前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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2016年12月県議会最終日  高齢者講習手数料大幅値上げなどに反対。議員年金、もんじゅ意見書に質疑討論

2017年02月18日 | 福井県政

●2016.12.20 : 平成28年議会運営委員会 

◯斉藤委員長  それでは、資料No.3の「地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書(案)」及び別紙資料の「高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書(案)」について、提出者から説明を求める。


◯田中(宏)委員  説明させてもらう。まず、「地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書(案)」については、昨今の地方議会のさまざまな課題の中で、特に町村においてであるが、なかなか議員が集まりにくい状況である。少しでも若い方々、国民が地方政治に参加しやすい環境をしっかりと整備していくためにも、厚生年金への加入ということが必要ではないかということで、本意見書を提出した次第である。
 次に「高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書(案)」についてであるが、今議会においてもそれそれの委員会でさまざまな議論がなされた。また、昨日には知事がもんじゅ関連協議会に参加し、福井県としての意向というものを伝えたところであるが、議会としても、各委員会での議論も踏まえ、しっかりと国に対し意見を言う必要があろうと思うので、この意見書案を提出させてもらった次第である。


◯斉藤委員長  ただいまの説明について、質問等があれば、発言願う。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

      〔「はい」と呼ぶ者あり〕


◯斉藤委員長  委員外議員の発言は、遠慮願う。


◯佐藤委員外議員  質問できないのか。
 それは困る。発言させてもらいたい。


◯斉藤委員長  委員外議員は静粛に願う。


■本会議反対討論
◯議長(松井拓夫君) これより、討論に入ります。
 佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
    〔佐藤正雄君登壇〕

◯17番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 第71号議案一般会計補正予算案は、県職員の期末勤勉手当の引き上げについては賛成するものでありますが、知事など特別職、県議会議員についても期末手当を引き上げる内容であり、その部分について反対であります。今、新幹線建設や北陸本線買い取りなどの巨額の負担を県財政に発生させる政策を推進する一方で、知事や県議会議員にお手盛りは行うべきではありません。むしろ、引き下げこそ求められる情勢であります。
 したがって、第78号議案一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正にも反対であります。
 さらに、同議案には扶養手当の見直しが入っています。子育て支援の拡充については賛成できますが、現行の配偶者手当の削減には反対であります。この間、県職員には賃上げの抑制、退職金の大幅カット、退職後の年金額も引き下げなどなど、大きな不利益が押しつけられてきております。さらに、今回の扶養手当削減は、およそ2,200名を超える県職員、教職員、警察職員に不利益をもたらすものであり、到底受け入れられず、反対であります。
 次に、第82号議案公安委員会等手数料徴収条例の一部改正は、高齢者講習手数料を5,200円から7,550円に、いきなり4割以上の値上げであり、反対であります。今、高齢者の免許返納についても議論がされておりますが、それだけに高齢者の負担をふやすべきではありません。
 続いて、請願についての委員長報告についてであります。
 まず、請願第13号は、農業者戸別所得補償制度の復活を求めるものであり、採択すべきです。今、「生産費を大きく下回る米価暴落が続いており、農業、農村が崩壊の危機にある。TPPや米価暴落で、これ以上米づくりは続けられない」という声が福井県内でも広がっています。仮にアメリカが、トランプ新大統領のもとでTPPに参加しなくても、2国間交渉は行うというのが彼の主張であり、日本政府は、アメリカとの交渉で、TPPの危険水準をさらに譲歩させられる懸念があります。2年後には経営安定対策が廃止される方針であり、戸別所得補償制度の復活は、今後の米づくり、地域の再生に向けて、そして「ポストこしひかり」の全国への展開を成功させるためにも、どうしても必要であります。農家を細らせて、「ポストこしひかり」はあり得ないではありませんか。
 次に、請願第14号から第17号は、福井の教育をよくする県民連合から、7万人を超える県民署名とともに、松井議長に直接請願されたものであります。採択すべきであります。私も同席させていただきましたが、PTA連合会、青少年育成県民会議、子ども会育成連合会、連合、教職員組合などの皆さんから、行き届いた体制の充実を求める切実な声が議長に届けられました。今、子供たちを取り巻く環境は、発達障害の増加や貧困問題も重なり、非常に複雑になっています。こういう時期に行政がやるべきことは、対応する専門家やスタッフの増員と、貧困家庭やボランティアで取り組む「子ども食堂」などへの直接的な支援をふやし、応援することです。未来の福井と日本を担う子供たちのために、これらの請願は採択すべきであります。
 以上、申し上げて討論といたします。


■本会議 議員年金、もんじゅ意見書質疑、討論

  第30 発議第19号 地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書(案)
               ───────────────
         地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書(案)
 地方創生が我が国の将来にとって重要な政治課題となり、その実現に向け大きな責任を有する地
方議会の果たすべき役割は、ますます重要となっている。
 こうした要請に応えるため、地方議会議員の活動も幅広い分野に及ぶとともに、より専門的な知
識が求められ、専業として活動する議員の割合も高くなっている。
 しかしながら、昨年実施された統一地方選挙では、道府県議会議員選挙の平均投票率が過去最低
となったほか、無投票当選者の割合が高くなるなど、住民の関心の低さや地方議会議員のなり手不
足が大きな問題となった。
 こうした中、選挙権年齢の引下げに伴い、若者に対して政治への関心を高めるための啓発活動の
充実強化を図るとともに、全ての地方議会議員を目指す志のある人の議員立候補が行われやすいよ
うに、年金制度を時代に相応しいものとすることが、人材の確保につながっていくと考える。
 よって、国においては、国民の幅広い政治参加や、地方議会における人材確保の観点から、地方
議会議員の厚生年金加入のための法整備を早急に実現するよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成28年12月20日
                                福 井 県 議 会
               ───────────────

◯議長(松井拓夫君) 次に、日程第30を議題といたします。
 お諮りいたします。
 本意見書案につきましては、お手元に配付のとおりであり、その内容については御了承願えたことと存じますので、会議規則第38条第3項の規定により、提案理由の説明は省略したいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(松井拓夫君) 御異議なしと認めます。
 よって、そのように決定いたしました。
               ───────────────

◯議長(松井拓夫君) これより、本件に対する質疑に入ります。
 佐藤君より質疑の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
    〔佐藤正雄君登壇〕

◯17番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 ただいま提案されました地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書案についてお尋ねをいたします。
 今、全国的に、議員の政務活動費不正請求などをめぐり、国民全体から地方議員全体に厳しい目が注がれております。実際に税金投入で支えることになる年金制度の提案については、国民、県民の理解を得られている状況ではないと考えます。性急な採択ではなく、慎重な審議を行うべきではないかお尋ねをいたします。

◯議長(松井拓夫君) 斉藤君。
    〔斉藤新緑君登壇〕

◯32番(斉藤新緑君) ただいま、佐藤君より地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書案についての疑義なりが出されたわけでございますが、お手元に配付した書面のとおりでございますので、御理解をいただきたいと思います。

◯議長(松井拓夫君) 以上で、通告による質疑は終了しましたので、ほかにないものと認め、本件に対する質疑は終結いたしました。
               ───────────────

◯議長(松井拓夫君) お諮りいたします。
 本件につきましては、会議規則第38条第3項の規定により、委員会付託を省略したいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(松井拓夫君) 御異議なしと認めます。
 よって、そのように決定いたしました。
               ───────────────

◯議長(松井拓夫君) これより、本件に対する討論に入ります。
 佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
    〔佐藤正雄君登壇〕

◯17番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書案は、確かに、民間企業などとの兼職議員ではなく、会社を退職して議員専業となった方が将来低額の国民年金への加入となっている事情などの解決の方策であり、地方議会への参与をより促進する制度整備ではあると思います。
 しかし、御承知のように、最近の地方議会をめぐり、富山の例が繰り返し全国報道されましたように、政務活動費の不正受給などで国民的な批判と注目が集まっています。県内でも、政務活動費の導入を計画していた議会でも見送りがされているようです。このような地方議会をめぐる国民、県民感情と状況に鑑みれば、公費を投入し、議員の年金制度を新たに求めることは、慎重さが必要であります。
 福井県議会でも、まず先に行うべきは、議員年金の意見書を上げることではなく、政務活動費について領収書も含むネット公開を行うなど、議会と議員の情報公開を行うことであると考えております。
 以上、申し上げ反対討論といたします。

◯議長(松井拓夫君) 以上をもって、通告による討論は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、本件に対する討論は終結いたしました。
               ───────────────

◯議長(松井拓夫君) これより、採決に入ります。
 その方法は、起立によって行います。
 日程第30 発議第19号 地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書案を原案のとおり決定することに賛成の方は、御起立願います。
    〔賛成者起立〕

◯議長(松井拓夫君) 起立多数であります。
 よって、本件は原案のとおり可決されました。
               ━━━━━━━━━━━━━━━
   第31 発議第20号 高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書(案)
               ───────────────
        高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書(案)
 国においては、平成26年に閣議決定したエネルギー基本計画において、「もんじゅ」を核燃料サ
イクル政策の中核施設と位置づけたことを踏まえ、長期的視野に立ち、覚悟を持って取り組む必要
がある。
 本県は、県民の安全・安心の確保を大前提に、「もんじゅ」をエネルギー研究開発拠点化計画の
中核施設と位置づけ、国の核燃料サイクルの確立に協力してきたところである。
 しかしながら、政府は9月21日に開催された原子力関係閣僚会議において、高速増殖原型炉もん
じゅについては「廃炉を含め抜本的な見直しを行うこと」とし、その取扱いに関する政府方針を、
今後の高速炉開発の方針と併せて、今年中に原子力関係閣僚会議で決定することとした。また、昨
日行われたもんじゅ関連協議会においても、本県が求めている運営体制や研究内容等について十分
な説明はなく、廃炉の方針だけが決定されようとしている。
 国においては、下記の事項について真摯に進めていくことを強く要望する。
                     記
1 「もんじゅ」に関する総括を行い、立地地域に十分に説明をすること。
2 「もんじゅ」については、その存廃にかかわらず安全確保が最優先であり、今後の管理運営体
 制を国が主体となって早急に構築するとともに、必要な人材及び予算を確保すること。
3 「もんじゅ」を活用した研究や、本県が進めてきた「エネルギー研究開発拠点化計画」への協
 力等については、引き続き協議を行い理解が得られるよう十分な対応をすること。
4 もんじゅに係る政策変更に伴い、地域の経済や生活に大きな影響が生じないよう、また立地地
 域が発展していけるよう、引き続き協議を行い、政府が一体となって必要な地域振興策を講じ
 ること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成28年12月20日
                                福 井 県 議 会
               ───────────────

