●2016.12.20 : 平成28年議会運営委員会
◯斉藤委員長 それでは、資料No.3の「地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書(案)」及び別紙資料の「高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書(案)」について、提出者から説明を求める。
◯田中(宏)委員 説明させてもらう。まず、「地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書(案)」については、昨今の地方議会のさまざまな課題の中で、特に町村においてであるが、なかなか議員が集まりにくい状況である。少しでも若い方々、国民が地方政治に参加しやすい環境をしっかりと整備していくためにも、厚生年金への加入ということが必要ではないかということで、本意見書を提出した次第である。
次に「高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書(案)」についてであるが、今議会においてもそれそれの委員会でさまざまな議論がなされた。また、昨日には知事がもんじゅ関連協議会に参加し、福井県としての意向というものを伝えたところであるが、議会としても、各委員会での議論も踏まえ、しっかりと国に対し意見を言う必要があろうと思うので、この意見書案を提出させてもらった次第である。
◯斉藤委員長 ただいまの説明について、質問等があれば、発言願う。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
◯斉藤委員長 委員外議員の発言は、遠慮願う。
◯佐藤委員外議員 質問できないのか。
それは困る。発言させてもらいたい。
◯斉藤委員長 委員外議員は静粛に願う。
■本会議反対討論
◯議長(松井拓夫君) これより、討論に入ります。
佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
佐藤君。
〔佐藤正雄君登壇〕
◯17番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
第71号議案一般会計補正予算案は、県職員の期末勤勉手当の引き上げについては賛成するものでありますが、知事など特別職、県議会議員についても期末手当を引き上げる内容であり、その部分について反対であります。今、新幹線建設や北陸本線買い取りなどの巨額の負担を県財政に発生させる政策を推進する一方で、知事や県議会議員にお手盛りは行うべきではありません。むしろ、引き下げこそ求められる情勢であります。
したがって、第78号議案一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正にも反対であります。
さらに、同議案には扶養手当の見直しが入っています。子育て支援の拡充については賛成できますが、現行の配偶者手当の削減には反対であります。この間、県職員には賃上げの抑制、退職金の大幅カット、退職後の年金額も引き下げなどなど、大きな不利益が押しつけられてきております。さらに、今回の扶養手当削減は、およそ2,200名を超える県職員、教職員、警察職員に不利益をもたらすものであり、到底受け入れられず、反対であります。
次に、第82号議案公安委員会等手数料徴収条例の一部改正は、高齢者講習手数料を5,200円から7,550円に、いきなり4割以上の値上げであり、反対であります。今、高齢者の免許返納についても議論がされておりますが、それだけに高齢者の負担をふやすべきではありません。
続いて、請願についての委員長報告についてであります。
まず、請願第13号は、農業者戸別所得補償制度の復活を求めるものであり、採択すべきです。今、「生産費を大きく下回る米価暴落が続いており、農業、農村が崩壊の危機にある。TPPや米価暴落で、これ以上米づくりは続けられない」という声が福井県内でも広がっています。仮にアメリカが、トランプ新大統領のもとでTPPに参加しなくても、2国間交渉は行うというのが彼の主張であり、日本政府は、アメリカとの交渉で、TPPの危険水準をさらに譲歩させられる懸念があります。2年後には経営安定対策が廃止される方針であり、戸別所得補償制度の復活は、今後の米づくり、地域の再生に向けて、そして「ポストこしひかり」の全国への展開を成功させるためにも、どうしても必要であります。農家を細らせて、「ポストこしひかり」はあり得ないではありませんか。
次に、請願第14号から第17号は、福井の教育をよくする県民連合から、7万人を超える県民署名とともに、松井議長に直接請願されたものであります。採択すべきであります。私も同席させていただきましたが、PTA連合会、青少年育成県民会議、子ども会育成連合会、連合、教職員組合などの皆さんから、行き届いた体制の充実を求める切実な声が議長に届けられました。今、子供たちを取り巻く環境は、発達障害の増加や貧困問題も重なり、非常に複雑になっています。こういう時期に行政がやるべきことは、対応する専門家やスタッフの増員と、貧困家庭やボランティアで取り組む「子ども食堂」などへの直接的な支援をふやし、応援することです。未来の福井と日本を担う子供たちのために、これらの請願は採択すべきであります。
以上、申し上げて討論といたします。
■本会議 議員年金、もんじゅ意見書質疑、討論
第30 発議第19号 地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書(案)
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地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書(案)
地方創生が我が国の将来にとって重要な政治課題となり、その実現に向け大きな責任を有する地
方議会の果たすべき役割は、ますます重要となっている。
こうした要請に応えるため、地方議会議員の活動も幅広い分野に及ぶとともに、より専門的な知
識が求められ、専業として活動する議員の割合も高くなっている。
しかしながら、昨年実施された統一地方選挙では、道府県議会議員選挙の平均投票率が過去最低
となったほか、無投票当選者の割合が高くなるなど、住民の関心の低さや地方議会議員のなり手不
足が大きな問題となった。
こうした中、選挙権年齢の引下げに伴い、若者に対して政治への関心を高めるための啓発活動の
充実強化を図るとともに、全ての地方議会議員を目指す志のある人の議員立候補が行われやすいよ
