般,政府は,テロ対策の一環として,「共謀罪」を「組織犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪」(以下「テロ等組織犯罪準備罪」という)と名称を改めて取りまとめた新たな法案(組織的犯罪処罰法改正案,以下,「新法案」という)を本年9月に招集された臨時国会に提出の準備をしていると,マスコミが一斉に報じた。

これらの報道によれば,「新法案」は,「テロ等組織犯罪準備罪」を新設するほか,旧法案において,適用対象を単に「団体」としていたものを「組織的犯罪集団」とし,また,その定義について,「目的が長期4年以上の懲役・禁錮の罪を実行することにある団体」とした。さらに,犯罪の「遂行を2人以上で計画した者」を処罰することとし,その処罰に当たっては,計画をした誰かが,「犯罪の実行のための資金又は物品の取得その他の準備行為が行われたとき」という要件が付されている。

しかし,「計画」とは旧法案の「共謀」の言い換えに過ぎず,共謀を処罰するという法案の法的性質は何ら変わっていない。また,「組織的犯罪集団」の認定は捜査機関が個別に行うため解釈によっては処罰される対象が拡大する危険性が高いし,「準備行為」についても,例えばATМからの預金引き出しなど,予備罪・準備罪における予備・準備行為より前の段階の危険性の乏しい行為を幅広く含み得るものであり,その適用範囲が十分に限定されたとみることはできない。さらに,「新法案」では,旧法案と同様に600以上の犯罪を対象に「テロ等組織犯罪準備罪」を作ることとしているものとしているほか,越境性も要件とされていないことから,市民団体や労働組合,NPO等の活動までもが処罰の対象となるおそれも否定できない状況に変わりはない。



要するに,「新法案」は,外形的行為の認められない意思形成段階に過ぎない共謀それ自体は処罰しないというのが我が国の刑法の大原則であるにもかかわらず,これに真っ向から反するものであり,依然として市民の自由と権利が脅かされるおそれがある点では何ら変わりがないものと言わざるを得ない。

さらに,今般の刑事訴訟法改正に盛り込まれた通信傍受制度の拡大に「新法案」が加わったときには,テロ対策の名の下に市民の会話が監視・盗聴され,市民社会のあり方が大きく変わるおそれさえあると言わなければならない。

既に当会においては,2005年(平成17年)10月及び2006年(平成18年)4月に,「旧法案」におけるいわゆる「共謀罪」新設は,刑法の大原則に反し,市民の自由と権利が脅かされるものであるとして,反対する旨,会長声明を出している。

「新法案」は,憲法の保障する思想・信条の自由,表現の自由,集会・結社の自由等の基本的人権に対する重大な脅威になるばかりか,刑法の基本原則を否定するものであり,当会は「新法案」の国会への提出に強く反対するものである。

 

2016年(平成28)年11月25日

福井弁護士会

    会長  海 道 宏 実



■中日春秋
若い刑事が取調室で容疑者に大声でどなる。机を叩(たた)く。「さあ、白状しろ」。もう一人の温和な老刑事が「そう興奮しなさんな」となだめる。容疑者に優しく声をかける。「カツ丼でも食べるか」

▼一九七〇年代の刑事ドラマにはこんな場面がよくあった。容疑者はやがて温和な刑事に心を開き「旦那、実はあっしが…」。今こうして書くと出来の悪いコントみたいだが、心理的効果を利用した有名な説得方法である。「良い刑事と悪い刑事」という。人は悪い刑事への恐怖心によって、良い刑事にすがるようになり、協力的になるそうだ

▼自民、公明両党には古い刑事ドラマのファンがいるらしい。話は捜査当局の拡大解釈によって人権侵害のおそれが消えぬ組織犯罪処罰法改正案である

▼慎重論もあったはずの公明党だが、公明党の井上幹事長は最近、今国会提出を容認する考えを示した。政府がやや譲歩し、改正案にある「共謀罪」の対象を半分程度に絞り込む姿勢を示していることと関係があるのだろう

▼おっかない法案を政府と自民党が乱暴に言い出し、それを公明党がなだめて、国民が受け入れやすい方向で修正、成立を図る。両党の「十八番」の国会対応で、国民の方もそれで何となく納得しているのだとすれば、二人の「刑事」の効果である

▼公明党には温和なお顔の先生が多い。なるほど、あの役が似合ってしまう。