◯議長(松井拓夫君) 次に、日程第31を議題といたします。
 お諮りいたします。
 本意見書案につきましては、お手元に配付のとおりであり、その内容については御了承願えたことと存じますので、会議規則第38条第3項の規定により、提案理由の説明は省略したいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(松井拓夫君) 御異議なしと認めます。
 よって、そのように決定いたしました。
               ───────────────

◯議長(松井拓夫君) これより、本件に対する質疑に入ります。
 佐藤君より質疑の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
    〔佐藤正雄君登壇〕

◯17番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 ただいま上程されました高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書案についてお尋ねをいたします。
 かつて福井県民20万人を超える、「もんじゅ」は動かさないでほしいという署名が福井県知事に提出されておりますように、危険で税金の無駄遣いの「もんじゅ」廃止の方向には、賛同する県民も多くおります。
 この意見書案で言う「もんじゅ」を活用した研究とは、再稼働が含まれるのかどうか、端的にお尋ねをいたします。

◯議長(松井拓夫君) 斉藤君。
    〔斉藤新緑君登壇〕

◯32番(斉藤新緑君) ただいま、佐藤君より高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書案についての質疑がなされたわけでございますけれども、書面に書いてあるとおりでございますので、御理解をいただきたいと思います。

◯議長(松井拓夫君) 以上で、通告による質疑は終了しましたので、ほかにないものと認め、本件に対する質疑は終結いたしました。
               ───────────────

◯議長(松井拓夫君) お諮りいたします。
 本件につきましては、会議規則第38条第3項の規定により、委員会付託を省略したいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(松井拓夫君) 御異議なしと認めます。
 よって、そのように決定いたしました。
               ───────────────

◯議長(松井拓夫君) これより、本件に対する討論に入ります。
 佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
    〔佐藤正雄君登壇〕

◯17番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書案について、反対の立場で討論いたします。
 この意見書案にある「もんじゅ」について総括を求めること、安全確保最優先は当然のことであります。しかし、「もんじゅ」を活用した研究、原発推進前提のエネルギー研究開発拠点化計画への協力を求めている点は、多くの国民、県民の「もんじゅ」を廃止してほしい、原発に頼らない社会をつくってほしいとの願いに背くものであり、賛成できません。
 きのうの政府の高速炉開発会議は、「もんじゅ」の廃炉後も高速炉の開発を国、メーカー、電力事業者、研究機関が連携した体制で進めるとする高速炉開発の方針案を取りまとめました。「もんじゅ」の計画失敗の反省も総括も全くないまま、経済産業大臣は実証炉に着手できると断言し、核燃料サイクル路線、高速炉の実現を考えています。なぜ、原型炉で失敗しながら実証炉に着手できるのでしょうか。全くいいかげんな話です。
 ところで、きのうは西川知事が参加して「もんじゅ関連協議会」も開催されました。「もんじゅ」廃炉方針、福井県知事反発などと、繰り返し全国ニュースなどで報道されました。知事は、再説明を要求しておりますが、「もんじゅ」廃炉の方向が変わることはないでしょう。
 しかし、私も議会で主張しましたように、1兆円以上の税金と40年の歳月を費やした失敗の反省と総括抜きに、新たな試験研究炉とか核燃料サイクル堅持などの方向を政府が押しつけることは許されません。
 以上、申し上げまして反対討論といたします。

◯議長(松井拓夫君) 以上をもって、通告による討論は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、本件に対する討論は終結いたしました。
               ───────────────

◯議長(松井拓夫君) これより、採決に入ります。
 その方法は、起立によって行います。
 日程第31 発議第20号 高速増殖原型炉「もんじゅ」の取扱いに関する意見書案を原案のとおり決定することに賛成の方は、御起立願います。
    〔賛成者起立〕

◯議長(松井拓夫君) 起立多数であります。
 よって、本件は原案のとおり可決されました。
 可決されました意見書2件につきましては、直ちに関係当局に提出し、その実現方について強く要請いたしますので、御了承願います。


新幹線敦賀開業でも特急存続を。北陸線第三セクター化の諸課題

2017年02月18日 | 福井県政
2016.12.12 : 平成28年新幹線対策特別委員会での佐藤県議の質疑を紹介します。

◯佐藤委員  今、笹岡委員からも安倍総理も力を入れているという話があったけれども、リニア中央新幹線にも力を入れているわけである。リニア中央新幹線の話で総理が言うのは、東京・大阪は今は別々みたいだけれども、一つの大きなものとして日本の力を強めるんだという言い方をしているわけである。
 それで、仮に北陸新幹線が大阪までつながるとすると、県は東海道新幹線の代替機能だと言っているが、向こうはリニア中央新幹線で東京と大阪をつないで一つの大きな経済圏として位置づけるんだと言っているけれども、その辺の福井の将来の発展構想とリニア中央新幹線を中心として東京・大阪一体化というのは、どのように県は考えているのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  リニア中央新幹線に力を入れているという国の報道もあるけれども、北陸新幹線はもう50年近く運動してきているものであるから、当然リニア中央新幹線に負けることなく先にやってほしいというのが我々の思い。
 それと、特に国土全体を考えると、リニア中央新幹線というのは、国土計画上、複軸の線をつくるのは間違いない話であるし、国土計画上もそういうリニア中央新幹線と北陸新幹線とで、先ほど私も言った大環状ルートもできるという点もある。
 そういう点で、我々としてはリニア中央新幹線には負けることなく、北陸新幹線の財源についても確保してもらいたいという強い思いと、国土計画上の観点からもリニア中央新幹線という位置づけがあるということは当然だと思っている。


◯佐藤委員  よく代替機能ということを言って、最初の部長報告で災害時などの補完だと言ったが、災害時というのはもちろん人の移動が大事になるということもあるが、阪神大震災、東日本大震災を見ても何が大事なのかというと、救援物資などの輸送なわけである。
 そうであるから、仮にリニア中央新幹線をつくったとか、北陸新幹線を大阪までつないだとかいっても、災害時で考えると、貨物新幹線ではないし、貨物リニアではないので、救援物資の輸送体制が強化されるわけではないのである。人の移動という点では確かに早くなる。あるいは大容量で輸送されることになるけれども、災害時と強調するのは特別なほかの意味があるのか。


◯総合政策部長  要は、リニア中央新幹線も、現在の東海道新幹線も、ほぼ同じようなルートを走るわけである。そうしたときに国家のいわゆるリダンダンシーというか、強靭化という意味で言うと、そのエリアに災害が起きたときに、東西の交通をどうやって確保するかという観点から、北陸新幹線を完全な別ルートでつくることに意味がある。
 当然、そのことによって、災害時だけではなく、東京、北関東、信越、そして大阪とつなぐことによる人の流れ、特に外国人の観光客がどんどんふえてくる中で、北陸にそういったものをどうやって取り込んでいくかという観点からも大きな意味があると考えている。


◯佐藤委員  そこで、ここで話すと後の議題だと言われるかもしれないが、今、北陸線があるわけである。当然ここには貨物も走っているわけで、災害時の輸送などの役割も含めて担ってきたし、これからも担っていくだろうと思うが、新幹線が通ることによって、北陸線が第三セクターで各県ごとに分割されていく。貨物は従来どおり通るということになっているのだけれども、線路、信号等含めたいろいろな機器のメンテナンスはそれぞれの第三セクターに任されていくことになるわけである。だから、逆に災害時対応ということを考えれば、新幹線が通ることにより、貨物輸送にとって将来、しばらくは引き継いだばかりで大丈夫だろうけれども、これが5年、10年、20年とたっていくと、それぞれの県の第三セクターの力量の差が出てくることによって、これまではJRによって担保されていた災害時の安定した貨物輸送が弱まるという懸念はないか。


◯新幹線政策監  貨物については、第三セクターの線路を活用して、JR貨物が連続して走っていく。当然特急がなくなってダイヤがすいてくれば、逆に何かあったときには、貨物をふやして、災害時の対応がより一層できるのではないかと考える。


◯佐藤委員  私は、それぞれの第三セクターが担うことになるハード的な面を心配したのでこういう質問をした。
 それから、敦賀までの開業との関係で、今、土地の取得率の話があったが、福井県内でいうと、一番進んでいるところはどこの自治体で何%で、一番おくれているところはどこの自治体で何%なのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線用地)  県内7市町あるが、取得確実な用地を含めて福井市が97%、そして一番低いのは坂井市の19%ということになっている。


◯佐藤委員  坂井市が19%で一番低いということであるが、これは駅がつくられないということでの消極性ということもあるのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線用地)  特段、駅がある、ないは大きな要因ではないと考えている。


◯佐藤委員  変電所であるが、新幹線の運行に必要な変電所は何カ所つくるのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線用地)  県内で3カ所予定をされている。


◯佐藤委員  坂井市にもつくるのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線用地)  坂井市で1カ所、予定をしている。


◯佐藤委員  そこの地権者の方の話だと、急にそのような話が来たと。変電所をつくらなければいけなくなったので、土地を提供してくれと急に言われても困るという話を聞いたが、県としてはどのように認識しているのか。新幹線の運行のために変電所が必要であることは、設計の当初からわかっていたのだけれども、その集落の地権者にしてみれば急な話だというこの認識の違いは、どこからきているのか。


◯新幹線政策監  直接地権者と交渉する前に、いろいろな地区で対策委員会などの組織がつくられ、まずそこといろいろ交渉しながら段階を踏んでいって、地権者に入っていくという手続を踏むため、地権者のところまで情報がいくのに時間がかかったかもわからない。そういうふうに進めており、個々の地区の話については、この場では控えさせてもらいたいと思う。


◯佐藤委員  個々の話に深く立ち入るかどうかは別として、新幹線という設計をした当初から変電所が何カ所ぐらい必要なのかということは、わかっていたことであるし、それをどこにつくるのかということは当然、JRと鉄道・運輸機構が相談して決めていただろうから、その話が今こういう段階になって出てくるということでは、これは逆に言うと不信になるのではないかということで、質問させてもらった。特定の地区の話をここでやりとりするというつもりはないが、ある意味、こういうことで必要になるんだという説明がきちんとされていないことの裏返しということもあるのではないか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  新幹線政策監も言ったけれども、平成24年6月に認可があり、その後、事業説明会、設計協議というのがあった。設計協議というのは、いわゆるどこの地区に変電所を置くかということで、図面に落とすわけであるけれども、平成26年になってから設計協議をしている。
 そこで、初めて坂井市に変電所をつくるということがわかり、場所も特定されるので、その地権者の地元に行って、集落に、ここに変電所ができるということをおくれることなく鉄道・運輸機構のほうから説明をしている。それは間違いない話である。