うに、年金制度を時代に相応しいものとすることが、人材の確保につながっていくと考える。
よって、国においては、国民の幅広い政治参加や、地方議会における人材確保の観点から、地方
議会議員の厚生年金加入のための法整備を早急に実現するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年12月20日
福 井 県 議 会
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◯議長(松井拓夫君) 次に、日程第30を議題といたします。
お諮りいたします。
本意見書案につきましては、お手元に配付のとおりであり、その内容については御了承願えたことと存じますので、会議規則第38条第3項の規定により、提案理由の説明は省略したいと存じますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(松井拓夫君) 御異議なしと認めます。
よって、そのように決定いたしました。
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◯議長(松井拓夫君) これより、本件に対する質疑に入ります。
佐藤君より質疑の通告がありますので、許可することにいたします。
佐藤君。
〔佐藤正雄君登壇〕
◯17番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
ただいま提案されました地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書案についてお尋ねをいたします。
今、全国的に、議員の政務活動費不正請求などをめぐり、国民全体から地方議員全体に厳しい目が注がれております。実際に税金投入で支えることになる年金制度の提案については、国民、県民の理解を得られている状況ではないと考えます。性急な採択ではなく、慎重な審議を行うべきではないかお尋ねをいたします。
◯議長(松井拓夫君) 斉藤君。
〔斉藤新緑君登壇〕
◯32番(斉藤新緑君) ただいま、佐藤君より地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書案についての疑義なりが出されたわけでございますが、お手元に配付した書面のとおりでございますので、御理解をいただきたいと思います。
◯議長(松井拓夫君) 以上で、通告による質疑は終了しましたので、ほかにないものと認め、本件に対する質疑は終結いたしました。
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◯議長(松井拓夫君) お諮りいたします。
本件につきましては、会議規則第38条第3項の規定により、委員会付託を省略したいと存じますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(松井拓夫君) 御異議なしと認めます。
よって、そのように決定いたしました。
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◯議長(松井拓夫君) これより、本件に対する討論に入ります。
佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
佐藤君。
〔佐藤正雄君登壇〕
◯17番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書案は、確かに、民間企業などとの兼職議員ではなく、会社を退職して議員専業となった方が将来低額の国民年金への加入となっている事情などの解決の方策であり、地方議会への参与をより促進する制度整備ではあると思います。
しかし、御承知のように、最近の地方議会をめぐり、富山の例が繰り返し全国報道されましたように、政務活動費の不正受給などで国民的な批判と注目が集まっています。県内でも、政務活動費の導入を計画していた議会でも見送りがされているようです。このような地方議会をめぐる国民、県民感情と状況に鑑みれば、公費を投入し、議員の年金制度を新たに求めることは、慎重さが必要であります。
福井県議会でも、まず先に行うべきは、議員年金の意見書を上げることではなく、政務活動費について領収書も含むネット公開を行うなど、議会と議員の情報公開を行うことであると考えております。
以上、申し上げ反対討論といたします。
◯議長(松井拓夫君) 以上をもって、通告による討論は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、本件に対する討論は終結いたしました。
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◯議長(松井拓夫君) これより、採決に入ります。
その方法は、起立によって行います。
日程第30 発議第19号 地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書案を原案のとおり決定することに賛成の方は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
◯議長(松井拓夫君) 起立多数であります。
よって、本件は原案のとおり可決されました。
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第31 発議第20号 高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書(案)
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高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書(案)
国においては、平成26年に閣議決定したエネルギー基本計画において、「もんじゅ」を核燃料サ
イクル政策の中核施設と位置づけたことを踏まえ、長期的視野に立ち、覚悟を持って取り組む必要
がある。
本県は、県民の安全・安心の確保を大前提に、「もんじゅ」をエネルギー研究開発拠点化計画の
中核施設と位置づけ、国の核燃料サイクルの確立に協力してきたところである。
しかしながら、政府は9月21日に開催された原子力関係閣僚会議において、高速増殖原型炉もん
じゅについては「廃炉を含め抜本的な見直しを行うこと」とし、その取扱いに関する政府方針を、