◯佐藤委員  話題をかえるが、フリーゲージトレインについて、この場でも何回も質問しているけれども、前回の9月議会で11月には国の検討結果もまとまるということであった。検討結果の内容と、これが九州やあるいは北陸新幹線に与える影響について、簡潔に説明してもらいたい。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  フリーゲージトレインの質問であるが、確かに平成26年11月に中断されており、ことし再開を判断するということになっていた。11月18日に技術評価委員会を開催して、条件が満たされないということで、年度内の耐久走行試験の再開が先送りされた。なぜかというと、中断を受けて部品を改良していたわけであるが、再びふぐあいが出て、技術面の検証が長引いており、今回半年かけてもう一度検証してみようということである。半年間の検証試験が終わった来年の6月ごろに、再開のめどをもう一度、評価委員会に諮るということで、決定している。


◯佐藤委員  導入を計画している九州新幹線と、福井の北陸新幹線に対する影響はどうであるか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  九州新幹線は、間違いなくフリーゲージトレインということでやっており、本県も認可時にフリーゲージトレインを使うことになっている。JR西日本の社長は九州で走らせることが条件と言っているので、フリーゲージトレインの走行試験がこのままずるずるとおくれれば、確かに北陸でも導入がおくれることは間違いない。ただ、国としては、間違いなくフリーゲージトレインを導入するということで、一所懸命、検証試験をしているので、それを見守っていくというような状況である。


◯佐藤委員  従来から要望している特急の存続ということにもつながってくるが、先日、新聞を読んでいると、富山、石川両県の知事が福井県の立場を応援するということで、国の検討委員会の場でも発言したということが載っていた。ほかも読んで共通しているのは、福井県の敦賀─小浜─京都の立場を応援するということはもちろんあるが、金沢どまりで、金沢乗りかえというのが富山県民にとっては非常に負担になっているということを富山県知事も言っている。石川県知事も金沢乗りかえの心理的な負担等が大きいということを言っている。
 そうであるから、乗りかえが発生しない小浜京都ルートを押すのだということを言っているので、これは理屈としてはなるほどと思ったわけである。
 それで、敦賀で乗りかえが発生するわけであるから、これを富山県知事や石川県知事が言っている理屈に照らせばどう解決するかというのが、大事な問題だと思うのである。
 先日、自民党の山本拓衆議院議員がとにかくしらさぎは金沢まで残そうということを石川の議員に話されたということも、マスコミで報道されていた。
 自民党の関係者も本格的にしらさぎを金沢まで残して、中京圏とはつなごうという話をしているのは、それはそれで結構なことだと思うが、フリーゲージトレインが完成しないのであれば、サンダーバードも残してもらって、セットで当面は中京圏も関西圏も残すということで、ルート問題が決まれば、そろそろ福井県としてもきちんと要請すべきではないか。


◯新幹線政策監  福井駅の乗りかえ利便性も含めてであるけれども、敦賀の乗りかえ利便性については、山本拓議員が委員長をやっている福井駅先行開業等検討委員会での検討事項になっている。ただ、確かに今は敦賀以西の関係の検討委員会が中心に進められているが、ある程度、敦賀以西が決まってくれば、また敦賀の乗りかえ利便性の話になってくると思うので、そこでの検討状況を見きわめていきたいと思っている。


◯佐藤委員  そういうことで、鯖江市などを含めて、自治体や地方議会でもそういう意見書も上げられてきているので、ぜひ福井県として大きく声を上げて、責任を持って頑張ってもらいたいということは再度要望しておく。



◯佐藤委員  今の関連である。11月6日に鯖江市で開かれた北陸新幹線に関する意見交換会である。これは国土交通省鉄道局の水嶋次長が来られたものだが、県も参加していたかもしれないけれども、私も傍聴させてもらった。見ていると思うが、そこで、敦賀市からの要望事項・駅の問題と、それから、福井市からの要望事項・駅の問題ということで、資料が配られた。
 今の答弁だと、基本設計と実施設計を2年ぐらいということで、この敦賀市と福井市からの要望事項に沿って、基本設計がやられているという答弁ではなかったような気がするが、それはやられているという認識ではないのか。要望は要望で聞きおくというだけになってるわけか。そこをはっきりもう一回答弁願う。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  先ほど言ったけれども、検討委員会で今、議論している最中であるので、そこのところは今それを待っている状況である。


◯佐藤委員  質問の趣旨は基本設計、実施設計と進んでいく中で、この福井市からの要望や敦賀市からの要望がちゃんと取り入れることになるのか、それとも、1回基本設計が終わった後で、やはりどうしても福井市からの要望をやらないといけないということになると、手戻りになってもう一回やり直すことになるのか、その辺をもうちょっとはっきりさせてほしいということである。


◯総合政策部長  先ほど申し上げたのは、2年間の期間で発注はしているけれども、その結論を待ってかかるということである。


◯佐藤委員  そうすると、先ほどの笹岡委員の質問にもあったように、敦賀市からの要望、福井市からの要望、これはそれぞれ県としてはきちんと取り込んでもらえるように、例えば福井市だったらホームの開口部を3カ所にふやしてほしいとか、それから以前もここで議論になったが、歩行空間と待合空間をきちんと確保するような設計に変更してほしいとか、これらを含めてきちんと要望して、それが反映されるように県としても望んでいるということでよいか。


◯新幹線政策監  既に、国土交通省やJRに対して、いろいろ協議しているけれども、今、国のほうは先ほど言った旅客流動シミュレーションを敦賀駅と福井駅との両方でやっているようで、これが今後明らかになってくれば、再度協議の場を持ちたいと考えている。


◯佐藤委員  この国土交通省の水嶋次長の説明資料では新南越駅と芦原温泉駅については資料を配らなかったけれども、福井駅先行開業等検討委員会では、新南越駅と芦原温泉駅についても同じような要望が出されているということか。


◯新幹線政策監  南越駅と芦原温泉駅については、特段、国に対して要望は出されていない。


■並行在来線

◯佐藤委員  一般質問でここにいる小寺委員が質問したことに関して、気になったので、確認しておきたい。今あるJRの資産、施設、これをなるべくいい状態にして、第三セクターに引き継ぐことになるのかということについて、あのときの部長の答弁は、要するにいい状態に更新すれば、当然施設の価格に上乗せされるというものだったと思う。ある意味で資産価値が上がるということだと思うが。
 そこで富山県、石川県、福井県ということで、ばらばらの第三セクターになるわけであるが、これがそれぞれの県の財政力、思惑によって状態が変わった段階で第三セクターに引き継ぐ、つまり、福井県はこの程度でいいよと、石川県はこの程度のランクできちんと更新してから引き継いでくれよというように変わることがあり得るということか。


◯交通まちづくり課長  福井県も含めて、金沢から西側の資産譲渡交渉を今後JR西日本と進めていくことになるけれども、それについては、石川県といろいろと意見交換をしながら、進めていきたいと思う。相手はJR西日本一本であるので、県によって対応を変えるということは恐らくないとは思っているけれども、そういったところもしっかりやっていきたいと思っている。


◯佐藤委員  当然だと思うが、先ほど言ったように貨物列車は福井、石川、富山とずっと走り続けるわけだから、貨物列車がきちんと安定して走れる線路でないと、貨物列車の速度に対応した線路をキープしないとまずいし、トンネルやその他の設備もある意味では今の北陸線の状況をキープし続けなければいけないとこういう認識であるか。


◯交通まちづくり課長  第三セクターの会社になってからも、おおむね10年間はJRから応援の社員を大量に派遣をしてもらって、10年間でJRがこれまでやってきたいろいろな手法を新会社のプロパー社員に伝達してもらい、管理基準をJR並みの水準にしていくなど、引き継いでいく作業をこれからすることになる。それについては先行している富山県なり、石川県なりも同じような手法でしているので、我々も当然、そういうふうにしてくれということで、JR西日本に対しては要請していくし、そのようなことを求めて、しっかり管理水準を同じようにしたいと思っている。


◯佐藤委員  恐らく当然だと思う。だけれども逆に言うと、資産価値が上がって引き取り価格が上がるとか、あるいは第三セクターに引き継いだ後も、その水準をキープしていかなければいけないから、県財政なり、あるいは市町財政の負担がふえるということになるので、これは大きな問題だと思う。財政負担がふえ続ける、一定水準で維持していかなければいけないという点では、大きな負担をかぶることになるので、県の要望書にも書いてあるけれども、きちんと国からの財政措置は求め続けてもらいたいと思っている。
 それと、もう1点は新幹線の工事をすることによって、例えば芦原温泉駅でも、福井駅でもそうであるが、ホームの環境が今よりも悪くなるというようなことは出てくるのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  ホームの環境というか、そこはJR、鉄道・運輸機構と調整してやっているので、ダイヤ上は問題なく進めるようにやるということは聞いている。


◯佐藤委員  私が聞いているのは、第三セクターに引き継ぐことになる資産である。例えば今の乗りおりをするホームが新幹線の工事等によって、幅が狭められるとか、そういうことが出てくるのかと聞いているのである。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  そういう影響はないと聞いている。

国保広域化。子ども医療費窓口無料化。ひきこもり対応。サービス付き高齢者住宅

2017年02月18日 | 福井県政
2016.12.09 : 平成28年厚生常任委員会及び予算決算特別委員会厚生分科会
健康福祉部関係での佐藤県議の質疑を紹介します。

■保育人材確保対策事業
◯佐藤委員  保育人材確保対策事業費について、再就職後2年間の県内での従事で返還免除とのことであるが、再就職して2年間でやめる人は、どの程度いるのか。
 また、20万円の貸し付け実績はどうか。


◯企画幹  保育人材確保対策事業について、当初予算において、国の財源を活用しながら、20万円の再就職準備金を3カ年、1年当たり50人ずつであるので、150人分の3,000万円を措置している。
 今回、国の単価の上限額が40万円に引き上げとなり、その分に応じて3,000万円を補正予算に計上した。この再就職準備金は、引っ越しや研修、また被服の用意に活用してもらうものであるが、今年度は、制度の周知に少し不十分な点もあり、実績は3人となっている。
 残り2年余りあるので、県としても社会福祉協議会とタイアップして、制度の周知に努めていきたい。


◯佐藤委員  県としては、潜在的な対象者は何人ぐらいと考えているか。


◯企画幹  潜在者をリストアップするまでには至っていないが、県内で保育士資格を持つ人は約1万名であり、そのうち保育士として働いている人が、その半分の約5,000名である。県内、県外と住所は分かれると思うけれども、約5,000名が潜在的な保育士資格の保持者である。


■国保広域化
◯佐藤委員  国民健康保険制度の改革については、以前、10月、11月ぐらいに一定の試算のようなものを提示していくとの説明があった。報道によると、全国では、試算をして、その半分ぐらいの市町は従来よりも保険料が値上がりすると発表しているところもある。
 福井県でも、そのような簡易な試算はできているとすれば、17市町のうち、どれぐらいが保険料が上がり、どれぐらいが下がるのか、もうわかっているのか。


◯長寿福祉課長  以前の説明は、10月に国から試算のシステムの関係が配付されるとの内容であり、それから試算を行っているのであるが、このシステムを使って算定する際の係数や、市町から提供してもらったデータについて、精査を行っているところであり、それを提示できる段階には、まだ至っていない。
 報道とは、北海道の試算の公表のことだと思うが、北海道は保険者数がかなり多いこともあり、先に公表している。ほかの都道府県においては、本県と同様、現在、試算の精査をしている。市町に正確な数字を示すことが必要だと思っていおり、まだ精査中であるので、1月以降速やかに提示していきたい。


◯佐藤委員  以降とは幅が大分あるけれども、1月以降に提示するとのことである。先ほど3月議会までに条例改正を行うとの答弁があったが、再来年の3月議会までという意味か。


◯長寿福祉課長  平成29年度の3月議会であるので、平成30年3月である。


◯健康福祉部長  野田委員の質問にも関係するが、最終的な市町の条例改正などについては、今ほど長寿福祉課長が答弁したとおりである。
 ただし、国民健康保険法上、都道府県が国民健康保険運営方針を策定することになっており、その時期は来年の秋ごろになると思うけれども、法律上、それを審査する運営協議会も設置する必要があるので、それについては、平成29年2月議会、本年度の次の議会に提案できるよう、現在作業を進めている。


◯佐藤委員  国民健康保険運営協議会は、県につくられるのか、各市町につくられるのか、合同でつくられるのか。


◯長寿福祉課長  国民健康保険運営協議会は、次の2月議会にそれに関する条例を上程予定であるが、県に設置するものである。現在も市町には、既に運営協議会が設置されており、保険料の料率を議論している。今回、県も保険者になるので、それに際し、運営方針等を策定するための議論をするに当たり、県にも運営協議会を設置する。


◯佐藤委員  以前も心配したのであるが、保険税がどれぐらい変わるのかについては、一人一人の県民と世帯にとっては大きな問題である。しかし、今ほどの説明では、再来年の3月に、福井市であれば、福井市議会に条例を提案して可決して、4月からの新しい保険税を示すやり方である。要は、市民には直前までわからないことになる。
 だから、試算をできる限り早く、県民に公表して、議論してもらうことが必要だと思う。これだけの大きな制度変更であり、ある県のように保険税が3割も上がるのでは大変である。その辺を含めて、県民に対する周知とその後の議論について、どのように対応するのか。


◯長寿福祉課長  県として市町に試算を提示をするのは来年1月以降と答弁したけれども、その後に、住民に公表するタイミングについては、市町とも相談しながら、決めていく必要があると思っている。委員の言われるとおり、市町の条例改正を行う平成30年3月のぎりぎりになってから住民に提示して議論してもらうことは、難しいと思うので、かなり早目に公表したい。
 一方で、県が策定予定の国民健康保険運営方針において保険料率の算定方法などを定めることになっているけれども、この方針も、県民にパブリックコメントなどを行うことも検討しているので、今年度中に可能かはわからないが、来年度中の早い段階には県民に提示して議論してもらいたい。


◯佐藤委員  先ほど質問もあったとおり、現在、福井市を初め、各市町が独自に繰り入れをしている。今度、新しい制度になると、県も独自に繰り入れができる仕組みになると聞いているのであるが、半月ぐらい前に、大きく報道されたように、国の方針で、当初予定していた県単位で国民健康保険に振り分ける財源が数百億円の単位で削られることになれば、かなり大きな影響があると思う。
 全国規模ではあるが、削られる数百億円を全部、県民負担に切りかえることになれば、これは大変なことになるので、県として、国の財政の動向も見ながらではあるが、一定の繰り入れをして激変緩和に活用することはあるのか。


◯長寿福祉課長  先般から報道されている国費の削減については、県に設置する財政安定化基金──インフルエンザなどが流行した際など、給付費が急に上がるときに、その基金を財源に県の国民健康保険の特別会計に補填をして活用していくものであるが、その一部について削減するものである。平成30年度以降に急激な変動があった場合に補填をするものであるので、国からは、その部分が削減されたとしても、制度の施行に十分な額は確保しているとの説明を受けているのであるが、この国費については、もともと国と地方の協議の場で、制度移管に伴い絶対に公費の拡充が必要だとして、約束として決められているものであるので、今後、引き続き全国知事会等を通して十分確保するように要求をしていく。


◯佐藤委員  国が地方との約束を破ることは許されないので、頑張ってもらうことは当然である。
 それで、新システムの算定により保険税が値上がりするような場合、県独自に財政的に一定程度繰り入れをして、急激な上昇を抑えることもできると聞いているのであるが、県としては、そのような対応を含めて考えているということでよいか。


◯長寿福祉課長  保険料の激変緩和に使うための基金もあり、それは先ほどの削減されると報道されている財源とは別になるけれども、その活用は考えている。今後、試算の結果、保険料が急激に上がる市町に対しては、どのように基金を活用して激変緩和をしていくのか相談していく予定である。


■子ども医療費窓口無料化

◯佐藤委員  次に、子ども医療費の窓口無料化に係る国民健康保険のペナルティーの問題について、一般質問もしたけれども、国は、結局、小学校に入る前までを無料化する方向と思われるが、福井県の場合は、県と市町が協力して中学校卒業までを、償還払いによる医療費の無料化を行っている。それで、現在は中学校卒業まで行っているものを、国の制度が仮に就学前までだとすると、小学校1年生から中学校3年生までは対象外になってしまう。
 このため、県独自で市町と協力して、窓口無料化を小学校入学までと幅の狭いものにするのではなくて、中学校卒業までとして、子育てを応援して、人口減少対策を強化するよう、制度設計を急いでほしい。
 ただし、一般質問における知事の答弁は、それも含めて検討しなければならないとの、余り前向きなものではなかった気がするので、その辺について県の考え方をはっきりさせてほしい。


◯企画幹  現在、国において、子ども医療費の窓口無料化に向けて、そのような方向で議論がされているが、本県における制度は、県が小学校3年生までを市町に応援し、市町は中学校3年生までを独自に応援し、県全体では中学3年生までの償還払いによる無料化が実施されている。
 委員が言われるとおり、仮に国において就学前までを窓口無料化とした際に、中学生までを同様に窓口無料化することは、当然一つの議論の材料であるので、現在、それを含めて市町と協議しており、今後、詰めていかなければならない問題だと思っている。


◯佐藤委員  一般質問でも言ったけれども、県の決断がおくれればおくれるほど、事務レベルの準備には1年近くかかるのではないかと担当者は言っていたが、おくれていく。
 だから、福井県は現行で中学校卒業までの償還払いによる無料化は行っているのであるから、その実行を決断して、例えば、来年度の途中からでも実行して、その後、国が小学校入学前までは対応することになれば、その分のペナルティーに必要な財源は不要となる。本県は人口減少対策や子育て応援を打ち出していることからも、前向きに考えてほしい。ぜひお願いしたいが、部長どうか、やる気があるのか、ないのか。


◯健康福祉部長  かつて請願も採択されている案件だと重々承知している。一方で、国民健康保険のペナルティーについては財政運営に多大の支障があるため、全国知事会は、これは直ちに廃止するよう強く要望している。
 現在、国の社会保障審議会の審議状況については、先般の一般質問で佐藤委員から紹介があったとおりであるが、いずれにしても、まだ結論が出ているわけではなく、年末の予算編成のぎりぎりまで──先ほどの国民健康保険の国費削減の問題も同様だと思うけれども、まさに、全国知事会、地方と国との協議がこれから最終局面に進むわけであるので、まずは、それを見きわめた上で対応していきたい。
 ただし、県としては、当事業は県と市町の共同事業であり、窓口無料化の範囲はいろいろとあるけれども、国の方針が一旦ある程度決まれば速やかに対応できるよう、準備だけは現在も進めている。


■ひきこもり
◯佐藤委員  認知症の問題も大変だと思うが、先日、ひきこもりについて国が補助金を出して調査をしているとの報道があった。親が80歳ぐらい、子供が50歳ぐらいになったときに、子供が引きこもっていた場合、親が倒れてしまうと、どうにもならないので、共倒れになるとの深刻な問題があり、今後それがふえてくる可能性があるため、国が調査しているとのことである。そのうち、福井県内の実態がわかってくるのかもしれないが、県は、その実態をどのように把握しているか。


◯障害福祉課長  まさに引きこもっている状態であるから、実態の完全な把握はできないけれども、国、厚生労働省や、関係機関が調査や推計等を行っている。国の数字に合わせると、県内では世帯数は1,400世帯ぐらい、人数は3,000人ぐらいと推計される。
 その対応としては、ひきこもり地域支援センターを、平成26年から総合福祉相談所内に設置しており、その場所で待っている姿勢ではなく、市町など、いろいろなところに情報提供を依頼し、あるいは、保護者が心配になり電話相談を受けることがあるため、その場合には、家庭に直接出向いてフォローをしている。


◯佐藤委員  私も何件かの相談を受けたことがあるが、センターの人が行けば会うのかもしれないが、県議会議員が行ってもなかなか会おうとしてくれない。
 相談件数は何件ぐらいか。


◯障害福祉課長  平成27年度は、延べ数になるが、訪問による相談は約300件ぐらいであり、電話相談が130件ぐらいである。一方で、出向いての相談は100件ぐらいである。実数としては、20人弱ぐらいに対して、訪問とアウトリーチにより取り組んでいる。


◯佐藤委員  これも特効薬があるわけではなく、いろいろな経緯もあるし、子供から高齢者、このようなひきこもりまで、全てが行政にかかってくるから大変だと思うけれども、今ほど答弁があったように、福井県内で3,000人との数は、決して少なくないと思うので、行政としてのいろいろな支援、努力をお願いする。
 次に、先ほど特別養護老人ホームの話があったが、特別養護老人ホームに入所できない人も実際に多くいる。それで、現在、福井県内でもサービスつき高齢者向け住宅が結構ふえてきていると思う。この実態を教えてほしい。