今後の高速炉開発の方針と併せて、今年中に原子力関係閣僚会議で決定することとした。また、昨
日行われたもんじゅ関連協議会においても、本県が求めている運営体制や研究内容等について十分
な説明はなく、廃炉の方針だけが決定されようとしている。
国においては、下記の事項について真摯に進めていくことを強く要望する。
記
1 「もんじゅ」に関する総括を行い、立地地域に十分に説明をすること。
2 「もんじゅ」については、その存廃にかかわらず安全確保が最優先であり、今後の管理運営体
制を国が主体となって早急に構築するとともに、必要な人材及び予算を確保すること。
3 「もんじゅ」を活用した研究や、本県が進めてきた「エネルギー研究開発拠点化計画」への協
力等については、引き続き協議を行い理解が得られるよう十分な対応をすること。
4 もんじゅに係る政策変更に伴い、地域の経済や生活に大きな影響が生じないよう、また立地地
域が発展していけるよう、引き続き協議を行い、政府が一体となって必要な地域振興策を講じ
ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年12月20日
福 井 県 議 会
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◯議長(松井拓夫君) 次に、日程第31を議題といたします。
お諮りいたします。
本意見書案につきましては、お手元に配付のとおりであり、その内容については御了承願えたことと存じますので、会議規則第38条第3項の規定により、提案理由の説明は省略したいと存じますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(松井拓夫君) 御異議なしと認めます。
よって、そのように決定いたしました。
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◯議長(松井拓夫君) これより、本件に対する質疑に入ります。
佐藤君より質疑の通告がありますので、許可することにいたします。
佐藤君。
〔佐藤正雄君登壇〕
◯17番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
ただいま上程されました高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書案についてお尋ねをいたします。
かつて福井県民20万人を超える、「もんじゅ」は動かさないでほしいという署名が福井県知事に提出されておりますように、危険で税金の無駄遣いの「もんじゅ」廃止の方向には、賛同する県民も多くおります。
この意見書案で言う「もんじゅ」を活用した研究とは、再稼働が含まれるのかどうか、端的にお尋ねをいたします。
◯議長(松井拓夫君) 斉藤君。
〔斉藤新緑君登壇〕
◯32番(斉藤新緑君) ただいま、佐藤君より高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書案についての質疑がなされたわけでございますけれども、書面に書いてあるとおりでございますので、御理解をいただきたいと思います。
◯議長(松井拓夫君) 以上で、通告による質疑は終了しましたので、ほかにないものと認め、本件に対する質疑は終結いたしました。
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◯議長(松井拓夫君) お諮りいたします。
本件につきましては、会議規則第38条第3項の規定により、委員会付託を省略したいと存じますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(松井拓夫君) 御異議なしと認めます。
よって、そのように決定いたしました。
───────────────
◯議長(松井拓夫君) これより、本件に対する討論に入ります。
佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
佐藤君。
〔佐藤正雄君登壇〕
◯17番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書案について、反対の立場で討論いたします。
この意見書案にある「もんじゅ」について総括を求めること、安全確保最優先は当然のことであります。しかし、「もんじゅ」を活用した研究、原発推進前提のエネルギー研究開発拠点化計画への協力を求めている点は、多くの国民、県民の「もんじゅ」を廃止してほしい、原発に頼らない社会をつくってほしいとの願いに背くものであり、賛成できません。
きのうの政府の高速炉開発会議は、「もんじゅ」の廃炉後も高速炉の開発を国、メーカー、電力事業者、研究機関が連携した体制で進めるとする高速炉開発の方針案を取りまとめました。「もんじゅ」の計画失敗の反省も総括も全くないまま、経済産業大臣は実証炉に着手できると断言し、核燃料サイクル路線、高速炉の実現を考えています。なぜ、原型炉で失敗しながら実証炉に着手できるのでしょうか。全くいいかげんな話です。
ところで、きのうは西川知事が参加して「もんじゅ関連協議会」も開催されました。「もんじゅ」廃炉方針、福井県知事反発などと、繰り返し全国ニュースなどで報道されました。知事は、再説明を要求しておりますが、「もんじゅ」廃炉の方向が変わることはないでしょう。
しかし、私も議会で主張しましたように、1兆円以上の税金と40年の歳月を費やした失敗の反省と総括抜きに、新たな試験研究炉とか核燃料サイクル堅持などの方向を政府が押しつけることは許されません。
以上、申し上げまして反対討論といたします。
◯議長(松井拓夫君) 以上をもって、通告による討論は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、本件に対する討論は終結いたしました。
───────────────
◯議長(松井拓夫君) これより、採決に入ります。
その方法は、起立によって行います。
日程第31 発議第20号 高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書案を原案のとおり決定することに賛成の方は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
◯議長(松井拓夫君) 起立多数であります。
よって、本件は原案のとおり可決されました。
可決されました意見書2件につきましては、直ちに関係当局に提出し、その実現方について強く要請いたしますので、御了承願います。