■サービス付き高齢者住宅

◯長寿福祉課長  県内のサービスつき高齢者向け住宅は、平成28年11月1日現在で47カ所、1,381戸が開設されている。


◯佐藤委員  入所状況はどうか。


◯長寿福祉課長  入所戸数が1,075であり、入居率は79%である。


◯佐藤委員  先ほど話があったとおり、要介護3や4でなければ、特別養護老人ホームには入所できないけれども、老夫婦で行き場がないから、そのようなところに入る人も結構いるので、大事な施設だと思う。大事な施設であるけども、民間がベースであるので、基準等はどうなっているのか。
 県の資料によると、夜間の職員がゼロ、要は常駐職員がゼロの施設があり、いざというときには、コールセンターによる対応や夜間の巡回をしているから大丈夫となっているようであるが、自分では自由に動けない、認知症や車椅子の人が、30人、50人とまとまって入居しており、夜間に管理できる職員がゼロである施設が、県内でも結構ある。この辺の安全面などの問題について、県としてどのような認識か。


◯企画幹(福祉施設)  サービスつき高齢者向け住宅については、実はいろいろな形態があり、特定入所者生活介護という介護保険上の入所施設の位置づけのものもある。
 その場合には、特別養護老人ホーム等と同じように、介護職員等の配置基準もきっちりと定められており、施設によっては、ヘルパーステーションやデイサービスが併設されており、そこの入所者に専用でヘルパーを派遣したり、デイサービスに来てもらったりして、介護の必要な人に対し、夜間も含めて、見守りだけではなく介護をしている施設もある。
 私も、いろいろなサービスつき高齢者向け住宅を巡回しているが、入所者にとっても、そのようにいろいろな対応ができる施設や、元気なうちから入って、介護が必要になったときには、サービスを利用できるような構造になっており、続けてそこにいることができる施設があるので、一概に、サービスつき高齢者向け住宅に配置基準上の人員がいないからといって、そこが十分な体制にないということではないことは理解してほしい。


◯佐藤委員  それでは、県の資料では夜間の配置人員、常駐人員はゼロという施設は何か所もあるけれども、今ほど説明があったとおり、併設している施設等があり、大丈夫であることは確認しているとの、認識でよいか。

      〔「はい」と呼ぶ者あり〕


◯佐藤委員  わかった。

もんじゅ。老朽化原発。除染汚染水問題。

2017年02月18日 | 福井県政
2016.12.09 : 平成28年厚生常任委員会及び予算決算特別委員会厚生分科会での佐藤議員の質疑を紹介します。

■土砂災害警戒区域と避難所
◯佐藤委員  平成28年度12月補正予算案主要事業の説明資料3ページの一時集合施設への放射線防護対策事業について、河野小学校に対する放射線防護対策との記載があるが、その場所は、今問題になっている土砂災害警戒区域ではないのか。


◯危機対策・防災課長  この小学校の土地は、土砂災害警戒区域、いわゆるイエローで表示されている区域内には入っているが、建物に直接影響を与える危険性の高い土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドで表示されている範囲ではない。その区域内に設置されている小学校に放射線防護対策を行うことについては、国や関係市町などの関係者と協議の上で決めている。


◯佐藤委員  報道された一覧表を見ても、福井県の場合はやはり地形的に、そのような施設が土砂災害警戒区域等に設置されている例が非常に多い。だから、大地震と原発事故との複合災害のあったときに、新聞では高浜町住民の声が紹介されていたが、その場所が避難所として使えるのか心配だとの声が出てくる。
 県としては、今後、そのような問題の対応はどうするのか。


◯危機対策・防災課長  県では、これまでも、耐震性や津波、また建物の構造などとともに、土砂に対する対応も考慮した上で、施設の場所を選定している。特に、本県の原発の近隣地域については、半島部または海岸沿いという立地条件等のさまざまな制約もある。その立地条件の中で、それらの災害も想定し、国や市町とも協議しながら、よりリスクの少ない施設を選定してきた。
 なお、特別警戒区域内に施設があった場合でも、例えば、のり面工事を行う、土砂が流入しないように壁をふさぐ、あるいは強化ガラスにするなどの対応をした上で、放射線防護対策を行っている。
 今後も整備を行う地域については、同じような考え方で、複数の施設の中からより安全な場所を選んで、必要であれば同じように対応した上で、工事していきたい。


■もんじゅ
◯佐藤委員  「もんじゅ」について、一般質問もしたが、改めて尋ねる。
 知事も同じだと思うが、先ほどの部長報告については、長年にわたって我が国の原子力行政の根幹の「もんじゅ」に福井県、地元敦賀市は協力してきており、その地元を置き去りにして勝手に方針を変更することは許されないとの思いがあると思う。
 このため、福井県として、「もんじゅ」に固執する、または「もんじゅ」にかわる高速炉に固執することは出てくるかもしれないが、今「もんじゅ」をどうするかについて、これまでの40年間の反省や総括をきっちりとしなければ、「もんじゅ」を継続するにしても、やめるにしても、あるいは高速炉をつくるにしても、つくらないにしろ、結論だけを押しつけられるようでは、県民にとってもわかりにくい。
 だから、この40年間の議論をまずきっちりと行うことを国に求めるべきと一般質問をしたが、知事の答弁では、その辺が明瞭でなかった気がするので、県としての考えはどうか。


◯原子力安全対策課長  委員が言われるように、「もんじゅ」はこれまでの40年の歴史があり、その間には2次系のナトリウムの事故、その後の保守点検の不備の課題もあった。
 「もんじゅ」については、二つの事柄があると思う。一つは、エネルギー政策としてどのように位置づけるのか、もう一つは、今課題になっている、保守管理の不備の問題についてどのように対応するかである。
 エネルギー政策については、現在のエネルギー基本計画に基づき、核燃料サイクルは引き続き推進するとの考え方のもとに、原子力関係閣僚会議が行われているが、その中でも、高速炉開発会議の中でも、「もんじゅ」の今後の位置づけははっきりしないので、これまで40年間ずっと続いてきたものを、今後どのように活用していくのかについて、はっきりする必要があると思う。
 もう一つ、複数の議員からも意見を受けているが、今回の問題は保守管理の不備であり、これは「もんじゅ」が稼働するかどうかにかかわらず、ナトリウムを取り扱う「もんじゅ」の運営主体をどのように整備していくのかの課題がある。これまでの保守点検の不備の問題も踏まえて、どのように体制を強化していくのかが求められていると思っている。


◯佐藤委員  だから、知事の言葉をかりれば、「もんじゅ」の運営主体の責任に矮小化する問題があると思う。「もんじゅ」の運営主体が、旧動燃ではなく、別の組織であればうまくいっていたのかとの理屈になる。しかし、アメリカ、フランス、ドイツなどで、技術的になかなか難しく、財政的にもコストも非常に高いため、撤退してきた。そのような諸外国の経緯も踏まえ、見直しを求めるとの議論も、国会でも、県議会でもあったのであるから、旧動燃ではなく、別の組織であれば今ごろうまくいっていたとの理屈は、そう単純にはいかない。
 アメリカ、ドイツ、フランスでもうまくいかなかった。その辺はどうか。


◯原子力安全対策課長  先ほども言ったとおり、「もんじゅ」については二つの問題があり、それらを分けて考える必要があり、エネルギー政策としての核燃料サイクルのあり方の中で、高速炉の取り扱いをどうするのかとの指摘だと思う。
 まずは核燃料サイクルを堅持し、その中で高速炉開発を進めていくことが、国の基本的な考え方であるが、フランスと協力できるのか、国内基盤の整備をどうするのかなどについて、現在、高速炉会議で検討されている。それは、これまでの課題も含めて、政策としてしっかりと考えられるべきものだと認識している。


◯佐藤委員  課長、論点をそらしてもらっては困る。知事が運営主体の問題だと言っているのは、わかりやすく言えば、車が事故を起こしたときに、車が悪いのではなく、運転手が悪いと言うことと同じだと思う。だから、「もんじゅ」は悪くない、旧動燃、あるいは原子力機構が悪いと、知事が言っているのではないか。


◯原子力安全対策課長  政策──核燃料サイクルの問題、「もんじゅ」そのものの問題、運転主体の問題と三つあると思う。
 「もんじゅ」そのものについて、これまで2次系のナトリウムなどの問題があったが、「もんじゅ」を単純にやめるとかやめないとの話ではなくて、政策の中でどのように位置づけて今後やっていくのか、何を活用していくのかが重要だと思う。その中で、これまでの反省を踏まえるとのことだと思うので、それは、「もんじゅ」そのものではなくて、エネルギー政策と非常に密接に関係すると思っている。


◯佐藤委員  いろいろな管理の上では旧動燃や原子力機構が悪い面もあるが、外国でも、アメリカやドイツなどでも苦労してもなかなかうまくいかなかった例を見れば、「もんじゅ」を運営してきた旧動燃や原子力機構などが別の組織であれば、うまくいったということはないと思う。
 その技術自体がなかなか困難だという点、また財政的にも1兆円を超える莫大な税金を投入しても、40年かけても先が見通せない点、技術的な難しさと財政的な負担の大きさがあるので、これらについて国民的にきっちりと議論し直す必要があるのではないかと言っている。
 だから、初めに、とにかく高速炉という出口が見えればよいとの議論になってしまうことは問題だと思う。「もんじゅ」はだめであったが、高速炉は必要である、それを福井県内につくってもらえれば一番よいとの議論に誘導しようとしているとすれば、これはおかしいのではないか。


◯原子力安全対策課長  現在、実証炉の議論があるが、もともと高速炉開発が必要であれば、どのような観点から必要かについての説明は当然必要だと思うし、その中で、「もんじゅ」は研究のための原型炉であるので、これまで行ってきた研究を今後どう生かすのかをはっきりしてもらうとともに、国は、先日の高速炉開発の方針の骨子案の中で、今後「もんじゅ」も活用するとの考え方も示しているのであれば、活用の仕方もはっきりしなければいけない。先ほども言ったが、政策と「もんじゅ」の存在は一体のものであるので、どのような政策のもとに「もんじゅ」を活用していくのかについて、はっきりしてもらう必要があると思う。


◯佐藤委員  「もんじゅ関連協議会」に知事が参加して、文部科学大臣と経済産業大臣と協議した。しかし、協議会とはなっているものの、実際は協議はしていないのではないか。協議の場として、文部科学大臣が何回、経済産業大臣が何回、西川知事は何回発言しているのか。


◯原子力安全対策課長  11月25日の「もんじゅ関連協議会」は、文部科学省主催であるが、文部科学大臣、経済産業大臣から、これまでの経緯や現在の高速炉開発会議が行われている状況について、まず説明があり、その説明に対して知事が所感を述べた。その所感に対して、それぞれ、文部科学大臣が受けとめるなどの発言があった。1往復と、それに対する国の受け答えだったと思う。


◯佐藤委員  知事は1回ぐらいしか発言していないのであるから、発言時間の長短は別として、いろいろとディスカッションした、協議したとの感じではないと思う。事務レベルで何回も下打ち合わせをして、あそこに至ったのであろうが、事務レベルでは何回ぐらい協議しているのか。


◯原子力安全対策課長  「もんじゅ関連協議会」における知事の発言について、本県の考え方は事務レベルでも伝えているが、回数については、今、詳細に把握していない。


◯佐藤委員  いや、把握していないというのではなくて、言葉が適切かはわからないが、事務レベルとは、課長や部長レベルのことである。知事が話に行く前に、その事務レベルによる文部科学省や経済産業省との打ち合わせは何回ぐらいしているのか。


◯原子力安全対策課長  電話も含めて、それぞれの立場でそれぞれの相手との話があるので、それらを総括した回数は今答弁できない。


◯佐藤委員  次の「もんじゅ関連協議会」に向けた打ち合わせも始まっているのか。


◯原子力安全対策課長  「もんじゅ関連協議会」は文部科学省が主催しており、次回開催するかどうかなどについては、文部科学省が調整していると思う。
 ただし、県としては、知事が前回の「もんじゅ関連協議会」で申し上げた趣旨等について、その後もフォローのため国に申し上げている。


◯佐藤委員  文部科学省の主催であるが、私は、福井県知事、福井県側から協議会を開くべきとのアピールをしたと認識している。あれでもう全て終わり、あれでよいというわけではないであろう。


◯原子力安全対策課長  「もんじゅ関連協議会」は過去にも開いたことがあり、今回も知事の求めに応じて国が開催したとの趣旨だと思う。
 それで、まず県としては、前回の「もんじゅ関連協議会」で知事が福井県の考え方を述べたことから、それに対して国から誠実な回答を受けることが必要であり、次回の「もんじゅ関連協議会」の時期や開催の有無について、現在、協議や調整をしているものではない。


◯佐藤委員  「もんじゅ関連協議会」を開催するかはわからないとの答弁であるが、国が決め打ちしてから、福井県がそれを単に受けとめるだけでは、県議会も納得しないし、地元の人も納得しないと思う。私が言っているように、協議自体が国民にも県民にも非常に不透明であるし、国が突然に言ってきて、知事が1回だけ出ていって協議会を開いて決められてしまうのでは、進めるにしても退くにしても、やり方としては問題があると思う。
 だから、もっと丁寧な議論を求めていく必要があるし、年内に決めてしまうことへの議論などもあるが、いずれにしても、県として、地元の敦賀市だけではなく、広い意味での県民の声をきっちりと聞いて、集約して、国との協議に臨んでほしいが、その辺はどうか。


◯原子力安全対策課長  「もんじゅ関連協議会」は先月25日に開催されたが、高速炉開発会議が10月から3回開かれている。
 それで、高速炉開発会議が開催された当日、文部科学省が福井県及び敦賀市に来て、高速炉開発会議の内容、例えば、「もんじゅ」についてのコストや得られた知見の取り扱いなどを説明し、それに対して副知事が「もんじゅ」の位置づけをはっきりするよう申し上げているため、そこは「もんじゅ関連協議会」だけではないと思う。また、このほか、11月4日に原子力環境安全管理協議会があり、その中でも文部科学省に説明を求めている。
 引き続き、県民にわかりやすく説明するよう国に対して求めていきたい。


■老朽化原発問題
◯佐藤委員  部長から、「もんじゅ」の前に、美浜3号の問題について報告があったが、老朽化原発である高浜1・2号機、美浜3号機が相次いで原子力規制委員会の適合性審査をクリアして、県も再稼働に向けた工事に入ることは了承している。この美浜3号機は、福井県民にとっても特別な思いがあり、福島原発事故が起こる前は、日本の原子力発電所の中である意味一番大きな事故を起こしている。
 美浜3号機の平成16年の事故の原因とともに、その後の関西電力の改善はきっちりと進められているとの認識か、伺う。


◯原子力安全対策課長  平成16年の2次系の配管破断事故については、その後、関西電力は、毎年、安全文化が消えないようにフォローを進めていると思う。
 ただし、今回の規制基準そのものは、福島事故を踏まえたシビアアクシデント対策や基準地震動の変更の一方で、40年を超えることについて審査するものであるので、新たにさまざまな安全対策を実施することが重要だと思う。今後、工事の実施についての事業者としての考え方、判断が示されると思うが、県としては、40年を超えるプラントについては慎重に判断をしていく必要があると思っている。


◯佐藤委員  事故当時、関西電力の関連会社、日本アームが点検を担当していたが、点検漏れがあり、あのような破断事故を起こして、11名が死傷する大事故に至ったとの記憶がある。
 その後、関西電力が、そのような下請け任せの点検はせずに、責任持って全部直接点検する体制とすると言っていたと思うが、そのような体制は今日まで維持されているのか。


◯原子力安全対策課長  さまざまな協力会社の協力を得ながらだと思うが、関西電力として責任を持って対応していると考えている。


◯佐藤委員  今回、原子力規制委員会は検査制度の見直しも検討し始めたが、これは具体的にどのような内容で、福井県の原子力発電所の審査にどのような影響が出てくるのか。


◯原子力安全対策課長  原子力規制委員会は、検査の方法についてまだ検討中の部分があると思うが、これまでは、保安検査として、ある程度時期を決めて、四半期に1回という形の検査を行っていたけれども、その時期をある程度フレキシブルに──言葉の解釈上の問題があるかもしれないが、抜き打ち的な検査ができる体制に変えていくと認識している。


◯佐藤委員  私は、かつての原子力安全・保安院でも、今回の原子力規制庁にしても、常駐して、頻繁に原発に出入りして、やりとりもしているが、「もんじゅ」のような事態の改善には至らなかった、以前の美浜のような事故を防ぐには至らなかった問題が、国のそれらの部門にはあると思っている。
 今回の検査制度の見直しにより、より安全性が高まるのかといえば、今ほどの答弁ようにフレキシブルと言えば、よいほうに解釈できるものの、私が直接原子力規制庁に確認したわけではないが、よりデスクワーク的になるのではないか、要は書類審査等が中心になってくるのではないか、現場に行く回数が今よりも減る危険性があるのではないかとの報道がある。これについて、県としての見解はどうか。


◯原子力安全対策課長  原子力規制庁には約1,000人の職員がいるが、現在、新規制基準の対応等のため、東京で、机上でその審査をしている実態があると思う。
 委員が言うように、現場で実機を見ながらの日ごろの指導もあると思うし、現場に職員を置いて検査をすることが、現地の安全につながるので、従来から、県として、現場の人数をふやすよう繰り返し国に求めているところであり、原子力規制庁も今後現場の人数をふやさなければいけないとの認識はあると、委員長の記者会見などからも考えているが、その具体的な姿を早く見せてもらう必要があり、現場の体制強化は何よりも必要だと考えている。


◯佐藤委員  原子力規制委員会は老朽化原発を60年動かすことを次々と認めてくる。その一方で、現場できっちりと点検や確認をする職員の数が減り、書面審査だけで行う傾向になれば、これは県民として一層不安になる。そのようにならないよう、しっかりと要求してもらえるか。


◯原子力安全対策課長  引き続き国に求めていきたい。


■除染汚染水の行方
◯佐藤委員  防災について、一般質問における再質問が中途半端に終わったので、伺う。
 福井県の高浜原発で事故が起こったとの想定で、8月末に広域の訓練が行われたが、そのときに、福井県からの人や車両などが京都府のスクリーニングポイント等で除染作業を受ける、車両は水で除染されて、その水を自衛隊のタンク等に収集する訓練が行われた。人の場合はふき取り等の訓練が行われたと思う。
 問題は、その処理に使ったあとの汚染水や汚染物質が一体どこへ行くのかであり、不思議に思った。これまでの訓練では、汚染水の回収等は行われていなかったので、それはそれで問題であったが、汚染水の回収を本格的に行うと、その汚染水、汚染物質はどこに行くのかが問題だと思い、内閣府に問い合わせた。
 内閣府からは、関西電力が処理するとの回答であったので、関西電力が処理するといっても、京都府内にある関西電力の施設で処理、保管するのか、あるいは発生源である福井県の関西電力の施設へ持って帰るのかと問い合わせたところ、福井県内の関西電力の施設に持ち帰ってもらうとの回答であった。これは県も同じ認識か。


◯危機対策・防災課長  スクリーニングの除染作業で出る処理水について、県から内閣府に確認したところ、内閣府からは、まず、高浜地域の緊急時対応、いわゆる広域避難計画において、スクリーニング検査のときの汚染水は原子力事業者が処理することは決まっているが、ただし、どこに保管するのか、あるいはどのように処理をするのかについては決まっていないと、また、原子力事業者が発電所内で汚染水等を保管、処分することについては、関係自治体等の了解がとれていないため、今後、関係者とともに協議をするとの回答を受けている。
 県としては、国はそのような認識であるため、今後、引き続き国に対して方針を示すよう求めていきたい。


◯佐藤委員  私が一般質問で取り上げた共産党の国会議員団に対する回答と、福井県庁に対する回答が少し違うと思うが、それはともかく、原子力事業者、今回の場合は関西電力が、きっちりと引き受けるとのことである。県としては、福井県内に持って帰ることを認めるのか。


◯危機対策・防災課長  今ほど答弁したとおり、広域避難計画では事業者が処理することが決まっているので、事業者として処理についての考え方を決めておくことは当然必要だと思っている。ただし、内閣府に確認したとおり、具体的にどうしていくのかについては、関係府県も含めた了解も必要と思っているので、今後、国や事業者に対して、この考え方を示すよう求めていきたい。


◯佐藤委員  京都府で除染したときに、京都府内で保管してほしいのか、福井県の原発で発生した放射性物質を京都府で除染したものであるので、福井県に持って帰ることを認めるのか、どちらかと聞いている。


◯危機対策監  現時点では、地域原子力防災協議会において決定した広域避難計画の中で、汚染水等については原子力事業者が処理することまでしか決まっていない。スクリーニング場所は、今回は京都府綾部市や、県内でも幾つか、南越前町にもにあったので、実際に行われる場所や、そこで出てくる量などは、千差万別だと思う。その中で、計画において事業者が処理をすると決められている以上、具体的にどこにどのように保管して、最終的に処理するのかについて、事業者自身にまず考えを持ってもらうことは必要であり、それは当然だと思うけれども、国に確認しても、最終的には、今後関係者の中で相談して決めていくとのことであるので、現段階で、例えば、京都府で出た汚染水については京都府で処理すべき、あるいは原因者が県内の原発であるので、県内に持っていくべきということまで、具体的によい悪いを論じる段階でないと思っている。


◯佐藤委員  私は、よい悪いを論じてるわけではなく、現実に防災訓練を行っているのであれば、その防災訓練で出た汚染水をどうするのかという真っ当なことである。その処理まではっきりさせなければ、防災訓練は完結しないのではないか。


◯危機対策監  訓練の中で、水を使う、ペーパーを使うなど、いろいろな処理をする。委員が言われるとおり、その後の処理を最終的にどうするかについては、今回の訓練の中で含めていない。
 今後の訓練の中では、いろいろなパターンがあるのであれば、訓練の中でそれらを折り込んでいくことは考えられるけれども、最終的に一時的にどのような保管をするのか、水が大量に出てきたときに、全部の水をそのまま持って帰ってこないといけないのか、除染した場所でできる処理があるのか、どのような形で移送するのかなどを含めて、最終的な処理の方法等については、技術的な問題もあり、今後協議していく話だと思っている。


◯佐藤委員  共産党の国会議員に内閣府の職員が回答したように、福井県内の関西電力の施設に持ち帰ってもらうのであれば、新たな問題として福井県民の中で議論する必要があるし、かかわりも出てくるから、きっちりと対応しなければ無責任である。
 だから、来年に次回の訓練を行うと思うけれども、京都府などの他府県や内閣府と協議することは前提であるが、その協議をして、汚染水や汚染された紙や布などの処理をどうするのかなどについて、きっちりと明確にして、関係者にわかるようにしてほしいが、それでよいか。


◯危機対策監  県内の原発に限った話ではなく、全国の全ての原発について同じような問題があり、一つの県の中で完結するところもあれば、本県のように圏域でまとめるところもある。一事業者、あるいは福井県だけの問題ではなく、全ての事業者及び関係府県共通の課題だと思っており、それについて内閣府も認識をしていると思うので、必要であれば、その関係者──どこまで含むかは別として──に対し方向性を示すよう、引き続き求めていきたい。

2016年12月県議会一般質問。戦争法。もんじゅ。放射能汚染水の行方。子ども医療費窓口無料化。歩道を明るく

2017年02月18日 | 福井県政
◯17番(佐藤正雄君) 議場の皆さん、県民の皆さん、おはようございます。日本共産党の佐藤正雄です。
 間もなく75回目の戦争開戦記念日がめぐってまいりますが、安倍首相と稲田防衛大臣は、遠く離れたアフリカの南スーダンへ派遣する自衛隊に駆けつけ警護などの憲法違反の安保法制、戦争法に基づく新任務を与えました。多数の福井県民を含む日本人300万人もの犠牲を出したさきの戦争の過ちを繰り返させないと、戦後71年間、日本国は一人の外国人も殺さず、一人の自衛隊員も戦死させずに今日まできました。
 それでも、これまでのPKO活動で、海外に送られた福井県出身の自衛隊の方もおられます。以前その方のお母さんとお会いした際に、毎日、毎日、息子さんが派遣された国の方角に向かって手を合わせて無事を祈っているとお聞きしたことがあります。安保法制、戦争法に反対する福井市内での街頭署名活動でも、私自身が何人もの自衛隊員の御家族の方の心配の声をお聞きしてまいりました。
 11月30日には、自衛官の息子さんを持つ50代の母親が、南スーダンへの派遣差しとめと撤退を求めて札幌地裁に提訴いたしました。このお母さんは、自分が産んだ子も、誰の子も死なせたくないと訴え続けております。今、ふるさとを遠く離れた内戦状態にある南スーダンに武器、弾薬を持って乗り込ませ、殺すかもしれない、殺されるかもしれない状況に日本人を置いた安倍政権、稲田防衛大臣。私は怒りでいっぱいです。
 知事にお尋ねをいたします。
 私にすら自衛隊員の御家族の不安の声がさまざま寄せられているぐらいですから、知事にも届いていることでしょう。福井県は、自衛隊員募集業務に積極的に協力しております。県民の命と安全を守ることが最大の仕事である知事にとって、安保法制、戦争法に基づき自衛隊員の命と身体をいわば戦闘状態にある他国に送り込むことに対して、きっぱり反対すべきではありませんか。見解をお尋ねいたします。


 次に、原子力行政について質問いたします。
 11月30日に日本原電敦賀2号機で点検工事中に、放射能を含んだ一時冷却水が作業員10人にかかるという事故が起こりました。また、たび重なるトラブルが続く「もんじゅ」では、9月に起こった火災事故の原因はいまだに不明との状況です。停止中の原発でも安全に対する意識の緩みが起こることは許されません。

 さて、「もんじゅ」については、知事も参加する協議会が開かれ、続けて、高速炉開発会議が開かれました。開発方針では、「核燃料サイクルを推進し、高速炉の研究開発に取り組む」などが示されていますが、この間の「もんじゅ」の失敗についての総括も反省もない姿勢です。
 知事は、代表質問への答弁で、運営主体の整備、敦賀市において研究開発、人材育成を行っていく具体的な方策を示すように求めています。
 しかし、今、大事なことは、国も県も高速炉の研究開発ありきで進むのではなく、まともに運転できなかった「もんじゅ」について、まず反省と総括、評価を明らかにし、国民と県民の中で議論すべきと考えますが、知事の見解をお尋ねいたします。
 さて、先日、テレビで福島県飯舘村の村長選挙にかかわる番組がありました。「福島原発事故のことを忘れないでください」と、繰り返しカメラの前で話す男性、高濃度の放射能で汚染されたふるさとのキノコを干して、においを嗅ぐ女性、食べてしまう男性の映像に、かつて見たチェルノブイリ原発事故後に、ほとんどの人は避難したのに、ふるさとに戻り、生活している高齢者の映像が重なりました。
 原発事故から来年3月で6年になろうとしていますが、放射能汚染は続き、原発の廃止措置の展望も不透明です。災害関連死亡者は福島県だけがずば抜けて多く、災害そのものの死亡者を上回っています。最近では、福島の子供に対する転居先でのいじめが大きく報道されました。また、教師によるいじめも明らかになりました。福島県の子供たちは、みずからの意思で好んで転居したわけではありません。子供たちを苦しめている原因の大もとは、原発事故であります。「首都圏へ電気を送り続け、経済成長を支えてきたのは福島県の原発だったじゃないか」というようなせりふでは、事故の避難者も受け入れ先の住民の気持ちも納得できず、空虚に響くだけです。
 国民の多数が、とりわけ福井の原発の電力利用地域である関西地域で、原発再稼働反対の声がひときわ高いことを考えずに、再稼働へばく進するようでは、福井県の孤立につながりかねないのです。時代と消費者の要求が、原発から離れてきていることをしっかりと認識することが必要です。
 8月に高浜原発事故を想定した県境を越えた避難訓練も行われましたが、9月議会でも指摘しましたように、とても実効性のある訓練とはいえませんでした。そこで、内閣府に、除染作業によって発生するであろう大量の汚染水や汚染物質の処分はどうするのかと質問いたしました。日本共産党の藤野やすふみ衆議院議員と倉林明子参議院議員にも同席をいただき、その後、議員事務所を通じて届いた内閣府からの回答は、「除染作業で発生した汚染水などは、福井県内の関西電力の施設に移送し、保管する」というものでありました。
 関西の経済のために福井県の原発は貢献しているというわけですが、福島のような事故の際に発生する放射能汚染物質は、京都や滋賀など他府県で飛散、処理したものも含め、福井県内に搬送されるのであります。
 福島原発事故でも、原発立地自治体に広大な汚染ごみの処分場がつくられています。福島の現実と向き合えば、ふるさとに放射能汚染物質が押しつけられてくること、住民への保障や賠償も打ち切られ、見捨てられていくこと、事故を起こした東京電力は、破綻もせずに利益を上げる一方で、後始末の費用負担は国民負担とされること、これが、冷厳な現実です。原発はクリーンでも安価でもありません。
 西川知事は、福井県は発電は引き受けたが、ごみは引き受けないとおっしゃいますが、政府は、福井県の原発事故で発生し、他府県で処理した放射能汚染ごみ、汚染水、これらは高浜町やおおい町や美浜町など、福井県内に持ち込み、保管すると言っているんです。このような問題を県民に隠したまま原発再稼働を進めることは、論外ではありませんか。原発事故の際の福井県と県民が背負うリスクについて、福井県の責任で、県民への説明責任をなぜ果たさないのですか。
 原発事故の際に発生した県外の汚染ごみ、汚染水を福井県に押しつけられる、このような原発再稼働にはきっぱり反対すべきではありませんか、知事の見解をお尋ねします。


 次に、子供の医療費の問題で質問します。
 全国からおくれている子供の医療費の医療機関での窓口無料化についてであります。
 私もかねてから議会で要求し、県議会でも福井県医師会などからの請願もあり、全会一致で採択されました子供の医療費窓口無料化に、ぜひ新年度から踏み出していただきたいと思います。
 厚生労働省が社会保障審議会医療保険部会に示した見直し案では、何と就学前の子供に限り、国の罰則措置を見直すという極めて不十分な内容です。今、福井県内では、中学卒業までの医療費無料化が進んでいるわけですから、小学校入学前までしか対象にしないという極めて不十分な安倍政権の対応が明らかになった以上、多くの都道府県同様に、福井県独自に直ちに取り組むべきではありませんか。
 2009年から、中学3年までの窓口無料化を実施している群馬県では、その前後でぜんそく患者の受診は20%ふえ、アトピー性皮膚炎では16%ふえたそうです。つまり、それまでは、受診抑制、病院に行かないということがあったということであり、子供の健康にとって医療機関での窓口無料化が急がれます。また、東京23区では、2007年から、中学3年まで窓口無料化していますが、都民全体の救急車出動件数はふえていますが、中学生以下は窓口無料化の早期受診もあり、増加しておりません。また、救急夜間診療も減少傾向にあるそうです。効果ははっきり出ています。
 担当課のお話では、窓口無料化の準備には1年ぐらいかかるかもしれないということですから、知事の決断がおくれればおくれるほど、福井県の子供は置き去りにされます。福井県でも、全国並みの中学卒業までの窓口無料は直ちにやろうと、知事が決断すべきではありませんか。知事の決意をお尋ねいたします。


 最後に、高齢化社会に対応した歩道照明について質問いたします。
 かつて子供の通学路に対する歩道を明るくする事業を県として行い、県内各地で取り組まれ、歓迎されました。今後、高齢化に伴う免許返納者の急増とともに、歩道をより安全にしていく取り組みが必要になります。
 例えば、今ごろの時期になりますと、夕方5時ごろから薄暗くなり、6時ぐらいにはもう照明がない歩道は真っ暗と、歩きにくく、危険になります。福井市中心部でも、歩道のでこぼこが見えにくくなることによる転倒とか接触事故のヒヤリハットが報告されております。また、高齢者の交通事故増加で、福井県や県警は、高齢者に自動車や自転車の利用を控えるように呼びかけると報道されました。
 そこで、新たなスキームとして、子供もお年寄りも安心して歩けるまちづくりのために、県が管理する県道について、車道──車の道ですね、車道照明に責任を持つだけではなくて、県が管理する道路の歩道については、県が責任を持って、歩行者の利便性と安全性を高める施策が必要ではないでしょうか。今後、福井国体も含めて、観光誘客も進めるのであれば、なおさら夜に安心して歩けない暗い歩道は解消されなくてはなりません。
 特に、高齢者や子供たちが、会合とかスポーツなどで夜間に集まるのは公民館や学校であります。まずは、公民館、学校周辺の県道について、安全と要望の調査も行って、対応すべきではありませんか。子供と高齢者の安全のためにも、歩道を安心して歩けるように、歩道照明などの整備を計画的に推進すべきではありませんか。答弁を求めて、質問を終わります。

◯議長(松井拓夫君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えいたします。
 安倍政権における安保法制等の課題であります。
 安保法制等に基づき、自衛隊員の命と身体をいわば戦闘状態にある他国に送り込むことに対し、反対すべきではないかとの御質問です。
 昨年9月に安全保障関連法が制定をされ、3月に施行をされています。国家の防衛、安全、国益をどう守っていくかという大きな問題にかかわる課題であり、政府は憲法に則して、この法律を運用するとともに、国民に十分わかるよう説明をしていくことが、この問題の基本であると認識をしております。
 次に、福島原子力発電所事故と福井県の関連する行政についてであります。
 国も県も高速炉の研究開発ありきで進むのではなく、十分運転できなかった「もんじゅ」について、まずは反省、総括、評価を明らかにし、国民、県民の中で議論すべきではないかとの御質問です。
 「もんじゅ」は、平成7年12月の漏えい事故以降、約20年間、ほとんど運転をされていない状況が続いており、今も原子力機構は、保守管理の不備などさまざまな課題が指摘されております。これまで多くの時間をかけながら、十分な成果があらわれず、いまだにこうした状況にあることは、立地地域にとって極めて遺憾であります。
 一方、「もんじゅ」のこれからの取り扱いを議論するに当たっては、原子力機構による管理、運営の不手際という問題が一方であると同時に、我が国のエネルギーの安全保障のための科学的、技術的な将来問題をどう考えるか、これは別の事柄として、それぞれ議論をし、結論を出す必要があると思います。
 国は、「もんじゅ」の取り扱い方針について、机上の議論ではなく、敦賀市、福井県、この現場と離れ離れにならないよう、県民や国民の目に見える形で具体的な議論を進め、地元が納得できる結論を出していただきたいと考えています。
 次に、子供も高齢者も安心して暮らせる施策についての中で、いわゆる子供たちの医療費の無料化について、全国並みの中学卒業まで、そして、病院の窓口のその段階で無料化を直ちにやるべきではないかという御質問です。
 子供の医療費の助成については、福井県は、所得制限を設けず、小学3年までを対象としており、市町が独自に中学3年生まで拡充しておりますので、全国的にも手厚い制度であります。福井県だけの部分を考えますと、小学3年まで福井県は8億円の負担をしておりますが、例えば、石川県、富山県では、3億円ないし4億円の負担でこの応援をしているという状況でありまして、福井県は余り条件とか、いろんなものをつけていないということで、手厚い制度であります。
 一方、国は窓口無料化とする市町に対しては、国民健康保険の国庫負担金を減額措置するという制度を加えており、現在、県内各市町では、この減額措置については、後日返すという方法を講じているわけであります。
 こうした国による減額措置については、全国及びブロック知事会を通し、国にその廃止を強く求めており、先週の全国知事会でも改めて緊急の決議を行ったところであります。これらを受け、国は未就学児までの窓口無料化につきましては、平成30年度から減額措置を廃止する方向で議論をしております。一方、この問題に関連し、一部負担金を残すという検討であるとか、所得制限の必要性についても検討しており、年末までに結論を出すとしておるわけであります。
 福井県といたしましては、こうした国の検討状況を十分注視するとともに、この制度改正が行われた際には速やかに対応できるよう、現在、市町とともに、あらかじめ窓口無料化の対応などについて具体的な協議、検討を進めているところであります。
 その他については、関係部長から答弁します。

◯議長(松井拓夫君) 安全環境部長清水君。
    〔安全環境部長清水英男君登壇〕

◯安全環境部長(清水英男君) 原発事故の際に発生した県外の汚染ごみも福井県に持ってこられるのではないか、そういう原発再稼働については、きっぱり反対すべきではないかというお尋ねでございます。
 住民が避難する際、いわゆるスクリーニングポイントでいろんな除染とかを行うわけですが、その際に発生をいたしました汚染水については、原子力事業者が処理するということになっております。一応決まっているのはそこまででございます。
 なお、こうした事故が起こらないようにということが当然一番大事でございまして、福井県では、福島事故直後から今日まで、福島のような事故は福井では絶対起こさせないという覚悟で、国に先駆けて事業者に安全対策の実施を求め、徹底させてきているところでございます。
 再稼働に当たりましては、県原子力安全専門委員会において、国や事業者の対応を厳格に確認するなど、今後とも、原子力発電所の安全追求に終わりはないという姿勢で、さまざまな課題に対応してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。

◯議長(松井拓夫君) 土木部長辻君。
    〔土木部長辻 義則君登壇〕

◯土木部長(辻 義則君) 私からは1点お答えします。
 子供と高齢者の安全のためにも、歩道を安心して歩けるように、歩道照明などの整備を計画的に推進すべきではないかとのお尋ねでございます。
 歩道の照明につきましては、通学路の安全・安心を確保するため、平成16年度から18年度まで、学校周辺の県管理道路を対象に、事業費約7,900万円を支出しまして、約1,500基の防犯灯を県が設置してきたところでございます。また、今度は、平成23年度から26年度まで、通学路において市町などが実施するLED防犯灯の新規設置要望に対しまして、約5,200万円を補助し、約1,800基の防犯灯設置を支援してきております。
 これまで学校周辺における通学路の夜間の安全対策を優先的に実施してきましたが、議員御指摘の公民館周辺における歩道の照明につきましては、まずは市町の考えを聞いてから対応していきたいというふうに考えております。

◯議長(松井拓夫君) 佐藤君。

◯17番(佐藤正雄君) 知事に再質問いたします。
 「もんじゅ」に関してですが、原子力機構の問題と国のエネルギー安全保障は別の事柄だというふうにおっしゃいましたけども、「もんじゅ」の流れの中で、高速炉の会議が行われて議論されているわけですから、これは一体だと思うんです。事柄は別々とかということじゃなくて、一体の議論だと。敦賀の「もんじゅ」が今後どうなるかという動向と、それから国が核燃料サイクルを維持していくという方針ですから、その中でどうしていくかというのは一体だと思うんです。ですから、やはり「もんじゅ」そのものについて、なぜこういう失敗をしているのか。あるいは、もっと言えば、核燃料サイクルについてはなぜ行き詰まっているのか。ここの反省と総括抜きに、とにかく高速炉はつくりましょうという計画だけ進めるようではおかしいんじゃないかということを私はお尋ねしているので、それはちょっと御答弁いただきたい。
 それから、子供の医療費無料化について、知事の考えをお尋ねしたいんですが、国の議論はいろいろあります。しかし、国は、小学校に入るまでしか窓口無料化はしない方向ということも打ち出したわけですから、これは今、知事も御答弁されたように、福井県内では県と市町が協力して中学校卒業まで無料化措置をとっているわけですから、国が仮に小学校就学前までしかしなかったとしても、福井県は、市町と協力して現行の中学校卒業までの無料化制度を窓口無料化するというお考えがあるのかどうかを確認したいと思います。
 それから、安全環境部長に確認したいのは、この原子力、(「過ぎたぞ」と呼ぶ者あり)──わかりました。じゃあ、知事にだけ質問します。

◯議長(松井拓夫君) 知事西川君。

◯知事(西川一誠君) 「もんじゅ」の問題につきましては、「もんじゅ」自体のさまざまなこれまでの経過、あるいは今後の方向について、我々は地元として、今後どう40年間の総括をし、これをどう今後の方向に持って行くのかという議論を求めているところであります。
 一方で、「もんじゅ」を含めたさまざまな核燃料サイクルについて、日本としてエネルギー政策上、これをどう進めていくかというのは、国のエネルギー基本計画にもありますように、この位置づけを明確にする必要がありますので、双方を求めているということであります。
 それから、子供たちの医療費の無料化の議論につきましては、現在、国において最終的な議論を進めておりますので、そうした結果を受けて、速やかに自治体の立場で必要な対応を市町と協議をしていくと、こういうことであります。

もんじゅ廃止で県の研究開発拠点化計画見直しへ。教員自殺さらに

2017年02月18日 | 福井県政
昨日は、県議会代表質問、議会運営委員会、議会改革検討会議、各派代表者会議。夕方は再稼働反対金曜行動、夜は共産党の会議でした。

私の議会質問は、23日木曜日の午前10時40分から、となりました。
代表質問にたいする答弁では、もんじゅ廃止にともない、もんじゅを軸としたエネルギー研究開発拠点化計画の見直しを知事が表明しました。西川知事誕生以来、この計画の問題点を私はいっかんして批判してきました。
福井県の原子力行政の最大の転換点です。

教育長は、この10年間で教員自殺が10人と答弁。さらに一人自殺者が増えました。
福井県の教育行政見直しもまったなし!です。


再稼働反対金曜行動では、豚汁の差し入れが!
あったまりました。ありがとうございます。
私もエネルギー研究開発拠点化計画見直しの知事答弁について報告しました。